2006-10-01

[映画]ラジオ・スター/라디오 스타

17:35
ソウル劇場1館
P列21番 7,000W(チケットリンク・パープル会員1,000W割引)
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監督:イ・ジュニク/이준익
出演:パク・チュンフン/박중훈、アン・ソンギ/안성기、チェ・チョンユン/최정윤、チョン・ギュス/정규수、チョン・ソギョン/정석용、No Brain/노브레인
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 1988年に絶大な人気を誇ったロック歌手チェ・ゴン(パク・チュンフン)も2006年の今はすっかり落ち目。彼の20年来のマネージャーであるパク・ミンス(アン・ソンギ)は、何とかチェ・ゴンをもう一度スターの座につけたい。しかし、ミンスの努力と期待を裏切るようにチェ・ゴンは警察沙汰を引き起こしてしまい、何とか取れた仕事は田舎町ヨンウォルのローカルラジオ番組のDJ。番組のプロデューサーはこれまたヨンウォルに左遷されてきたカンPD(チェ・チョンユン)。気が強く頑固な女性PDとふて腐れた元スター歌手は初回から衝突し、ミンスの営業努力も虚しく、町の人々は番組に無関心である。ところが、やる気のないチェ・ゴンがスタジオへコーヒーの出前に来たタバンアガシを勝手に放送に出演させたことが転機となり、「チェ・ゴンの正午のリクエスト」は聴取者参加型の人気番組となる。チェ・ゴンを崇拝する町のロックバンド・イーストリバー(No Brain)の4人組が番組のファンサイトを作ってインターネット放送をしていたため、番組はソウルでも評判となり、「正午のリクエスト」はソウルからの全国放送へ格上げされることになる。チェ・ゴンの前に再びスターへの道が開かれたが、それはパク・ミンスとの縁を切り、有力な芸能事務所と契約することが条件であった。

 ストーリーはロック歌手チェ・ゴンを軸に展開するが、画面を占めるのはマネージャーの方。アン・ソンギの魅力を堪能できる映画である。妻子に苦労させながら、マネージャーとして20年間チェ・ゴンを守り、チェ・ゴンのために頭を下げ、チェ・ゴンの尻拭いをし続けて来た男。営業や企画のセンスも方法も古臭いが、チェ・ゴンの才能を信じ、彼を再びスターにすることが自分の役割と任じている男。ヨレヨレで情けないのに、情に厚く懐の深い、味のある男。韓国人ウケするキャラクターだが、それもアン・ソンギが演じてこそ。さりげない爪弾きのギター演奏や鼻歌には言うに言われぬ情緒が溢れる。ラストシーンでぴたっと決めた傘の位置の鮮やかなこと。あの絵にこの映画のテーマが象徴されている。
 小さなエピソードが新たな展開につながる脚本も面白く、田舎の素朴な町を舞台に短いショットをつないでいく映像も印象的。楽しく切なく心温まる映画に仕上がっている。

 上映前に舞台挨拶のある回を予約していたのだが、その前の回の上映終了後の舞台挨拶も見られるとのことで、エンドロールが流れる中、スクリーン脇の入口から客席に入ると、すぐ目の前にアン・ソンギが。至近距離で見たアン・ソンギはそれはそれはカッコよかった。



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