2006-04-25

[演劇]ノイズ・オフ/NOISES OFF


20:00
東崇アートセンター・東崇ホール
R席 1階나ブロック6列3番 28,000W(ファンサービスプレビュー30%割引)
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作:Michael Frayn
芸術監督:キム・オンラン/김옥랑
演出・翻訳:キム・ジョンソク/감종석
舞台監督:イ・ソンジン/이성진

演:チョン・ヒョン/정현(俳優チャン・ヒョン=泥棒役)、ソン・ヨンチャン/송영창(俳優シム・ヨンチャン=フィリップ役)、アン・ソクファン/안석환(演出家ミン・ソクファン)、ソ・ヒョンチョル/서현철(俳優ノ・ヒョンチョル=ロジャー役)、ソ・イスク/서이숙(俳優カン・イスク=クラケット役)、パク・ホヨン/박호영(俳優コン・ホヨン=フラビア役)、キム・テイ/김태희(助監督ピョ・テイ)、キム・クァンドク/김광덕(俳優メン・クァンドク=ビッキー役)、イ・ファリョン/이화룡(舞台監督ソ・ファリョン)
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 日本でも昨年6~7月新国立劇場で「うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ」のタイトルで上演された作品。3幕のバックステージ物。第1幕は劇中劇「ナッシング・オン(Nothing on)」初日前夜。元々準備不足であちこちボロが出るドレスリハーサルの様子を見せる。第2幕は公演日程中盤のある日の本番舞台裏。本番中であるにも関わらず、舞台裏では演出家の二股恋愛、俳優同士の三角関係やライバル意識、半ばボケているアル中の老俳優の勝手な行動など問題が次々と顕わになり、ドタバタの大騒ぎの中、俳優たちは必死で舞台を進行させて行く。第3幕は2幕の装置が回って、公演日程終盤のある日の舞台。舞台裏で破綻した人間関係は表の舞台にも影響を与え、「Nothing on」の本番はメチャクチャに……。上記出演キャストは括弧内で(「Noises Off」の役名=劇中劇「Nothing on」での役名)を記した。
 予約したチケットを受け取りに窓口へ行くと、首からかける「STAFF」証を渡された。裏にチケットが入っていて、このスタッフ証がチケット代わりになる。観客は、劇中劇「Nothing on」のドレスリハーサルに参加するスタッフとして劇場に入るという洒落た趣向。
 さて、泥棒役の老俳優を演じるチョン・ヒョンの飄々とした味がいい。3幕通して、アル中気味で半ばボケているという一貫した役柄で、周囲のドタバタと好対照を作り出して、この芝居の中核。一方、ソン・ヨンチャンとパク・ホヨンが「Noises Off」の俳優役と劇中劇「Nothing on」の役柄とをうまく演じ分けて、芝居の枠組を支えた。この3人以外にも上手い役者を揃えて、出入りも道具も多く常時微妙なタイミングを要求される芝居をきっちり演じ切った水準の高い舞台。ホンの面白さを十分に生かし、客席は爆笑に次ぐ爆笑だった。涙が出るほど笑ったのは久しぶり。
 ちなみに、ソン・ヨンチャンは映画「反則王」で主演ソン・ガンホの上司を演じていた人。やっぱり上手い。久しぶりに、それも舞台で見ることができて嬉しい限り。



2 件のコメント:

  1. 原作は知らないんですが、東京サンシャインボーイズの「ショー・マスト・ゴー・オン」を思い出しました。
    面白そうですね。
    アン・ソクファンって、あの(どの?)アンソクファンですよね?
    この人の舞台、一度見たいと思ってたんですよー。
    羨ましいです。
    ソン・ヨンチャン、確かにしばらく見てないです。
    今日本で公開中の『デュエリスト』に出てるらしいんですが、未見です・・・。

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  2. べってぃさん、こんにちは。
     そうそう、作品のコンセプトはまさに"Show must go on"ですね。東京サンシャインボーイズの舞台は知らないんですが。
     すごく面白かったのと、聞き取れないセリフがあったのとで、早くも再見してます。レビューもすぐにアップしますね。
     アン・ソクファンは、そう、あのアン・ソクファンです……ってどのアン・ソクファンだか分かりませんが、多分そうでしょう。「公共の敵」に出てた人。
     「デュエリスト」は私も未見です。テクニカルな面での評価が高かったので一応見ておきたいと思ってたのが、ソン・ヨンチャンが出てると分かって、絶対見なくちゃ、に変わったところです。「反則王」の銀行の上司、お気に入りだったんですよ~。「알았지?」とか真似してましたもの。(あの作品のソン・ガンホの真似はしたくてもできなかったので……。)

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