16:45
MMC2館
B列805番 6,000W(チケットリンク・パープル会員1,000W割引)
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監督:チャン・ジン/장진
出演:チョン・ジェヨン/정재영、チョン・ジュノ/정준호、リュ・スンヨン/류승용
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チンピラヤクザのチソン(チョン・ジェヨン)はボスの命令で一仕事して刑務所へ入る。刑期は7年。そこで、死んだとばかり思っていた友人スンタン(リュ・スンヨン)に再会する。チュジュン(チョン・ジュノ)はチソンのいなくなった後、ボスの右腕となる。チュジュンは自分のことをヤクザではなく組織に勤める「会社員」だと考えているが、一方でチソンへの友情は厚い。チソン、チュジュン、スンタンは少年時代からの親友3人組なのだった。
組織に見捨てられ裏切られたと知ったチソンは、刑務所からの脱走を企て、組織への復讐を誓う。珍騒動の末に脱獄したチソンの行く手を阻むのは、幼馴染で組織の「会社員」を自認するチュジュンであった……。
チョン・ジェヨンとチョン・ジュノのツートップとして宣伝されているが、チョン・ジュノは公開前のインタビューで「チョン・ジェヨンさんの映画」と語っており、実際に見てみると<チョン・ジェヨンと個性豊かな仲間たち+チョン・ジュノ>という印象。ヤクザの内部抗争が展開するストーリーの中間に脱獄コメディが挟まれ、チソンとチュジュンの友情以外に、刑務所内での囚人たちの奇妙な連帯感と友情関係、チソンの復讐を支える周囲の人々の義理と人情が描かれて行く。特に、刑務所内の囚人たち--人間味ある死刑囚(イ・ムンス)、脱獄研究家(チュ・ジンモ)、サイコ殺人魔(コン・ホソク)、サイコ殺人魔と心を通わせる囚人(キム・ジェゴン)--の個性豊かなキャラクターは秀逸。各人の人生を描く映画がそれぞれ1本ずつ作れそうに思えるほど見事に役柄を掴んでいる脇役俳優たちの名演と、それを生かした演出も見もの。また、チョン・ジェヨンのアクションが爽快。
上映前に舞台挨拶あり。チャン・ジン監督とチョン・ジェヨンが出てくると、客席から「同じだ…」「そっくり…」の声が。確かに体型や髪型、雰囲気が似ていて可笑しい。
チャン・ジン監督:このように公開2週目にまた舞台挨拶ができて嬉しい。
チョン・ジェヨン:面白い愉快な映画なので、できるだけ大勢の人が見てくれるといいと思う。
チョン・ジェヨンはもっといろいろなことを言っていたのだが、思い出せない……。ヤクザ映画と思っていたので、「愉快な映画」と聞いて意外の感があったが、確かに愉快な映画だった。
2006-10-29
[映画]偉大なる系譜/거룩한 계보
2006-10-19
[演劇]ヨムジェンイ・ユ氏/염쟁이 유氏
20:00
大学路・トゥレホール1館
가列19番 20,000W
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作:キム・インギョン/김인경
演出:ウィ・ソンシン/위성신
出演:ユ・スンウン/유순웅
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大学路でロングランを続けている一人芝居。見てみたいと思い始めて1年以上経ち、ようやく劇場へ足が向いた。いつでも見られるロングラン作品はつい後回しになりがちなのだ。劇場へ着いてはたと気がつく。「ヨムジェンイ」って何? 実は芝居のストーリーもよく知らない。パンフレットを買って読んでみると、「ヨムをする人」。「ヨム」って何? 今日、辞書持ってない。
客席に入って何となく見当がついた。舞台上には上手・下手に葬儀の時に着る白い麻の服がかけてある。「ヨムジェンイ」とは、葬儀に先立ち、死者の遺体を清めて麻布で包み棺に収めるまでの作業を行う人のことだった。
主人公のユ氏は、代々ヨムジェンイを家業としてきた家に生まれ、自らもヨムジェンイとなった男。そのユ氏が、以前取材に来た記者を招いて、自分は今回のヨムを最後にこの仕事を辞めるからヨムジェンイの仕事をすべて見届けてほしいと頼む。観客は、記者と一緒に伝統文化を学びに見学に来た人たちに見立てられる。
ユ氏は仕事の手順を説明しながら、自分のこれまでの経験を語る。自分がヨムした暴力団員の幽霊が現れて喜んでくれたこと。近代的な葬儀社との関係。家業を継ぐつもりはなかったが、父に3年間やってみてそれで嫌なら止めていいと言われ、3年で止めるつもりがずっと続けて来たこと。遺産を巡って父親の遺体の前で言い争う家族たちの様子。自分の息子は逆に、子供の頃から「葬式ごっこ」が好きで、自分の反対にも関わらずヨムの仕事がやりたいと言うので、3年間よそで他のことをしてみてそれでもヨムジェンイになりたければやっていいと言ったこと。
一人芝居は観客を巻き込みながら進められて行く。「記者」に目された男性は、遺体を載せた担架を運ぶのを手伝い、ユ氏と酒を酌み交わす。男女二人ずつの観客が舞台の上で死んだ人を前に言い争う家族の役割を演じたりもする。ユ氏の話を聞いていると、自然にそういう風になってしまうのだ。
プログラムに出演者のユ・スンウンは「俳優」でなく「광대(クァンデ=広大)」と紹介されている。「クァンデ」とは伝統的な舞踊・仮面劇・人形劇やパンソリ、綱渡りなどの芸人の総称。ユ・スンウンの舞台歴には、演劇でなく韓国伝統の「マダン劇」作品が並ぶ。この芝居は、出演者が観客に語りかけ、観客を巻き込みながら進行して行く「マダン劇」の一人芝居なのだった。
3年後に戻ってヨムジェンイになると言った息子は、その時になっても帰って来なかった。ユ氏は一人で仕事を続けた。9年後(だったと思う)、ようやく帰ってきた息子はビルの屋上から飛び降りて自殺してしまう。ユ氏が自分の最後のヨムと決めた仕事は、息子の遺体のヨムであった。
ヨムジェンイという、歴史的には卑賤の業とされた仕事、現代では滅びつつある仕事を全うしてきた男の語りを通して、人生、死、伝統、仕事……様々なことを考えさせられる舞台。素材と発想はイム・グォンテク監督の映画「祝祭」に通じる部分があるが、「祝祭」は死者の周囲の人々の葛藤と和解の祝祭を描いたもの。この芝居は、ヨムジェンイとして人の死を見つめ続けて来たユ氏の人生を通して、一人一人の人間の生と死を考えさせる作品となっている。
2006-10-15
[映画]いかさま師/타짜
12:10
ソウル劇場2館
下階J列13番 6,500W(サムソンカード会員1,500W割引)
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監督:チェ・ドンフン/최동훈
出演:チョ・スンウ/조승우、キム・ヘス/김혜수、ペク・ユンシク/백윤식、ユ・ヘジン/유해진
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コニ(チョ・スンウ)は偶然足を踏み入れた花札賭博で一流の「いかさま師」になるためピョン・ギョンチャン(ペク・ユンシク)に弟子入りし、賭場の花チョンマダム(キム・ヘス)と知り合う。いかさまがバレれば右手を潰される裏社会。自分をこの世界に引き入れた男、同郷の「いかさま師」(ユ・ヘジン)、伝説の「いかさま師」アギュ。人生を賭けたコニの戦いは続く。誰が味方で誰が敵なのか……。
「ビッグ・スウィンドル」(原題「犯罪の再構成」)のチェ・ドンフン監督らしく、チョンマダムを語り手に時系列が再構成され、ヤクザ映画というよりはコン・ゲームの面白さを持つ作風。ぐっと大人びてきたチョ・スンウの魅力に、キム・ヘス、ペク・ユンシクの謎めいた存在感がたっぷり味わえる。韓国には本当にこんな花札賭博の世界があるのだろうか。
2006-10-01
[映画]ラジオ・スター/라디오 스타
17:35
ソウル劇場1館
P列21番 7,000W(チケットリンク・パープル会員1,000W割引)
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監督:イ・ジュニク/이준익
出演:パク・チュンフン/박중훈、アン・ソンギ/안성기、チェ・チョンユン/최정윤、チョン・ギュス/정규수、チョン・ソギョン/정석용、No Brain/노브레인
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1988年に絶大な人気を誇ったロック歌手チェ・ゴン(パク・チュンフン)も2006年の今はすっかり落ち目。彼の20年来のマネージャーであるパク・ミンス(アン・ソンギ)は、何とかチェ・ゴンをもう一度スターの座につけたい。しかし、ミンスの努力と期待を裏切るようにチェ・ゴンは警察沙汰を引き起こしてしまい、何とか取れた仕事は田舎町ヨンウォルのローカルラジオ番組のDJ。番組のプロデューサーはこれまたヨンウォルに左遷されてきたカンPD(チェ・チョンユン)。気が強く頑固な女性PDとふて腐れた元スター歌手は初回から衝突し、ミンスの営業努力も虚しく、町の人々は番組に無関心である。ところが、やる気のないチェ・ゴンがスタジオへコーヒーの出前に来たタバンアガシを勝手に放送に出演させたことが転機となり、「チェ・ゴンの正午のリクエスト」は聴取者参加型の人気番組となる。チェ・ゴンを崇拝する町のロックバンド・イーストリバー(No Brain)の4人組が番組のファンサイトを作ってインターネット放送をしていたため、番組はソウルでも評判となり、「正午のリクエスト」はソウルからの全国放送へ格上げされることになる。チェ・ゴンの前に再びスターへの道が開かれたが、それはパク・ミンスとの縁を切り、有力な芸能事務所と契約することが条件であった。
ストーリーはロック歌手チェ・ゴンを軸に展開するが、画面を占めるのはマネージャーの方。アン・ソンギの魅力を堪能できる映画である。妻子に苦労させながら、マネージャーとして20年間チェ・ゴンを守り、チェ・ゴンのために頭を下げ、チェ・ゴンの尻拭いをし続けて来た男。営業や企画のセンスも方法も古臭いが、チェ・ゴンの才能を信じ、彼を再びスターにすることが自分の役割と任じている男。ヨレヨレで情けないのに、情に厚く懐の深い、味のある男。韓国人ウケするキャラクターだが、それもアン・ソンギが演じてこそ。さりげない爪弾きのギター演奏や鼻歌には言うに言われぬ情緒が溢れる。ラストシーンでぴたっと決めた傘の位置の鮮やかなこと。あの絵にこの映画のテーマが象徴されている。
小さなエピソードが新たな展開につながる脚本も面白く、田舎の素朴な町を舞台に短いショットをつないでいく映像も印象的。楽しく切なく心温まる映画に仕上がっている。
上映前に舞台挨拶のある回を予約していたのだが、その前の回の上映終了後の舞台挨拶も見られるとのことで、エンドロールが流れる中、スクリーン脇の入口から客席に入ると、すぐ目の前にアン・ソンギが。至近距離で見たアン・ソンギはそれはそれはカッコよかった。
2006-09-30
[演劇]賃借人/임차인
20:00
ミョンボ小劇場
自由席 20,000W
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作・演出:ユン・ヨンソン/윤영선
出演:オ・ダルス/오달수、パク・スヨン/박수영、キム・ジヨン/김지영、キム・ナラ/김나라
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四つの短い芝居から成るオムニバス形式の演劇。四つの作品は失われた思い出と人生の懐疑・苦痛というテーマで貫かれている。
春・一章。場面は若い女性(キム・ナラ)が引っ越して来たばかりの部屋。片付けの最中に下の部屋の住人である中年女性(キム・ジヨン)がドアの所にやって来る。中年女性は若い女に、部屋のこと、以前の住人のこと、その前は自分が住んでいたことを延々と話し続ける。女の部屋に入るでもなく、自分の部屋に帰るでもなく、ドアの所に立ったまま……。
夏・二章。深夜のタクシーの車内。うとうとする乗客(パク・スヨン)に饒舌に話しかける運転手(オ・ダルス)。いつしか運転手は自分の家庭内の問題を話し始める。夜遅く仕事を終えて家に帰ったら、妻がいなかった。お客さんならどうするか。ようやく妻が戻って来たが、何も聞けず、何も言えなかった。妻も何も言わない。自分はどうしたらいいのだろうか。……
秋・三章。海辺で蟹を捕まえていた男(パク・スヨン)は、見知らぬ男と酒を飲んで帰ってきた。家には彼を待つ女(キム・ジヨン)がいた。女は男が帰っても、驚いて言葉が出ない。髪までぐっしょり濡れた男の姿は、まるで水から上がって歩いて来たようだと言い……。
冬・四章。若い娘(キム・ナラ)が故郷の村の近くにいる。そこにいた男(オ・ダルス)が、娘が村にいた頃の思い出を語り始める。村はダム建設のため水の底に沈んだ。村人全員が村を去った時、娘が可愛がっていた犬は裏山に逃げたが、再び村に戻って来た。新しい家を建てて一緒に暮らそうと言った娘をひたすら待つために……。
謎めいたストーリーが役者の緻密な演技で展開して行く、緊張感溢れる充実した舞台。春で常軌を逸した中年女性を演じ、秋でつかみ所のない妻を演じたキム・ジヨンは同じ役者と思えない変身ぶり。パク・スヨンは夏・秋とも演技のとぼけた味わいが魅力。キム・ナラは一見リアルで実は浮世離れした雰囲気の持ち主。そして、何と言っても、オ・ダルス。べらべら喋り捲る饒舌な運転手役では、いかにも実際にいそうなリアルな芝居と見事な滑舌を披露。人間の姿になった犬は、人間離れした役が得意なこの人の真骨頂。真に迫る犬の鳴き声も、「グエムル」で怪物の声を演じたオ・ダルスなら朝飯前? 個性的な風貌と優れた演技力ゆえ映画では怪人ぶりを発揮することの多いオ・ダルスだが、舞台でちらっと覗かせた素顔はシャイで繊細でとても素敵だった。
2006-09-28
[演劇]ビューティフル・サンデイ/뷰티풀 선데이
20:00
漢陽レパートリーシアター
G列10番
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作:中谷まゆみ
演出:チェ・ヒョンイン/최형인
出演:イム・ユヨン/임유영、シン・ヨンウク/신용욱、チョン・ウォンジョ/정원조
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アンコール公演初日。客席に入ってびっくり。舞台装置ががらっと変わった。初演ではボックスを積み上げて可愛く小ぎれいに作った部屋が、やや古びてはいるものの生活感のある落ち着いた趣に。演技の面でもコミカルな(漫画的な)表現を排除し、生身の人間のリアルな実感を重視。韓国人のイメージする「日本作品」というファンタジーから韓国人の生活に根ざした舞台になったと言える。
新キャストのイム・ユヨン(ウヌ=ちひろ役)、シン・ヨンウク(チョンジン=秋彦役)は実年齢が登場人物の設定に近く、本人の持ち味と演技力が相乗効果を挙げている。初演に続いて出演のチョン・ウォンジョ(チュンソク=浩樹役)は、拾われた病気の仔猫からチョンジンと対等のパートナーに変身。
これは、悩みながらも真摯に生きる道を模索する3人の韓国の若者のドラマだ。
2006-09-25
[映画]私たちの幸福な時間/우리들의 행복한 시간
14:20
ロッテシネマ蘆原7館
J列9番 8,000W
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監督:ソン・ヘソン/송해성
出演:イ・ナヨン/이나영、カン・ドンウォン/강동원
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孤児院出身のチョン・ユンス(カン・ドンウォン)はその生い立ちから人を信じることも愛することもうまくできない。それゆえ結果的に一人の人を殺してしまい、その上に自分がしてもいない殺人の罪まで被って死刑囚となっている。元歌手のムン・ユジョン(イ・ナヨン)は修道女のおばと一緒にユンスに面会に来る。ユンス自身が望んだことであったが、人間も世間も信じていないユンスは心を開かず、自らの孤独を守り続ける。一方、おばに連れられて渋々やって来たユジョンは3度の自殺未遂経験者。彼女もまた過去の出来事が原因で心に深い傷を負い、周囲の人々と円満な関係が築けない孤独な存在だった。
コン・ジヨン(공지영)の同名のベストセラー小説が原作。死刑囚の男と自殺願望のある女が次第に相手に心を開き、惹かれ合い、愛し合い、幸福な時間を共有するようになる。しかし、二人の幸福な時間は死刑執行という残酷な終焉へ向かう時間でもある。題材からすでに感動的な物語を約束されたストーリと言える。
主役二人の演技は真摯で好感が持てた。その割に映像的に印象の強い場面が少なかったのが残念。二人が会える場所は刑務所の面会室だけという設定上の制約があるとはいえ、ストーリーでなく映像で感動させてほしかった。刑務官役のカン・シニル、この作品でも良い役どころ。