レビュー溜まってます……伝統芸能も、ストレートプレイも、ソウルの芝居も……。どれから書いたらいいか分からなくなってきたので、書けるものからさっさと書くことにしました。
見てきたばかり、ほやほやのレビューです。
余談。「もーむ」って入力したら、「モー娘」って変換されました。世の中を知り尽くした通人 Google 先生の日本語入力、さすがです。
『2人の夫とわたしの事情』
5月13日(木)13時30分
シアターコクーン
1階N列下手寄り
作:W.サマセット・モーム
演出・上演台本:ケラリーノ・サンドロビッチ
翻訳:徐 賀世子
出演:松たか子、段田安則、渡辺徹、新橋耐子、皆川猿時、猪岐英人、他
サマセット・モームの喜劇なんてあるんだ~、と話題の公演。作者と演出家と役者に惹かれて見に行きました。どれも期待を裏切りませんでした。すごい。
舞台は第一次大戦後のイギリス。夫ビル(段田安則)戦死の通知を受けたヴィクトリア(松たか子)は、夫の親友フレディ(渡辺徹)と再婚。ところが、ある日突然ビルが帰って来た! 美しい妻を二人の夫が取り合うのかと思いきや、二人はどちらも妻を相手に押し付けようとしているらしい。さらに、ヴィクトリアにはヴィクトリアの事情があるようで……という物語。
始まりはシチュエーションコメディなのですが、その枠を超えて展開していく、ある意味デタラメなストーリーです。そこが面白い。全三幕で、各幕は50分弱。ビクトリアの家の寝室、客間、台所と三幕すべてセットが違い、だんだん情けなくなっていくところが楽しい。
第一幕、幕切れで裏向きから正面に振り返って見せた、松たか子のビミョーな笑顔が最高でした。松たか子、幕開き冒頭から笑わせてくれて、素敵なコメディエンヌぶり。
第二幕、これも幕切れの音楽の選択に唸らされました。あの場であんな曲(ベートーベンの交響曲第7番のラスト?)使うとは。客間のドアからヴィクトリア、レスター(皆川猿時)が幻のように登場する演出、バカバカしくも効果的。
第三幕の離婚訴訟の手続きの話、アガサ・クリスティーの作品にも同種のエピソードが出てきますね。当時は本当によくあったことなのでしょう。今の日本ではリアリティがないのですが、弁護士(猪岐英人)のリアルでない演技で、まんまと乗せられて笑っちゃいました。
段田安則と渡辺徹、妻へのビミョーな感情をうまく表現してました。間と緩急が絶妙で、舞台の役者を見る楽しみを堪能させてくれる芝居。第三幕、暴力行為の「練習」では空気変わりましたね。
松たか子の衣装、どれもよかったです。ヴィクトリアの母(新橋耐子)の衣装も雰囲気あってよかったな~。
そうそう、照明の使い方も面白かった。急に影が強調されたりして。
見る前は「上演時間2時間40分(10分休憩2回含む)って長過ぎ~」と思ってたのですが、最初から最後までケラケラ笑いながら楽しく見ました。あぁ、面白かった。
今日、韓国宴会でご一緒したお友達から、「あれ、第九では?」と言われました。
返信削除現在、仕事のBGMに「第九」流して検証中です。m(_ _)m
とりあえず見つかったCDは、フルトヴェングラー&ウィーン・フィル。演奏時間、長そうな……。(^_^;