20:00
ミョンボ小劇場
自由席 20,000W
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作・演出:ユン・ヨンソン/윤영선
出演:オ・ダルス/오달수、パク・スヨン/박수영、キム・ジヨン/김지영、キム・ナラ/김나라
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四つの短い芝居から成るオムニバス形式の演劇。四つの作品は失われた思い出と人生の懐疑・苦痛というテーマで貫かれている。
春・一章。場面は若い女性(キム・ナラ)が引っ越して来たばかりの部屋。片付けの最中に下の部屋の住人である中年女性(キム・ジヨン)がドアの所にやって来る。中年女性は若い女に、部屋のこと、以前の住人のこと、その前は自分が住んでいたことを延々と話し続ける。女の部屋に入るでもなく、自分の部屋に帰るでもなく、ドアの所に立ったまま……。
夏・二章。深夜のタクシーの車内。うとうとする乗客(パク・スヨン)に饒舌に話しかける運転手(オ・ダルス)。いつしか運転手は自分の家庭内の問題を話し始める。夜遅く仕事を終えて家に帰ったら、妻がいなかった。お客さんならどうするか。ようやく妻が戻って来たが、何も聞けず、何も言えなかった。妻も何も言わない。自分はどうしたらいいのだろうか。……
秋・三章。海辺で蟹を捕まえていた男(パク・スヨン)は、見知らぬ男と酒を飲んで帰ってきた。家には彼を待つ女(キム・ジヨン)がいた。女は男が帰っても、驚いて言葉が出ない。髪までぐっしょり濡れた男の姿は、まるで水から上がって歩いて来たようだと言い……。
冬・四章。若い娘(キム・ナラ)が故郷の村の近くにいる。そこにいた男(オ・ダルス)が、娘が村にいた頃の思い出を語り始める。村はダム建設のため水の底に沈んだ。村人全員が村を去った時、娘が可愛がっていた犬は裏山に逃げたが、再び村に戻って来た。新しい家を建てて一緒に暮らそうと言った娘をひたすら待つために……。
謎めいたストーリーが役者の緻密な演技で展開して行く、緊張感溢れる充実した舞台。春で常軌を逸した中年女性を演じ、秋でつかみ所のない妻を演じたキム・ジヨンは同じ役者と思えない変身ぶり。パク・スヨンは夏・秋とも演技のとぼけた味わいが魅力。キム・ナラは一見リアルで実は浮世離れした雰囲気の持ち主。そして、何と言っても、オ・ダルス。べらべら喋り捲る饒舌な運転手役では、いかにも実際にいそうなリアルな芝居と見事な滑舌を披露。人間の姿になった犬は、人間離れした役が得意なこの人の真骨頂。真に迫る犬の鳴き声も、「グエムル」で怪物の声を演じたオ・ダルスなら朝飯前? 個性的な風貌と優れた演技力ゆえ映画では怪人ぶりを発揮することの多いオ・ダルスだが、舞台でちらっと覗かせた素顔はシャイで繊細でとても素敵だった。
2006-09-30
[演劇]賃借人/임차인
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