前半は役者の踊りそっちのけで、小鼓の彼にばかり目が行っちゃいました。立派に舞台を勤めてると確認出来て安心したら、後半は踊りに集中できました。
がんばれ、へいちゃん、望月徹。
11月20日(金)16時30分
国立大劇場
3階11列41番
歌舞伎十八番の内「外郎売」
団十郎の外郎売。早口言葉の面白さは今ひとつです。確実にていねいにやってます。実は曽我五郎の部分は、さすがそれらしくきれいに見せますね。
芝雀の虎に立女形の貫禄が感じられたのと、市蔵の茶道珍斎の巧者ぶりが印象に残りました。
ただ、弥十郎の工藤では芝居全体が弱いです。本人のせいでなく、今、工藤役者がいないんですよね。
これから年末って時に正月狂言みせられて、体内季節感混乱中。
「傾城反魂香」土佐将監閑居の場
通称「吃又」。途中うとうとしてしまったのですが、後半、土佐将監の言葉をおとくが通訳してるみたいに見えて、言葉はどもっても耳は聞こえてるでしょうに、と思ってしまいました。手助けがないと何ひとつ満足にできない子供のようで。
逆に、藤十郎のおとくはしっかり者過ぎて、妻というより母みたい。鼓の音をきれいに出してたのは感心しました。
「大津絵道成寺」
大津絵に描かれた人物が登場するという趣向で、常磐津・長唄掛合いの曲は「道成寺」がベース。藤娘なのか道成寺なのか、何だかちぐはぐな感じのする曲でした。ぼーっと見てる分には、鷹匠になったり座頭になったり、目先が変わって面白いです。振り出し笠で山尽くし踊るなんて、大胆な振付ですね~。
藤十郎の踊りって、芝居の所作の連続なんですね。芝居が非常にうまいのでそれなりに見せてますが、身体の中に踊りがありません。
市蔵の外方、とてもよかったです。元々地味ながらうまい脇の役者ですが、今月一段と光ってます。本当にうまい。
最後は鐘入りから大津絵の鬼に変わって、亀鶴の弁慶と立回り、翫雀の矢の根五郎が押し戻し。本舞台で藤十郎の鬼が「大入」を書いて、二段(女形なのね)に上がって、幕。後ろで槍持奴が「山」の字を決めてました。
何でもやりたい藤十郎らしい舞踊でした。
終演後、劇場ロビーで買っちゃいました。小田原名物「お菓子のういらう」。

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