14日に聴講した講座の備忘録です。長いです。
異文化としてのアジア演劇事情
「変化に富む韓国現代演劇」
10月14日(水)午後7時~9時
講師:馬政煕(マ・ジョンヒ)
講師プロフィール(東京芸術劇場HP・講座案内より)
日韓演劇比較研究家。日韓演劇企画者。
1990年代は韓国の劇団「木花」、祥明大日本語教育学科で演出を担当、平田オリザ「ソウル市民」、森脇京子「鮮やかな朝」、つかこうへい「蒲田行進曲」などを翻訳演出。2000年代は、青年劇場「銃口」、新宿梁山泊「風の又三郎」、トムプロの風間杜夫一人芝居「カラオケ・マン」などの韓国公演のプロデュースを手がける。
◇配布資料から見出しを抄出(表記原文ママ)
1 伝統劇:仮面劇、パンソリ、人形劇
2 近現代演劇:唱劇、新派劇、新劇、マダン劇、マダンノリ、ミュージカル、現代劇
3 2009年10月、大学路演劇の状況
4 『オアシスクリーニング屋襲撃事件』 劇団「모시는 사람들-お世話する人々」
5 劇団ハッチョンのロックミュージカル『地下鉄1号線』
6 ミュージカルの全盛期
7 1980年代に劇団を旗揚げ、現在まで大活躍している劇団および演出家たち
8 386世代の演出家たち
9 現代戯曲作家たち
10 日本で映画を通して韓国伝統演劇を知る作品
11 日本で発行された韓国演劇・芸能に関する本
12 日韓演劇交流の成果について
◇当日見られた映像
・仮面劇
・「オアシスクリーニング屋襲撃事件」
・「地下鉄1号線」
・ミュージカル「Spring Awakening」「奇抜な自殺旅行」
・「龍虎相摶」(呉泰錫演出)
・「サンシッキム」(李潤澤演出)
・「マダンノリ沈清伝」(孫桭策演出)
◇面白かった話
大学路の小劇場およそ122か所。『대학로 문화지도(大学路文化地図)』(ソウル演劇センターが毎月刊行している無料の演劇公演案内パンフレット)の地図から数え上げたそうです。地図に載ってない劇場もあるので、実際は150近くあるのではないでしょうか。
大学路の劇場使用料は日本とあまり変わらないようです。小劇場の話で、まず一か月単位の使用料が話題になるってとこが日本と違うと思います。
映像で見た「奇抜な自殺旅行(기발한 자살여행)」、面白そうでした。自殺志願者たちがバス旅行してるという設定はダンカンの映画「生きない」に通じる発想ですが、展開はどうなのでしょう。見たいなぁ。
劇団「美醜(미추)」とMBCによるマダンノリ(마당놀이)、懐かしかったです。楽しいんですよねぇ。年末恒例の2002年、2003年と見ています。当時、感想も書いてます。
「マダンノリ 沈睛伝(마당놀이 심청전)」(2002年11月30日)
「マダンノリ 李春風(마당놀이 이춘풍)」(2003年12月7日)
ってことは、この時、「壁の中の妖精」のキム・ソンニョ(김성녀、金星女)も見てたのね。
2002年W杯開会式もスタジアムにいたし(2002年5月30日==続き==)、ソン・ジンチェク(손진책、孫桭策)演出、意外なところでも体験してます。振り返って見れば。
オ・テソク(오태석、呉泰錫)とイ・ユンテク(이윤택、李潤澤)のセリフの言葉・語調の違いについて。前者は詩的・非日常的、後者はリアル・日常的。映像と実際の発音とで聞くことができると実感できました。なるほどねぇ。
韓国と関係ないけど、文化庁の助成金をうけた出版物は一般販売できないという話。利益あげちゃいけないという方針は理解できますが、せっかくの優れた出版物が世に知られることなく埋もれて行ってます。MOTTAINAI。
配布資料にメモ取りながら聞いていたのですが、見返すと、書き込みの8割以上がハングルです。字画少なくてメモ取るのに便利なんですよね、한글。
私は築地小劇場にいた韓国人(当時は朝鮮人)俳優の話をまとめて聞けたのが嬉しかったです。
返信削除築地小劇場をあのような視点から研究している方がいたというのも驚きでした。
「奇抜な自殺旅行」ですが、このソン・ギユンのインタビューでちょっと内容に触れています。
http://news.khan.co.kr/section/khan_art_view.html?mode=view&artid=200903051843325&code=900307
今年3月に上演していて、観たかったのですが時間がありませんでした。
原作のフィンランドの小説も買ったのに、まだ読んでいません(^-^;
ところで資料の中にあった「六死巨」って、「六死臣」のことですよね?
まえに「胎」のお話のときに出てきた…。
南北合作でこんなドラマがあって、日本でDVDが発売されたそうです。
http://item.rental.rakuten.co.jp/dvd/p/1046658/%E6%AD%BB%E5%85%AD%E8%87%A3+Vol.1
阿青さん
返信削除戦前戦後のお話、よかったですね。文献で読むと人名と作品名の羅列になっちゃうところが、いろいろ補いながら解説してもらうと、よく分かるし、面白いし。
また、いろいろ情報ありがとうございます。
ソン・ギユンのインタビューなんて記事まで目を通してらっしゃるんだ~w(゚o゚)w と感心しながら読み始めたら、いきなり、
> 선배 허준호가
ヽ(´▽`)/ さすがです。
「奇抜な自殺旅行」、こんな内容でミュージカルというのが面白そうだなぁと思ってます。
資料の「六死巨」は「死六臣(사육신)」です。「胎」に出てきたのと同じ。
別に「六邪臣(육사신)」という言葉があるそうで、これは国に害をなす六種類の臣。「奸臣」とか「賊臣」とか、だそうです。
最近のドラマがあるんですね~。ご紹介下さったリンク先を見に行ったら、パッケージのコピーが、
「これぞ韓国版・忠臣蔵!」 ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
TSUTAYAで借りて来なくっちゃ。