書店や図書館があると、ふらふらと引き寄せられる習性のあるワタシ。先日、そうやって入り込んでしまった本屋で、ふと目に止まった『としょかんライオン』なる絵本を最初から最後までじっくり立ち読みしちゃいました。
だって、『としょかんライオン』ですよ。見過ごせるわけありません。(この絵本、面白かったです。図書館大好きなライオンの話。)
え? それがどうしたって? マクラです、マクラ。
韓国演劇情報、今回ご紹介するのは特色ある公演2本。リンク先は韓国語、記事紹介は原文の抄出翻訳です。
◆『あなたを愛します』、日本語字幕サービス実施
maxmovie 2010.02.11
演劇『あなたを愛します(그대를 사랑합니다)』が大学路の演劇としては初めて、日本語字幕サービスを実施する。(略)
去る9日から始まった日本語字幕サービスは、4次アンコール公演が終わる21日まで日本人観光客を対象として行われる。公演を見に来た日本人観光客に、入場料無料とする代わりに字幕と演劇についてのアンケート調査を実施する。
このアンケート結果を元に、4月に始まる5次アンコール公演ではより体系的な字幕サービスを実施し、明洞、南大門などと連携して本格的な日本人観光客の誘致にも乗り出す予定だ。
演劇『あなたを愛します』は、漫画家カンプル(강풀)の同名原作を舞台化した作品で、初演以来10万人の観客の胸を涙で濡らした作品だ。
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『あなたを愛します』は大学路のロングラン作品の一つで、大人の観客に好評の芝居です。ロングランしてるので未見なんですけど、マロニエ公園入口にある「よい公演案内所(좋은 공연 안내소)」で勧められたことがあります。「よい公演案内所」が今のようなディスカウントチケット売場にリニューアルする前で、文字通り「よい公演」を「案内」してくれていた時のこと。
日本語字幕、ミュージカル『地下鉄1号線(지하철1호선)』にはありましたが、「大学路の演劇」では「初めて」ですね。
日本語字幕あり、チケットはタダ。21日までにソウルへ観劇に行く方、チャンスですよ~。
これを皮切りに他の劇場でも日本語字幕サービスが行われるようになると、観劇作品の選択肢がぐっと増えますね。チケットも買いやすくなるかも。
公演は、2月21日まで、平日8時、土3時・7時、日3時、大学路ザ・グッド・シアター(대학로 더굿씨어터)にて。
◆大学路の舞台に再びオープンする『今日の本』
聯合ニュース 2010.02.11
新村(신촌)の人文社会科学専門書店「今日の本(오늘의 책)」が閉店してからすでに10年が過ぎた。
この書店を舞台にした演劇『今日の本はどこへ消えたのだろうか(오늘의 책은 어디로 사라졌을까)』を2006年に初演した劇団ドリームプレイ(드림플레이)が、大学路のミマジアートセンター・プルビッ劇場(미마지아트센터 풀빛극장)に、実際に古本屋として運営される舞台を準備、23日からこの作品をオープン・ランで上演する。
開演4時間前から観客と市民は実際に舞台を行き来して、気に入った本を買ったり交換したりでき、俳優と制作陣が店員として店に立つ。
終演後には、学生街の古本屋風に過去に思いを馳せることのできる空間に整えられ、観客と共に過ごす時間が設けられる。(略)
キム・ジェヨプ(김재엽)劇団代表が脚本を書いて演出したこの作品は、1990年代初めに大学生活を送った、いわゆる「挟まれた世代(낀 세대)」の追憶と悔恨を描いた作品だ。
大学時代に自分たちが利用していた人文社会科学書の書店と同じ名の古本屋「今日の本」を母校の前で開店する同期を祝おうと、91年入学の同期生たちが集まって、物語は始まる。
出演、ペク・ウンチョル(백운철)、ソン・ミョンギュン(선명균)、ウ・ドンギ(우돈기)、イ・サンヒョク(이상혁)、パク・キドク(박기덕)、イ・ヒョノ(이현호)、キム・ユジン(김유진)、キム・シルロク(김신록)。
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ふらっと入った本屋でふと目に止まった『としょかんライオン』を立ち読みしちゃうワタシ、本屋もやってる劇場を素通りできるとは思えません。この芝居、ふらふら見に行っちゃいそうな気がしてます。
記事内の「挟まれた世代」は上と下の世代に挟まれて苦労している世代のことで、ここでは90年代前半に大学生活を送った若者たち。日本ならバブル崩壊後の「ロスト・ジェネレーション」ですが、韓国の場合、社会に出ようとしたところで通貨危機に遭遇してしまった世代に当たるでしょうか。この世代の「追憶と悔恨」を描いた演劇、どんなものなのか興味深いです。
が、具体的な公演予定がネット上を探しても見つかりません……。分かったのは、ミマジアートセンターの「ミマジ」は「味摩之」で、中国から日本に伎楽を伝えた百済人の名前から取ったらしい、ってことぐらい。
ともあれ、この「古本屋」では、「本を読む社会をつくる国民運動」を通して販売収益の1%を児童図書館設立に投じる予定だそうです。
児童図書館設立、いいですね~。竣工の暁にはぜひ、絵本『としょかんライオン』を置いてほしいです。図書館好きのライオンがいればさらによし。
韓国の演劇に日本語字幕ですか!そんな動きがあるのですねぇ。それは日本からお芝居を観に来る日本人が増えているということなんでしょうか。いずれにしても、そういう試みがおこなわれるということは韓国語が出来ないけれど韓国演劇のファンにとって、とても喜ばしいことです(笑)。韓国でお芝居を観るうえで選択肢が広がりますしね。ああ、それはそれで悩ましいですが(笑)。
返信削除まりおさん
返信削除スター出演のミュージカルはもちろん、大学路の劇場でも日本人観光客が増えていることを、韓国側が意識してるようです。これをうまく観光需要につなげたい、と考えてるのでしょう。
週末限定というような形でも日本語字幕付きの舞台が増えると嬉しいですよね。何を見ようか、いつ行こうか、楽しい悩みの種も増えて。o(*^▽^*)o
友人達は韓国語がわからなくても楽しめる
返信削除「ドローイングショウ」や「ドラムキャット」を
見に行っていますが、日本語字幕があれば、
見に行ってみようかな?っていう気持ちにはなりますよね。
韓国のミュージカルマニアの中には、
「何で日本語の字幕ついてるの?」という気持ちになる人もいるでしょうが・・・^^;
でもどうでしょうか?
日本語字幕がついているだけで日本人観光客がわざわざ大学路に舞台を見に行くでしょうか?
舞台に興味のない人のほうが断然多いような気がします。
ももんがさん
返信削除そうですね。「日本語字幕」、実はなかなか難しい問題なのだと思います。だからこそ、まず試行してみて、アンケート調査をして、その上でさらなる方策を立てる、という段階を踏もうとしてるのでしょう。
大学路のケースと逆に、日本の劇場で韓国語字幕がついていたら「何で?(・_・)」って感じるでしょうしね。英語字幕ならまだしも(ここらは日韓お互い様)。
字幕が日韓摩擦の原因になりかねない危険も孕んでいると思ってます。
また、仰る通り、観光客は舞台に興味のない人の方が多いでしょう。が、韓国側にもそれなりの考えがあるのだろうと思ってます。
この点はちょっと長くなりそうなので、後で記事にして載せますね。