2010-08-14

『歌舞伎音楽演奏家名鑑』

 社団法人伝統歌舞伎保存会から 『歌舞伎音楽演奏家名鑑-昭和二十年から現代まで- 長唄・鳴物・竹本』という冊子が刊行されました。

 その名の通り、戦後から現代まで歌舞伎の舞台で音楽(長唄・鳴物・竹本)に関わった演奏家の方々のデータを集録したものです。

 具体的な内容は、伝統歌舞伎保存会のサイトをご覧下さい。紙面の画像も載ってます。

 「戦後歌舞伎を彩った演奏家から現役で活躍する演奏家まで460名を網羅」「生没年月日、芸歴、受賞歴などの詳細データを極力原拠にあたって再調査」という有り難い資料です。

 まず故人のデータも収録されているのが有り難い。最近でこそ筋書に長唄や竹本の方々の名前が載り、毎年発行される『かぶき手帖』で現在活動中の方々のデータが分かるようになりましたが、過去の方についてはよく分からないことが多くて調べようもなかったのですよね。伝統芸能関係の方は名前が変わっていくので、ある公演で○○を名乗る方が誰なのか特定するのも面倒な調査が必要だったりしますし。

 さらに、「専従者以外」という項目を設けて、歌舞伎以外の活動が主である方まで収録しているのが有り難い。歌舞伎専従でない方は、演奏家個人としてよほど名のある人でなければ、記録探すの大変なのです。

 そして、「プロフィールが不明な演奏家一覧」を掲載するなど、データ不明の方まですべてとにかく網羅して、今後の調査研究の礎となるようにという方針が貫かれているのが有り難い。「不明」「未詳」と明記するには、その裏でどれだけ膨大な作業が必要になることか。

 欲を言えば、巻末の索引は本文からも人名を拾って項目立てしてあるとさらに便利だったのですが……、いえいえ、これ以上は望みません。いずれは、ネット上でデータ公開されるでしょうし。

 「文化庁の委託調査の報告書」ということで、一般書店での販売はないのですが、現在、上記サイトを通じて希望者に「実費で頒布」中です。私も早速入手しました。作成した分がなくなったら終わり、という種類の冊子です。関心のある方はどうぞお早めに。

2 件のコメント:

  1. ほしいけど、我慢。
    その分呑みます(笑)

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  2. ただすさん
     え? 呑んじゃうんですか?(^-^;
     蔵書が全部アルコールに変わる日も近い?o(*^▽^*)o

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