2010-04-20

[記事]ソウル演劇祭

 ソウル演劇祭のニュースです。何やら面白そうな新作が続々と登場する模様。記事の中から、公式参加作8編について述べている部分を抄出翻訳しました。
 5月の大学路、良い季節ですよね~。




5月の大学路は創作演劇天国
 ニューシス 2010.04.15

 今年で31回を迎えるソウル演劇祭が26日から5月23日まで大学路・アルコ芸術劇場(아르코예술극장)と大学路芸術劇場(대학로예술극장)で繰り広げられる。

 公式参加作8編中7編が創作劇でお目見えする。(略)

 劇団ウァンジャムニ(완자무늬、卍模様)の『復活、その次に(부활, 그 다음)』(作:オ・テヨン/오태영、演出:キム・ヨンス/김영수)は、資本主義の弊害により陥没して行く現実と、その中で必死に努力して生き残ろうとする隣人たちのあがきを描く。

 劇団ウトゥリ(우투리)の『リ会長殺害事件(리회장 시해사건)』は、映画『殺人の追憶(살인의 추억)』(2003)の原作である『私に会いに来て(날 보러와요)』を書いたキム・グァンニム(김광림)の新作だ。財閥企業総帥の死を巡って、葬式と死の1週間前に起こった出来事をモザイク式に形象化し、社会の断面を皮肉に描く。

 アップルシアター(애플씨어터)の『明日はチャンピオン(내일은 챔피온)』(作・演出:チョン・フン/전훈)は、この時代を生きる人々の生を極事実主義的に舞台上に乗せた作品だ。劇団チャンパ(창파)の『トウモロコシ畑に横たわっていた恋人(옥수수 밭에 누워있던 연인)』(作:チ・ギョンファ/지경화、演出:メン・スンフン/맹승훈)は、砂漠の真ん中でも生き抜く蝶を通して生の希望を見出す、独特な想像力が目を引く。

 この他に、チェコの小説家フランツ・カフカ(1883~1924)の原作が元になっている劇団実験劇場(극단 실험극장)の『審判(심판)』(演出:ク・テファン/구태환)、劇工作所・魔法陣(극공작소 마방진)の『野牛の月(들소의 달)』(作・演出:コ・ソヌン/고선웅)、劇団銀杏の木(은행나무)の『ホンオ(홍어、ガンギエイ)』(作:チョン・ギョンジン/전경진、演出:キム・ソンノ/김성노)、劇団イル(이루)の『カンポに住むブニ、トギ、ヨルス(감포사는 분이, 덕이, 열수)』(作・演出:ソン・ギホ/손기호)等が公式参加作として選ばれた。
 (略)

 ソウル演劇協会が主催するソウル演劇祭は、1977年、大韓民国演劇祭として始まった。昨年までに国内創作劇約300編ほどを紹介、代表的な演劇祭としての地位を占めてきた。

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 キム・グァンニムの新作『リ会長殺害事件』、面白そうです。『殺人の追憶』の原作演劇『私に会いに来て』、見てます。映画に負けず劣らず、スリリングで見ごたえのある芝居でした。新作も見たい~。

 アップルシアターは、『ガラスの仮面』をシリーズ上演している劇団です。美内すずえの漫画『ガラスの仮面』を演劇化、漫画の中で描かれている舞台をそのまま劇中劇として演じちゃってるのです。ストーリーは漫画に忠実、『ガラスの仮面』ファンなら楽しめる舞台になってます。でもそう言えば、この劇団、『ガラスの仮面』以外の舞台を見たことないです。新作で、どんな芝居を作ってくるのか、興味あります。

 『2010 ソウル演劇祭公式参加作戯曲集(2010 서울연극제 공식참가작 희곡집)』が4月26日に刊行されるそうなので、まずはこの戯曲集を入手しなくては。

 翻訳では省略しましたが、公式参加作の他に、「未来よ、ほとばしれ(미래야 솟아라)」のタイトルで、より自由で実験的な演劇作品6編の公演もあります。こちらは5月17日~22日までアルコ芸術劇場・小劇場で毎日1作品ずつ上演。
 この時期にソウルへ行けたら、ふらっと劇場を覗いてみたい企画です。

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