歌舞伎座昼の部・夜の部通し。当日携帯からポストした「二の午祭」を狙っての観劇でした。久しぶりに(12年ぶりぐらい?)、昼夜とも3階B席。「さよなら」の前にもう一度、と敢えて選んだ3階B席です。
学生時代はずっと3階B席専門でした。当時、歌舞伎座はガラガラで、一応指定席ではあるものの、同じ3階B席なら違う座席に座っちゃうことも可能でした。客席の様子を見て人の少ないあたりへ移り、荷物やコートを隣の席に置いて、くつろいでゆったり芝居見物したものでした。『名作歌舞伎全集』片手に、舞台と本と交互に目を遣りながら観てたこともありました。
昼の部『俊寛』。鬼界ヶ島への赦免船が舞台後方の水平線上をぐるっと回ってやってくる場面で、高い位置から舞台を見下ろしている3階B席からは、船が一文字幕に隠れて見えませんでした。
そう言えば、六代目歌右衛門の『国性爺合戦』「楼門」、錦祥女の顔が見えないまま、くねくねと動く手だけを観ていたなぁ。座ったままの演目ばかりを出していた、大成駒の晩年。
夜の部『籠釣瓶花街酔醒』。「見染」の見所、八ツ橋の「笑い」は見えないだろう、と覚悟してました。3階B席から花道はほとんど見えないのです。が、玉三郎は、花道にかかるかなり手前の本舞台上で振り返って笑いました。お陰で、はっきり観ることができました。満員のさよなら公演、3階のお客さんへの配慮だったのでしょうか。
そう言えば、学生時代は、『勧進帳』で幕が閉まると席を立ってダッシュで東袖へ移動、扉を背に立ったまま花道を引っ込む弁慶の飛び六方を観る、なんてこともしていたなぁ。本当はいけないのですが、あまり厳しいことを言わずに黙認してくれてました。
歌舞伎を見始めたばかりの駆け出しの学生客を温かく見守ってくれる、そんな空気が歌舞伎座にはありました。
……なんてことを思い出しながら、一日観劇。

3階B席から舞台を見るとこんな感じです。舞台の幕の前を歩く胡麻粒ほどの人の姿から距離感が分かると思います。役者もこのくらいの大きさに(衣装と鬘でふた回りほど大きいですが)見えます。下手に花道つけ際もちらっと見えてますね。
2月14日(日)
原稿作成、読書、調べ物、『週刊 江戸』校正。
夜、ジムでマシンと有酸素。クリスマスや花火などのイベント日には人が少ないことが多いのですが、バレンタインの今日はなぜか混んでました。
NHKスペシャル「ミラクルボディー 第3回フィギュアスケート 4回転ジャンプ “0.7秒”の美しき支配者フィギュアスケート」。
番組の最後で、ブライアン・ジュベールはすでに将来の5回転を視野に入れているという話になりました。現在のジャンプと比べて、踏み切りのスピードを20%速くすることで滞空時間を0.2秒長い0.9秒にできれば、理論的には5回転が可能というシミュレーション結果が出ているそうです。競技生活を終えるまでに1度は飛びたい、と。
前回のシモン・アマンもそうでしたが、超一流のトップアスリートって、誰もしてないことをやってる人たちなんですよね。トップに立つってそういうこと。
今年のバレンタイン、「逆チョコ」を頂戴しちゃいました。わ~い、嬉しい~。ありがとうございます!
京都の南座でも、舞台の奥半分が見えないような安い席で入って、様子を見て良い席が空いてたら、途中でそこへ移動も叱られませんでした。
返信削除有難かったです。
たまさん
返信削除あぁ、かつては南座もそうだったんですね。
京都南座は、かなり後になって(=経済的余裕ができて)時々行くようになりましたが、いつも満員です。顔見世に行くことが多いせいもありますが。
お客さんギッシリで賑やかなのも楽しいですけれど、ガラガラでのんびりした雰囲気も懐かしいですね。
>同じ3階B席なら違う座席に座っちゃうことも可能でした。
返信削除えっ!?学生時代、3階B席買って1階席に移動してました、犯罪か?
ホントに空いていたんで16列よりうしろにお客さんいなくて、児太郎時代の福助など役者さんや奥さん方に混じって座っていることがよくありました。
バレバレだったのに一度も咎められたことがないから、チケット買っているだけでありがたがられていたのかしらん。時効ということでご容赦m(_ _)m
pyokoさん
返信削除それ、犯罪っす。( ̄◆ ̄;)
と言いつつ、実は私も、3階Bで入って、3階Aの後ろの方で見たことは度々ありました。
五十歩百歩っす。(^-^;
チケット買ってるからというより(たかだか学割1200円でしょ?)、歌舞伎座までやって来て何時間も席に座って芝居見てるってだけでありがたがられてたんじゃないかと。
いい時代でしたねぇ。