つい一時間ほど前、やっと年賀状をポストに投函しました。
これから寝て、明日は7時に起きて、まず初めに粗大ゴミを玄関前に出さなくちゃ。シール貼るのを忘れずに……。
それから、部屋片付けて、掃除して、買い物して、実家に顔出して……。
日本の年末は慌ただしいですね。
そうだ、こないだ借りてきた「許されざる者」も見ないと。
自分のための備忘録としてポストしておきます。
来年9月、東京で「カンガンスルレ」公演実施へ
第2回韓・中・日文化担当大臣会議で韓国側が発表
来年9月、全羅道に伝わる民俗舞踊「カンガンスルレ」(重要無形文化財第8号)の公演が東京で行われる。壬辰倭乱(豊臣秀吉の朝鮮侵攻)のときに始まった
「カンガンスルレ」が日本で演じられるのは初めてだ。済州道で行われた「第2回韓・中・日文化担当大臣会議」に出席した柳仁村(ユ・インチョン)文化体育
観光部長官は25日、「2005年以来毎年、韓国だけで行われてきた“韓日交流おまつり”を、来年9月に東京で開催する。この中で、在日韓国人や日本人も
参加し、一緒に踊れる“カンガンスルレ”を上演する」と述べた。
柳仁村長官はまた、「輪になって手を取り合い、声を合わせ、ぐるぐる回る“カンガンスルレ”は今や、韓国と日本の協力を象徴する踊りだ」と語った。
(以下略)
(朝鮮日報 web 日本語版 2008年12月26日付記事より)
「カンガンスルレ」は江陵端午祭で一度見ているような気がするのですが、記憶が曖昧です。
韓国にいてもなかなか見る機会がない芸能ですので、東京公演実現の暁にはぜひ足を運びたいと思ってます。
今年の芝居納めです。芝居初めと芝居納めは何をしようか毎年迷うのですが、今年は三津五郎の「娘道成寺」で締めることにしました。その後に「佐倉義民伝」というのがちょっとどうかとは思ったのですけれど。
12月26日(金)11時
歌舞伎座
1階17列11番(三津五郎の「娘道成寺」目当てで1階席!)
「高時」
話と演出が面白い芝居なので、それなりに楽しく見ました。梅玉の高時が暴虐非道な人物に見えないのが難。高時がとことん嫌な奴でないと、烏天狗に化かされても面白くないんですよね。
烏天狗たちの跳躍はすばらしかったです。千秋楽、今年最後の芝居とあってか、大奮闘でした。
「京鹿子娘道成寺」
立役の三津五郎が踊る「娘道成寺」、当代一の踊りの名手三津五郎が踊る「娘道成寺」、坂東流家元の三津五郎が踊る「娘道成寺」。今月一番どころか、今年一番の見ものと言っても過言ではない舞台。その期待に違わず、素晴らしい踊りでした。
道行が常磐津なのを始め、いつもの「娘道成寺」とは少しずつ演出や衣裳が異なります。「言わず語らぬ」の引き抜きの玉を自分で抜く人なんて、初めて見たような気がします。道行の出で、小走りに駆け出てくるのも、「梅さん」で下手から出てくるのも、新鮮。最後の鈴太鼓で最初の赤の着付に戻るのも意外でした。
踊りは最初から最後まで楷書の芸。最近の「娘道成寺」はスピード感溢れるダイナミックな踊りが流行?ですが、三津五郎の「娘道成寺」はひたすら行儀よく踊ってます。両足の膝頭が常にくっついている踊り。鈴太鼓でノッていくところも、バタつかず、ゆったり品よく踊ります。
曲が進むにつれ、幼い頃から日舞のお稽古をしているどこぞのお嬢さんが踊っているとしか見えなくなりました。九代目もそう言われてたんでしたっけ?
踊りの舞台が生み出す夢のような時間。雀右衛門・富十郎の「二人椀久」以来でしょうか、久しぶりに出会えた至芸でした。
「佐倉義民伝」
幸四郎の宗吾がニンにはまり、よい出来でした。子供たちとの別れの場面では、客席からすすり泣きの声が。
「東叡山直訴の場」で、宗吾の訴えが無にならないことを暗示して幕。悲劇の中の光明を見て、ほっとした気分で今年の芝居見物も幕となりました。
来年の芝居初めの予定はまだ決まっていません。一年の芝居見物の先行きを占う初芝居、何を見ることにしようかな~。
運良くチケットを入手することができて、行ってきました。三谷幸喜さんの新作です。
「グッドナイド スリイプタイト」
12月21日(日)14時
PARCO劇場
作・演出:三谷幸喜
出演:中井貴一、戸田恵子
いや~、面白かったです。2時間素直に楽しめた舞台。
中井貴一・戸田恵子演じる夫婦は、出会って30年、離婚が決まって妻が部屋を出て行くことに。妻が自分の荷物を運び出そうとしている場面から始まり、映画のフラッシュバックのように二人の過去を行き来しながら、離婚に至った夫婦の30年間を描き出して行きます。新婚旅行の思い出、妻の仕事、夫の仕事、お互いの交友関係、子供……。
過去の、その時々のエピソードがリアル。自分のことで手いっぱいで相手への思いやりに欠けたり。相手に合わせて無理したり。気遣いのつもりの遠慮が相手の無理解を生んでしまったり。あるいはちょっとした記憶違いから起こる諍い。夫婦の間で起こりうる、あらゆるディスコミュニケーションが詰め込まれています。そして、もどかしさやいらだちを感じるより先に、笑えちゃう。
30年という時間を自由に行き来する構成なので、夫婦二人の年齢は場面ごとにころころ設定が変わるわけですが、中井貴一・戸田恵子はそれぞれの場面の年齢に違和感を感じせない好演。
舞台中央の2つのベッドの間の距離が場面によって近づいたり離れたりするのも、全体にシンプルな舞台装置の中では面白い演出でした。
それにしても。子供のいない夫婦で、飼ってるペットの名前が「太郎」って。ドキッとするじゃないですか。30年にはまだ間がありますが。
国立劇場へ行ってきました。
クリスマスイブに歌舞伎見物ってどうなのよ……と思いつつ。
「遠山桜天保日記」
12月24日(水)11時30分
国立大劇場
出演:尾上菊五郎、中村時蔵、尾上菊之助、尾上松緑、市川左団次、沢村田之助、他
竹柴其水の作品の半世紀ぶりの復活改作。原作を生かした上で「遠山の金さん」のイメージを保って、肩の凝らない芝居に仕上がってました。菊五郎劇団のお遊びも健在。
菊之助。役柄にふさわしい声とセリフ回しがよく、着実に力つけてますねぇ。十月歌舞伎座「十種香」の勝頼、「直侍」の三千歳もよかったし。女方と若衆の両方をきっちりこなせる役者になってきたのが嬉しいです。
高矢禮のお弁当、美味しかったです。
←これがお弁当のパッケージ。なかなかお洒落です。
どの料理も使ってる素材自体が良いです。
メインの牛肉は香りも味もしっかりとしたお肉だし、ナムルの白舞茸は香り抜群、ジョンも材料の豆腐や海老の味がちゃんと生かされてます。
良い素材で、丁寧に作った料理の数々。味は若干日本人向けにアレンジされてますね。旨味が濃いめ。
また、現在の韓国料理の激辛イメージからすると、物足りなく感じる人もいるかもしれません。でも、「高矢禮」は唐辛子とニンニクがない時代に形作られた宮廷料理のお店ですから、それは仕方ないですね。イメージとしては、仁寺洞あたりの高級な韓定食と同種の料理です。
肝心のお値段ですが、2500円は高いと言えば高い。でもそれは幕の内弁当だから。同じメニューで同じ量の料理をお皿に盛ってレストランで出せば、「ちょっと贅沢、でもお得なランチ」として納得できるお値段です。
とにかく、美味しくてパクパク食べちゃいました。あっという間にペロリ。
←お弁当のメニュー。クリックすると拡大画像になります。料理内容を詳しく知りたい方はどうぞ。
ところで、このお弁当はネットで予約して、セブンイレブンに取りに行ったのですが、このこと自体がなかなか面白い体験でした。
まず、ネットで予約する際、画面上で商品を選んで、個数を指定するのですが……。プルダウン形式で表示される個数が「1個」から「24個」まであったのです。つまり、セブンイレブン側では、一度に15個、20個予約するお客さんを想定していたということです。これは驚きました。
私の想像では、このお弁当は、日頃から付き合いのあるヨン様ファンの人たちが数人集まって一緒に食べる、というふうに楽しむケースが多いのだろうと思ってました。代表者が3個とか6個とかを予約して、誰かの家に集まって、皆で(冬ソナのDVDでも見ながら)わいわい食べる、という感じ。でも、それなら一度の予約はせいぜい最大10個でしょう。
24個の予約って、どんな人がどんな目的でしてるのか、知りたいものです。
実際にお弁当を取りに行くと、コンビニの店員さんの接客態度がとても丁寧でした。商品の扱いも慎重。お弁当の箱を傾けないように、ぶつけないように、細心の注意を払って扱ってる様子がアリアリと見えます。きっとお店側からきっちり指導されてたのでしょうね。家へ帰ってお弁当を開けたら中身がぐちゃぐちゃになってた、なんてことになったら、ヨン様ファンからのクレーム必至ですものね。
さらに、バイトと思しき店員さんはお弁当と一緒にチラシを入れてくれました。わざわざレジから離れた所に置いてあるのを取りに行ったところを見ると、そうするように言われていたようです。「おせち」と「恵方巻」の予約の宣伝チラシでした。
高矢禮のお弁当の第1弾は、日頃コンビニを利用しない客層(40~60代女性)をコンビニに呼び寄せたという点でも注目されてました。第2弾では、すかさずその層を狙ってのプロモーションをやってるということなのでしょう。実際に効果あるのかな?
そして、もう一つ驚きの発見。ブログ本文に「ペ・ヨンジュン」の一語があるだけで、アクセス数が突然アップするのでした。「予約しちゃいました」 「受け取ってきます」 と記事を載せる度に「ペ・ヨンジュン」「ヨンジュン」「ヨン様」のキーワードで探し当てて来る方々が多数。ある程度予想できたこととはいえ、目の当たりにするとびっくりですね。
というわけで、高矢禮のお弁当、美味しくて、面白かったです。
これだけ楽しめれば、2500円は高くないです。
先日久しぶりに実家に電話してみたら、母親が先週「第九」のコンサートに出てたそうです。もちろん、アマチュアの、第四楽章の合唱の一員です。
なぁんだ、知らせてくれれば聞きに行ったのに。
実はこれは3回目です。3年前、区報に載ってた「年末に第九の合唱を一緒にやってみませんか?」というサークルの案内を見て、経験もなく、ドイツ語も分からず、サビ以外のメロディも知らないのに、サークルの練習に参加しちゃったのでした。
全く、我が母親ながら、無謀というか、向こう見ずというか。
ところが、この話を友人知人にすると、必ず、
「さすが、あなたのお母さんだね~」
と言われます。
そ、そうですか?
昨日は能楽堂へ行きました。
「閑能会」
2008年12月19日(金曜日)16時30分
観世能楽堂
能「清経」関根祥六、狂言「福の神」三宅右近、能「海士」関根祥人
(他に仕舞・舞囃子などもありました。番組表を受取そびれて。)
「清経」は人気曲でしばしば上演される演目です。私も、昨年6月18・19日、日経能楽鑑賞会で浅見真州(観世流)、友枝昭世(喜多流)のシテで見てます。この時は、「恋之音取」「音取」の小書付き。二日連続で見て、おシテさんによってこんなに違うものかと感心しました。
で、今回、関根祥六の「清経」。浅見真州、友枝昭世ともまた異なって、「幽玄」という言葉がぴったりでした。友枝昭世も幽玄ではあったのですが、友枝昭世は表現としての幽玄、関根祥六は存在自体が幽玄、とでも言いましょうか。幽界から来た、この世のものとは思えない「清経」という存在が目の前に存在している幽明相交わる時を堪能。
狂言「福の神」はちょうど今の季節にぴったりの演目。楽しく拝見いたしました。ただ、9月に国立能楽堂開場25周年記念公演で茂山千作の「福の神」を見ちゃってるんですよね。あの福々しさは別格でした。
関根祥人の「海士」。今年10月に見た野田秀樹の「The Diver」がこの「海士」をモチーフの一つにして作られた作品だったのですが(タイトルの「The Diver」=「海士」ですよね)、どうも今ひとつ消化不良の感を免れず。そんなことを思い出しながら見た関根祥人の「海士」は、鮮やかでした。オリジナルは奥が深いです。動きの一つ一つが面白い。この人の演能はどうしてこんなにリアルなのでしょうか。面かけてるのに、直面のように見えてくるのが本当に不思議です。
この週末はTSUTAYAの準新作・旧作DVDのレンタルが半額!ということで、モーガン・フリーマン出演作を借りてきました。
「アンダー・サスピション」
「ゴーン・ベイビー・ゴーン」
「ラッキーナンバー7」
「素敵な人生のはじめ方」(←新作なので半額じゃないです)
先日、「次に『ドライビング miss デイジー』『許されざる者』を見たら、モーガン・フリーマン特集は一旦打ち止めにするつもり」 と書きました。その時はそのつもりだったんです。
でも、出演作をチェックする内にあれもこれも面白そうに思えてきて、結局上記4本を借りてきてしまいました。「ドライビング~」にも「許されざる者」にもたどり着けません。
そもそも、今日は夕方から渋谷の観世能楽堂、21日はパルコ劇場、24日は国立劇場、26日は歌舞伎座、と観劇予定が目白押しです。7泊8日のレンタル期間中、劇場滞在時間は16時間(1日当たり2時間!)に及ぶというのに、この上さらに4本の映画を見る時間を確保できるのでしょうか……。
と危惧しつつ、次回のレンタル半額は25日なので、できれば25日までに全部見たいなぁなどと狙ってたりもします。懲りないワタシ。
今日は 古文書セミナー の年内最後の講座でした。
このセミナーはくずし字読解の講座ですが、テキストとして五代目市川団十郎の『小倉百句』という小倉百人一首のパロディを読んでます。
どんなパロディ句なのか、一つ例を挙げてみますね。
年の関 行もかへるも 金の事
蝉丸の「これやこの行も帰るも別てはしるもしらぬも逢坂の関」を踏まえた句です。掛取が行き来する江戸の町の年の瀬を詠んだもので、古今東西を問わず普遍的な内容の句ですが、特に今年は切実に感じられるような。
さて、大学の講義、セミナー、原稿執筆、その他いろいろ、仕事によって仕事納めの日はバラバラです。
資料の読み込みや原稿書きは曜日も時間も場所も問わずにできてしまう作業なので、大晦日の夜や元旦にベッドの上でパソコン打ってたりして、結局仕事納めも仕事始めもグズグズだったりします。あまりよいことではありませんよね。
そんな訳で、来年はオンとオフをきっちり切り換えたいなぁと考えてます。来年の目標の一つです。
とは言え、私の場合、仕事と趣味と娯楽の区別がつけにくい部分もあり、オンとオフの定義が難しいのですけれど。一案としては、収入が得られるならオン、得られないならオフ、でしょうか。でも、オフの趣味の延長で収入が発生することや、報酬ゼロでもオンとしてやらなければならないことがあったりするので、そう単純に割り切れません。
とりあえず、今年の仕事納めは、
大学の講義 すでに終了
古文書セミナー 本日終了
某原稿作成 12月27日(展望)
某企画監修 12月26日(祈願中)
諸々根回し 12月30日(予定)
某企画対応 12月30日(希望)
と、こんな感じです。
考えてみたら、旧正月を祝う韓国は年末年始も元日以外は通常業務です。なので、韓国絡みの仕事では、大晦日にも連絡業務が発生する可能性が高いのでした。
ぐろーばりずむ、ってのでしょうか。
そう言えば、韓国で仕事をしていた時は、お正月を日本で過ごすための仕事の遣り繰りはかなり大変でした。何とか遣り繰りして大晦日に帰国してましたが、年越し蕎麦が食べられないほど疲れ切ってましたもの。
今年の大晦日はオフにできるかなぁ~。いえ、しっかりオフにできるようにきっちり頑張ります。
韓国の芸能人が姦通罪で執行猶予付きの有罪判決を受けました。このニュース、日本でも報道されてますね。
【ソウル17日時事】韓国の裁判所は17日、夫以外の男性と浮気したとして姦通(かんつう)罪で起訴された女優オク・ソリさんに対し、懲役8月、執行猶予2年の判決を言い渡した。同事件をめぐっては、オクさんが姦通罪は違憲だと憲法裁判所に訴えたため物議を醸したが、今年10月に合憲の判決が出ている。聯合ニュースが伝えた。(2008/12/17-12:05)
「姦通罪」については、韓国にいた時、日本の友人知人からよく質問されたものでした。
「韓国には今もあるんだって?」
「本当に適用されるケースがあるんですか?」
「女性だけが罪になるなんて、男尊女卑ですよねぇ?」
上の報道からも分かりますが、この質問に対する答えは
「はい、あります」
「はい、適用されます」
「いいえ、男性も罪に問われます」
です。
今回のニュースを見聞きして改めて興味を持つ方も多そうなので、法律上の規定を紹介してみますね。3年ぐらい前に調べたものですが、今も変わってないはず、です。
姦通罪とは……
・配偶者のある者が姦通する罪
・法律上の婚姻関係において成立し、事実婚では成立しない
・婚姻関係があれば、離婚準備中や別居中でも成立する
・「男女生殖器の結合」がある時に既遂とされ、未遂では罰せられない
・性交ごとに1件の姦通罪が成立し、各姦通ごとに配偶者の告訴が必要
・配偶者の告訴が必要(親告罪)
・婚姻関係の解消後または離婚訴訟提起後でなければ起訴できない
・配偶者が姦通を事前に容認または事後に容赦した場合は起訴できない
・実質的な男女平等を規定した憲法の精神に則り、夫婦を同じように罰する
と刑法で定められている犯罪です。
法律上は「男女平等」で罰せられます。が、検察側の起訴に婚姻関係の破綻(離婚後または離婚訴訟提起後である)という条件が必要なので、実情として、経済力があり離婚に踏み切りやすい夫の告訴に基づいて妻が起訴されて罪に問われる、というケースが多くなるようです。
それにしても、刑事事件ですから警察が捜査に乗り出すわけですが、「性交ごとに1件の姦通罪」ってどうやって立証するんでしょうね。謎です。
とある事情で連日遠出してまして、ゆったりネットする時間が取れず、ブログの更新が滞ってしまいました。
記事は毎日書きためてましたので、後れ馳せながら順次アップしていきたいと思います。
余談。
ふと気になって、「おくればせ」を『広辞苑』で引いたら「後れ馳せ」とあって、「遅れ馳せ」という漢字は全く載ってませんでした。びっくり。びっくりついでに『日本国語大辞典』を参照したら、こちらは「遅馳・後馳」と両方載せてました。でも用例を見ると、古くから使われているのは「後れ」のようです。「おくれ」という言葉に「遅れ」という漢字を当てるようになったのは、かなり最近(←幕末から明治初期。ワタシ基準です)のことらしいのですね。びっくり。
このブログのタイトル「江戸と韓国と演劇と映画と」は、先月ブログをリニューアル再開した時に、新たに設定したものです。
どんなタイトルにしようか、かなり迷った末、結局、キーワードを羅列することにしました。「江戸」「韓国」「演劇」「映画」というブログの中心になりそうな話題を並べて、タイトルと決めたわけです。
と言っても、完全に決めた訳ではなく、とりあえずこのタイトルで始めよう、続けていくうちにもっとぴったりのタイトルを思いついたら、その時点でタイトルを変更するのもアリでしょ……という心づもりでした。
その考えは今も同じです。実際、具体的な内容が分かるタイトルや雰囲気のあるタイトルの方がよかったかなぁと思ったりもしてますので、今より良いタイトルを思いついたら、さらっと変更してしまうかもしれません。
でも、今のタイトルで気に入ってる点もあります。
それは、Google で「江戸と韓国」と入力すると、検索結果のトップに表示されること。
「江戸」と「韓国」という組み合わせが珍しいのでしょうね。
アドレスを覚えてなくても、「江戸と韓国」で自分のブログにたどりつけるので、出先で自分のブログをチェックする時など便利です。この利点は捨て難い……。
ブログのタイトルって、どんなふうにつければよいのでしょうね?
歌舞伎座、夜の部に行ってきました。
幕間には、偶然会った友人としばし雑談。世の中がこんなで歌舞伎座建替えは大丈夫なのかしら?
歌舞伎座百二十年 十二月大歌舞伎
12月14日(日)16時30分
歌舞伎座
3階2列36番
「名鷹誉石切」
富十郎が元気で嬉しい。段四郎が達者で嬉しい。
「高杯」
染五郎の次郎冠者、前回よりうまくなってます。もっとウキウキした雰囲気が出るとよいのですけれど。所々勘三郎を意識していると思われる部分があるのですが、芸の質が違うのでちと無理があるような。
「籠釣瓶花街酔醒」
福助の八つ橋、前回よりよくなってます。この人の八つ橋は、全盛の花魁の格より、間夫に振り回されながら吉原で生きる女郎の性の部分に面白みが出ますね。栄之丞が染五郎でやや弱いため、特にそう見えるのかもしれません。
幸四郎の次郎左衛門はそれなりに面白く。大詰で飛び上がって八つ橋に切りかかる形は、何度見てもよいと思えません。ここを納得させてくれる役者さん、いないかしらん。
治六の段四郎、達者で元気で嬉しい。
円高、すごいですね。私自身は、円高の影響を直接に受けるような仕事はしてませんけど、それでも気になります。
それ以上に気になるのは、同時進行しているウォン安。
12日のレートは 100円=1502ウォン。昨年夏には 100円=750ウォン程度の円安・ウォン高だったのですから、その頃と現在とでウォンの価値は半減したってことですよね。
韓国の大学で仕事をしていた時、給与はウォン建て、ウォン払いでした。韓国で作った口座に自動振り込みされてました。2年間勤めた嶺南大学校でも、5年間勤めたソウル女子大学校でも、辞める際に退職金を受け取りました。これもウォン建て、ウォン払いで、韓国の口座へ自動振り込み。
2007年2月末、大学との契約満了を機に日本へ帰国することになった時、私の韓国の口座にはそれなりの金額のウォンがありました。そのほとんどを円に両替して日本の銀行口座に送金しました。2007年2月から7月の間、数回に分けて、です。両替レートは 100円=750~800ウォンでした。
韓国は日本と比べると金利が高く、定期預金の年利が4~5%でしたから、韓国の口座に残しておくという選択肢もあったのです。でも、日韓の金利差のメリットと為替変動のリスクを比べたら、リスクの方が大きそうだなぁ~と。当時のウォン高、なぜそんなに韓国ウォンが高いのか、私には根拠がよく分からなかったので。
今から思えば、ウォンが一番高い時期に両替してたわけで、ラッキーでした。ずっとウォンで持ってたら、退職金、半減してるとこでしたよ。危ない、危ない。
それでもまだいくらかのウォンを口座に残してあるのですが、これは韓国へ行った時にパッと使い切るしかないでしょうね。元々そのために残したのだから、ま、いいか。
以下、蛇足です。
韓国の金利がどのくらい高いかというと、つい先日(11日)こんな発表がありました。
韓国中央銀行の韓国銀行は11日、金融通過委員会の定例会議を開き、政策金利を現行4.00%から3.00%にすると発表した。金融市場や実物経済の最近状況が当初の予測より大幅悪化しているため、1.00%の利下げが必要と判断したとみられる。
韓国銀行は5.25%であった政策金利を、10月9日に0.25%、10月28日に0.75%、11月7日に0.25%づつ引き下げてきた。
政策金利3.00%は、2004年11月11日につけた史上最低値の2.25%より0.25%も低い水準である。通貨政策の基準を通貨量から政策金利に変更した1999年以降、政策金利が3.00%まで落ち込んだことはなかった。
(IBTimes 2008年12月11日 10:33更新)
以前からあちこちで話題になっているので、説明の必要なさそうですけれど。
ペ・ヨンジュンのお店として有名な韓国料理店「高矢禮(ゴシレ)」のお弁当、第二弾がセブンイレブンから発売されます。
予約しちゃいました。1個2,500円也。
第一弾の時には、あまり興味なかったのです。コンビニのお弁当で、2500円は高すぎでしょ、いくら何でも。
でも、「高いけどそれなりに美味しかった」という評判を聞き、「だったら注文してみればよかったかな~」とやや後悔してました。そこに、今回の第二弾。「えーい、今回は予約しちゃえっ!」ということにあいなりました。
食べないでアレコレ言うのも何ですしね。
第一弾は11万食売れたそうです。2,500円で11万食って、えーっと……売上いくらですか?
275,000,000円?(← google 行って計算してきました。)
これって、いくら? いち、じゅう、ひゃく、せん(←本当にこうやって数えないと分からないです。日頃全く縁がない桁数なもので。)……2億7500万!?
ビジネスモデルとしても興味深いですよね。「ヨン様ビジネス」って、モデルとしては真似できそうなのに、実際にはどこもできてないようですし。
お弁当は23日のお昼にいただく予定です。評判通り本当に美味しいのか、2,500円の価値があるのか。後日、感想を書きます。お楽しみに。
今日は国立小劇場の文楽に行ってきました。毎年12月の東京は、重鎮がお休み、中堅・若手による公演です。
12月11日(木)17時
国立小劇場
「源平布引滝」
義賢館の段
矢橋の段
竹生島遊覧の段
九郎助内の段
芳穂・寛太郎、睦・清馗、咲甫(・燕三←若手じゃないので)の若手が大奮闘でした。
「矢橋」冒頭、寛太郎の三味線がやや不安定に聞こえたのだけど、芳穂の思い切った第一声が不安を吹き飛ばしてくれました。その緊張感で60分間語れる太夫になってください。
「九郎助内」中の睦・清馗、若手には雰囲気を出すのが難しそうな場面ですが、大健闘してました。
後の咲甫は最初から最後まで全力投球。葵御前(と実盛)がそれらしく聞こえないのは、役の「格」を表現するのが難しいのでしょう。それでも、1万メートルを全力疾走しているような、清々しい語りぶりでした。このくらい全力でやってくれると、未熟な部分があっても気持ちよく聞けますね。どんどん伸びていってほしい太夫さんです。
明日も文楽、今度は鑑賞教室です。
来年度の大学関係の仕事。講義の曜日と時間 が決まったところで、続いて、講義内容に関する事務連絡が来つつあります。
「12月×日までにシラバスをご提出下さい」
「教科書は大学から書店へ一括注文しますので、1月×日までにお知らせ下さい」
「シラバス」は、開講科目の「講義内容」「達成目標」「各回の講義テーマ」「教科書・参考文献」「評価方法」などを記した講義計画書です。学生はこれを見て、どの科目を取るか決めるわけです。なので、シラバスに載せたことは、後から覆せません。
来年4月からの科目はともかく、10月開講の科目についても今すぐ決めなければいけないのが大変です。学生が履修計画を立てるためには年度全体の情報が必要、という事情は理解できますし、当然そうあるべきではありますけれど。
う~ん、教科書ねぇ、どうしようかな……。
毎日冷え込みが厳しくなり、本格的な冬到来ですね。
韓国のオンドルが懐かしいです……。
さて、先月9日からリニューアル再スタートしたこのブログ、無事一ヶ月目を迎えることができました。よく続いたな~というのが正直な感想です。
これもこまめに訪問して下さってる皆さまのお陰です。
コメント下さった方、メール下さった方、「読んでるよ~」と声掛けてくださった方、密かにこっそり読んで下さってる方、ありがとうございます。
書いてる当人が「長文で読みにくいなぁ」と思う記事も多いのですが、「××の話、面白かった!」などと伝えていただけるのが励みになってます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
[追記]
日本に留学中の教え子(韓国人)から携帯にメールが来ました。
「先生~お誕生日おめでとうございます」
一か月遅れでも嬉しいものですね。
でも、当人には、院試の日程を間違えないように、よく言っておかなくちゃ。どこの大学でもニ、三年に一人ぐらいいるのです。意外にありがち。
昨日の記事 「子供を他人に貸せますか?」 の続編というか、姉妹編というか。キッザニアをめぐる韓国事情とでもいいましょうか……。
2009年、ソウルにもキッザニアがオープン します。電話してきた教え子は、その仕事に携わってます。
彼女の仕事の話を最初に聞いた時、日本で成功を収めているキッザニア、韓国でもうまく行くといいなぁと思ったのですけれど……あれ、ちょっと待って。
「消防士」とか「宅配便のセールスドライバー」とか「お菓子工場のスタッフ」とか、日本の子供たちには大人気のようですが、韓国の子供たちはやりたいと思うのでしょうか? 韓国の親たちが自分の子供にやらせたいと考えるのでしょうか? 日本とは比較にならないほど、エリート志向、ホワイトカラー志向の強いお国柄。子供のなりたい職業は、「大統領」「科学者」「大学教授」だったりするのですよね。男女を問わず。
以前、日本語の教科書を執筆した際、そのへんの日韓ギャップを知ってもらおうと工夫してみたことがあります。情報コラムのページで「日本の小学生が就きたい職業ベスト5」というネタを取り上げたのです。男の子は「バス・電車の運転手」、女の子は「パン・ケーキ屋」「花屋」がランクイン。日本人にはお馴染みのランキングです。
これを見た韓国人の先生、「何ですか、これ?」と言ったきり、信じられないという顔で絶句しました。日本で10年近く生活し、日本での出産・子育て経験もある方なのですけれど。
そのくらい、韓国で「運転手」「パン・ケーキ屋」「花屋」はアリエナイのですね。子供のなりたい職業として。
そんな韓国事情を知ってると、ソウルのキッザニアにどんな企業が協力するのか、どんな職業体験ができるテーマパークになるのか、興味津々です。
韓国でも子供(とその親)の考え方は急速に変わってきてるのかもしれません。キッザニアが韓国人の職業観を変えて行く一要因になるのかもしれません。
子供のいない私はこれまでキッザニアと無縁でしたが、ソウルのキッザニアがオープンしたらぜひ見物に行ってみたいものです。
その時は、子供貸してくれる人、探さなくちゃ。
先週火曜の夕方、携帯に電話が入りました。画面を見ると韓国の知らない番号。誰だろう?と訝しがりながら出てみると、ソウル女子大の教え子でした。今はソウルで会社勤めしています。
お定まりの挨拶の後、用件を尋ねると……
「あの、先生の周りに子供いますか?」
「……? 探せばいるけど……どうして?」
「あさって、子供と……あの、キッザニアってご存じですよね?」
「……? 知ってるけど?」
詳しく聞いてみれば、彼女の会社の社員が キッザニア を視察するため東京へ出張する。ところが肝心要、キッザニアの主役である子供がいない。キッザニアは子供の同伴者としてでなければ、大人は入場できないのですね。そこで、一緒に入場してくれる15歳以下の子供を探している、費用はもちろん負担するので、という話。
要は、キッザニアに入場したいのでちょっと子供を貸してほしい、ということですね。
事情が分かってみれば「なるほどね」とも思えるのですが、それにしても、普通の日本人ならこんな考えがすぐに浮かぶでしょう。
全然知らない人に子供を預けるの? 相手が日本人だって普通しないのでは?
「あさって」って、木曜で平日で、学校あるし。翌日も学校だし。
キッザニア行くために学校を欠席・早引? 他人の仕事のために?
急過ぎるでしょ、「あさって」なんて。
万一、事故でもあったら?
しかし、電話の向こうの様子からは、彼女も上司も、このような違和感は感じてないようです。韓国人らしいなぁ。
その後、入場は夕方4時以降、保護者1名は一緒に入場できる(子供2人+韓国人視察メンバー3人+保護者1人)、という「条件」が判明したこともあり、心当たりに連絡してみました。
でも、全滅。「お稽古の日で……」「それはちょっと……」「子供が風邪気味で……」「一度行ったことあるから……」。
そうですよね~。私が親でもやっぱり躊躇するだろうと思います。
視察目的の初対面の韓国人3人と一緒ではあまり楽しめないんじゃないかなぁ、子供に無理させる義理はないんだし、お金払っても休みの日に家族だけで行く方が……と否定的に考えそうです。
相手が日本人だったとしても、タダでキッザニア行けてラッキー、と単純にはいかないような。
このムリっぽい頼み事、日本在住の韓国人に連絡したらすぐに行ってくれる人が見つかったそうです。韓国人らしいなぁ。結局、餅は餅屋ってことでしょうか。
こういう依頼があっさり成立しちゃう「韓国」、羨ましくもあります。
今回とは逆に、日本人が韓国人に頼んだのだったら、割とすんなり子供を貸してくれる人が見つかるだろうと思うのです。
TSUTAYAからレンタル半額のお知らせが来ました。いそいそとお店に向かい、モーガン・フリーマンの出演作を漁ってきました。
「コレクター」
「スパイダー コレクター2」
「素敵な人生のはじめ方」 「ラブ・アペタイザー」 (←タイトル間違えてました)
「最高の人生の見つけ方」
こんなに借りてきて、1週間で見られるのでしょうか……。ちょっと心配です。フリーマンと関係なく、もう1本借りてるし。
見始めた当初 は、モーガン・フリーマンの出演作を全部見たいと思っていたのですが、とても無理と判明。とりあえず上記4本、次に「ドライビング miss デイジー」「許されざる者」を見たら、モーガン・フリーマン特集は一旦打ち止めにするつもりです。
そしたら、ランキングでもつけてみようかしら。
日頃お世話になっている方から頂戴しました。
って、それじゃ逆ですよね。よいのでしょうか? ま、いっか。
知る人ぞ知る?下戸のワタクシ。
どこかの忘年会もしくは新年会に持参したいと考えております。
よろしうに。
[白]
Amedeo
2007
CUSTOZA SUPERIORE
アメデーオ ビアンコ
クストーツァ スペリオーレ
生産者:カヴァルキーナ、ピオーナ家
タイプ:白・辛口
等級:DOC
葡萄品種:ガルガネーガ、トレッビアーノネッロ、フェルナンダ、他
[赤]
Montepulcano d'Abruzza
COLLINE TERAMANE
2005
モンテプルチアーノ ダブルッツォ
コッリーネ テラマーネ
生産者:ファルネーゼ
タイプ:赤・フルボディ
等級:DOCG
葡萄品種:モンテブルチャーノ ダブルッツオ
ラベルを書き写してみましたが、チンプンカンプン、とらやあやあ。
どうぞよろしうに。
自分で確かめてないのですが、閉店の貼紙が出ていたという話を聞きました。なんていきなり書くと、半々ぐらいで「豊田書房?」「えっ!閉店?」と反応が分かれそうな。
「豊田書房」は、神田神保町にある伝統芸能専門の古本屋です。
大学3年生の時、先輩が神保町の古書店街を案内してくれて、初めてこのお店を知りました。以来、ずっとお世話になってました。
韓国で暮らしていた時も、夏・冬の休みで帰国する度に必ず顔を出していました。
ちょうどひと月ほど前、「神田古本まつり」の時に「店内3割引」というありえないセールをやっていて、いつもの番頭さんでなく一度も見たことのない男性がお店にいらして、「何だか様子がヘンだなぁ……」と感じていたのですけれど。
やはり伝統芸能専門の古書店、銀座の「奥村書店」も昨年9月に閉店しました。こちらも大学4年の時、先輩の紹介で、1万5千円という大枚(当時。あ、今だって大金ですけど)をはたいて本を購入して以来、ずっとお付き合いさせていただいていたお店でした。
オクムラとトヨダ、名物古書店の相次いでの閉店は寂しい限り。時代の終わりを感じます。
こうなってみると、どちらのお店にも恩返しできなかったのが、心残りです。
(2009年7月26日追記)
豊田書房の番頭だった手塚さんが、神保町で独立開業されました。詳しくは下記記事をご覧下さい。
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手塚書房、行ってきました
手塚書房、移転
「乱歩歌舞伎」と喧伝された新作、「面白い」という評判を聞き、楽しみに出かけていきました。
「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)」
11月26日(水)11時30分
国立大劇場
原作:江戸川乱歩『人間豹』
脚色:岩豪友樹子
演出:九代琴松(=松本幸四郎)
出演:松本幸四郎、市川染五郎、市川高麗蔵、市川春猿、澤村鐵之助、松本錦吾、他
確かに面白い部分もあるのですが……これ、歌舞伎でなくてもよいのでは?
歌舞伎化するため、原作の昭和初期という設定を幕末に変え、名探偵・明智小五郎を隠密廻り同心としています。そのあたりからして、芝居全体が嘘っぽい安手の見世物風になっちゃったような。
プログラムに、江戸川乱歩と『人間豹』についての解説が載ってます。写真資料をふんだんに使った、読み応えある解説です。でも、そこに載る『人間豹』の小説の挿絵を見ると、一目で分かってしまいます。昭和初期のモダンな世相の中に半人半獣の人間豹を登場させたからこそ、おどろおどろしい怪奇趣味が力を持ったのだ、ということ。
時代を幕末にすると、世の中と人間豹の存在の葛藤がぼやけてしまうのですね。
さらに、歌舞伎の立場から言えば、この時代設定でエログロ見せるなら南北を超えるという意気込みでやってくれないと。エロもグロも中途半端でしょう、これでは。
三役と大活躍の春猿、いい女方さんになりました。今後いろんな役がつくことを願ってます。
大道具も目を引きました。定式をはずした舞台、よく工夫されてて、かつて国立の美術スタッフにありがちだった「頑張り過ぎ」も抑えられ、今回の新作に程よく合ってたと思います。
お客さんの入りはよかったそうで、早くも来年10月の第二弾が決定したとか。もっと面白くなることを期待してます。
帰りに台本を買おうとしたら、売り切れてました。恐るべし。(何が?)
最後に舞台と関係ない一言。プログラムの後ろの方に載ってた、ひこにゃんと吉右衛門の2ショット写真、最高です。
先日国立劇場へ行った際、ロビーで気になるチラシを見つけました。今手元にないのでうろ覚えですが、「遺言によってあなたの資産を歌舞伎などの伝統芸能に寄付しませんか?」という趣旨のものです。
あぁ、なるほど~。これって結構イイかも。
子供がないからといってロクにつき合いもない遠縁に遺産が渡るのはどうも……とか、財産を遺族に残すだけでなく社会還元もしたい、などと思っている人には一つの選択肢になりますよね。
伝統芸能ファンだったら、歌舞伎や文楽に遺産を贈るというのは嬉しい選択肢でもあります。贔屓の役者さん、技芸員さんを、自分が死んだ後も応援し続けられるのですから。
この手の「遺贈による寄付制度」、実は、あちこちの大学がかなり採用しつつあります。「遺産は母校へ寄付して!」ということです。独立行政法人化されて寄付を受け入れやすくなった旧・国立大学も積極的に取り入れてます。
ただ、この制度、PRが難しいのです。同窓会名簿を元に「亡くなる時はうちの大学に財産ください!お待ちしてます!」なんてチラシを送ったら、抗議の電話が殺到するのが目に見えてます。大体、自分の母校とはいえ、一生かけて築いた財産を全く見知らぬ若者たちのために譲るというのは、なかなかできない決断ですよね。浅薄な連中に大麻栽培なんかされちゃうご時世ですし。
それにひきかえ、伝統芸能は元来、代々芸を継承しながら時を越えて続いていくものです。ファンは自分と同時代を生きる役者さんや芸人さんの成長を見守っています。初舞台の日から50年、70年と見守り続けることも珍しくありません。そんなファンにとって、「伝統芸能の未来に、それを支える人たちのために、あなたの遺産を役立てませんか」という勧誘なら、耳に心地よく響きます。
伝統芸能への遺贈による寄付、正確には、中央三井信託銀行を通じて「日本芸術文化振興会」へ寄付ができるというものです。マスコミでは 「伝統芸能に故人の遺産寄付 中央三井が信託サービス」 などと報道されたようですが、使途を伝統芸能に限ることができるのかしら?
ちなみに、中央三井信託銀行が遺贈による寄付を扱っている提携先は こちら です。
このサイトから「日本芸術文化振興会」のリンク先へ飛ぶと、そこには記事一覧しかなくて、肝心の 寄付の案内 はPDFファイル。このへんがお役所仕事なんですよね、この団体。もう少しサイトの訪問者の立場に立ってサイト作ってほしいんですが。
大学のリンク先も全部見てみました。やはりPRはどこも控え目。そんな中、目立ってるのが東京大学。「遺贈(遺言信託)によるご寄付のご案内」の中に「寄付者インタビュー」なるページを作成、すでに10人(組)のインタビューが載ってます。宣伝上手だわ~。
翻って、「あなたはどうするの?」と問われたら……遺贈先を検討する前に遺贈する資産が残せるかどうかが問題です。
全く知らない劇団だったのですが、パラドックス定数「三億円事件」で気になった今里真さんという役者さん目当てに出かけて行ってみました。
劇団ルドビコ★Vol.3
「義経-YOSHITSUNE- 紫鬼王編」
11月24日(祝・月)12時
草月ホール
作:桜木さやか
総合演出:佐山泰三
時は平安時代末、かつて安倍晴明(今里真)との術比べに敗れて紫鬼王と化した芦屋道満(林修司)は妖刀・紫鬼(ムラサキ)を狙って五条大橋に出没している。一方、2008年の現代、源義経が大好きな高校剣道部員(大河元気)とその友人(高木心平)は、鞍馬山で平安時代から伝わるという紫鬼の剣を手にして、平安時代にタイプスリップ、何と源義経と伊勢三郎になってしまう。
というわけで、中味は今どきの高校生の義経が、弁慶(郷本直也)と出会って源氏再興を目指しつつ、現代に戻るために紫鬼王と戦って妖刀・紫鬼の輪廻を断ち切らなければならない、というのが大枠のストーリーです。他に、静御前や佐藤継信・忠信兄弟、金売り吉次、熊坂長範なども登場、荒唐無稽なのに意外とつじつま合ってるかも。
舞台は、音響・照明をうまく使ったカッコいい殺陣と息の合った小ネタのコントの連続。それなりに見せるエンタメになってます。
で、お目当て今里真の役は安倍晴明。陰陽師としてこの世を俯瞰する位置から、紫鬼王の企みを見通し、現代の高校生に戻りたい義経にお告げ的アドバイスを与える役どころです。
この役、難しいです。他のキャストがコントと殺陣で弾けてる中、一人佇んでもっともらしいお告げを述べて印を結ぶ、という演技がほとんど。この世の出来事を見通しちゃってる役なので、感情表現も非常に抑制的。辛抱要ったと思います。声が良くてセリフは抜群、結印の動作も鮮やか。ただ残念だったのが足の運び。現代劇の役者さんと古典芸能の人と、下半身の使い方が全く違うのです。安倍晴明って野村萬斎がやってますしね。
今里真のもっといろんな演技が見たいのに……とやや欲求不満の舞台でした。が、カーテンコールでそれまで抑えてた表情が一変、ニコッと笑った顔がとても魅力的。欲求不満は吹っ飛びました。見せ方、分かってますね。
パラドックス定数の次回公演に出演予定とのことで、来年3月に期待してます。
(その前の出演情報が見つからない……。誰か教えて下さい!)
今日は、美味しいものを食べて、おしゃべりを楽しんだ一日でした。
昼は両親・妹夫婦と一緒に京王プラザホテルのビュッフェ。
夜は友達5人で広尾のワインバー。
夜は写真を撮り忘れました。後で昼のビュッフェの料理の写真をアップします。
というわけで、遅ればせながら、京王プラザホテル本館2階 「グラスコート」 ブッフェの写真です。
これは予約席のセッティング。ここのブッフェは大人気で、予約してないと入れません(少なくとも土日は)。
サラダはグリーンサラダとシーフードサラダを一皿に。スープは珍しい栗のスープ。前菜3品は鴨とキノコのマリネ、シーフードのタルタル、もう一つは忘れました。
こちらのスープはアスパラガス。エビ、タコ、パーナ貝(グリーンマッスル、グリーンムール貝)に、ウニのジュレ、チーズ各種。
デザートいろいろ。幸せな一皿です。
どの料理も大変おいしゅうございました。夜の予定を考えて、控え目にしたのが残念。
でも、その甲斐あって、広尾のワインバーでワインも料理も堪能することができました。写真ありませんが、料理美味しくて、居心地よくて、とても素敵なお店です。
今年もあとひと月余り。中途で放ってあること、手つかずでやり残していること、いろいろかたをつけないと、と思い始めてます。
そんなわけで、去年7月のニューヨーク(+ちょこっとワシントン)旅行の写真を一般公開用ウェブアルバムにしてみました。旅行直後に作った身内限定公開のアルバムを整理し直したものです。
今改めて写真を見ると、あの時のワクワク感が蘇ります。初めてのアメリカ、初めてのブロードウェイ、夢のような日々でした。今年も密かにニューヨーク行きを企んでいましたが、結局叶わず。
「来年こそは」の気持ちを込めて、「2007NYC」公開します。
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ところで、この旅行から帰ってすぐ旅行中の支出の清算をしました。が、なぜか帳尻が合いませんでした。残金が14ドル足りないのです。レシートと手帳のメモをチェックし、頭を振り絞ってお金を使った場面を思い出し、何度計算してもダメ。14ドルは使途不明金となっていました。
ところが、今日、このアルバムを作るために去年の手帳を引っ張り出して眺めていたら、一発解決。手帳にちゃんと14ドルの支出のメモが残ってました。去年何度も見直したはずなのに。私、一体何やってたんでしょう。
ともあれ、1年4か月遅れながらも、帳尻が合ってくれてスッキリしました。整理整頓、大切です。
先日(24日)、二つ目のお芝居の前に たばこと塩の博物館 へ寄ってきました。「近世初期風俗画 躍動と快楽」の展示替え後の再訪問 です。
今回一番長い時間眺めていたのは、歴史民俗博物館所蔵の「洛中洛外図屏風」、通称「歴博甲本」でした。16世紀前半に制作された、現存する最古の洛中洛外図屏風です。
この屏風、ちょっと変わった構図になってます。右隻は右が南で、手前(下)に洛中、奥(上)に洛東を描き、左隻は右が北で、手前に洛中、奥に洛西を描いているのです。鑑賞する人は、両隻を真横一文字に並べるのでなく、左右両側に向かい合わせに置いたか、あるいは並べるとしても「ハ」の字形に置いて、京都の洛中洛外を一望する気分を味わっていたのかもしれません。
ただ、展示は左右を真横に並べてありますから、方向感覚に難のある私にはこの構図がどうもピンとこないのです。「あれ?東福寺ってこんな所にある?」「渡月橋ってどういう向きにかかってたっけ?」と、見れば見るほど混乱します。
これって、京都の地理に今ひとつ疎いせいでもあるのですよね。実際に京都へ行って、あちこち歩き回ってきたいなぁ……。
このところ来年度の仕事のスケジュールの問合せが続いています。「2009年度ご担当科目についてご出講を希望される時間を確認させていただきたく云々」、つまり、何曜日の何時間目に授業をしたいのか希望を出してね、ということです。
この問合せが来ると、来年のカレンダーと首っ引きで考えます。他のスケジュールとの調整が第一ですが、その上で、何曜日がいいのか結構悩むのです。
以前は月曜日がベスト、と言われていました。振替休日で休みになる確率が高いからです。ところが、体育の日のように第*月曜日と決められた祝日が増えて、状況は一変。月曜の休みが極端に増えたことで、曜日によって授業の回数に差が出ること自体が問題化したのです。その結果、今では、学期の始まりと終わりの曜日をずらしたり、振替休日や月曜祝日も「通常通りの授業日」にしたりして、授業回数を調整するのが一般的になっています。
なので、うっかり祝日の多い曜日に授業を設定してしまうと、学期(授業期間)が1週長くなったり、世間様のお休みの日に授業をすることになります。そうなるとかえって面倒なんですよねぇ。
う~ん、何曜日にしよう……。
昨日(24日)の「渋谷駅周辺ぐるぐる彷徨」、ハチ公、モアイ像、バスターミナル、高架下の段ボールハウスと渋谷駅名所(?)を二巡した後にやっと方向が飲み込めて(一応安心して用事をすましてご飯食べて)、18時過ぎにたどりついた場所は、「劇場」じゃなくて「倉庫」でした。道理で聞いたことない「劇場」だったはずです……。
パラドックス定数第17項
「怪人21面相」
11月24日(祝・月)18時30分
渋谷 space EDGE
作・演出:野木萌葱
出演:植村宏司、十枝大介、西原誠吾、小野ゆたか
パラドックス定数 という劇団の公演。先月初めて見た「三億円事件」がとてもよかったので、今回も期待してチケット取りました。
期待に違わず面白かったです。「どくいり きけん たべたら しぬで」の文句で世上を騒がせた「グリコ・森永事件」に取材、「かい人21面相」と名乗った犯人たちの行動と背景を再構成してみせた舞台です。登場する四人の犯人は、食品会社の役員(植村宏司)、事情ありげな暴力団員(十枝大介)、元公安刑事(西原誠吾)、大手新聞の記者(小野ゆたか)という設定。四人四様の過去のトラウマや人生の重荷が物語の展開とともに次第に明らかになっていきます。
会場は倉庫にパイプ椅子ならべただけ。舞台は犯人たちが隠れ家としている一室という設定なのですが、客席の頭の上にロフトスペースがあり、役者さんたちは舞台上手の階段からロフトを通って出入りするという構造。観客の立場からすると、犯人たちは上手の階段から現れたり消えたり、その度に頭上で足音が響いて、ドアを開閉する音が聞こえ光が見える、という仕組みになっています。犯人たちは隠れ家の外で何をしているのか、どう振る舞っているのかと想像力を刺激され、効果的な演出です。
台本のリアルなセリフにスリリングな展開、腕のある役者さんたちのキレのあるセリフと動き。2時間、緊張感が途切れることのない舞台でした。ラスト30分の密度の濃さ、堪能しました。
実際の事件は犯人未逮捕のまま時効を迎え、その全容は解明されていません。なので、この物語のどこまでが事実で、どこからが虚構なのかを問うことにあまり意味はなく(タイトルも「かい人」でなく「怪人」としてますし)、むしろ、前回「三億円事件」同様、事実と虚構の狭間できっちりドラマを作り上げているところに魅力があります。
次回公演は来年3月末だそうで、今から楽しみ。
昨晩モーガン・フリーマンの話を投稿した後、実際に見たのは予定外のDVDでした。タイトルは「平壌のアメリカ人」。今年2月、ニューヨーク・フィルが平壌で演奏会を行った際のドキュメンタリーで、コンサートのライブDVD「The Pyongyang Concert」(「ニューヨーク・フィル・イン・平壌」)に収録されている52分の特典映像です。(下の画像はamazonから借りました。) カメラは、ニューヨーク・フィルの平壌空港到着から、ホテルへのチェックイン、歓迎レセプション、北朝鮮のオーケストラとの合同演奏、北朝鮮の若い音楽家への特別指導、コンサートの衛星中継のための韓国からの機材搬入、そして本番のコンサートの様子をずっと追っていて、よくこんな光景が撮れたなぁという場面の連続です。
その合間に挟まれている指揮者ロリン・マゼール、オーケストラの団員たち、周辺の人々への短いインタビューも興味深いもので、北朝鮮がニューヨーク・フィルを招いたのは、結局の所、重油やガソリンが欲しい、そのために他国との外交・貿易を拡大したい、文化交流はその糸口になる、という理由からだったらしいということもかなり明確に見えてきます。
電力不足のはずなのに車窓から見えるビルや街路は美しくライトアップされていて、食糧不足のはずなのにレセプションの料理は豪華なご馳走。特別指導の感想を聞かれた若者から返ってくる答は「いつも先生から受けている指導と同じでした。私たちの国にもすぐれた先生が大ぜいいます」。
一方で、即興で行った米朝合同の弦楽八重奏は素晴らしい出来で、コンサートの最後のアンコール曲「アリラン」が演奏する側、聴衆の側、双方にもたらした感動も伝わってきます。
「我々は東独時代のドレスデンへも行った。それで状況が悪くなることはなかった」「歴史的意義は後から分かるもの。今できるのはトライすること」。ニューヨーク・フィル側の人々の言葉(記憶で書いてるので不正確です)が印象的でした。
何やら難しく重苦しいドキュメンタリーに思えるかもしれませんが、普通に面白く気楽に見られます。北朝鮮、ニューヨーク・フィル、文化外交などに興味のある方にはお勧めです。
行楽シーズンの三連休で、旅行やレジャーに出かけてる方も多いのでしょうね。
私はいつもの所でいつも通りの生活してます。仕事して、芝居見て、DVD見て……。
昨年春、日本に戻って来てからハリウッド映画をよく見るようになりました。韓国で暮らしていた時は、まず韓国映画を見てましたし、韓国で見る欧米の映画は「音声:英語、字幕:韓国語」ですからちょっと(かなり?)疲れるし。
そんなわけで、帰国してからそれまでのブランクを埋めるつもりで、あれこれ見てます。映画館にも行きますが、メインはTSUTAYAのDVDレンタル。「半額クーポン」が利用できる時に、3~4本まとめ借りしています。
で、最近お気に入りなのが、今さらなのですが、モーガン・フリーマン。「ショーシャンクの空」「ミリオンダラー・ベイビー」「セブン」等々、立て続けに見ています。「ミリオン~」の結末もショックでしたが、「セブン」の展開にも驚きました。狙いはそっちだったのか、と。
今借りてあって未見なのは「ザ・スナイパー」「レスティング・プレイス/安息の地」、それと「幸せのレシピ」。 今月は「Happy Birthday! レンタルクーポン」も使えたので、ついつい欲張っちゃってます。
明日24日は芝居のハシゴ、26日も観劇……とスケジュール埋まってるのですが、何とか見る時間をひねり出さなくては。
このところ朝晩の冷え込みが一段と厳しくて、もうすっかり冬ですね。
昨日(21日)は、江戸東京博物館 で「ボストン美術館浮世絵名品展」 を見てきました。
会期も残り10日足らずとなり、かなり混んでました。最終日に近づくほど混むのは展覧会の常ですから、もっと早い時期に行くつもりでいたのですが、会期中に展示替えがないというのでつい油断して出遅れました。
←江戸東京博物館HPから
借りてきました。
展示はすごいです。ボストン美術館の浮世絵コレクションは膨大なもので、出品作品の大多数が日本初公開。浮世絵の画集や図録などで目にしたことのある作品も多いのですが、実物は迫力というか、存在感が全然違います。
とにかく色が見事に残っているのがすごい。ボストン美術館のコレクションに限らず、幕末以降に海外へ流出して欧米のコレクターが所有した浮世絵は、保存状態が素晴らしく良いのですよね。浮世絵に対する態度の差と、気温と湿度という自然条件の違い。当時の日本人が浮世絵の価値に気づかず海外へ流出させてしまったのは残念ですが、一方で、高温多湿の日本で保管していたら、今回の展示品のような素晴らしい状態で現代に伝わることはなかったでしょう。むしろ「よくぞ流出させてくれた」と感謝したくなるくらい、見事な保存状態の作品がたくさんあります。
特にすごいと思ったのは、二代清倍の「(市川源之助と江戸七太夫)」という漆絵です。紅・黄・草色・墨の彩色が美しい。享保11年(1726)の作品で、300年近く前の浮世絵の色がこんなに繊細に残っているなんてねぇ。本当に「よくぞ流出させてくれた」ものです。ありがたや。
もう一つ感心したのは、広重の「東海道五十三次」の下絵や「江戸名所」の画稿が展示されていたこと。この手のものは存在が知られていてもなかなか見られませんから、貴重な機会でした。広重本人の画力の確かさが窺える絵です。
ところで。
会場で購入してきた図録をぱらぱら眺めながらこの文章を書いていたのですが、初代鳥居清信『風流四方屏風』の解説を服部幸雄氏が書かれているのに気づいて、一瞬ギョッとしました。でも考えてみれば、この展覧会は今年1月2日に名古屋ボストン美術館から始まった巡回展なので、図録も昨年末までにできてたのですね。書き下ろしだったらちょうど一年ほど前の原稿ということです。最後まで研究続けてらしたのだろうだなぁ、そういう先生だったもの。合掌。
ソウルから戻った翌日17日(月)に、六本木ヒルズの「アカデミーヒルズ」へ行ってきました。スポットの仕事のお話をいただいて、その打ち合わせです。
六本木ヒルズもアカデミーヒルズもどちらかというと私には縁のなさそうな場所柄なのですが、ここには「六本木ライブラリー」 という図書館があるのです。とてもユニークな図書館です。
どこがユニークかというと、何と言っても「会員制」というところ。入会資格は「年齢満20歳以上の個人」で、入会金10,500円、月会費9,450円です。
きっと六本木ヒルズのオープン時には話題になってたのでしょうが、その頃私はソウルにいましたから全然ヒルズ情報に接してなくて、今年初めにこの図書館の存在を知った時は驚きました。だって、公立図書館にせよ、学校の図書館にせよ、図書館=タダ、というイメージがありましたから。「有料」それも「毎月9,450円」と聞いて、「えっー!? それで会員になる人がいるの? 毎日利用できる時間があるならともかく、そんな人、ほとんどいないでしょうに……」と正直思いました。
でも考えてみれば、世の中にゴマンとあるスポーツクラブだって、月会費は8000円~1万円程度ですよね。しかも、毎月会費を払いながら、「この半年、一度も行ってない~」とボヤいている人だって、そこここにいます。
それを思えば、毎月9,450円の会員制図書館というのも、意外にリーズナブルなのかもしれません。通勤の途中やちょっとした空き時間に立ち寄って、本を読んだり、調べ物をしたり、レポートを作成したりできるわけですから。
実際、かなりの会員数を維持しているそうです。すごい。
さらに、この図書館、一般の図書館とはコンセプトが全然違っていて、雑談OK、飲食(含アルコール!)OK、24時間オープンなどのエリアもあります。このへんもユニーク。
今回の訪問が3度目だったのですが、いつ行っても居心地よくて、羨ましい空間です。
会員の方から入会のお誘いを受けて、六本木が自分の生活圏に入ってたら入会したいかも……と思いました。
仕事の方はまだかなり先の話で、これから準備していく予定です。
お気づきの方もいるかと思いますが、少し前に「ココログ最強カレンダー」を使い始めてみました。右上に表示されているカレンダーです。
このカレンダー、暴想さん作成のココログパーツです。デザインは元々のものがベースなので、見た目はあまり変わってないのですが……
・上部の矢印をクリックすると、(記事のある)前月・翌月のカレンダーが表示される
・過去の記事画面では、その月のカレンダーが表示される
という、本来あってほしい(けれどココログ標準のカレンダーにはない)機能がしっかり装備されています。この機能は欲しいですよねぇ、やっぱり。
さらにその上に、
・月名をクリックすると、その月の記事のアーカイブが読める
・「記事アリ」の印の日付にカーソルをのせると、その日の記事のタイトルが出る
という機能まで備わっています。とても使い勝手がよいです。
特に、カレンダーの日付部分にタイトルが出るのは、グッドアイディア。楽しくて、一つ一つの日付を全部マウスオーバーしてみちゃったりします。
お暇な時にお試しください。
(2009.05.03追記:その後、カレンダーを代えてみました。詳細は こちら でどうぞ。)
最後にソウルで食べたものをご紹介。
15日の朝、コンビニで買ってきた品々です。
手前が歯ブラシと歯磨き粉のセット。後ろの飲み物は、左からファイバードリンク2本、ヨーグルトドリンク、インスタントコーヒーです。
このヨーグルトドリンクの商品名、ハングルの読みは「ケービョン」、漢字で書くと「快便」です。あまりにダイレクトな命名で笑っちゃいますね。
こちらは同じく15日夜、大学路で食べた「닭꼬치(タッコッチ)」、鶏の串焼きです。1500W。
4種類のソース、「辛いの」と頼んだら激辛、口の中が痛い。本場の味でした。
これも15日夜、大学路で食べた「떡볶기(トッポッキ)」、です。2000W。
大学路で人気のお店で、「깻잎(ケンニップ)」、エゴマの葉が入っているのが特色です。
ソウルに住んでいた時から、大学路で芝居見る前の食事は、こんな軽食ですませてしまうことが多かったです。
屋台や小さなお店でこんなもの食べてると、大学路へ帰ってきたという実感が湧くんですよね。楽しい一夜でした。
昨日の子猫は親猫がどこかへ連れて行ったようです。よかった~。
さて、14日から16日までのソウル旅行の写真をアップします。まずは飛行機関連から。
成田空港第1ターミナルのUAラウンジにて。
ここのラウンジ、食べるものはこの手のものしかないようです。
こちらは機内食。今回はマイレージを利用して、ちょっと贅沢にビジネスを取りました。
ANAや大韓航空の機内食と比べると、「ビジネスなのにこんな食事?」と物足りなく見えますね。
そもそもこの便はシカゴ-ソウル便(東京経由)なので、 東京-ソウル間で出てくるのは「スナック(軽食)」です。
私はこのスナック、お気に入りです。なぜかというと、ケーキがとても美味だから。もちろん東京の一流店のケーキとは別物ですが、ボリューム、甘さ、しっとりした食感、機内で出せるケーキとしては相当に美味しく仕上がってると思ってます。
それと、UAはコーヒーが美味しいんですよね~。スターバックスと聞いたことがありますが、本当かな? コーヒー用のミルクに「milk(牛乳)」(コーヒーフレッシュとかじゃなくて)を用意してくれてるのも嬉しいです。
昨日、無事に日本に戻ってきました。ソウルでの写真などは今日明日中にアップしていきたいと思います。
今朝の出来事。旅の疲れでぐっすり眠って、ふっと目覚めたら……家の外で子猫が鳴いてる。それもまだ赤ちゃん猫のような。親猫とはぐれてしまったのか、ミーミー声を張り上げて鳴き続けてます。
外に出て様子を窺うと、ちょっとした物置に使っているスペースの段ボールから、生後一か月くらい?の子猫が顔を半分だけ出してミーミー鳴いてるじゃありませんか。しかも、めちゃくちゃ可愛らしい顔立ち。
えーっ、どうしよう。こんな小さな猫、捨てておけないし。すっごく可愛いし。ミーミー鳴いてるし。うわぁー。
でも、家にはすでに「太郎」という猫がいるのです。その名の通り、家の惣領、我が家の王子様です。
だから他の猫を家に入れることはできないの~。
とにかくしばらくは放っておくことにして、その場を離れようとしたら、近くで大きな猫がじっとこちらを見つめていることに気付きました。
あ、これが親猫だ!
そっと離れて玄関に入ったふりをして、様子を見ていると、親猫はあたりを窺い警戒しながら子猫の元に行きました。あー、よかった。
王子様の太郎君は、今、私のすぐ横でぐっすり眠ってます。
今朝もソウルからです。もっとも帰国の飛行機が昼頃発なので、もうすぐホテルをチェックアウトして仁川空港に向かわないといけません。今回は実質一日のソウル滞在でした。
その貴重な一日だった昨日、午後はずっと大学路におりました。やっぱりね。
15時から三谷幸喜作「笑の大学」の韓国版、19時からつかこうへい作「熱海殺人事件」の韓国版と、結局日本の作品の韓国バージョン(韓国人キャスト・韓国語上演)をハシゴしてました。
どちらも熱気あふれる舞台で、面白かったです。ネタばれすると何ですので、レビューは後日に回します。
そうそう、「笑の大学」目当てでソウルへ行く計画を立ててる方はスケジュールにご注意下さい。
演劇熱戦9番目「笑の大学」は、当初来年1月までのスケジュールが出てましたが、11月30日までと変更になっています。チケットサイトでは現在、「2週間延長公演のチケットを17日にオープンする」という告知が出てますので、12月14日までやるかもしれませんね。
いずれにせよ、年末年始まではやってなさそうですので、見たい方はお早めに!
おはようございます。ソウルの朝です。
11月中旬のソウルにしては昨日も今日もかなり暖かいです。日中はコートがいらない感じ。
それでもやっぱりここは韓国で、昨晩、ホテルの部屋の暖房が妙に暑いので温度設定を確認してみたら、「35度超」になってました。一体何を考えてるんだ~。
さて、昨日旅行の荷物の準備をしながら、「何か忘れてるような気がするな~。」と感じてました。パスポートは持ったし、パジャマも入れたし……でも何か足りないような……」と、ずっと気にかかっていたのですけれど。
昨夜、そろそろ寝ようと着替え始めたところで気づきました。
歯ブラシ忘れた。
韓国へ旅行したことのある方はご存じと思いますが、韓国のホテルにはシャンプー・石鹸・歯ブラシなどの、いわゆるアメニティーグッズのサービスがありません。
ですから、韓国のホテルに泊まる時は、歯ブラシ・シャンプーその他諸々、自前で持って来ないといけないのですね。ちなみに、浴衣やガウンのようなものも用意されていないので、パジャマもマストアイテム?です。
昨夜は時間が遅かったので寝る前の歯磨きを諦め、今朝一番で近くのコンビニへ買いに行きました。歯ブラシと歯磨き粉のトラベル用セットで、2900W。
ついでに買ったのが、インスタントコーヒー、ヨーグルトドリンク、ファイバードリンク。帰国後に写真をアップしますね。
今日はこれから教保文庫に本とDVDを探しに行きます。
今、成田空港の第1ターミナル、UAのラウンジです。これから2泊3日のソウルです。
成田空港は去年夏のニューヨーク旅行の時以来で久しぶり。ましてUAのラウンジなんて数年ぶりです。以前よりずっと広くなってますが、スターアライアンス共同のラウンジになっているためか、ほぼ満員。
せっかくのラウンジなので、カプチーノとおつまみを取ってきました。写真は後日アップしますね。
ソウル旅行、とりあえずの第一報をラウンジ備え付けのPCから投稿してみます。自分のPCじゃないとキーボード使いにくいです……。
先日、渋谷のたばこと塩の博物館へ行ってきました。
お目当ては、「近世初期風俗画 躍動と快楽」 というタイトルの特別展、近世初期(16世紀末~17世紀中頃)の風俗画の屏風を一堂に集めた展示です。洛中洛外図とか阿国歌舞伎図とかね。
この手の作品、最近はカラー図版で詳細に紹介する書籍や図録も増え、家で気軽に見ることができるようにもなりました。それはそれで嬉しいです。
でも、渋谷まで足を運んで実物の屏風を見ると、やっぱり凄いのです。印刷物のカラー図版とは別物。作品の大きさも、色や構図も、惜しげもなく貼られた金箔も、迫力満点。図版では見落としてしまうような細部にも自然と目が行きます。どれだけ見ても見飽きない。
何種類もの洛中洛外図屏風を見ながら、元々の持ち主の生活に思いを馳せたりして……。京都洛中洛外の名所を描いた屏風を作らせて、座敷に飾って眺める日々。写真もテレビもない時代の贅沢です。
現代なら、世界遺産屏風を作って飾る、って感じでしょうか。それも、今なら、インターネットのライブカメラ映像をパソコンのモニターに映し出せばいいじゃない、ってことになっちゃいますけど。(実際、私のigoogleには、NY・ブロードウェイのライブカメラ映像を設定してあります。イエローキャブがずらっと並んでいたりして、面白いです。そう言えば、東京・歌舞伎座のライブカメラなんてあるのかしらん?)
さて、この特別展、今週から来週にかけて展示替えがあるそうなので、今月下旬に再度出向く予定です。楽しみ。
韓国の演劇情報を一つ。
中谷まゆみさんの「ビューティフル・サンデイ」をソウル・大学路で上演中です。
以前ソウルにいた時に、漢陽レパートリーという劇団から日本の作品をやりたいと相談されて、この「ビューティフル・サンデイ」を紹介しました。中谷さんからも快く上演許可をいただくことができ、2006年3月に韓国初演。幸いお客さんからも劇団員からも大好評で、同年9月に即再演されました。
今回は再々演になります。
「ビューティフル・サンデイ」
作 : 中谷まゆみ
日時 : 10月31日(金)~2009年1月4日(日)
平日 20時 / 土・祝日 15時,19時 / 日 15時(月曜休)
場所 : 大学路・漢陽(ハニャン)レパートリーシアター(126席)
地下鉄4号線 恵化(ヘファ)駅 1番出口 徒歩3分
<詳細>
料金 : 一般・大学生 30,000W, 青少年(高校生)10,000W
*** 韓国人キャストによる韓国語上演です。 ***
韓国の演劇情報ですから、「この週末に見に行こう!」というわけにはいかないでしょうけれど、韓国の演劇に興味がある方、日本のオリジナル版をご覧になっている方には強力お勧めの舞台です。
何このブログ?って思う方がいらっしゃるかもしれないので、ちょっと解説を。
2000年2月から韓国で仕事をすることになり、以来、生存証明を兼ねて、韓国での生活を紹介するホームページを開設しておりました。
「ななの本棚」
http://homepage1.nifty.com/nana_kato/index.html
2005年3月、ホームページの観劇記録をブログ形式に移行しました。ひたすら観劇・映画鑑賞の感想を綴っていく「ななの観劇メモ」というブログです。
2007年2月、韓国での仕事の契約が切れたのを機に、日本へ帰国。帰国前後の慌ただしさに紛れて、ホームページもブログもすっかり更新をさぼってました。
が、この度心機一転?、ブログを再開することにしました。せっかくなので、観劇記録にとどまらず日常のいろいろなことも書いていければと、思い切ってタイトル・デザインも改めました。それが、この「江戸と韓国と演劇と映画と」です。
過去の「ななの観劇メモ」に「江戸と韓国と演劇と映画と」を接ぎ木したようなブログになりますが、それもご愛敬ということでご覧くださいませ。
なお、昔の「ななの観劇メモ」は引っ越しさせてアーカイブとして残してあります。興味のある方はご覧になってみてください。(内容はこのブログにもそのまま残ってますけれど。)
「ななの観劇メモ・アーカイブ」
http://nana-kato.cocolog-nifty.com/nana/
以上、これまでの歩みでした。これからの歩みは、乞う!ご期待!!
**回目の誕生日を機にブログを再開しようと思います。
更新停止中に何度も訪問してくださった皆さま、ありがとうございました。
内容もデザインもリニューアルしていくつもりです。
しばらく試行錯誤が続くと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。