2006-04-16

[ミュージカル]アイーダ/AIDA

19:30
LGアートセンター
3階2列8番 40,000W
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音楽:エルトン・ジョン
翻訳:キム・チョルリ/김철리、チョン・ミョンジュ/정명주
監督・韓国語歌詞:キム・ジェソン/김재성

演:オク・チュヒョン/옥주현(アイーダ)、ペ・ヘソン/배해선(アムネリス)、イ・ソクジュン/이석준(ラダメス)、イ・ジョンヨル/이정열(ゾーザー)、キム・ホヨン/김호영(メレブ)、チョン・ククァン/전국환(アモナスロ)、キム・ギルホ/김길호(ファラオ)
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 昨年8月から長期公演を続けている「アイーダ」。楽を目前に滑り込み観劇。ブロードウェイからそのまま持ち込んだという舞台装置と衣装は象徴的かつ大胆でインパクト強し。
 アイーダ役のオク・チュヒョンは歌手(女性4人グループ「ピンクル(Fin.KL)」のメインボーカル。グループは現在個別活動中)だけあって歌は上手く熱演だが、やや単調なきらいがあるのと発声に癖があって歌詞も台詞も聞き取りにくいのが難。私の聞き取り能力の問題かとも思ったが、客席でばったり遭遇した教え子の卒業生に聞いたら、韓国人でも聞き取りにくいとのこと。
 イ・ソクジュンは歌も演技も迫力満点、存在感のある堂々たるラダメス。これまた抜群の存在感を持つイ・ジョンヨル演じるゾーザーの息子にふさわしい。陽の息子に陰の父といったところ。イ・ジョンヨルはしわがれ気味の独特の声質が陰謀を企む役柄に合い、配下の軍団との呼吸もぴったり。アンサンブルの振付は怪しげに面白く、ダンスも上手い。ゾーザーの腕の一振りに素早く組織的に反応するアンサンブルのダンスを見ながら、歌舞伎の殺陣を思い起こす。
 アムネリス役のペ・ヘソンはきれいな声とスレンダーな容姿にコミカルな演技で、やり過ぎの感がなくもないがダイエットやファッションなど現代的な事物を取り入れた演出にマッチして面白い。
 アイーダを助けるメレブ役キム・ホヨンは、主人に忠実で気の利く召使という役柄をかわいらしくコミカルに演じて大人気。この役、「春香伝」のパンジャ(春香の恋人・夢龍の召使で、二人の間を取り持つ役)に似た役柄である。



 第一幕90分、第二幕50分、休憩含めて160分という長い芝居だが、エルトン・ジョンの音楽とキャストの歌の上手さに乗せられ、あっという間の160分だった。なぜ今エルトン・ジョンなのかという疑問もなくはなかったのだが、彼の曲はどれも心地よく耳に響き、幻想の世界に誘ってくれる。現代の博物館を舞台としたプロローグ・エピローグを付け加え、本編を古代エジプトへのタイムトラベルといった位置づけで見せる構造の芝居で、観客にタイムトラベルの夢を見せ続けた第一の要因はやはり音楽の力であろう。



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