今月の歌舞伎座夜の部、最初の演目は市川染五郎の長男・松本金太郎の初舞台です。弱冠4歳ですが、高麗屋一族の新星、未来の「松本幸四郎」。ロビーには各方面(テレビ局、出版社、劇場・劇団、芸能人……)から贈られた豪華な花が所狭しと飾られてました。
どうか良い歌舞伎役者になってくれますように。
「十一代目松本幸四郎襲名」、見られるでしょうか……40年後ぐらい?
2009年6月5日(金)16時30分
歌舞伎座
3階2列41番
「門出祝寿連獅子」
四代目松本金太郎 初舞台
幸四郎・染五郎・金太郎という三代による三人連獅子。清涼山の獅子に孫が生まれたので、使者を遣わして様子を見に行かせるという金太郎初舞台お祝いバージョン。芝雀・福助・松緑・高麗蔵・友右衛門・魁春・梅玉・吉右衛門が共演して、初舞台に花を添えてます。舞台半ばに口上もあり。
注目の金太郎は行儀よく頑張ってました。獅子になってからの毛振りもなかなかサマになってましたし。何てったって、4歳になったばかり、行儀よく元気なのが一番です。
舞台上では、祖父・幸四郎、父・染五郎は金太郎の傍につきっきり。口上で初舞台の引き合わせをするのは幸四郎。列座の役者の口上順は上手から下手へ一直線。ちょっと変則ですね。高麗屋らしいです。
千秋楽まで元気に舞台を勤めてください。
「極付幡随長兵衛」
吉右衛門の長兵衛、どの場もよかったです。旗本奴に屈しない町奴の意地も、息子への情も、最後の覚悟も。仁左衛門の水野は、スッキリとカッコよすぎるのですが、これがこの人の持ち味なんですよねぇ。
湯殿の立ち回り、幡随院長兵衛、水野十郎左衛門両者の意気地が直接ぶつかり合う充実の場でした。吉右衛門と仁左衛門の顔合わせゆえ。この場面、うっかりすると付け足しに見えちゃったりするのですが。
「梅雨小袖昔八丈」
幸四郎が江戸っ子に見えないのが難。これも持ち味なんですよねぇ。入墨者のふてぶてしさは出てるのですが。
染五郎の勝奴、当初は違和感があったのですが、見ている内にこれもアリかなという気になりました。というか、この役、ピッタリはまってこれぞ勝奴という役者を見たことないような。
福助の手代忠七も、白木屋店先ではくねくねしていて、立役は無理なのでは……と思ったのですが、永代橋はよかったです。
歌六の弥太五郎源七が、役の微妙な立場をうまく出してました。幸四郎とのバランスがよいのかも。
弥十郎の家主、この役はもうこの人のものですねぇ。「鰹は半分もらったよ」の件、分かりやすくやってました。今のお客さんにはこのくらい丁寧に(しつこく)やるのもよさそうです。
深川閻魔堂橋の立ち回りから「今日はこれ切り」で打ち出し。21時半を回ってました。
「幡随院長兵衛」と「髪結新三」をそこそこ通せば長くなりますよねぇ。お腹いっぱいの夜の部でした。
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