ショックです。
學燈社の『國文學 解釈と教材の研究』、至文堂の『国文学 解釈と鑑賞』の二誌は、一般書店に並ぶ国文学の専門誌として伝統ある雑誌なのですけれど。
学燈社の「国文学」休刊、純文学の人気低迷で部数減
日本語や日本文学の月刊専門誌「国文学」(学燈社刊)が6月11日発売の7月号で休刊することが分かった。
1956年の創刊以来、国文学研究者の発表の場として知られ、専門誌ならではの特集に定評があったが、大学の国文学離れや純文学の人気低迷で部数が減っていた。
(2009年5月16日05時49分 読売新聞)
記事は「大学の国文学離れ」なんてサラッと書いちゃってくれてますが、大学が予算獲得のための成果主義に走ると、国文科あたり(ひいては文学部、人文系)が軽視されがちになるということで、国文学分野の研究活動は活発ですし、受験生・学生からの人気もそれなりにあるのです、今現在でも。
さて、私が学生の頃、国会図書館の閲覧数No.1雑誌は、まさしくこの、學燈社『國文學 解釈と教材の研究』でした。国文科の学生が卒論執筆やレポート作成のため、ぞろぞろと(国会図書館の見物を兼ねて)閲覧しに来るからです。
実際には、国文科のある大学なら図書館や研究室で所蔵してるものなので(そう言えば、ソウル女子大の図書館にも入ってました、有難かったです)、この雑誌の閲覧者の大半は国会図書館まで来る必要がなかったはずと推測され、ハタ迷惑な現象だったのですけれど、まぁ、それはそれとして。
『國文學 解釈と教材の研究』は、フツーの学生が勉強しなくちゃと思い立つと必ず目を通すことになる、そんなポピュラーな雑誌なのです。
図書館へ行けば、『國文學 解釈と教材の研究』『国文学 解釈と鑑賞』の二誌が書架にずらーーーっと並んでいるのが当たり前。その片方の並びが止まってしまうというのは、ちょっと想像しがたいです……。
ぶっちゃけ、この雑誌、専門家はもともとあまり買いません。図書館や研究室に完備されてますから。自分の関心分野の特集号のみ買って手元に置くという感じ。
それなら、誰が買わなくなったのかと言えば、一般の国文学愛好家、主力購買層だったと思われる高校の国語の先生、それに、合併で数の減っている短大(=国文科は中核学科)、あたりなのでしょうか。
国文学の旗艦雑誌が一つ消えるわけで、長い目で見たらその影響は計り知れないのですよね……。
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