元々見るつもりだったのですが、ソウルへ行く前日に i Tour Seoul のサイトを覗いたら、4列目センターの席が1つぽつりと残っていて、即ポチしました。良い席で見られて、本当によかった。
『シラノ・ド・ベルジュラック(시라노 드 베르쥬락)』
11月7日(日)15時
明洞芸術劇場(명동예술극장)
4列14番
演出:キム・チョルリ(김철리)
出演:アン・ソクァン(안석환)、キム・ソンギョン(김선경)、イ・ミョンホ(이명호)、他。
『シラノ』も『白野』も見たことありません。この作品、初見です。それでも、すごくカジュアルな演出で、現代人、特に現代の若い人に受け入れられる芝居作りをしていると感じられました。だって、シラノがジーンズ姿なんですよ。客席には若い人も多く、非常に反応よかったです。私もこの演出はとても気に入りました。面白かった。
ストーリーは、戯曲通り、正統です。下手でギターの生伴奏あり。
シラノの鼻は、天狗みたいで、白くて、紐を耳にかけて支えてます。ロクサーヌに求婚する伯爵を騙す場面では、シラノとばれないように自分で鼻を取って頭に載せます。最後の場面では、ロクサーヌが息を引き取ったシラノから鼻を取りはずして大切に胸に抱きます。
劇場ロビーに掲示されてた写真入り新聞評の画像を載せておきますね。

この鼻のおかげで、アン・ソクァンの眼が生きる。眼の動き、眼の表情がクローズアップされてるように、鮮やかに見えてくるのです。そう見えるように計算して、鼻のデザインを決めたのでしょう。
シラノは自分の内心を押し隠し続ける役ですから、この眼の演出効果は抜群。そして、アン・ソクァンの眼の演技が本当に素晴らしいのです。希望に輝き、哀しみを漂わせ、絶望し、情熱を秘め……。
その眼の表情に時に寄り添い、時に背反するシラノの身振りが、また素晴らしい。一挙手一投足からシラノの心情が伝わってきます。
舞台の上のシラノから眼が離せませんでした。上演時間170分(休憩15分含)、全く長く感じませんでした。それどころか、もっともっとシラノを見続けていたかったです。
芝居が終わって暗転しても、しばらく拍手が起きませんでした。それほどに客席全体が感動してました。
甘いマスクのクリスチャン役イ・ミョンホ、美しい声と容姿を持つロクサーヌ役キム・ソンギョン、役柄に合っていてよかったです。と、相手役についても書いておきます、一応。
こちらの記事に修道院の場面の舞台写真、こちらのサイトにカーテンコールその他の写真が載ってます。興味ある方はご覧になってみて下さい。舞台の雰囲気が少し分かると思います。私はカーテンコールで写真撮ろうなんて、全然思いつかなかったです。舞台の余韻にどっぷり浸ってて。
今週末までにソウルへいらっしゃる方、オススメです。ぜひ!
0 件のコメント:
コメントを投稿