広州旅行へ発つ前日に見た舞台です。広州行きの飛行機の機内で書きました。旅行の話を書く前にポストしておこうと思ってたのですが……。
後回しにするのも何ですので、割込ませてしまいます。
3月18日(水)19時
ル テアトル銀座
26列8番
脚本:鈴木聡
演出:山田和也
音楽:宮川彬良
渡辺プロダクション(いわゆるナベプロ)を創業し、数多のスター歌手を育てた渡辺晋・美佐夫妻の人生を描いたミュージカル。ナベプロ歌手たちの歌がちりばめられているので、子供の頃から耳に馴染んだ懐かしい歌、思い出の曲が次々登場して、楽しい芝居でした。
「ブルーシャトー」を「森とんかつ 泉にんにく、かーこんにゃく」と歌ってくれたのはツボでしたよ。
舞台はいきなり RAG FAIR が歌う焼夷弾や空襲警報の「アカペラ」から始まります。びっくり。これが真に迫った「アカペラ」で、あっという間にそこは戦中・戦後の日本。物語に引き込まれてしまいます。
シンさん(原田泰造)とミサ(戸田恵子)の出会いは進駐軍の米兵相手のジャズクラブ。ジャズ、ロカビリー、ザ・ピーナッツ、SUKIYAKI、クレイジーキャッツ、天地真理、アグネス・チャン、沢田研二、太田裕美、キャンディーズ……。シンさんとミサの人生は、戦後日本の大衆音楽史そのもの。
第一幕のラストは、全員の「ザ・ヒットパレード」(「引っ張れ~、引っ張れ~」って歌ってましたよね)で賑やかに。第二幕の最後は、実際に渡辺晋の臨終を見守りながら長女が口ずさんだという「スターダスト」(「シャボン玉ホリデー」のエンディング曲)でしんみりと。
第一幕1時間25分、第二幕1時間15分。休憩含めて3時間の長丁場が全く苦になりませんでした。
戸田恵子、芝居も歌も巧者ですねぇ、ホント。意地っ張りで跳ねっ返りの女子大生時代から、夫と共に芸能マネージメントに奮闘する働き盛りの頃、孤独と病を抱え込んだ夫を支え続ける人生晩年と、自然に変化していきます。どんどん魅力が増してゆくのがすごい。女子大生時代のモノトーン、ザ・ピーナッツのアメリカ公演に帯同した時のイエロー、功成り名遂げて安定してからのライトグリーンと、衣装も素敵。
原田泰造、「スマイル」が口癖・モットーの「シンさん」にはまってます。この人の芝居から伝わってくる、明るさ、素直さ、人柄のよさ、貴重です。舞台でもテレビでも、見てると嬉しくなっちゃう人ですよねぇ。
特に良かった曲。オリジナルのメインテーマ曲「ギブ・ミー・ミュージック」。RAG FAIR のベースで厚みの増した「こんにちわ、赤ちゃん」。ミサと洋子(北村岳子)の競演デュエット(+RAG FAIR)のオリジナル曲「エニシング・ゴーズ」。
歌の力、音楽の力をしみじみ実感。この力がミュージカルの楽しさの源泉ですよねぇ。
演奏は、「宮川彬良とザ・ヒットパレード」と名付けられた、超一流スタジオミュージシャンのドリームチーム。「トランペット(数原晋)は『必殺』の人」と聞いて、「そのトランペットを生で聞けるだけでチケット代の元が取れる」と思ったことは秘密です。
カーテンコールの後、客席に照明が入ってお客さんを送り出すのに、舞台に残ってたドリームチームがオリジナル曲と「蛍の光」を生演奏。
贅沢すぎて、もったいなくて、席立てません。帰れません。
劇場全体が昭和に戻った、夢の舞台。舞台を作ってる人たちの、あの時代の芸能界、あの時代の名曲の数々に対する深い愛情や様々な想いが伝わってくる公演でした。
BSだったかテレビで見ました。
返信削除泰造さんの熱演が素晴らしい、見応えありましたね。生はもっといいやろうなあ。
また観たいのは、セイムタイムネクストイヤーですね。でも高畑淳子さん超売れですしねえ。
チャムリエさん
返信削除原田泰造さん、素敵ですよね。この作品、役者さんたちは体力的にすごく大変らしいんですけど、皆さん、本当に熱演でした。
東京公演は明日が千秋楽ですが、大阪公演が4月1日~5日まで全7回あるそうです。
http://www.fujitv.co.jp/events/hit-parade/info.html
「セイムタイム・ネクストイヤー」は私も見たいです~。もう一度だけやってくれないかなぁ。