2010-03-02

韓国演劇情報/10.03.02

 つい今しがた入ってきた情報で、ちょっと気になる公演なので書いておきます。
 翻訳文の劇団名「ムィトス」はハングルの音をそのままカタカナ表記しましたが、mythos=ミトスです、多分。「mythos」は、一般的には「미소스(ミソス)」「미토스(ミトス)」になるんですけど。




演劇集団ムィトス20周年公演、ジャン・ジュネの『流刑地』を韓国初演
 OSEN 2010.03.02

 演劇集団「ムィトス(뮈토스)」(代表オ・ギョンスク(오경숙))が20周年を記念して、ジャン・ジュネの『流刑地(유형지)』を我が国で初めて上演する。

 今回の公演は、韓国の観客には『女中たち(하녀들、下女たち)』という戯曲で最もよく知られているフランスの代表的な実存主義作家ジャン・ジュネの誕生100周年を記念する意義もある。『流刑地』は韓国初演作品で、劇団「ムィスト」が持っているアバンギャルドな実験精神が観客にどのように受け入れられるか期待される。

 罪人を遠方に送って服役させる場所を意味する『流刑地』は、「ジャン・ジュネ」が1949年に書き始め、書いては止めを繰り返して、結局1964年に作品から完全に手を引き、最終稿も燃やしてしまった後、彼の死後に発見された残された資料を集めて再構成した作品だ。幕や場で分けられていない、一種の未完成戯曲だ。ジャン・ジュネの『流刑地』は実在したカイエンヌ(南アメリカ・フランス領ギアナ)と違い、砂漠の中に位置しており、総勢55名の人物が登場し、ジャン・ジュネの夢幻的な世界を反映する。(略)

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 『女中たち』のジャン・ジュネの作品ということで興味津々です。が、『流刑地』って日本語タイトルは何なのでしょう? ネットで検索してみても、ジャン・ジュネのどの作品に当たるのか分かりません。この記事を読む限り、そもそも「ジャン・ジュネ作」と言える作品なのかどうか怪しいのですが。記事本文でジャン・ジュネという作家名に引用符つけてるのは、それゆえですよね。

 記事の後半、省略部分で作品内容に触れています。<流刑地に女性はいないが断頭台という象徴的な死の形で女性性が存在し、女性は黒で夜で月、男性は昼で白で太陽と対置されている>。このへんを踏まえても作品名を特定できませんでした……。

 お分かりになる方、ぜひ教えて下さい。

 公演は、3月18日~21日まで、大学路芸術劇場・大劇場(대학로예술극장 대극장)にて。韓国文化芸術委員会(한국문화예술위원회)とソウル文化財団(서울문화재단)の後援で、ソウル文化財団の2010年公演芸術創作活性化支援選定作でもあるそうです。

2 件のコメント:

  1. 最後まで残った人2010年3月3日 8:08

    初めまして。
    韓国ミュージカルや韓国映画に興味を持っているものです。
    いつも,楽しく拝見しています。
    「유형지」は「 Le Bagne」(徒刑場,流刑地)でしょうか?
    ジャン・ジュネ伝(J=B・モラリー著,リブロポート)などをみても少ししかふれられていませんが,完成されなかった戯曲というとこれでしょうか?
    ジャン・ジュネの作品,テレビで『女中たち』くらいしか見たことありません。
    では,また。

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  2. 最後まで残った人さん
     コメントありがとうございます。
     謎めいたハンドル、素敵ですね。(o^-^o)
     ジャン・ジュネの『유형지』、『Le Bagne』(徒刑場,流刑地)でビンゴだと思います。
     すごい! ありがとうございます!
     お陰さまで、「ジャン・ルネ Le Bagne」でGoogle検索できました。結果、日本語サイトは1件だけ、こちらがヒットしました。
     「2006年5月19日 Jean Genet, Le Bagne, Athénée Théâtre Louis-Jouvet」の記事内容と、韓国の公演のニュース記事の内容とを突き合わせると、この作品で間違いなさそうです。
     私の記事の日本語翻訳で省略している部分には、「サンテ・ポルラノ(쌍떼 포르라노)」「マルケティ(마르케티)」「ペラン(페랑)」「ロキ(로키)」という登場人物名が見えてます。
     一気にいろいろな情報が得られて嬉しいです。ホント、ありがとうございます。
     日本では全く上演されたことがなさそうな作品ですね。
     韓国での公演、見てみたいですけれど、この日程では無理そうで残念です。

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