一人目。教育実習へ行くという学生。
「実習期間中、授業の方は出られないんですが……」
「うん、教育実習へ行ったという証明を出してくれればOKですよ」
「それで、その間の授業で見るビデオのことなんですが……」
「ん?」
「授業のビデオ、見たいんですけれど……」
毎回の授業で見せている歌舞伎・文楽の映像を、教育実習から帰ってきたらまとめて見せてもらえないだろうか、という相談でした。試験が心配、とかいうことではなく、純粋に興味があって見たいらしいです。
こちらも結構苦労して揃えている映像ですので、見たいと言ってくれるのは嬉しいことです。
二人目。観劇レポートを持ってきた学生。
「この間歌舞伎を見に行ったので、レポートを……」
「あ、レポートは最終授業時に受け取るので、その時まで自分で保管しててくれますか?」
「それが、観劇レポートって、これでいいのか心配で……」
「劇場行って見たこと、考えたことを書いてあれば大丈夫ですよ」
「あの、やっぱり心配で、先に見ていただけないかと……」
私が目を通して「う~ん、これではちょっと……」などと言ったら、書き直して再提出するつもりなのでしょうか。きっとそうなんでしょう。これでいいのか心配って自信なさげですけど、取り組み方はとても積極的。
三人目。履修資格がないのに自主的に聴講している他学科の学生。
「先生、試験はどうしたらいいですか?」
「ん? あぁ、えーっと、どっちでもいいですよ」
初回の授業で自主聴講を許可した時、「授業中の課題は他の学生と同じように一生懸命やって下さい」というのが条件でした。そのためか、試験も「他の学生と同じように一生懸命」やるべきでは、と思ったようです。私の方は、単位が取れないのだから試験は受けないものと思い込んでいたのですが。
興味を持って自発的に勉強していれば、試験も楽しいものなのかもしれません。
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