2010-02-13

韓国演劇のダブルキャスト

 ソウルで来週19日に初日を迎える話題の演劇『レインマン』。
 先月の韓国演劇情報 でもご紹介したように、ともにミュージカル俳優であるナム・ギョンウプ(남경읍)とナム・ギョンジュ(남경주)の兄弟共演、そして、パク・サンウォン(박상원)とウォン・ギジュン(원기준)の演技派コンビというダブルキャストが注目を集めている舞台です。できることなら「両方のキャストを見比べたい」公演です。

 それやこれやで、次回ソウル旅行に備えて、ダブルキャストのキャスティング日程を調べていたのですが……何と、この公演、チケットオープンになっている前半だけですでに、2×2=4通りのキャスティングが公表されているではありませんか。コンビ2組じゃないんですね。

 そんな殺生な~。4通り全部観たい~。

 韓国の演劇、ダブルキャスティングは当たり前のように行われています。『レインマン』のようにキャスティングがクロスするのも珍しいことではありません。昨年から上演中の『笑の大学』もそうですね。

 2006年、中谷まゆみ作『ビューティフル・サンデイ』の韓国初演時、企画の段階で漢陽レパートリー側から「ダブルキャストを予定してます」と3役2人ずつ計6人のキャストを提示されました。これを聞いて、日本側はA・Bの2チームで公演するものと思い込んだのですが、現地でよくよく話を聞いてみたら「役者の組み合わせはフレキシブル」。ってことは、最大2×2×2=8通りのキャスティングの可能性があるわけで……。その場にいた日本側関係者は全員唖然。
 こっそり、日本版に出演されてた某役者さんに「日本で同じ企画があったら、やってみたいと思います?」と尋ねてみたら、「……やりたくないなぁ…」と。そりゃそうですよね、あの作品で相手役がコロコロ変わったら辛いですよねぇ。
 実際の公演は6通りのキャスティングで上演されました。全部観ました。刺激的な公演でした。

 話は変わって、以前、韓国の某演出家さんとこんな会話をしたことがあります。

なな「韓国の演劇は普通にダブルキャスティングしますよね」
某氏「日本ではないんですか?」
なな「韓国よりはずっと少ないです」
某氏「どうして?」
なな「俳優が比較されるのを嫌がるから、でしょ?」
某氏「ふ~ん」
なな「韓国の俳優は嫌がらないんですか?」
某氏「嫌がるなら使わないもの」
なな「……(^_^;」

 ま、とにかく、ダブルキャスティングは当たり前、なわけです。

 韓国の演劇は、一つの公演で様々なキャストを見比べられる、まるでミュージカルのような楽しみ方ができるのですよね。これって、韓国演劇の面白さの大きなポイントです。

 あぁ、ソウルに住んでいれば……4通りの『レインマン』が……。

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5 件のコメント:

  1. 私も自分のスケジュールの変更に合い 偶然2回見ることになったミュージカル、本編自体よかったですし 違うキャストで観れて 面白かったです。
    ついでに丁度 サイン会があったので更にテンションUPでした。
    忘れてました。旧正月・・・
    チケット取扱サイトに頼んだチケット、16日まで返事がもらえない。。。。。

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  2. airinさん
     違うキャストで見られると、役者や作品の新たな魅力や面白さが発見できて、楽しいですよね。
     何をご覧になったのでしょうか。
     今日がちょうど旧正月ですね。
     ご希望のチケットが取れてますように。
     새 해 복 많이 받으세요!

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  3. 観たのは 「オンエア・シーズン 2」
    これがまた 楽しかったのなんの。小さい劇場は良いですね~
    次の年、シーズン3 を観ましたが 2のキャストのほうがよかったように思えます。
    チケットは取れましたが 一枚はまずまず良席、別の公演は端しかなかったです。やはり指定サイトが確保しているのでしょうか・・・・
    でも 楽しみです。

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  4. 追伸
    どうも 外国人と入場口を分けるようでまた インターパーク購入では配送は無く 当日本人確認という話、相当厳しいみたいです。公式指定を利用するしかないのでしょうか・・・
    それだと当日まで席位置がわからないのです。
    一か八か 当日券に賭けてみるか悩むところです。

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  5. airin さん
     「オンエア」、ご覧になってるんですね。いいな~。
     お取りになりたいチケット、『モーツァルト!』でしょうか。この公演は、海外からの観客が摩擦を引き起こさないようにと、主催者側もかなり神経質になってるみたいですね。
     規定上、どんな公演でも本人確認することになっています。住民登録証を見せてチケットを受け取る、という段取りですので。
     予約者と来場者の名前が違う場合にどこまで厳密に対処するかは、公演の主催者と劇場の方針次第です。相手側が納得する理由を説明できればOKのこともあります。
     当日券がありそうなら、ソウル入りしてすぐに教保文庫か永豊文庫のプレイガイドへ行って購入、という手もありますよ。インターパークチケットの直接販売窓口です。その場で席を選びながら買うことができ、前もって入手できるので、当日券より少し確実です。

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