2010-03-19

[演劇]演劇 爾/연극 이

 映画『王の男』の原作演劇、初演から10周年を記念しての公演です。初演のキャストがほぼ全員揃うというのが見どころ。キム・ネハの燕山君(연산군)を見たくて、この日の観劇となりました。
 この作品は、2006年1月に続いて二度目です。




『演劇 爾(연극 이)』
3月6日(土)19時
芸術の殿堂・トウォル劇場(예술의전당 토월극장)
1階C列47番
作・演出:キム・テヨン(김태용)
出演:キム・ネハ(김내하)、オ・マンソク(오만석)、イ・スンフン(이승훈)、チン・ギョン(진경)、チョ・ヒボン(조희봉)

 期待のキム・ネハ、素晴らしかったです。燕山君という人は確かにこういう人物だったにちがいないと思わせてくれる演技でした。
 冒頭、毒を賜って死んだ母を追慕して痛切に慟哭する姿が、早くも只者ではありません。寵妃ノクスに対する甘えと情欲、芸人コンギルの偏愛と虐待、臣下たちへの無慈悲で暴虐な振舞。くるくる変わる激しい気性の爆発とエキセントリックな言動の連続です。キム・ネハの激情型の演技がとても魅力的で、燕山君から目を離せませんでした。

 コンギル役のオ・マンソクとノクス役のチン・ギョン。二人とも上手いし、きっちり芝居してたのですが、キム・ネハが凄過ぎました。
 後半、チャンセン役のイ・スンフンが登場すると、さすがの存在感。キム・ネハの燕山君とイ・スンフンのチャンセンと、この二人が真っ向対立する芝居が見てみたかった…なんて思っちゃいました。

 本筋の合間合間に演じられる芸人たちの芸。滑稽で面白いです。以前はネタを日替わりでやってると言われていましたが、今回の公演ではどうだったのでしょうか。

 今回再見して、この芝居の演出に改めて感心しました。舞台装置なんてほとんど何もないシンプルな舞台なのですけれど。

Imgp72091

 以下、プログラムに載るあらすじを記しておきます。
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 朝鮮時代、燕山君の治世。宮中の広大(=芸人)コンギルは、燕山君の加虐的性戯の相手をつとめる。コンギルは身体と笑いを提供する対価として、戯楽院の長となり、どうしても着たかった緋緞の道服を燕山君から下賜される。コンギルは禁府で管理していた優人(=俳優)たちを戯楽院に編入させて管理するが、コンギルの友人であり、男色パートナーでもあるチャンセンは、コンギルが権力に目がくらんで遊び(=芸)の本質を変質させることを大声で叱り、コンギルの元を離れる。

 ノクスはコンギルに燕山の愛情を奪われることを妬み、慶会楼での宴もたけなわの時にコンギルの服を脱がせて侮辱する。これに対抗して、コンギルはノクスの下人であるヒョンパンの非理をすっぱ抜く遊びをして見せ、遊びを通じてヒョンパンを失脚させる。これに対して、ノクスはホン内官と謀って、コンギルの筆跡を真似て、燕山とノクス自身を誹謗する諺文(=ハングル)誹謗書を作成する。諺文誹謗書事件に腹を立てた燕山は、犯人探しに血眼になる。危機感を感じたコンギルは、諺文でできた文章をすべて燃やしてしまい、形勢を覆すつもりで宮殿に入り、燕山に誹謗書事件を機に諺文の使用を禁じることを願い出る。このことを知ったノクスは、コンギルが書き捨てた反古を持ち出して、誹謗書と反古の筆跡が同じだということを証拠に、コンギルを捕らえさせる。

 コンギルの元を離れていたチャンセンは、全羅道で反正を企てる吏科ユソンの通知文を漢陽の不満勢力に伝える過程で、諺文誹謗書を見て、書体がコンギルの筆致であることを知るが……。
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 蛇足。ノクスがコンギルを侮辱した宴席が催されていた場所、「慶会楼」ってこんなところです。
慶会楼(キョンフェル)特別観覧





6 件のコメント:

  1. 加藤様、こんばんは(^-^*)/
    今日、韓国から帰ってきました。
    『爾』観てきました!言葉がわからなくて楽しめるかとかなり心配でしたが言葉など関係なく感覚で観てるだけでも十分で、とっても良かったです。
    当日、すごーく寒くなり、夕方から雪が舞いはじめ、帰りには若干風も出て吹雪気味に…楽屋待ちしてる人を見てちょっと残りたいです気持ちもしましたが帰り道の心配を母がしていたので諦めました。
    あと、残念だったのがキム・ネハさんと内官役の役者さんが楽しみにしていた方とは別の方だったこと…
    でもマンソクさんのコンギルは無事に間近で観れてホントにシアワセでした(^_-)-☆
    もう一回時間が許せば観たかった!
    ところで一つ、劇で気になることがあるのでまたメールでお聞きするかもしれません よろしくお願い申しあげますm(_ _)m

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  2. これは「王の男」のことなんですよね?まだイジュンギの映画を見る前にシンシミュージカルでキム・ホヨンのコルギンで観ました。ハングルがわからず映画も見てなくて殆どアウト状態でした(>_<)

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  3. yonaさん
     お帰りなさい!
     ソウル、吹雪だったんですか。w(゚o゚)w
     『爾』、楽しまれたようで、よかったです~。
     私も、ホン内官は見たかった役者さん(チョン・ソギョン)でなくて、それだけが残念でした。ホン内官はキャスト日程が出てなくて、事前にチェック出来なかったんですよねぇ。
     5月28日~30日には釜山公演があります。
     もう一度見たい方、まだ見てない方、最後のチャンスかもしれませんよ~。
     29日はマチソワと、オ・マンソク、28・30日はキム・ホヨン、出演予定です。他は未定。

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  4. 川井さん
     そうです。映画『王の男』の原作の演劇です。
     ストーリー知らずに見たら厳しいですね~。
     でも、キム・ホヨン君のお尻は可愛かったでしょ?(≧∇≦)

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  5. 釜山公演の場所などはもう決まっているんでしょうか?
    出来るならもう一度観たいです。

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  6. yonaさん
     プサン公演、決まってます。
     記事にしましたので、そちらをご覧下さいね。

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