先月末に見てきましたが、ストーリーはよく練られているし、楽しめるミュージカルでした。
この日はチケット完売。当日券窓口に行列ができました。買えなかった人多数出たはず。
『シャーロック・ホームズ』
2011年8月27日(土)19時
文化空間フィーリング1館(旧・イダ1館)
2階最後列下手寄り
まずは、公式の「シノプシス」の訳です。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
19世紀末ロンドン、じめじめして湿った空気と一日に何度も降り注ぐ雨、そんなあるクリスマスイブ、最高の名家アンダースン家で鳴り響く2発の銃声。そして消えた一人の女性! 15日後、巨額の謝礼と「シャーロック・ホームズ」の事務室を訪れたアンダースン家の3人の男。唯一の相続者としてすべてを手に入れた兄「アダム・アンダースン」、1分の差ですべてを諦めなくてはならなかった双子の弟「エリック・アンダースン」、そして二人ん兄弟の叔父「フォビ-・アンダースン」。
「ルーシー・ジョンスを探して下さい!」
単純な失踪事件ではないことを直感した「シャーロック・ホームズ」が本格的な捜査に着手するや、「アンダースン家」周辺の人物が一人ずつ殺害され始めるが……。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
様々に伏線を張ったミステリーで、回想シーンが混じったりするので、舞台の流れはやや複雑です。
おおよその展開に沿って、舞台で演じられた場面を記していきます。ネタバレありですので、ご注意下さい。もうご覧になった方には、そうそう、そういう話だった、と思い出していただければ。
.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
クリスマスイブの夜。アンダースン家の一室で、エリックが拳銃自殺を図ろうとしている。財産も愛する女性も兄のものとなり、彼に残ったものは一冊の手帳だけ。エリックが引き金を引こうとした瞬間、銃声が1発、続いてもう1発。エリックは拳銃片手に部屋を飛び出して行く。
場面は変わって、シャーロック・ホームズの事務所。興味をひかれる事件がなく退屈しているホームズは、あたり構わず拳銃をぶっ放す始末(コカインはNGなのでしょうね)。助手で書記役のジェイン・ワトソン嬢はホームズを励まし、ホームズが過去の事件(『踊る人形』です)で謎の暗号を鮮やかに解いた経緯が回想される。
そこへ、エリックが調査の依頼にやって来る。銃声事件の後失踪した兄の恋人ルーシーを探して欲しいと言う。続いて、叔父のフォビ-が依頼に来る。さらに、電話でアダムからの依頼も。三人とも高額の謝礼を用意している。
アンダースン家に出向いたホームズは、アダムが女性と寝室にいるのを発見したルーシーが銃を2発撃って逃げた、という事情を聞く。
アダムの相手の女性を訪ねて行くと、彼女は殺されていた。
エリックとルーシーの出会いの回想場面。ルーシーは友人のラブレターをある男性に取り次ぐが、男性は友人に関心がない。ルーシーはエリックに、男性の代わりに友人への返事を書いて欲しいと頼む。一旦は断るエリックだったが、ルーシーに一目惚れして、頼みを引き受けてしまう。ラブレター偽造のお礼に、ルーシーはエリックに手作りの手帳をプレゼントする。
場面は変わって、エリックとルーシーが会っている。エリックはルーシーに、ルーシーがアダムの妻であり、財産相続の権利があることを記した証書を渡す。
フォビ-の差し向けた部下がルーシーを狙い、逆に殺される。
エリックが行くなと言った地下へ行ったルーシーは、監禁された「アダム」を見つける。「アダム」は鍵を持っているのはエリックだけと言い、ルーシーはエリックを探して階上へ行く。その隙に、「アダム」は自ら鍵を開けて、その場を立ち去る。地下に戻ったルーシーは、エリックがアダムを監禁し、今度はどこかへ連れ去ったのだと思う。
フォビーはエリックに、お前がアダムを殺したのだろうと詰め寄る。自分が兄であるアダムとエリックの父を殺したのと同じだと。
エリックはアダム殺しの罪で逮捕される。
しかし、ホームズは真実を見抜いていた。アダムの浮気癖に我慢できなくなったルーシーは、ベッドの上のアダムと女に発砲、アダムは死んだ。現場に駆けつけたエリックは、アダムは大丈夫と言って、ルーシーを現場から遠ざけた。そして、エリックは、アダムが生きていると周囲に思わせるために、一人二役を演じていたのた。その上で、アダムを監禁・殺害した犯人として自分が逮捕されるように仕組んだのだった。愛するルーシーを守るために。
.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
間違いや記憶違いがあるかもしれませんが(お気づきの点、ご教示下さいませ)、おおよそ上記のようなストーリーでした。『シャーロック・ホームズ』というタイトルですが、事実上の主役はエリック(+アダム)ですね。
私が見た日のキャストはこちら。

さて、舞台の感想はといえば。
まず脚本がよく練られています。ミステリーとロマンスの要素をうまく両立させてます。また、事件の様相がなかなか見通せず、モヤがかかっているようなもどかしさがあるのですが、これは「霧のロンドン」のイメージを重ねてあるのですね。
エリック(パク・インベ/박인배)とルーシー(チョン・ミョンウン/정명은)の出会いは、エリックが彼女のために嘘をつく役割を引き受けたところから始まっていた、という設定、うまいですよね~。ルーシーの出番は決して多くないのですが(失踪してるし)、初々しい可憐さが印象に残りました。
叔父のフォビ-は、アンダースン家の当主の座につきたくて自分の兄を殺した人物と後に判明するのですが、怪しさ満点で、いかにも犯人っぽい(そういう人物は往々にして真犯人でないわけですが)。結婚でアダムの財産の相続者となるルーシーは、フォビ-にとって邪魔者。そして、自分の邪な心から、兄に財産を独り占めされたエリックも自分と同じようにアダムとルーシーを亡き者にしたがっているはず、と勝手に思っています。このへんの人物設定もよくできてます。
ワトソン役が女性?と思ってましたが、助手で記録係で医師という原作設定通りのジェイン・ワトソン(ク・ミンジン/구민진)、魅力的でした。
そうそう、ホームズファンにはお馴染みのレストレード警部も登場します。原作のイメージと違って、子供みたいだったけど。
また、ミュージカルとしては、セリフ多め、歌少なめです。ホームズ(キム・ウォンジュン/김원준)のソロはなかったような。でも、全体を見通してバランスよく構成されており、ミュージカルとしても舞台劇としても違和感なく楽しめました。
ミステリーでスピーディーな展開なので、自然と舞台に集中してしまう作品でした。
オリジナルなストーリーでここま完成度高ければ、シャーロック・ホームズのファン(←ワタシです!)も納得です。面白かった。何でも「構想3年」だそうで、時間をかけた甲斐がありましたねぇ。
1ヶ月半の公演でチケットよく売れてましたので、すぐに再演ありそうです。
シリーズ化を検討しているとのことで、今後の公演企画が楽しみです。

ロビーに作られたホームズ事務所のイメージ空間。
こんばんわ!
返信削除初めまして・・
韓国在住の日本人です。
韓国の舞台、特にミュージカルが大好きで、毎月、いくつか見ています。
この「シャーロックホームズ」は、キム・ウォンジュンさんの舞台を一度見たかったのと
チョ・カンヒョンさんが好きなので見ました。
��度見ました。3度目も取りたかったのですが完売でした。
��度目、2度目と観客の反応がエキサイトしていくのを感じて
このミュージカルは、大成功だと思いました。
��度目は、キャンセル待ちの観客が並んでました。
中に入ると簡易椅子が並べられて、座席を増やしてました。
ここが大学路ならではな感じで良かったです(笑)
歌のナンバーもよく、コメントされたとおり、ストーリーのテンポがアップテンポで、集中して見られました。
ルーシーの「何も持ってなかったのはアダムの方だ・・」という彼女のセリフに泣けました。
最初は、同じルックス、全て同じなんだから、自分を愛してくれる、優しいエリックの方がいいじゃない!と、イラッとしましたが、帰宅して考えると、
そんなアダムだったから浮気性の自己中心のアダムの傍に付いていたのかな?と思い、意外と深いストーリーだったな。。と再演が楽しみになりました。
私はカンヒョンさんが好きなので、出会いのシーンが一番好きです。あの笑顔が・・(笑)
あと、最後の「ルーシーは何も知らない・・」とホームズにすがるシーンも・・泣けました。
長くなって失礼しました。
今年はあと、「宮」「ゾロ」「ハムレット」「三銃士」は、見る予定です。
はじめまして。私はヨンジンさんのFANで、先週の千秋楽を含めて3回見に行ってきました。。本当にめちゃくちゃ面白い作品だなと思ったし、ヨンジンさんの歌と演技にまた魅了されてしまいました。。確実にまた上手くなってるなって思って。。10月からはオーディションというミュージカルにも出演するので、また見に行こうと思っています。
返信削除昨日のミュージカル大賞で、3部門を取りましたね。
返信削除本当に、私もガッツポーズでした。^^