2009-11-07

今月の通し狂言、お勧めです

 11月6日(金)
 歌舞伎座、昼夜通しで「仮名手本忠臣蔵」見物。
 前日の新橋演舞場と2日連続の昼夜通しで、さすがに身体がギクシャクしてます。

 二日続きで丸一日劇場にいると、仕事の時間が取れません。おかげで、歌舞伎座へ向かう地下鉄の中では文字通りのラップトップPCでメール書き、幕間は食料調達のついでに郵便局へ行って郵便物投函、昼夜入れ替えの45分間にはルノアールでブレンド飲みながらメール送ってネットでリサーチ……。

 こんな状態でも、舞台の幕が開けば芝居に引き込まれました。芸の力ってすごいです。充実の舞台を堪能。

 今月の東京の歌舞伎、
・歌舞伎座昼夜「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」
・新橋演舞場昼「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」
・新橋演舞場夜「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」
と通し狂言が並びます。
 この二日で3本全部見物し終えたわけですが、どれもよかった。歌舞伎座は大歌舞伎らしい見応えのある「忠臣蔵」、演舞場は若手の清新な舞台。3本とも結構入り組んだ物語なのに、不思議とすんなり筋が飲み込める分かりやすい芝居に仕上がってます。

 「通し狂言はストーリーが難しそうで……」とか「歌舞伎に興味はあるけど、何となく行きにくくて」と思ってる方に強くお勧めです。

 歌舞伎をあまり知らない方へ、ちょっと変わった視点から作品をアピールしてみると……。

「仮名手本忠臣蔵」→日本芸能史上最高のヒット作。過去日本で最も稼いで利益をあげてる(と思われる)コンテンツです。スピンオフ、スピンアウト、数知れず。日本文化を愛する人なら一度は見よう!
「盟三五大切」→三谷幸喜・田村正和コンビの「古畑任三郎」シリーズで、堺正章が犯人役だった回のネタに使われてる芝居。ほら、あの、お茶漬け食べる場面です。ね?見てみたいでしょ? 鶴屋南北の傑作の一。
「三人吉三巴白浪」→相愛の二人が実は双子の兄妹だった!と、ここだけ強調すると韓流ドラマみたいですね。ドロドロ因縁話です。「こいつぁ春から縁起がいいわぇ」という超有名セリフが聞ける、河竹黙阿弥の傑作の一。

 日によっては安めの3階席チケットもまだ取れます。ぜひ劇場へお運び下さい。どれもホント面白いですよ~。


2 件のコメント:

  1. 演舞場は未見ですが歌舞伎座の菊五郎はよかったねえ~。
    >三谷幸喜・田村正和コンビの「古畑任三郎」シリー>ズで、堺正章が犯人役だった回のネタに使われてる>芝居。
    へえ、初めて知りました。今度DVD借りて見てみます。
    >「こいつぁ春から縁起がいいわぇ」という
    >超有名セリフが
    私が歌舞伎に縁のないところで、歌舞伎普及度をリサーチするときに、このせりふと「知らざあ言って~」を聞いてみるんですが、知ってるという返事をもらったことがありません。もうすでに「有名」とは言えないとおもうワ、残念ながら。
    玉三郎、海老蔵という役者のことなら、なんとか知られているようですヨ。

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  2. pyokoさん
     菊五郎、良かったですねぇ~。
     筋書で過去の上演記録確かめてみたら、私が初めて見た「忠臣蔵」通しの勘平も菊五郎でした。我々の世代の勘平役者ですね。
     大川端のセリフ、「月も朧に白魚の」は通じないだろうと思って「こいつぁ春から……」と書いたんですけど、このワンフレーズも厳しいですか……。
     世代的なこともあるかも。20代は知らないのが普通でしょう。逆に50代以上なら、歌舞伎に縁遠くて元ネタは知らないけれど、「こいつぁ春から」って聞いたことあるという人が多そうな。
     「古畑任三郎」、ご覧になってみて下さい。堺正章が歌舞伎役者って設定なの。(←だから見たのです。)
     最近シリーズ再放送してて、コーヒーブレイクでテレビつけたら三津五郎(当時八十助)が出てて、つい最後まで見ちゃいました。こちらは将棋のプロ棋士って設定です。

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