映画『チョン・ウチ』が終わったのが14時20分近く、15時開演の劇場を目指してダッシュで移動しました。コーエックスと三成駅の人混みを掻き分け、3cmほど積もった雪に足をとられないよう恐る恐るの早歩き。無事14時40分過ぎ、劇場に到着。
この異種演目ハシゴ、どちらの会場も最寄りが三成駅、ってとこがミソでした。この映画館、この芝居の組み合わせでこそ可能だったハシゴです。
12月27日(日)15時
ペガムアートホール(백암아트홀)
1階F列14番(6列目中央)50,000W
演出:リュ・ジャンハ(류장하)
出演:オ・ミヨン(오미연)、キム・サンギョン(김상경)、イ・スンホ(이승호)、ヤン・ソミン(양소민)、ソン・ハク(선학)、キム・ジョンヒョン(김정현)
ミュージカル製作会社Mミュージカルカンパニーの企画で、注目の映画監督4人が舞台の演出に挑戦する「監督、舞台へ来る」の第一弾。
演出のリュ・ジャンハは『春が来れば(꽃피는 봄이오면、花咲く春が来れば)』の監督・脚本、『春の日は過ぎゆく(봄날은 간다)』の脚本・助監督、『八月のクリスマス(8월의 크리스마스)』の助監督をつとめてる人です。
最初にあらすじを。
主人公ヒョンス(キム・サンギョン)は恋人(ヤン・ソミン)と旅行に行くつもりが、喧嘩してしまい、代わりに母親(オ・ミヨン)と済州島へ行くことにする。母は息子に隠しているが、医師(イ・スンホ)からガンの末期で余命わずかと告知されている。旅行中、二人は偶然出会った若い女の子(キム・ジョンヒョン)と道連れになる。母親の体調が悪いことを彼女から聞いたヒョンスは、保険会社の友人(ソン・ハク)に電話をかけ、母の死が近いことを初めて知る。旅行は二人の最後の思い出となる。

良くも悪くも映像的な舞台でした。100分強の芝居が17場。前半は、舞台中央を母と子の家のリビング、上手を居酒屋、下手を公園のベンチと空間処理していましたが、後半の旅行の場面では、暗転で場面転換する回数が増え、芝居の流れが途切れることも。また、電話の場面では、舞台に登場しない通話相手のセリフをスピーカーで場内に流したり。役者の生の演技より、音響、舞台装置、照明で場面を作っていく演出です。
カーテンコールの後、スクリーンに映画のエンドロールのような映像を流してたので、意図的にこのような演出を採用していたのだろうと思います。
リュ・ジャンハの演劇作品を期待した者としては、やや肩すかしというか、物足りない舞台でした。ストーリーが王道行ってますので、それなりに感動的な作品で、後半は客席からすすり泣きも聞こえてましたけれど。
第二弾以降の監督たちは、この舞台を見たのかなぁ。どんな演出をしてくるのか、楽しみです。
ちなみに、第二弾は、『八月のクリスマス』『春の日は過ぎゆく』の監督ホ・ジノ(허진호)が演出する『昼寝(낮잠)』。1月26日~3月28日、ペガムアートホールにて。
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ななさん、こんにちは!
返信削除��母さん、旅行行く?」はアップしていただくまで、こちらでは振らないようにしていたので、早速アップしていただけて、コメできて嬉しいです。
私は12月18日の夜に行きました。江南の劇場ということで、行く前はあの華やかさを想像していたのに、駅を出たら「え?」という感じで、劇場にたどり着くまで、「地図が間違っているのでは?」と不安感に襲われたことを思い出します。おまけにすごく寒かったので・・・。劇場に着いたら、思っていたより立派な建物で、コートを着た案内係のお姉さんがいたりと、きちんとしているところで安心しました。私の席はB列だったのですが、A列がとっぱられていたため、最前列のど真ん中になっており、嬉しいやら困ったやら・・・。
私はキム・ソンスさんのファンでもあります。彼の演劇初挑戦の舞台をぜひ見たいという単純な理由での観劇で、簡単に粗筋だけ事前に頭に入れて見に行きました。
で、全体的な感想から言うとちょっと残念な舞台でした。
キム・ソンスさんは演劇初挑戦の割には良かったと思います。体躯も良く、声も大きく、舞台向きの人です。冒頭の居酒屋のシーンでは立ち上がりの不安定感が見てるこちら側にも伝わってきましたが、時間の経過とともに感情が素直に表現されてきているようでした。友達役の男優さん、2役やってましたけど、ちょっと気に入りました。冒頭の部分、ソンスさんはかなり彼に助けられてましたね。
私が残念だな、と思った最大の理由は、ストーリーがものの数分で終わりまで読めてしまったことです。場面転換などは旧芸術座のお芝居を見慣れている(これ皮肉です)私にとっては、ななさんほど気にはならず、夜のドライブの場面などは結構面白く見ていたのですが、やっぱり一番は「ごめん、結末見えるよ」という点・・・。
そうは言っても最後は私もホロリとさせられましたし、客席からもやはりすすり泣きが聞こえてきましたので、50歩譲って佳作、キム・ソンス努力賞としておきたいと思います。
芝居がはねた後は、1階のホールがお母さん役の女優さんとキム・ソンスさんの知り合いの方でごったがえしてました。実はこの日、観客の入りがそれほど良くなかったんですけど、「ひょっとしたら身内で固めた?」とちょっと思ってしまいました。
ダブル・キャストのキム・ソンギュンさんのほうは動員、演技の面も含めてどうだったんでしょう?
連続投稿済みません!!
返信削除キム・サンギョンさんでした。ハングル見直して間違いに気付きました。ファンではないですが、演技派ですよね(ってフォローに必死!)
ヘジャさん
返信削除キム・ソンス、努力賞ですか。初挑戦で合格点がつけられるなら今後が楽しみですね。私もキム・ソンスの舞台を見てみたかったので、ご感想が聞けて嬉しいです。
キム・サンギョンは、安定した芝居でした。なので、余計に映像・音響重視の演出が残念で。
芸術座の舞台って、そんなに暗転多かったでしたっけ?(^-^;
私はヘジャさんと逆で、ストーリーの単純さは初めから承知してたんです。なので、これを見ようか他のものを見ようか最後まで迷いましたし、リュ・ジャンハの演出への期待も大きかったんですよね。
理由は違うけど、ヘジャさんの仰る「ちょっと残念な舞台」でした。私にとっても。
入りは全体通してあまり良くなかったようです。舞台自体がそういう評価だったということです。
韓国は日本と違って、初日以前に全回完売なんて公演はほとんどありませんし、購入したチケットのキャンセルも可能ですから、幕が開いてからの評価で入りが左右されます。良い舞台はお客さんがどんどん増えるし、ダメな舞台はガラガラになります。
厳しいですよね。そこが羨ましいのですが。