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2012-01-14

[日録]悪所をハシゴ 1/13

1月13日(金)

◇本務校の授業日ですが、センター試験準備のため全学休講。

◇昨晩寝落ちしてしまって未完成の原稿を推敲。あと300字、削らないといけないのに、削れない~。
 結局、130字オーバーで、「大丈夫でしょうか?」と送稿。

◇平成中村座昼の部。『義経千本桜』の「鳥居前」に、勘三郎の『身替座禅』、橋之助・七之助の『雪暮夜入谷畦道』。今日も下手桜席からの見物でした。「入谷」の幕が開く前に、最初の客(手先)二人がお蕎麦食べてました。ほぉ。

◇終演後、昨夜の「ブラタモリ」の影響か、何となく吉原方面へ歩いていくことに。平成中村座のすぐ前が「今戸橋」なんですよね。

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 山谷堀公園を今戸橋から日本堤へ向かってぶらぶらと。「山谷堀」の名の通り、ここは江戸時代には堀でした。吉原通いのルートの一つ。

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 公演の入口から南東方向を望むと、平成中村座とスカイツリーが重なって見えます。

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 堀を埋め立てた山谷堀公園、きれいに整備されてます。人が少ないのは、場所柄か、季節柄か。

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 ずんずん歩いて交差点に出ました。はて、このあたりのはずだけれど……ふと目に入った自販機のプレートがこれ。

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 やっぱりここだと、周囲を見回して、右に曲がった道を入っていくと……。

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 この先に踏み込んでも用事はないので、このまま撤退。ちょっと名残惜しいので、ここに立ち寄ってみたりして。

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 ナカをまっつぐ突っ切れば入谷で、ついさっきまで見ていた蕎麦屋の舞台です。「直侍」を見た後に入谷で蕎麦というのは風情があるのかもしれませんが、残念ながら、全く蕎麦を食べたい気分になってなかったのでパス。(蕎麦食べたくなってたら、並木藪に直行してたよね。)

 日本堤をまっつぐ三ノ輪へ出ることにしました。途中、文化財もののこんな建物も。

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 蕎麦食べたくなる直はんに逢いたいなぁ。

◇仕事場に帰還して、久しぶりにブログ書いたり、本を読んだり。

◇夜、ジムへ。筋トレとトレッドミル22分。ほぼ一週間ぶりです。
 ん~、気持ちいい。


2011-06-13

[日録]学会初日のお酒 6/11

6月11日(土)

◇午後から日本近世文学会の春季大会。研究発表4本を聞いて、夜は懇親会に参加。

◇この学会、懇親会のお酒に凝るという伝統がありまして、今回の会場校の幹事さん曰く、「東北のお酒を飲みましょう!」

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 東北のお酒の前には常に人垣ができていて、飲みそびれました。
 しかも、今回の目玉はなぜかレロー(LHERAUD)のコニャックとのこと。この懇親会で、幹事オススメのお酒は絶対逃せません。ということで、私はこちらをしっかりいただきました。水みたいにすーっと飲めちゃう美味しいお酒。ついでに壱岐の麦焼酎「ちんぐ」も1杯。こちらは、秋季大会の会場校がソウル・高麗大学校に決定しているがための幹事セレクトでした。近世文学会初の海外開催になります。

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◇懇親会終了後、さらに最寄り駅近くの居酒屋で懇親飲み会。

◇ここ数年、学会の懇親会に参加すると仕事が降ってくるというジンクスがあるのですが……今年もジンクスは生きてました。有り難いことです。

2011-06-08

[日録]東博特別展「写楽」 6/6

6月6日(月)

◇午前2コマ授業。

◇大学を早々に撤収して、午後から東京国立博物館・平成館へ出向いて特別展「写楽」鑑賞。東日本大震災で日程延期となっての開催でした。

Sharaku

 以下、Twitter に流したツイートをもとにした感想です。

 写楽を上手いと思ったのは初めてかも。これまでは面白いと感じてたのが、今回の展示で、作品によっては北斎並みに上手いのではないかと思い始めました。
 同じ役者の同じ舞台の役者絵を写楽と他の絵師と並べて比較してみるという展示はいいですねぇ。お陰で写楽の線の特徴が掴めて勉強になりました。こういう展示は有難い。
 梅忠の忠兵衛の下着が空摺で緋縮緬になっているのを発見して驚愕。これは図録や画集では分からない部分。実物に接する醍醐味です。
 Ⅱ期Ⅲ期の役者の全身を描いた細版をたっぷり見られたのが嬉しかったです。あの衣装の細かさは写楽のイメージを覆すような。海外の美術館所蔵のものが多かったのは、国内に残ってないってことなんでしょうかね。

 今回の展示は写楽の作品146図の内142図が見られるという、ほぼ集大成なもの。関係者のご努力には頭が下がります。ただ、142図から1図だけ「震災の影響」で展示できなくなったとして、写真が展示されてました。ドイツの美術館の所蔵品。もしかして汚染を心配されちゃったのでしょうか。(´・_・`)
 その一方で、東京羊羹所蔵なんてものが1点出ていたりして、ほっこりなごみました。
 そういえば、摺りと保存状態の比較展示に出てた「状態の良い方」は、全て個人蔵でした。すごいコレクターがいるのですねぇ。

 今回出品されなかった4図は、会場の最後に小さな写真付きで紹介されてました。GJ!

 写楽が描いた歌舞伎のあらすじを紹介する映像が楽しかったです。浮世絵に描かれた人物を使って、人間関係やストーリーを概説する1~2分の映像。実際の芝居が見たくなる優れものでした。国立劇場も松竹も、復活通し狂言やる時はぜひあれを作って、ネット上で予告編のように流してほしいです。

 2時間かけてたっぷり見ました。楽しかった~。眼福。

◇さすがにくたびれたので、ラウンジで鶴屋吉信のあんみつ食べました。程よい固さの寒天、小豆の味がしっかり残った粒あん、固め塩味が効いてる赤エンドウに上品な黒蜜。口福。

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2011-03-27

[日録]公演とか展示とか 3/25

3月25日(金)

◇チケットweb松竹で、5月明治座歌舞伎公演のチケット入手。行けそうな日でとりあえず取っとこ、という感じです。地震の影響で大学関係の新年度日程が流動的で、観劇日を確定しにくいのですよねぇ。

◇合わせて、6月南座で上演予定の韓国ミュージカル『宮』の売れ行きを確認……と思ったら、チケットオープンしてない。あれれ? 歌舞伎会会員は3月21日に先行前売開始とアナウンスされてました。来日キャストが発表されてなくて、キャスティング不明でチケット買う人はいないだろうなぁ、と思ってたのですが。
 キャスティングを始めとする公演準備が遅れていて前売延期になったのか、それとも地震の影響なのか……。

◇松竹のサイトをあれこれ見ていて、トップページが差し替えられてることに今頃気づきました。
 「私たち松竹グループがこの国難に際してできること、それはやはり、良質な演劇や映画を提供することによって、傷つき、疲弊した人々の心を慰め、困難に立ち向かっていくための勇気や元気を取り戻していただくよう努めることだと考えます。 それは 「困難な立場の人々への応援歌であれ」 という松竹の演劇、映画の伝統でもあります。」(「東北関東大震災に際して」
 がんばれ、松竹。応援してます。

◇午後、韓国ミュージカル関連で追加の作業依頼が来ました。とりあえず、韓国側に交渉メールを送信。この手の韓国語メールをもっと素早く書けるようになりたいなぁ。

◇依頼された急ぎの翻訳に着手。自主設定した締切は28日(月)朝。がんばろー。

◇2011年度の講義その他を担当する大学の授業開始日がすべて決定。4月14日、4月16日、4月27日、5月2日、5月11日……見事にバラバラです。本来は4月11~16日の週に一斉に始まるはずでした。

◇仕事部屋の片付けは進みません。今日も TimTam 食べまくり。

◇以下、備忘録です。
 東京国立博物館の特別展「写楽」、5月1日~6月12日に会期変更
 山種美術館「ボストン美術館浮世絵名品展」3月23日から再開、4月17日まで。会期中無休、金曜夜間開館は中止。
 たばこと塩の博物館企画展「役者に首ったけ! ~芝居絵を楽しむツボ~」3月23日から再開、4月17日まで。開館時間を午前11時~午後4時に短縮。

2010-12-09

サントリー美術館

サントリー美術館

 蔦屋重三郎の展示を見に来ました。
 よくこれだけの本をあちこちの所蔵者から借り出してきたものです。学芸員さんの熱意と尽力に感動。

 個人的には大田南畝の肖像と十二ヶ月狂歌の三幅対(個人蔵)が羨ましかったです。

 写真はカフェの、期間限定芋ぜんざい。揚げた金時と不室屋の生麩入りです。おいしかった。(*^_^*)

2010-11-29

本日最終日ですが

 昼から有楽町の「とうがらし」で韓国料理ランチ。キムチチゲ定食です。パンチャンの豆腐とサラダは、チゲが来る前に手をつけちゃってます。

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 その後、こんなところに来ました。

本日最終日ですが

 港区立港郷土資料館の特別展「江戸図の世界」
 
 大絵図、切絵図、手書図などなど、様々な江戸図を時代順に並べ、ぞれぞれの特徴が分かりやすく解説されてました。江戸図に焦点を絞って、江戸図ばかり70点ほどを展示したシンプルな構成がとてもよかったです。

 館蔵の「安永手書江戸大絵図」は南北5.55m、東西3.93mと、現存最大級の手書き絵図だそうです。完全に広げてあって地図の上を歩けそうでした。初公開とか。
 展示の様子に関心がある方はこちらの動画でどうぞ。

 残念ながら、本日最終日。もっと早く行ってご紹介できればよかったなぁ。
 絵図2枚付きの図録1,200円、こちらは展示終了後も購入できるようです。ついつい過去の展示の図録まで購入して散財しちゃいました。あぁ、久しぶりの博物館トラップ


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 ジュンク堂トラップ

2010-09-11

黄表紙で学ぶくずし字セミナー

 そうだ、こっちもお知らせしておこう。

 人形町で江戸の「くずし字」読解セミナーをやってます。

マディオの古文書セミナー2010 日本橋人形町で江戸を学ぶ 

 古文書やくずし字の講座は日本史史料を読むところが多いのですが、こちらは文学作品を読みながら「くずし字」を学びましょうというセミナーです。
 随時入会可、初回無料見学可ですので、興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

 今読んでいるのは、『摹書筆回気 ( すきうつしふでのまわりき )』という黄表紙です。

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 登場人物は、文房四宝を始めとする文房具たち。
 子供のない硯箱と巻紙の夫婦は湯島天神に願を掛け、帰り道に拾った小筆の赤ちゃんを蝶よ花よと大切に育てます。筆の娘は美しく成長しますが、油煙斎玄墨(=黒墨)なる曰く有りげな男に見染められ……というのが前回までのお話です。
 上の画像は、硯箱と巻紙夫婦に筆の娘が水差しの丁稚を供に連れて湯島天神に参詣するところを、油煙斎玄墨と相棒の文鎮が茶屋から垣間見ている場面。

 江戸時代の大人の漫画と言われる黄表紙を楽しく読みながら、江戸のくずし字をマスターしていきます。
 「くずし字」って、目をつけるべきポイントが分かれば、思っているよりずっと簡単に解読できちゃいますよ。

 講座とかセミナーとか言うと堅苦しい感じですが、実態は少人数でのんびりやってます。休憩時間に毎回美味しいおやつが出るのも楽しみ。『新参者』ブームも一段落したし、秋期は柳屋の鯛焼登場を期待しているワタシです。

2010-09-07

大倉喜八郎『心学先哲叢集』

 ちょこっとお知らせです。

 東京経済大学から創立110周年記念として、こんな本が出版されました。

 大倉喜八郎撰 『心学先哲叢集』

 原本の翻刻・現代語訳・語注・解題・解説、内容に関わる部分すべて執筆させていただきました。
 本の内容につきましては、上記リンク先の紹介文をご覧下さい。「近世文学の専門家」とあるのが私のことです。

 東京経済大学史料室の他、紀伊國屋書店国分寺店(国分寺駅ビル8F)で販売しているそうです。定価2,000円(税込)。

2010-03-21

[展示]長谷川等伯

 会期当初から大混雑、大行列と伝わってきていた「長谷川等伯」展。会期終了直前、20時まで延長開館してる金曜日の閉館間際を狙って、突撃してきました。18時半前に着いて、入場20分待ち。日によって時間帯によっては「2時間待ち」がアナウンスされたこともあったそうです。20分なんて待ち時間の内に入らない?
 アナウンス通りに約20分待って、18時45分頃入場できました。




没後400年特別展「長谷川等伯」
3月19日(金)
東京国立博物館・平成館

 いや~、とにかく場内大混雑でした。過去に出かけた数々の展覧会を思い返してみても、会場全体がここまで混んでいたことはなかったように思います。
 それでも19時半が入場終了時刻なので、次第に空いてくるはずと思い、展示の最初の方の特に混んでる部分は一旦パスして、いくらか人の少ないところから見始めました。で、最後まで見たら、また最初に戻って見直す作戦です。
 でも、入場を締め切った19時半の時点でも、場内は芋洗い状態。「場内混雑のため、20時半まで開館します」という旨の館内アナウンスが入りました。

 結局、展示会場3周しちゃいました。3週目のスタートは20時近くになってましたが、その時点でやっと、かなり混んでる展覧会、の状況でした。

 さて、肝心の展示品ですが。

 等伯の作品って、保存状態がよいものが多いんですね。今回の展示は「国内に存在するほぼすべての等伯の作品を、一挙に公開する史上最大規模の大回顧展」とのことで、良品だけを集めたわけではないのに、どの作品もこれだけ状態がよいというのは奇跡的に思えます。

 会場は等伯の生涯に沿って作品が展示されていて、若い頃に色鮮やかで緻密な仏画を描いていた人が、水墨画に傾倒して「松林図屏風」(東京国立博物館蔵、国宝)の域に至っちゃう、その過程を追うことができたのが興味深かったです。

 気に入ったのは、「松に秋草図屏風」(京都・智積院蔵、国宝)のぷっくりした菊の花弁、ひらひらと柔らかな芙蓉の花弁。「竹林七賢図屏風」(京都・両足院蔵)を始めとする水墨画の屏風に描かれた直ぐなる竹。「竹林猿猴図屏風」(京都・相国寺蔵、重文)で描いている牧谿の影響を受けた猿。
 等伯の表現力、すごいです。どうして筆でこんなふうに描けるのか。

 襖絵や屏風など大型のものが数多く出ていて、博物館へ足を運んだ甲斐がありました。縦10m、横6mの巨大な「仏涅槃図」(京都・本法寺蔵)なんて、図録では絶対にそのスケールが分かりません。
 また、「国内に存在するほぼすべての等伯の作品」って、それなら来てないのは何?と思ってたら、等伯は大徳寺三門・金毛閣の天井画と柱絵を描いてるんですね。これは写真やバナーでの展示でしたが、大徳寺では拝観不可だそうですので、ここで見られてよかったです。

 東京は明日22日が最終日ですが(今日・明日20時まで延長開館してます!)、すぐに続けて4月10日(土)~5月9日(日)京都国立博物館で開催されます。
 関西の方、京都へお出かけの方、お勧めです。

2010-03-13

時間がないのに……

 ソウル旅行前の日録です。

3月1日(月)
 3月になっちゃった……とつぶやきつつ、原稿作成。

3月2日(火)
 ソウル行く前に何とか形にしなくちゃ……とつぶやきつつ、原稿作成続行。

 『週刊江戸』のイラストレーターさんから問合せが来ました。肖像画が残されていない人物のイラスト描き起こしという難問。即刻返信。

 夕方から歌舞伎座初日の第三部で『菅原伝授手習鑑』の「道明寺」だけ見てきました。普通に最後まで見るつもりでチケット取ったのですけれど、ソウルへ行く前に少しでも原稿を進めておかないと…というプレッシャーに負け、後ろ髪を引かれながら歌舞伎座を後にしました。
 楽近くにもう一度見る予定があるので、富十郎親子の『石橋』はそれまでお預けです。

3月3日(水)
 残り時間がない……とつぶやきつつ、原稿作成に邁進。

 『週刊江戸』の編集さんから、江戸時代の女性の下着について問合せが来ました。手持ちの資料から解説内容に即した浮世絵を探し出してスキャン、こんな感じです、とメールで送信。
 下着の絵と言っても春画ではありません。って書いてて今、そうだ春画で比較すれば分かりやすいかも、と気づきました。でも、掲載できないでしょうね……。

3月4日(木)
 午後からくずし字のセミナー。『怪物つれづれ雑談』第九話「青柳が井の話」の続き。主人の怒りを買って井戸に投げ込まれた、と言えば「皿屋敷」なわけで、くずし字の本文を最後まで読み終えた後に、「番町皿屋敷」「播州皿屋敷」の浮世絵や姫路城の「お菊井戸」の写真を見ながら四方山話を繰り広げました。

 夕方、東京オペラシティ・コンサートホールで大邱市立交響楽団のコンサート。2011年にテグ(대구)で「世界陸上」が開催されるのを記念しての来日演奏会だそうです。
 プログラムは、グリンカ 歌曲「ルスランとリュドミラ」序曲/グリーグ ピアノ協奏曲イ短調作品16/ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」。指揮はクァク・スン(곽승)、ピアノはハン・ドンイル(한동일)。
 かなりベタなプログラムですが、お陰で気楽に聞けました。
 大邱市立交響楽団はテグ在住時に2度聞いてます(2000年11月14日2000年12月19日)。当時より音が分厚くなってるような気がします。

 アンコールは「アルルの女組曲」第二番「ファランドール」と「アリラン」を編曲したクラシック曲でした。「アリラン」なら、ウィーン・フィルやベルリン・フィルにも負けてないと思います。

 翌日からのソウル、原稿仕事を抱えて行くことが決定。

2010-02-23

ごちゃまぜの日々

2月18日(木)
 午後からくずし字のセミナー。『怪物つれづれ雑談』第九話「青柳が井の話」。ある長者の家の妾と従僕の密通が露見、二人共に井戸に投げ込まれる、という話です。
 冒頭に「韓詩外伝に曰」として漢籍からの引用があるのですが、出典を確かめてみると、実際は『韓詩外伝』でなく『礼記』からの不正確な引用でした。
 江戸の人にとっての漢籍の価値観、人間の肉体と霊魂の捉え方等々、検討課題の多い内容でした。

 受講生の皆さん、くずし字をどんどん読めるようになってらっしゃいます。このテキストはあと3~4回で終わる予定で、そろそろ次のテキストを何にするか考えてるのですが、少しレベルアップしても大丈夫そう。頼もしいです。

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 第九話「青柳が井の話」の全文。
 皆さん自力でもかなり読めてるようです。


 帰途、アメ横へ寄って練習用の水着を購入しました。次回マスターズの登録締切は今月末。エントリー種目を決めるためのタイムトライアルをしてみなくては。

2月19日(金)
 江戸時代の資料のデータ入力。

 この数日、twitter の使い方を思案してます。アカウントは1年近く前に取ったのですが、有効な使途を思いつかず、ずっと放置してました。先月、舞台公演の現場の情報は twitter に最も速く流れると気づき、前線復帰。とはいえ、徒手空拳でどう戦えばよいものか。

 夜、ジムでマシンと有酸素。バイク漕ぎながら、フィギュア男子フリーのリプレイ映像を見てました。演技中に靴紐切れる人、4回転に失敗して銅の人、4回転をこなして銀の人、4回転を回避して金の人。各選手が選択を下したギリギリの局面を想像すると、どの選手の決断にも尊敬の念を覚えます。

2010-02-14

あけましておめでとうございます

새 해 복 많이 받으세요!
��新年に福をたくさんお受けください!)

 今日2月14日は陰暦の正月朔日です。韓国では「ソル(설)」と呼び、この日を挟む三日間(今年は2月13~15日)が「ソル連休(설 연휴)」となります。韓国の「正月休み」です。
 正月とバレンタインデーが重なってしまって、韓国の女の子たち、皆どうしてるんでしょうねぇ。とっても気になってます。
 ちなみに、現在、私のサンシャイン牧場@mixi は「盆と正月」ならぬ「バレンタインと旧正月が一緒に来た」状態になってます。

 さて、昨年末以来、韓国のサイトを見ていると、「2010년경인년」という言葉が目につきます。
 これは「2010年庚寅年」。今年の干支は「庚寅(かのえとら)」なのですね。

 「干支」と書いて「えと」と読みますが、「干」は「十干(甲乙丙丁戊己庚辛壬癸)」、 「支」は十二支「(子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥)」。両者を組み合わせたものが「干支」です、本来は。

 日本でも、かつては、「年」を特定するために「干支」が一般的に用いられていました。

 江戸時代、年号(元号)は長くても20年、短いと4~5年で変わってました。なので、ある年を年号で表わしても、それが具体的にいつのことなのか、何年前なのか、すぐにはピンと来ません。今なら西暦に置き換えて計算しますが、当時はそんなものありません。「干支」がその役割を果たしていたのです。

 例えば、出版物の刊記には「明和七庚寅年」と記載されていたりします。寛政10年戊午の年に「庚寅」という干支を見て、「あぁ、この本は28年前のものだ」と分かるわけです。干支の一覧表があれば一発、なくてもちょっと数えてみれば分かります。
 ただし、「干」「支」の組み合わせは60年で一巡するので(61年目に自分の生まれた「干支」に戻るのが「還暦」ですね)、ひょっとすると88年前、あるいは148年前という可能性もあります。でも、28年前の本か88年前の本かは、他の情報から見当がつきますよね。

 江戸時代の人の平均寿命は、乳幼児期の死亡を除けば、60歳余りとか66~67歳とか言われています。干支一巡で一人のヒトの人生をだいたいカバーできるわけで、日常生活の上で「干支」は年次を表す便利な方法だったのでしょうね。西暦に慣れてしまった現代人の私たちにはちょっと想像しにくいことですが。

2010-02-13

歌舞伎座さよなら名物10

歌舞伎座さよなら名物10

 吉例ニの午祭なう。

 お稲荷さんにお参りして、お汁粉いただきました。

 江戸時代、歌舞伎の劇場にはお稲荷さんが祀られていました。
 今の歌舞伎座も劇場建物のすぐ横にお稲荷さんを祀っています。毎年二月初午の日、劇場ロビーからお稲荷さんへ通じる扉が開放され、劇場のお客さんが「歌舞伎稲荷大明神」に参拝する「初午祭」が行われています。参拝したお客さんには、歌舞伎座からお神酒とお汁粉が振る舞われます。

 今年は初午が二月一日、二月興行の初日前でしたので、二の午の今日が「二の午祭」となりました。
 現・歌舞伎座最後のお汁粉、じゃなくて、お稲荷さん参詣です。

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 歌舞伎座さよなら名物8(鴨せいろそば)
 歌舞伎座さよなら名物9(桟敷席と桟敷限定メニュー)

2010-02-04

年内立春

 昨日が節分、今日が立春。でも、本日2月4日は、陰暦ではまだ12月21日です。陰暦の1月1日は、陽暦の2月14日。
 あらら、新年を迎える前に春が来ちゃった。

 これが、旧年中に春が来る「年内立春」です。

 『古今集』の巻頭歌、

  ふる年に春立ちける日よめる   在原元方
年の内に 春はきにけり ひととせを 去年(こぞ)とや言はむ 今年とや言はむ

は「年内立春」を読んだ和歌として有名です。
 去年も書きましたが、「年内立春」は珍しいことでなく、平均すると2年に一度ぐらいは「年内立春」となります。最近では、2005年、2007年、2008年も年内立春でした。

 来年2011年は、2月3日節分が陰暦の1月1日、2月4日立春が陰暦1月2日に当たっています。二十四節気の暦の「春」と月の暦の「新年」がほぼ同時にやってくるのですね。

 こんなふうに、陰暦では「春」と「新年」の時期が大体重なります。最大ズレて10日程度。ちょうどこの時期に、日も次第に長くなり、陽射しがうららかになってきます。梅の花が咲くのもこの頃。
 現行の太陽暦では「春」より一ヶ月以上早く「新年」が来てしまうので、我々現代人には「新年=春」というのがピンと来ませんが、江戸時代以前の人たちは「新年=春」を実感していたのですね。
 新春、初春、迎春……陰暦だったからこその表現です。

 どこか梅見に行きたいな~。

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 立春と陰暦 


2010-01-20

お陰さまで……

 デアゴスティーニの『週刊 江戸』、いろいろな方々から「買いましたよ~」「CM、見ました!」と言っていただいてまして、ありがとうございます。嬉しいです。
 お陰さまで、世間でもかなり話題になってるようです。「なぜ家康は江戸を選んだのか?」「小袖のデザインが物語る時代の波」などの記事は特に好評みたいで。

 先日ふらっと入った街中の書店で実物を見ました。入ってすぐ目の前の平台にどーんと置かれていて、びっくりでした。
 さらに、私が書店内にいた10分ほどの間にお買い上げのお客さんが3人もいて、これまたびっくり。

 テレビCMの方は、いまだに見ることができていません。『週刊 そーなんだ! 歴史編』と『週刊 フェラーリ F2007 ラジコンカー』のCMには何度も遭遇しているのですけれど。
 『週刊 江戸』、一体どの番組でCM流してるんでしょう? 『水戸黄門』とか?
 CM、一度は見たいなぁ。

2010-01-12

『週刊 江戸』創刊!

 以前ちょこっとお知らせしましたデアゴスティーニの『週刊 江戸』、本日創刊です。
 上のリンク先で、現在放映中のテレビCMが見られます。どこで放映してるのかなぁ。実際のテレビではまだ見てません。テレビ、あまり見ないので……。

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 「最新号・バックナンバー」では、創刊号はもちろん、5号までの目次が見られます。
 昨年中に先行テスト販売を実施してるので、そのあたりまではもう現物が出来てるのです。

 「江戸時代」というワンテーマ・マガジンなのに、毎号多様なテーマで情報満載。よく掲載許可取れたな~と思うようなビジュアル史料も豊富。しかも、週刊。
 制作側は、四苦八苦七転八倒の 大奮闘の日々です。

 大政奉還の日まで、がんばります……。

☆関連記事
 江戸時代のすべて『週刊 江戸』

2009-12-17

江戸時代の全て 『週刊 江戸』

 ちょこっとお知らせです。

 2010年1月12日、デアゴスティーニ・ジャパンからこんな雑誌が創刊されます。

Edo

 何と、『週刊 江戸』
 (詳しい内容は上記リンクをクリック!)

 今日、日経に プレスリリース も出ました。

 デアゴスティーニ(DeAGOSTINI)は、パートワークあるいはワンテーマ・マガジンと呼ばれる分冊百科を出してる出版社です。『週刊 松本清張』とか『週刊 安土城をつくる』とか『隔週刊 クール・ジャズ・コレクション』とか。TVコマーシャルをご覧になったことのある方、多いと思います。

 実は、私、この『週刊 江戸』の監修を担当させていただいてます。
 情報めちゃくちゃ盛り沢山です。ビジュアルなデータも、これでもかってくらい詰め込んでます。毎号32ページ、読み応えあると思います。江戸時代の歴史や文化に興味ある方にお勧めです。
 が、正直、監修する身は大変です。早くも苦労しております。

 静岡と広島での先行テスト販売では、とても好評だったそうです。
 ……と、聞いた時には、素直に嬉しかったです。
 
 近々TVコマーシャルが大々的に流れると思いますので、お目にとまったら、「あぁ、これね~」と笑ってやって下さいませ。

 読者プレゼントのアートカードと江戸手ぬぐい、私も欲しいな~。貰えるのかなぁ。

2009-12-16

う~ん

 12月12日(土)
 昼間、原稿作成と校正、調べ物。

 夕方から、たばこと塩の博物館で、国際浮世絵学会の研究会として行われたレクチャーと展示見学に参加。


 12月13日(日)
 引き続き、原稿作成と校正と調べ物。合間にちょこっとジムへ行きました。

 昨日今日と歌舞伎学会の秋季大会があったのですが、雑事に追われて出席できず。この夏に江戸博で「写楽幻の肉筆画」と大々的に展示された新発見の扇面図について「贋作の可能性」を指摘する発表など、興味深い発表題目が並んでいて、聴きたかったのですけれど。

 この一週間、仕事の進捗がイマイチ。不調です。

2009-12-13

何やかや

 12月10日(木)
 昨日依頼が来た急ぎのリサーチのため、『守貞謾稿』の挿絵を一気にチェック。江戸時代の風俗百科事典とも言える『守貞謾稿』、通して目を通すのは久しぶりでした。最近は必要な箇所をピンポイントで確認、という使い方が多かったので。
 一気に通覧してみると、改めて凄い本だなぁと思います。読んでて、とにかく面白い。

 毎日空き時間にぼちぼちと作業していた住所録データの入力が終了。2年間使っていた宛名印刷ソフトが廃番になっていたので、別のソフト に乗り換えました。シンプルで使い勝手良さそうです。テスト印刷もきれいに仕上がり。

 何やかやで、やっぱり就寝は午前2時。

2009-11-27

[展示]江戸園芸花尽し

 明治神宮前にある太田記念美術館へ行ってきました。特別展「江戸園芸花尽し」は、江戸時代の園芸文化を浮世絵を通して見てみよう、という展示。面白かった!
 美術館の通路の壁に、この展覧会を紹介した雑誌記事が掲示されてました。『月刊フラワーショップ』11月号に、『月刊フローリスト』11月号。なるほど~。所変われば品変わる、じゃなくて、品が変われば所も変わる、ってわけですね。
 会期終了間際で観覧のお客さん多かったです。もしかして、皆さん、お花屋さんだったんでしょうか?


11月25日(水)
浮世絵太田記念美術館



  美術館HPの案内 によれば、展示概要は次の通り。展示品入れ替えの都合なのか、各テーマの充実度は若干ばらつきがありました。

序章 花を着る
   …花柄の着物に身を包む女性たち
Ⅰ.暮らしのなかの園芸
   …園芸に親しむ江戸っ子たち
Ⅱ.百花繚乱 江戸の園芸
   …浮世絵に描かれたさまざまな園芸植物
Ⅲ.人気キャラクター 植木売り
   …歌舞伎の役柄として登場する植木売り
Ⅳ.鉢植えにまつわる物語
   …謡曲「鉢の木」を題材にした浮世絵
Ⅴ.紀州徳川家の園芸趣味
   …徳川家でも愛好された園芸文化
Ⅵ.子どもたちの園芸知識
   …子供向けに描かれたおもちゃ絵
Ⅶ.花と緑の江戸の町
   …四季折々の花が咲く江戸の観光名所

Engei



 ↑太田記念美術館のサイトから借りてきました。こんな感じの、植木を描いた浮世絵が勢揃いでした。



 この展示で面白かったのは、浮世絵に描かれている植物の名前が作品解説に記されていたところ。棚の上の植木鉢の花が何なのか、背景の植え込みの草木が何なのか、解説に付記されてるのです。一部「?」付きも含めて。
 日頃、浮世絵の植物なんて見過ごしていたり、何を描いているのかよく分からなかったりするので、一々「万年青」「団扇覇王樹(=ウチワサボテン)」などと明記してあるのが珍しくも有り難くもありました。



 また、役者絵に絡めて花を描くという趣向が多かったのが意外でした。私が見慣れてる役者絵にはあまりそういうものがないので。時代による流行がはっきりあるんですね。
 国周の役者絵で、役者は国周が描いてるのだけど、背景の花は弟子の周重が担当していて「はな 周重」なんてクレジットされてるのも面白かったです。



 植木鉢の展示もありました。浮世絵には凝った柄の染付の植木鉢がよく描かれているのですが、同じような磁器の植木鉢を30近く展示してあって、感動。中には浮世絵の植木鉢とそっくりの実物もあったりして。すべて瑠璃釉や染付でした。「個人蔵」となっていたので、どなたかのコレクションなのでしょう。素晴らしいものでした。



 絵柄的にも江戸文化的にも興味深かったのが、歌川国芳「百種接分菊」という絵。1本の木に100種の菊を接ぎ木して100種の花を咲かせた見世物を描いた絵です。菊の花は江戸時代後期に流行して、多様な色・形態の花や菊人形の展示が人気を集めてました。そんな場のひとコマですが、1本の木に100種の花を接ぎ木して咲かせるという園芸の趣向と技術もすごいし、それを描いた浮世絵も面白い。現代に再現しようとしたらできるんでしょうかね?



 前の記事にも書きましたが、図録が完売していて、入手できませんでした。古本屋さんで探さないと。



 ちなみに、佐倉の国立歴史民俗博物館でも「伝統の古典菊」という特別企画の展示を行ってるのですが、この週末29日まで。歴博、遠くて、行く時間が取れない~。



 松戸市戸定歴史館でも「江戸の園芸文化史」という展示をやってたのに、行きそびれたし……。



 やはり、今月前半の体調不良による蟄居が響いてますねぇ。健康第一。



 終わった展覧会(歴博はまだ3日あるけど)の数を数えても虚しいばかりなので、将来に目を向けます。
 体調回復した現在、これは行かなくては!と思ってるのが、植物つながりで江戸東京博物館の 特別展「いけばな 歴史を彩る日本の美」(11月23日~来年1月17日)と、浮世絵つながりでたばこと塩の博物館の特別展・平木コレクションのすべて「浮世絵百華」(11月21日~2010年1月11日)。
 どちらも会期中に展示替えがあるので、リピートすることになりそうです。