あらら。残念なニュースです。ミッション中止。80億ウォンぶっ飛んだ模様。
要点がよく整理されていて、知りたいことがきっちり押さえられてる記事なので、全文を翻訳しました。勉強になりますねぇ。
◆大型ミュージカル『Mission』、初日を前に突然中止
京郷新聞 2010.06.16
13日から7月6日までソウル世宗文化会館大劇場(세종문화회관 대극장)の舞台にかかることになっていた100億ウォン規模の大型ミュージカル『Mission(미션)』の公演が突然中止された。
このミュージカルは、新生ミュージカル製作会社であるサンサン・ミュージカルカンパニー(상상뮤지컬컴퍼니)が企画・資本提供し、イタリア現地で製作することにした作品。企画段階で映画『Mission』のテーマ曲を作った映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネと彼の息子であるアンドレア・モリコーネが音楽を担当し、注目を集めていた。この作品は4月22日からチケット前売りを開始、600~700枚のチケットが販売され、TV広告も進められた。しかし、公演が中止され、製作会社はすでに世宗文化会館に支払った4億ウォンにのぼる劇場使用料を棒にふり、チケット購入者に対する払い戻し措置で大きな被害を蒙ることになった。また、ソウル公演に続いて予定されていた釜山・大邱・光州などの地方公演も中止された。過去、一回限りの公演が演奏者の都合でキャンセルされた事例はあったが、大劇場の長期公演として予定された作品が初日のわずか数日前に電撃的に中止されたのは前例のないことだ。
企画と投資をしたサンサン・ミュージカルカンパニーは公演中止の理由を「エンニオ・モリコーネの要請によるもの」としている。この会社のイ・テゴン(이태곤)代表は「イタリアの製作会社であるエペソ・プロダクション(에페소 프로덕션)を通じて、エンニオ・モリコーネが、完成度を高めるため初日を2週間程度遅らせてほしいと要請してきた」と言い、「このため6月25日から公演しようかと考えたが、その場合、赤字幅が非常に大きく、投資者たちと協議して公演を何ヶ月か延期することにした」と述べた。イ代表はまた、「音楽録音など時間が多くかかる作業がすべて終わっているため、可能であれば年内、遅くとも来年初めには舞台にあげるつもり」と話している。彼によれば、今までこの作品に投入した資本は70億ウォン程度。これには、ミュージカルの原作である映画『Mission』に対する著作権を持っているワーナー・ブラザーズ社とエンニオ・モリコーネの音楽に対する著作権料、脚本料などが含まれている。このすべての過程を代行したのもイタリアのエペソ・プロダクションだ。イ代表は、「ブロードウェイを始めとした全世界への輸出など『Mission』に対するすべての権利を向こう10年間にわたって企画と投資をしたサンサン・ミュージカルカンパニーが保有する」とし、「公演が何ヶ月か延期されるため、投資者の立場から損害が大きいが、10年という年月を見通して長期投資したものであるため、問題はない」と話している。
しかし、ミュージカル『Mission』は、当初から釈然としない点が多かった。広報を始めた4月に最終配役すら決定されていない状態だった。ほとんどのミュージカルは、公演6ヶ月前に俳優との契約を済ませるのが慣例だ。5月に予定されていた作品の製作発表会も突然中止された。この作品の投資者の大多数が個人であるという点を考えても、ミュージカル『Mission』が一日も早く舞台に雄壮な姿で現れることを願うが、ひょっとして竜頭蛇尾の結果を招くのではないかと憂慮される。
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
世宗文化会館大劇場を一ヶ月借りると4億ウォンなのね……って、ポイントはそこでなく、韓国の製作会社はエンニオ・モリコーネ側に費用請求しないんでしょうか? この記事ですと、サンサン・ミュージカルカンパニーが膨大な損害を抱えるように読めるのですが、公演キャンセルに伴なう費用はイタリア側が負担するのが筋では? 韓国側は「投資」なので公演中止はリスクの内? 契約内容次第なのかな。
これまで、海外から招いた「来韓公演」が、韓国側の会社の準備不足(予算、会場設営等々)でトラブルになったケースは多々ありました。公演中止にまでは至らなくとも、初日延期になるとか、開演が遅れるとか。
今回のように、海外側の事情で公演が中止になるというのは、確かに「異例」ではあります。
サンサン・ミュージカルカンパニー側では「可能であれば年内、遅くとも来年初めには」上演するつもりとのことですが、作品がどこまで「完成」しているのか疑問に思われるフシもあり、見通しは明るくなさそうです。すでに「無期限延期」との見出しで報じている記事も出ています。
公演の6ヶ月前に俳優と契約するという慣例に従うなら、来年初めに初日を開けるためには、来月7月に配役決定して契約する必要があるのですけれど……。
こういう話を聞くと胸が痛いです。
返信削除「来韓公演」ではないけれど
去年の『GAMBLER』公演中止や
2007年の『解語花』の初日延期を思い出して。
主催側に責任があることとはいえ、本当にダメージが大きいと思います。
>当初から釈然としない点が多かった。
こういうところが現実になってしまうことが多いんですよね。
「あれれ?」と思ったところで考え直したり引き換えしたりする勇気も大切なのかと思います。
大きな企画ほど方向転換がしにくいものなんでしょうが…。
阿青さん
返信削除そうですね。製作会社のダメージはどれほどかと思いますし、もっと早い段階でどうにかならなかったのかとも思います。
韓国は「これ絶対間に合わないでしょ」という進行を、火事場の馬鹿力的なパワーで間に合わせてくる(しかもクオリティを維持してる)のが得意技なので、そのへんの感覚がイタリア現地製作では通用しなかったということなのかなぁ、と想像してます。