野田秀樹の野田地図第14回公演。某オフに参加しての見物でした。観劇後の宴会にて、「公演情報をネットだけで見てたので、『バイバー』『バイパー』『パイバー』『パイパー』、4通りのどれだか今日まで分からなかった」という某氏のジョークに爆笑。
正解は「piper」なんですが……「笛吹き」だと思ってたら……あれ?違うの?……え?やっぱり? 面白い芝居でした。
2月7日(土)19時
シアターコクーン
F列8番
作・演出 野田秀樹
出演 松たか子・宮沢りえ・橋爪功・大倉孝二・北村有起哉・小松和重・田中哲司・佐藤江梨子・コンドルズ・野田秀樹
舞台は人間が移住した火星。移住後900年が経ち、なぜか火星は荒廃しているらしい。現代の火星にいるのは、移住民の子孫たちと、人間を幸せにするため最先端の科学を駆使して開発されたパイパーたち。
まずこの「パイパー」という存在の設定とその表現が面白いです。その名の通り、パイプの人? さらに、科学的に測定される幸福度指数「パイパー値」。バカバカしい数値なんですけど、「2009」と提示されると、その意味を考えちゃいます。
火星の歴史を振り返る、その方法も面白かったです。このアイディアのお陰で、舞台上で自然に、火星の古代・中世期・現代を行き来できてしまいます。
野田地図には珍しく48人ものアンサンブルが登場。微妙にずれたスローモーションのダンス、気に入りました。ゴーストか残像のような、ぼやけた映像を見ている感じ。
宮沢りえと松たか子は姉妹役でがっぷり四つ。宮沢りえはのどをやられてたようで、セリフが少し苦しかったですが。
橋爪功は芝居が進むにつれて存在感が増して、さすが。
大倉孝二は変に大人びた8歳の天才少年という難しい役柄をうまくこなしてました。
重く暗いテーマを扱っているのに、軽やかで稚気にあふれた表現のため、最初から最後まで楽しく見ました。可能な限り重層的に意味をリンクさせた脚本に、「ごっこ遊び」のようなアイディア満載の演出。面白かったです。
素直にカーテンコールの拍手を送ることのできた舞台でした。
これで、もう少しチケットが安ければ(S席9,500円、A席7,500円)、もう少しチケットが取りやすければ(前売完売、当日券若干アリ)、言うことなし。
もう一度見たいのですけど、ハードル高くて。
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