昨日は節分、今日は立春。暦の上では今日から春です。
韓国で暮らしてよかったなぁと思うことの一つは、陰暦の感覚が実生活の中で身に付いたことです。
ということで、立春とか陰暦とか、最近考えたり調べたりしたこと。
その1。
今年の陰暦の元日は1月26日。2月4日の今日が立春。新年を迎えた約10日後に春が来た、ということです。そして、世間では梅の開花のニュースがちらほら。
陰暦の世界では、新しい年と春はほぼ同時にやって来て、ちょうど同じ頃に梅の花が咲き始めます。新年早々他の花に先駆けて咲くのが梅の花。「百花の魁」「花の兄」と呼ばれるのも納得です。
その2。
今年の陰暦の元日1月26日は、例年に比べてちょっと早いな、という感じです。遅い年ですと、2月10日頃だったりしますので。実際、2007年の陰暦の元日は2月18日でした。立春は普通に2月4日でしたから、新年より先に春が来てしまったわけです。これが旧年の内に立春を迎える「年内立春」ですね。
『古今集』の巻頭歌、
ふる年に春立ちける日よめる 在原元方
年の内に 春はきにけり ひととせを 去年(こぞ)とや言はむ 今年とや言はむ
は「年内立春」を詠んだ歌としてよく知られています。
ただし、年内立春は別に珍しいことではありません。自分でも以前、18世紀(1701~1800年)の100年分を調べたことがあるのですが、年内立春は49回だったか51回だったか、とにかく2年に1度は「年内立春」。昔も今も同じです。
その3。
今年の陰暦の元日は早いな~と思った時、ふと気づいて調べてみました。
あら、やっぱり。今年の陰暦カレンダーは、
1月・2月・3月・4月・5月・閏5月・6月
7月・8月・9月・10月・11月・12月
と5月が2回繰り返されて、1年13か月。今年は「閏月」があるのでした。
韓国へ行く前、私にとって「閏月」というのは単なる知識でした。陰暦では「閏月」がある、江戸時代には「閏月」がある、という知識。ところが、韓国で陰暦を意識して生活していると、当然のものとして「閏月」が存在するのです。
これはちょっとしたカルチャーショックでした。いきなり江戸時代に引き戻されたような。5月が終わってまた5月が始まるって、軽い徒労感を覚えたりして。
その4。
今年の陰暦の2月は「大の月」で、30日まであります。太陽暦の3月26日が陰暦2月30日に当たってます。太陽暦に慣れてしまっていると、「2月30日」ってシュールな日付ですよね。これも江戸時代の日記類にはよく出てくるのですけれど。
ちなみに、今年の陰暦の1月は大の月で30日まで、3月は小の月で29日までです。1月から3月までの月末は「1月30日」「2月30日」「3月29日」。
何やら不思議な日付で、あれこれ勘違いしそうです。現代人が突然江戸時代にタイムスリップしたら、「月末〆」の日にち勘違いトラブル、絶対やらかすと思います。
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