この10年、ソウルでロングランを続けている演劇と言えば、レイ・クーニーの「ライアー(Liar/라이러、原題:Run for Your Wife)」。私も大学路で見ましたが、めちゃくちゃ面白かったです。客席は大爆笑の連続。
ソウルですごく受けてるのに、日本であまり上演されないのをずっと不思議に思ってました。
という訳で、別の作品ですが、「日本でのレイ・クーニー作品や如何?」と興味津々で出向いてみました。加藤健一事務所の「パパ、I Love You!」。
2009年6月6日(土)13時
下北沢・本多劇場
K列中央ブロック
作:レイ・クーニー
訳:小田島雄志、小田島恒志
演出:加藤健一
出演:加藤健一、村田雄浩、日下由美、加藤義宗、一柳みる、山野史人、福島勝美、かんのひとみ、石坂史朗、坂本岳大、枝元萌、SHOWTA.
ロンドン・セントアンドルーズ病院の医師デービッド(加藤健一)は、クリスマスを3日後に控えて浮かれる病院スタッフをよそに、世界各国から集まった200人の神経科医を前に行うポンソンビー記念講演のスピーチの準備で頭がいっぱい。同僚で親友のヒューバート(村田雄浩)のくだらないおしゃべりの相手をする暇もない。そこへ、以前病院で看護婦をしていたジェーン(日下由美)が現れ、驚くべき告白をする。自分はデービットとの間にできた男の子を秘かに産んでいた、その18歳になった息子レズリー(加藤義宗)が父親を探して病院に来ている、と。
スピーチは1時間後。病院の理事長サー・ドレーク(山野史人)は彼のスピーチに期待を掛け、妻ローズマリー(一柳みる)は夫の晴れ姿を楽しみにしている。デービッド自身、このスピーチには内科部長の椅子とサーの称号がかかっている。昔の浮気と隠し子を今ここで露見させることは絶対できない。デービッドはその場しのぎの出まかせでこの難局を乗り切ろうとするのだが……。
ウェルメイドで、設定とストーリー展開が面白いので、楽しく笑える作品。思わぬ窮地に追い込まれてその場しのぎの嘘を重ねる主人公、という仕掛は「Run for Your Wife」と同じです。
役者もそれぞれに好演してます。特に、デービットから厄介事を次々押し付けられるヒューバートの村田雄浩ははまり役。
看護婦のSHOWTA.、色っぽくて可愛くて。ここまでコケティッシュにやってもイヤらしくないのがいいなぁ~。女優だとこうは行かない気がします。
一幕がややもったりしているような。二幕はテンポよくハイテンションで通したので、あえて一幕はテンポ落としたのでしょうか。でも、この作品は、ジェーンが登場した瞬間からハイテンションで進む芝居だと思うのですが……脚本ちゃんと読んでみたいです。
韓国の「ライアー」、最初から最後までキレのよいセリフと演技でテンション高く飛ばして行くんですよね。それでいて決してバタつかず。
それと比べると、よく言えば落ち着いた、悪く言えばキレ味とスピード感が足りないように思われました。
客席の年齢層がかなり高いのも一因かもしれません。そう言えば、平日にマチネ(13時開演)しかない日があったり。加藤健一事務所、リタイア後の<ダンカイ>がメインターゲットなんでしょうか? この作品は、もっと若い人がゲラゲラ笑って楽しむお芝居なのでは?
う~ん、やっぱり、脚本読まないと。
チラシの束に ttkプロデュース公演「Run for Your Wife」(8月5日~9日、中野ザ・ポケット)を見つけました。これも見に行っちゃうのだろうなぁ。
『Run for Your Wife』も、加トケンさんとこのレパートリーです。
返信削除邦題はまんま『ラン・フォー・ユア・ワイフ』。
けっこう何度もやってると思ったんですけど、気のせいか…?
阿青さん
返信削除毎度情報ありがとうございます。m(_ _)m
カトケンさんの所は93年と00年と2度やってるみたいです。他のカンパニーでも時々かかってるみたいですが。
日本は基本的に公演期間が短いので、見る機会が限られちゃうってことかしらん。
韓国の「ライアー」は1弾(Run for Your Wife)・2弾(Caught in the Net)・3弾(Funny Money)と、3作並行してロングランしてるんですよね。
芝居って、(チケットの値段や取りやすさも含めて)見る機会がある、っていうのが大事だな~と、最近特に思ってます。