2010-01-31

韓国ミュージカル情報/10.01.31

 韓国ミュージカル情報、「え?あの映画がミュージカルに?」というニュース2題と、話題の舞台のOST発売決定のニュースです。
 活気ありますね、韓国ミュージカル界。不景気のはずなんですけど、どうなってるんでしょうか?




パク・チャヌク『共同警備区域JSA』、ミュージカルで再誕生
 マイデイリー 2010.01.28

 2000年に大ヒットしたパク・チャヌク(박찬욱)監督の映画『共同警備区域JSA(공동경비구역)』が、今年下半期、ミュージカルになるというニュースです。

 製作会社MUKカンパニー(무크컴퍼니)によれば、これまで南北分断問題を素材とした映画は多かったが、ミュージカルとして製作されるのは初めて、とのこと。
 ミュージカル『共同警備区域JSA』は映像技法を取り入れ、映画を見るような効果とともに、美しい自然が残るDMZ(非武装地帯)の映像と躍動感ある音楽との調和で、より大きな感動へ新たに向かう予定。ソン・ガンホ(송강호)、イ・ヨンエ(이영애)ら映画のキャストに次ぐトップスターをキャスティングするつもり、だそうです。

     *  *  *

 『共同警備地域JSA』、大好きな韓国映画の一つです。2000年当時、私は大邱に住んでましたが、私の周りでこの映画を観てない人はいなかったです。それほどに話題の映画、大ヒット映画でした。

 あれから10年、今年2010年は朝鮮戦争60年に当たり、韓国社会全体で朝鮮戦争を見直そうとする機運が高まっています。主だった映画製作社、映画監督のほとんどが、戦争映画の企画を進行中だとか。なので、女優受難の年、なんて話も漏れ聞こえてます。
��『JSA』も朝鮮戦争50年の映画なんですね。今気づきました。(^_^;)

 そんな中での『共同警備区域JSA』のミュージカル化。観たい~。
 元の映画は、南北分断という重い主題を扱いながら、エンタメとして感動できる名作。これをミュージカルとして舞台化するのは大変そう。どんな舞台になるのか、期待したいです。


『風の丘を越えて』、18年ぶりにミュージカルで再誕生! 「最高の名人、ドリームチームが集まった」
 ニュースEN 2010.01.29

 映画『風の丘を越えて-西便制-』(原題:西便制、서편제)がミュージカルになる、というニュースです。

 イム・グォンテク(임권택)監督『風の丘を越えて』は1993年に製作され、当時、単館上映で196日間、韓国映画最初の100万人の観客を動員という大記録を打ち立てた作品。

 今回ミュージカル『西便制』について、製作するP&Pカンパニー(피엔피컴퍼니)のソン・ヒョナ(송현아)チーム長は「映画や小説を基盤としてミュージカルを製作する場合、舞台上で見せる内容や形式に合わないと判断し、映画や小説を元にせず、新たな形の西便制が誕生するだろう」とし、「唱劇でないミュージカルとして製作するからには、西洋音楽を基にしたミュージカルの形式と枠に忠実に、その中で韓国の伝統と声をうまく活用して最も韓国らしいミュージカルとして誕生させる」という計画を話している。

 韓国ミュージカルの巨匠といえるイ・ジナ(이지나)氏が演出を担当して全体を陣頭指揮し、ミュージカル『私の心のオルガン(내 마음의 풍금)』『南漢山城(남한산성)』を演出したチョ・グァンファ(조광화)氏が脚本と作詞を担当する。

 ショー形式のブロードウェイのミュージカルや、スペクタクルあふれる舞台、ずば抜けた歌唱力の俳優に直接接することのできたヨーロッパのミュージカルなど、限定された作品にばかり接してきた国内の観客に「最も韓国的なものが最も世界的なもの」という真理をもう一度感じさせるミュージカル『西便制』は、韓国的な素材で我々の文化の優秀性を知らせようと、各分野最高の匠がドリームチームを作って製作にあたっている。

     *  *  *

 『風の丘を越えて』も、私が大好きな韓国映画の一つです。
 これがミュージカルになるならぜひ観てみたい舞台です。それも、映画の素材であるパンソリをベースにした唱劇の形式をとらず、西洋音楽のミュージカル形式で作るというのですから、興味津々。
 すごいチャレンジだな~と思います。

 個人的には、「我々の文化の優秀性を知らせよう(우리 문화의 우수성을 알리고자)」などと力まない方がいいとは思うのですが。それが目的になっちゃうと、舞台はつまらなくなるものなので。
 斬新で素晴らしい舞台になるか、中途半端でつまらない舞台になるか、どっちにしても注目の作品です。


ミュージカル『MOZART!』の感動をCDに製作
 オーマイニュース 2010.01.30

 記事のサブタイトルに「主管社『韓国語バージョンOST製作を準備中』…発売まで2週間ほどかかるだろう」とありまして、これが記事内容をほとんどカバーしています。

 ミュージカル『MOZART!』は、声楽曲の感じを最大限に生かしたアリアから威厳あふれる荘重なオーケストラの演奏、主人公の迫力あるソロ、ビエンナの雰囲気を表現した舞踏曲、溌剌として軽快でありながら叙情的でもの悲しい合唱など、多様な色合いの音楽を取り込んでいるそうです。

 このため、公演の感想に「韓国語のOSTとDVDが欲しい」というファンの要望が殺到しているものの、現在国内で販売されているのはドイツ語バージョンのみ、他には、パク・ウンテ(박은태)の練習場面の入った映像と音源が公開されているだけなのだそうです。

 こうした状況について、主管社(株)テアトロ(떼아뜨로)の関係者は電話インタビューで「現在、『MOZART!』OSTを準備中で、俳優のスケジュールを調整中」と明らかにし、「販売まで2週ほどかかりそう」と説明したとのことで、記者は、旧正月の連休前後には韓国語バージョンOSTに出会うことができるだろう、と伝えています。

 一方、DVDは、ライセンス公演で著作権の問題があるため、今のところ計画はないということです。

     *  *  *

 「オーマイニュース」の記者の電話取材がソースってことで、信頼性に若干不安の残る記事なんですが。

 2月中旬以降に韓国へ行く方、『MOZART!』韓国語バージョンを入手することができるかもしれません。探してみて下さいね~。

 しかし、この舞台、散々話題になってるように、主役モーツァルトはクアドラプル。どう割り振ってOSTを製作するのか、調整が大変そうですねぇ。
 日本なら、クアドラプルそれぞれのバージョンで4種類発売しそう。4種類全部買うと好きな主人公キャストのポスター貰えるとかプロモーションして。もちろん、ポスターの印刷部数の8割は東方神起のジュンスでOK。
 韓国エンタメ業界でもSMAPやAKB48はベンチマーキングしてるでしょうから、容易に思いつくはずの手法です。が、実行したらネットでボロクソに非難されるであろうことも、容易に想像つきます。

 で、どんなOSTになることやら。入手できた方、教えて下さいね。

15 件のコメント:

  1. >え?あの映画がミュージカルに?
    というよりは
    「えええええ~~~~!?
    あれを~~~?
    ど、どうやって…?
    だいじょうぶかぁ!?」って感じです。
    でも観たい!!
    「モーツァルト!」のCDも、私は別にジュンスでなくてもいいから欲しいですね。

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  2. 阿青さん
    > 「えええええ~~~~!?
    > あれを~~~?
    > ど、どうやって…?
    > だいじょうぶかぁ!?」って感じです。
     あはは。
     ですね~。私も、「どうやって…?」という興味と「だいじょうぶかぁ!?」という心配と半々です。
     『JSA』より『シュリ』の方がミュージカル向きなのでは…と考えてみたり。
     自前のコンテンツで創作ミュージカルを!という意気込みは買えると思ってます。もう韓国ミュージカル界の悲願って感じですね。
     CDは私も欲しいです。4枚出ちゃったらどうしよう。(^-^;
     

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  3. 本当にJSAはありえない~!!で、土曜に「善徳女王」観てきました。金浦からまずは下見にと直接劇場に(5号線一本なので楽、と思っていたら行き先二つに分かれていてみごとに失敗)いき、夜の部
    のチケを買おうとしたら開演2時間前にしか売らないとのこと(ハングルわからず英語。情けない)このシステムの違いにもげんなり。なんせ4時から切り裂きジャックのキムムヨルの方を観る予定で、ギ
    リギリ状態。又遅刻したら後ろの席に追いやられるので時間のロスは許されないのに~と思いつつも仕方なくあきらめる。隣りのイベント会場にはすごいひとだかり。若い子が多くアイドルのイベントか?
    でも日本人もたくさんいるのですよ~日本人どこまで情報持っていて参加するのかぁ~?と驚くばかり。又不思議なのは帰りにもそのファンの子達に逢いましたが皆駅のホームで座り込んでいるのです。
    立ち上がれないほど皆足が痛いらしい。日本人も靴脱いだり足もんだりと、いったいどんなイベントだったのか???日本人に聞くのも気がひけてわからずじまいでした。
    で、取りあえず善徳はギリギリ7時に着き、まだ開場中だったのでチケを買い(外人10%引きで9列目を8千ウォンで買いました)なんとかセーフでした。会社の役員が既にドラマ見終えているので内容はだいたい聞いてきましたが、やはりハングルがわ
    からないとダメでした。歌唱力はあるけどちょっとおちゃらけシーンが多くて舞台に入り込めませんでした。これって外国でもやるつもりで作ったミュージカルってどこかに書いてありましたが本当でしょ
    うか?かなり無理だと思うなぁ~役者もブロードウェイから戻ってきてもらったとか書いてあったと思ったけどどの人がそうだか???勘違い見間違いだったらすみません~

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  4. 川井さん
     お疲れ様でした~。
     『善徳女王』、今ひとつでしたか……。私は舞台もドラマも観てなくて、何とも言えないのですが。
     世界市場を意識してたというのは仰る通りで、この作品のために過去の人気作品を分析したり、ブロードウェイでデザインの調査をしてたそうですよ。
     ブロードウェイから呼び寄せたというのは、サー・キャメロン・マッキントッシュに抜擢されて『ミス・サイゴン』のキム役についたといわれてるイ・ソジョン(이소정)ですね。ミシル役には四季出身のチャ・ジヨン(차지연)がキャスティングされていたので、韓・米・日の俳優三つ巴対決なんて言われてました。
     週末のイベントは、多分、ビッグバンのコンサートだと思います。今注目されてるグループですよね。年末に、レコード大賞の新人賞を取ってませんでしたっけ? 東方神起が解散しちゃったりしたら、一気にトップアイドルに昇り詰めるかも。

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  5. ��IGBANGというグループでした。朝鮮日報でわかりました。武道館でもやるそうで本当に人気なんですね~
    ミシル役四季の人ですかぁ~浅利慶太は韓国の人かなり使っているんですってね。だから皆歌唱力はすごかったんですがなんだか奥深さも感じないし笑い
    を取る所がこの作品には無意味に感じました。客席はドラマのヒットのせいか、年配の人が多かった。夫婦連れとか・・・作品によって客層が違うもので
    すよね~でもまぁ今回も効率よく観られたので満足です。しばし身体休めてお金も節約して次回に備えたいです。って次回はいつやら・・・

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  6. 川井さん
     浅利慶太さんは、以前、韓国で劇団四季のオーディションをやったことがありました。『ライオンキング』より2年ぐらい前のことです。
     結局その時は、日韓双方ともあまり成果がなかったようでした。
     以前は、ミュージカル俳優を目指す韓国人にとって、日本の四季に「留学」するというのが一つの道だったのですが……。
     韓国ミュージカルがあっという間にレベルアップして、今では韓国でトレーニングした人の中から実力ある俳優がどんどん出てますし、そういう人たちの方がチャンスも多いのではないかなぁ、と思います。
     次はいつ行こうか、何を見ようか、考えるのも楽しいですよね。

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  7. 四季ファンが言うには四季は世界的に有名な作品はいろんな国で公演しているとか・・・そんなことやっているんですかぁ・・・今回のミシル役の人は韓
    国公演の時ライオンキングのラフィキを演じたとか。トンマン役は二番手の人の方だったから残念無念だなぁ~イ・ソジョンで観たかったです。
    土曜の昼は切り裂きジャックのアンジェウクの役の所をキム・ムヨル。誰がやるのかも知らないで観て、歌は上手いけど細かい演技がざつで深みもなか
    たし、叫びのところはただ叫んでいるだけでジェウクのように心に悲しみと苦しみ憤り絶望等を踏まえての叫びじゃないのでちっとも心に届かなかった。
    でもフィナーレではかなり人気があるのがわかり帰ってから検索してみたらイルジメに出ていた人とは全く気づかず、チョスンウがいない間はミュージカ
    ル界をしょって立つ的な存在のように書かれていて驚きました。そこまでじゃないでしょう!でもあのアホ役のシワンがダニエルかと思うとそこそこ演技
    は出来るのか?という感じでした。深みがないのは若いからと割り切るべきか?ザツな演技も若気の至りか???

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  8. 川井さん
    > 四季は世界的に有名な作品はいろんな国で公演しているとか
     韓国の『ライオンキング』以外に思い浮かばないのですが、元々アジアのミュージカルの盟主になりたがってましたから、他の国でも公演してそうですね。
     チョ・スンウに代わる若手は今のところいないです。皆分かってるのだけど、メディアはスターを作らないといけないのでしょうね。
     チョ・スンウが凄いのは、若い時から歌も芝居も圧倒的にうまかったってところですよね。『ジキル&ハイド』は24歳の時。今のキム・ムヨルより若かったです。

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  9. え~と、四季の海外公演はほかに中国本土がありました。
    『李香蘭』と『ハンス・アンデルセン』だったかな…。
    上演権を買っている、いわゆるライセンスミュージカルは、契約で決められた以外の地域や言語での上演はできないと思います。
    四季がその地域での上演権を持っていなければできません。
    こういうことは契約の仕方によって千差万別ですが、文言1つで億単位のお金が動くそうです。

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  10. 阿青さん
     中国本土でもやってるんですか~。『李香蘭』はいかにも、って感じですね。実際に現地で受けるのかどうかは、よく分かりませんが。
    > 上演権を買っている、いわゆるライセンスミュージカルは、
    > 契約で決められた以外の地域や言語での上演はできないと
    > 思います。
     あぁ、そうですよね。韓国公演だったら、契約書に「韓国内での韓国語による上演」みたいに書かれてます、大抵は。
     中国のミュージカル事情ってどんなだろうと検索してみました。最近の情報は探し出せず、数年前のこんな記事が見つかりました。
    「IN THE STAGE  北京のミュージカルで会いましょう」 2006年10月
    「『レ・ミゼラブル』など中国語版ミュージカル上演決定、2008年に北京で」 2007年9月
     その後さらに経済発展して、現在はどうなってるんでしょうね……。

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  11. チョ・スンウが絶賛して同じ事務所に入れた(という話は又聞きですが)俳優が、「オペラ座の怪人」で昨年は「ラウル」、今年は最年少で「怪人」を演じるホン・ガンホさん。
    ジキル&ハイドを3階の一番後ろで見ましたが、すごい声でした。
    「怪人」役でも絶対に見たいと思っています。

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  12. ももんがさん、3階の後ろでもそんなに感じられるなら私も是非観たくなってきました。やはり奥が深いなぁ~ミ・ヨンギとチェ・ミンチョルの声でも既
    感激な私なのに・・・切り裂きジャックが終わってしまってつらい日々。土曜はミ・ヨンギの刑事のはずだったのにユ・ジュンサンに変更になっていて最
    後なのにミ・ヨンギが観られなかったのが残念。でも人気はユ・ジュサンサンがダントツあるのはわかります。彼は遊び心を知っている。ミヨンギは固い
    で、私も日曜日にはしっかりユ・ジュサンの方が良くなってきていました(笑)でも久々の舞台の客席一体感でした。本楽を観ると帰ってこられないので
    昼だけ観ましたがキム・ムヨルも観ておいて良かった。やはり深みと細かい演技への真摯な取り組みは
    ダントツジェウクが上。笑った時の明るさや華も彼
    女を見る包み込むような優しい目、包容力などは若手には無理。舞台上こんないい加減な動きはいけないだろうということを舞台経験は上のキムムヨルは
    多々やる。ジェウクは全てにおいて緻密だった。チョスンウのように変貌するところをもっとメリハリがすごければ言うことなかったけれどここがちょっ
    と弱かったのは残念。でも若い時に一回ちょろっと舞台に立って以来としては上出来以上。次回作を期待したい(あるか?)
    四季ファンの友達が言うにはジーザスクライストやウィキッドなども外国でやっているそうです。

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  13. 切り裂きジヤック再演の方向ですって~嬉しい~メンバーは未定ですが、アンジェウクでなくても行くわ~曲が皆いいんです~

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  14. ももんがさん
     ホン・ガンホ(홍광호)、ドラマ『善徳女王(선덕여왕)』の主題歌を歌っていたはず、とMVを探してみました。
     ここ で聴けます。
     すごい表現力ですね。これは舞台で聴いてみたいです。『オペラ座の怪人』の怪人ですか。もう何の作品でも何の役でもいいから、とにかく舞台で聴きたいです~。
     この声と表現力で小劇場ミュージカル『洗濯(빨래)』のモンゴル青年やってたというのも、凄い……。

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  15. 川井さん
     『切り裂きジャック』、再演の方向ですか。そうなれば私も観るチャンスがあるかなぁ~。楽しみです。
     結局、アン・ジェウクとキム・ムヨル、ユ・ジュンサンとミン・ヨンギ、どのキャストもご覧になってるんですね。すごい。
     ジャックも、チェ・ミンチョルとキム・ウォンジュン、両方ご覧になってましたよね。
     韓国ミュージカルは、業界全体が若いので、公演期間中にぐんぐん伸びて行く若手俳優が結構いるのではないかと思ってます。評価されれば、次には必ずさらに大きな役がつきますし、目が離せないです。
     韓国で実際にご覧になった方の感想を聞かせていただけるのは、楽しいし参考になるし、本当に有り難いと思ってます。

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