「親子劇場」ということで、客席は親子連れで大賑わい。男女を問わず、浴衣姿の子供がちらほらいるのが目を引きました。大阪の子供たちの間では「浴衣で文楽」ってのが流行ってるんでしょうか? 品よく、愛らしく、いい感じ。子供の兵児帯、かわいいな~。
2009年7月31日(金)11時
大阪・国立文楽劇場
中央4列23番
「五条橋」
五条橋での牛若丸(義経)と弁慶の出会いを描いた所作事風の一幕。
人形が、やるべきことはちゃんとやってるのですが、それ以外の不要な動きが多くてすっきりしません。こういうところに技量の差が出るのでしょう。
解説 文楽へのご案内
解説は吉田簑紫郎。とっても真面目な解説でした。恒例の、子供による人形遣いの実体験あり。
「化競丑満鐘」
箱根先化住居の段
滝沢馬琴の浄瑠璃作品が戦後になって舞台化されたもの。登場人物はすべて「化物」ですが、ストーリーは真っ当なお家騒動物です。
ちなみに、「箱根先化住居(はこねのさきばけずまい)」は、パンフレットの解説(香川雅信氏)にもありますが、「野暮と化物は箱根の先」という江戸の諺によるものです。
化物国の領主見越家の家宝文福茶釜が盗まれ、それを預かっていた狸は女房雪女と一子川太郎を抱え、浪々の身となって茶釜の行方を尋ねています。
パンフレットより
あらすじの冒頭を読んだだけで、興味津々。狸と雪女が夫婦になって河童が生まれるって……。化物国のDNA構造をぜひ知りたいものです。
狸は主君の息女ろくろ姫の身代りとして、女房雪女の首を差出します。首実検に来たかまいたちは偽首と気づかず持ち帰りますが、途中で首が水となって身代りが露見。
もう笑うしかありません。筋が通ってるんだか通ってないんだか。
とは言え、詞章と節付けは本格的な義太夫節。咲大夫の口跡鮮やかな語りと燕三の鮮やかな撥捌き、勘十郎の堂々たる遣いっぷりの狸の演技で、とても楽しめた一幕でした。
これ、東京でもやって欲しいです。お勉強志向の強い東京では難しいでしょうか。
お江戸に野暮はいないのですから、洒落ッ気たっぷりのこの作品は受けるはず。え? 化物もいないから上演できない? まさかね。
昭和53年8月に国立劇場で通し上演しているそうです。ぜひ再演を!
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