15:30
韓国映像資料院・古典映画館
自由席 2000W
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監督:イ・ビョンイル/이병일
出
演:キム・イルヘ/김일해、キム・ソヨン/김소영、ポク・ヘスク/복혜숙
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東亜映画社の文芸部に勤めるイ・ヨンイル(キム・イルヘ)は友人の妹チョンヒ(キム・ソヨン)をレコード会社に紹介する。二人はいつしか惹かれあうようになる。東亜映画はヨンイル原作の「春香伝」を製作中だが、主演女優のアンナが役を降りてしまう。監督のホフンとヨンイルは代役にチョンヒを立て、チョンヒは素晴らしい才能を発揮するが、制作費が不足して撮影は行き詰まる。チョンヒは自分に目をかけてくれる部長に借金を申し込むが、結婚の交換条件を拒絶して席を立つ。ヨンイルは会社の金を製作費に回し、横領罪で拘束される。ヨンイルを愛するアンナは会社の金を弁済し、身体を壊したヨンイルの看病にいそしむ。「春香伝」はヨンイルが行方不明のまま製作が続けられる。その間に大資本が映画業界に参入し、東亜映画社も半島映画社という大会社に吸収されて資金不足は解消する。半島映画社第一回作品「春香伝」封切の日、ヨンイルがアンナと共に姿を現し、ショックを受けたチョンヒは倒れてしまう。アンナはヨンイルとチョンヒのために身を引く決意をする。後日、ヨンイルとチョンヒは映画産業視察のため東京へ旅立つ。
情熱をもって映画を作り続けるヨンイルたちを部長は「水呑み芸術家」と皮肉るが、その部長とて経営基盤の不安定な映画会社の一員でしかない。映画業界の経済を安定させるのは資本主義の発展である。ラストシーンはヨンイルとチョンヒを見送る映画監督ホフンのバストアップで終わり、この作品が映画人の志を軸としていることが見て取れる。
韓国語と日本語のセリフが半々。スクリーンの右には本来の日本語字幕、下には最近つけたと思しき韓国語字幕が出る。2つの言語の使い分けの基準が判断しにくいのだが、登場人物が自らの心情を語る時、登場人物が自分の地位や立場を強調する時、登場人物がカッコつけようとする時、登場人物が何となく使いたくなった時、に日本語が使われているようだ。
劇中、「春香伝」の撮影シーンが見られて面白い。封切の日の映画館には「芸道一代記」「ロビンソンクルーソー漂流記」「李香蘭と???」という宣伝用垂れ幕がかかっていた。「芸道一代記」は溝口健二監督作品が1941年でどんぴしゃ。ロビンソン・クルーソーの話は度々映画化されていて、近いところでは1940年「新ロビンソン漂流記」(米)というのがあるらしい。戦時下アメリカ映画の上映が禁止されるのは真珠湾攻撃の翌日41年12月9日のこと。最後の「李香蘭」云々は不明。映画ではないのかもれない。ちなみに、会場の日劇を七回り半の観客が取り巻いたという伝説の「歌ふ李香蘭」公演が行われたのがこの年の紀元節。
ビールは「麒麟」、タバコは「みどり」。
2006-03-06
[映画]半島之春/반도의 봄
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