ここにあるのは、オペラ劇場、中劇場、小劇場、クラシックのコンサートホール、リサイタルホール、美術館。隣接して、国楽(伝統音楽)のための大ホール、小ホール。あぁ、羨ましい。

右側、てっぺんが帽子みたいな建物がオペラハウスです。オペラ劇場、トウォル劇場、自由小劇場の3劇場がこの中にあります。
『レインマン(RAIN MAN/레인맨)』
3月6日(土)15時
芸術の殿堂・自由小劇場(예술의전당 자유소극장)
3階3番
演出:ピョン・ジョンジュ(변정주)
出演:パク・サンウォン(박상원)、ウォン・ギジュン(원기준)ミン・ジファン(민지환)、パク・ミンジョン(박민정)
映画『レインマン』を舞台化した作品です。日本では2006年に椎名桔平・橋爪功で上演されていて、これが世界初演でした。日本の脚本・演出は鈴木勝秀。
今回の韓国公演は2009年に続く再演です。ネット上の公演情報では「오리지널 Creative Team 대본(オリジナル Creative Team 台本)」や「Staff」として「Katsuhide Suzuki」とあり(公演プログラムでは、スタッフとしてのクレジットはなし)、日本の台本を元に製作している舞台なのでしょう。日本の舞台は未見で、比較できないのですけれど。
自閉症の兄レイモンド役を演じたパク・サンウォン。素晴らしい演技力でした。舞台にいる間一瞬たりとも気を抜けない自閉症という役柄を見事に演じ切ってました。何より「レインマン」が愛すべき存在に見えたのが素敵。チャーリーが「レインマン」に兄弟の情愛を持ち始めるのがとても自然に感じられました。
ストーリーは映画をほぼなぞって展開します。ウォン・ギジュン演じる弟チャーリーの職業がネットトレーダーという設定は現代風ですね。
映画と演劇ではっきり違うのは、最後にレイモンドが病院へ帰っていく理由。映画では裁判の結果ですが、演劇ではレイモンドの意志。また、兄弟の心が通じる出来事が、映画ではパンケーキのシロップのエピソードですが、この公演ではサッカーで、兄弟二人でリフティング20回を達成しようとします。ところが、舞台は生もの、失敗続きでなかなか20回まで続かず、何度も何度も繰り返し、結局達成できないまま終了。面白かったけど、この場面はストーリーの枠組をはみ出していて、当然ながら自閉症レイモンドの役作りも破綻してました。これ、日本版でも同じ演出だったのでしょうか?
舞台は中央にシンプルなソファとテーブル。上手下手それぞれにベッド。下手ベッドの近くにはバスタブ。上手には高めのテーブル。背後に壁を立て、その後ろを通ることで各空間の距離感と移動を表現します。かなり複雑な場面転換をうまく処理してました。このへんも日本版ではどうなっていたのか知りたいところです。
休憩10分を含めて、上演時間2時間40分。芝居は充実してましたが、疲れました。リフティングを一発で決めて2時間30分というのが本来の形なのかも。
客席に小学生の子供連れのお客さんがちらほら目立ったのが驚きでした。7歳未満入場不可という公演でしたから、7歳~10歳ぐらいでしょうか。子供向けの芝居ではありませんが、考え方によっては子供に見せたい芝居です。失敗続きのリフティング場面で嬉しそうにケラケラ笑ってた以外は、2時間40分の長丁場をじっと静かに鑑賞していて、これまた驚きでした。
日本版の『レインマン』には、子供の観客、いたのでしょうか?
久しぶりに書込みいたします。
返信削除「レインマン」 2時間40分もあるのですね。
マチネにちょっと見に行くにはアクセスが^^;
でもこの場所一度は行ってみたいと思っています。
ももんがさん
返信削除そうなんです、2時間40分もあったんです。それ知らなくて2時間程度と思っていたので、ぐったり疲れました。分かってれば、初めからそれなりの覚悟をして臨んだのですけれど。
そうなんです。芸術の殿堂はアクセスが……。これ見たい!行こう!と気楽に行くにはちょっと……。
今回は『レインマン』と『爾』をハシゴできたのでよかったのですけれど。
でも、とても素敵な所なんですよ~。以前よりずっとお洒落な場所になってましたし。
機会を見つけて、ぜひいらしてみて下さいね。上演作品も良いもの多いです。公演期間が短いのが難ですが。
ありがとうございます。そうですね!
返信削除この劇場でハシゴできる公演があればいいのですね。
ももんがさん
返信削除ここでのハシゴは快適です。(o^-^o)
ぜひ実現して下さいね!