韓国旅行3日目、朝から映画2本ハシゴしました。鍾路3街(종로3가 )のピカデリーは第1回目の上映が9時台なので、お昼までに1本、マチネまでにもう1本見られる便利な映画館です。
ハシゴ1本目は『シラノ;恋愛捏造団』。韓国語タイトルの「조작」は漢字を当てれば「造作」ですが、日本語と違い、「捏造、でっち上げ」という意味。依頼に応じて恋愛を「作り上げちゃう」エージェンシーです。一応、「捏造団」と訳しておきました。
『シラノ;恋愛捏造団』(시라노; 연애조작단)
10月17日(日)9時10分
ロッテシネマピカデリー館
監督:キム・ヒョンソク(김현석)
出演:オム・テウン(엄태웅)、イ・ミンジョン(이민정)、チェ・ダニエル(최다니엘)、パク・シネ(박신혜)、パク・チョルミン(박철민)
まずは公になってるあらすじです。
100%成功率に挑戦する「シラノ;恋愛捏造団」が予測を許さない依頼人とターゲットに出会った!
「シラノ・エージェンシー」は恋愛に不慣れな人たちの愛を、代わりに成就してあげる恋愛捏造団だ。時には映画撮影場を彷彿させる組織的な動きで、時には秘密作戦遂行のように完璧に練られた脚本で、依頼人の愛を成就してあげる恋愛エージェンシー。彼らの信条は「日陰で働き、日向に出ない」だ。
そんなある日、スペックは最高だが恋愛はからっきしダメな、2%足りない依頼人サンヨン(チェ・ダニエル)が、エージェンシー代表であるビョンフン(オム・テウン)と彼の作戦要員ミニョン(パク・シネ)を訪ねて来る。彼が恋する女性は、内心を知りがたい、愛らしい容貌のヒジュン(イ・ミンジョン)。しかし、彼女のプロフィールを見た瞬間、ビョンフンは苦悩に落ち込むことになり……。
果たして、「シラノ;恋愛捏造団」はミッションを成功させることができるのだろうか?
「シラノ」というタイトルから、ストーリーの構図は予測できますね。この現代版シラノ、若手ばかりの小さな劇団が資金稼ぎのために始めた仕事、と設定されてるのが面白いです。
メンバー全員が劇団員なので、依頼人に合わせて脚本書くのも、大掛かりなセッティングでロマンチックな状況をでっちあげるのも、お手の物。エージェンシーの本拠地は閉鎖中の小劇場で、バックに映るゴチャゴチャした小道具、依頼人にセリフの稽古をつける場面、演劇好きにはワクワクできる見どころも。
オム・テウン、いい役者になってきましたねぇ。これからが楽しみだと思いました。
パク・シネ、ラストは途中から「そうなのかな?」と薄々予想できるのですが、それゆえにワインバーでの演技は見ものでした。この場面、「え?どっち?どっち?」と真剣に見入ってしまいました。このへんは見てのお楽しみ。
脚本担当のチョルビンを演じるパク・チョルミン、いい味出してます。「恋愛捏造団」なんて絵空事の中で、この人の存在は大きいです。
イ・ジョンミン、様々な容貌を見せてくれて、そのどれもが可愛くてきれい。魅力的です。
最初の依頼人は「シラノ」の仕事の流れを見せるための成功事例で、依頼人を恋愛仕様に作り込んでいくところで、今の若い女の子たちが好む男性のスタイル・タイプを見て取れるのが楽しいです。ただ、仕事の流れを見るのは興味深いのですが、途中でややダレてきます。難しいですね、こういうの。
次の依頼人がチェ・ダニエル。ファンドマネージャーの仕事で若くして実績のあるエリートビジネスマン。ところが、恋愛のこととなると全く弱気で、冴えない男性。それが、次第にイイ男に変わっていくのは、見ていて楽しいです。単純に。
さて。
この作品の最大の功績は、今の韓国の若者に、『シラノ・ド・ベルジュラック』という戯曲や映画の存在を広く知らしめ、興味を持たせたことではないでしょうか。劇中、オム・テウンが昔の映画を見ていたり(白黒映像だったので、おそらくホセ・フェラー主演版)、演劇の『シラノ』の話が出てきたりするんですよね。この映画をきっかけにエドモン・ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』に関心を持ち、昔の映画を見てみよう、戯曲を読んでみようと思う人が結構いそうな気がします。
現在上演中の『シラノ・ド・ベルジュラック』(10月22日~11月14日、明洞芸術劇場)、映画に影響された若いカップルが詰めかけてたりして。(^_^;
(以下、2010.10.24、16:15追記)
この映画の公式サイト、「シラノ・エージェンシー」という会社のサイトという形になってまして、「会社紹介」「代表のご挨拶」「サービス案内」「組織図」などの内容が盛り込まれてます。URLもそれっぽく、「www.cyranoagency.com」。
「代表のご挨拶」冒頭には、「こんにちは。(株)シラノ・エージェンシー代表理事オム・テウンです。」
か、株式会社だったのか!!! シラノ・エージェンシーの株、買いたいです。将来性、あると思います。
>捏造
返信削除そうか!そう訳した方がいいですね。
「操作」ではどうもしっくりこないと思っていました。
ありがとうございます m(_ _)m
映画も芝居も、韓国は「シラノ」流行りですね。
阿青さん
返信削除ニュアンスとしては「でっち上げ」ぐらいだと思うのですけれどね。「捏造」だとネガティブなイメージが強すぎて。
意訳するなら、「恋愛創造団」の方がよいかもしれませんね。
「シラノ」、私もこの機会にホセ・フェラー主演の映画を見ようと思ってます。(o^-^o)
記事末尾に、映画の公式サイトについて、追記しました。(o^-^o)
返信削除おはようございます
返信削除土曜日は偶然お会いできて
うれしかったです
「シラノ」
私は、この映画の前に
「解決士」をみていて
「あのぼーっとした若い刑事いい仕事してたよね〜」
と、友人と話したあとに
見たら、一番目の依頼者でした(笑)
「モテない男」ピッタリでしたね
rinrinさん
返信削除こちらこそお目にかかれて嬉しかったです。
『解決士』、ご覧になってるんですね。羨ましい。これはタイミングが合わなくて、未見です。
一番目の依頼者、ソン・セビョク(송새벽)ですね。
『解決士』の刑事役はすごく評判よくて、オ・ダルスとソン・セビョクの刑事コンビの主演でスピンオフ作ってほしい、って話がありました。
オ・ダルスのファンの私、「作って~!!!」と思ってたのですが……本当にできたら嬉しいな~。o(*^▽^*)o
ソン・セビョクさんと
返信削除おっしゃるのですね
ありがとうございます
��オ・ダルスとソン・セビョクの刑事コンビの主演でスピンオフ作ってほしい
わかります!!!
このふたり
ジミ〜なんですが
やるときは
やるんです!!
きちんとした
正義感も持っていて
いいです
今日東京国際映画祭「男達の晩歌」良かったです
昨夜予習を2時までしましたが
今日見た映画はきっちり
韓国映画でした
「無籍者」の意味がわかりました
rinrinさん
返信削除あぁ!『무적자』は『無敵者』より『無籍者』の方がいいですね。両方掛けてるのかもしれません。
香港版『英雄本色』の韓国タイトルはそのまま『영웅본색(英雄本色)』なのですよね。なので、今回のリメイクがなぜ『무적자』なのか気になってました。
「無籍者」は納得行きます。ありがとうございます。
『解決士』のオ・ダルスとソン・セビョク、魅力ある役柄なんですね。見たい~。DVD出るのが待ち遠しいです。