2009-04-12

[演劇]蜉蝣峠

 クドカン初の時代劇、クドカン初の<劇団☆新感線>提供作品。「いのうえ歌舞伎・壊(Punk)」と銘打った「蜉蝣峠」。
 つい先ごろ「鈍獣」の舞台のDVDを繰り返し見ました。好き嫌いがはっきり分かれそうなクドカン独特の世界。いのうえ歌舞伎でも健在でした。






2009年4月11日(土)18時
赤坂ACTシアター
2階A列22番



作:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:古田新太、堤真一、高岡早紀、勝地涼、木村了、梶原善、粟根まこと、高田聖子、橋本じゅん、他



 訳分かんないしょーもない導入部から、見る者をいつの間にか作品世界に引きずり込んで行く繊細な力技が素晴らしい。小ネタとして織り込まれたギャグに呆れたり笑ったりしてる内に、きっちり構成されてる作品世界へ取り込まれちゃいました。



 カットバックの手法を利用して同じ場面が2回演じられるのが、脚本でよく練られている上に演出も工夫されていて面白かったです。闇太郎(古田新太)ががめ吉(梶原善)から握り飯もらう件とか、お泪(高岡早紀)の父母が死ぬ場面とか、闇太郎の母が登場するところとか。



 映像の使い方も巧み。基本的には生の舞台で映像使うのは好きじゃないんですけど、新感線は毎回感心してます。毎度お馴染みタイトル部分はもちろん、登場人物の移動や回想イメージにも使われていて、カッコ良かったり、コミカルだったり。



 それから、振付(川崎悦子)がとてもよかったです。アンサンブルの動き、歌謡ショーの振付、どれも見た目に新鮮で面白い。個々の動きはどこかで見たような型でも、組み合わせ方と間がよいのだろうな~と思いました。



 登場人物のキャラは流石先生(粟根まこと)がお気に入り。あれ、「トンマッコル」のキム先生でしょ~。



 開演前は死ぬほど眠かったのが、開演直後から3時間、パッチリ眼を見開いてました。
 馴染めないタイプの作品のはずなんですけれど……とても面白かったです。



 今年12月の歌舞伎座はクドカン書き下ろし作品?という噂があります。今回の舞台を見て、クドカン歌舞伎の実現が楽しみになりました。



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