2009-12-31

大晦日のお昼ご飯

大晦日のお昼ご飯

 なぜかタイ国料理です。

 デザートはタロイモとココナッツのプディング。これが食べたくてこのお店に来ることがあるほど、お気に入りのデザートです。

大晦日のお昼ご飯

演劇熱戦3『エクウス』動画

 ソウルで現在上演中の『エクウス(에쿠우스)』、関心ある方多いと思いますので、動画をご紹介。
 第一幕のラスト、2分ほどの映像です。アランはリュ・ドクァン(류덕환)。

 ◇『エクウス』第一幕ラスト

 これを小劇場の最前列ど真ん中で観ることのできたワタシは幸せ者でした。

 ちなみに、この映像の韓国語タイトルは「『エクウス』で脱いだリュ・ドクァン」となってます。そのタイトルの付け方ってどーよ、って感じですよね。
 アランとジルの場面の映像は別にありますので、これもご紹介。こちらのアランはチョン・テウ(정태우)です。

 ◇チョン・テウ、舞台で強烈な愛を

 この場面、劇場で観ている時に(私が観たのはリュ・ドクァンの方でしたが)、別の意味でドキドキしちゃいました。
 「全裸演劇」と話題になってる公演『教授と女弟子』のトラブル(男性客が舞台に乱入する騒動が起きたり、観客が隠しカメラで全裸シーンを撮影していたことが判明したりして、主演女優がショックで降板)がつい先日報道されたばかりでしたので。これは、「素っ裸演劇(알몸연극)」なんて宣伝文句で煽ってた製作側にも問題あると思ってますけれど。
 あ、『エクウス』ではもちろん、そんな「事件」は起きてません。

☆関連記事
 [演劇]エクウス/에쿠우스

DVD個人輸入で消費税……

 ソウル旅行へ行く前に注文した韓国映画のDVDを受け取りました。
 教保文庫(교보문고)にネット注文したのは12月23日15時過ぎ。旅行から帰ったら、DHLの不在通知が入っていて、12月25日17時頃配達に来たとのこと。早っ!
 今回のルートは、ソウル-香港-東京でした。

 受け取ったDVDはこんな感じです。

 Imgp6970

 何も考えずに欲しいものを一通り注文したら、代金が20万ウォンを超えていて、通関で消費税がかかってしまいました。しまった~。
 消費税自体は500円とたいした額ではないのですが、「よりスピーディに輸入貨物をお客様にお届けするため」にDHLが一時立替払いをしてくれちゃってまして、その「立替納税手数料」が735円。
 荷物受取の際に1,235円を支払いました。ふぇ~ん。

 課税の目安は17,500円程度以上のようで、今回はギリギリで引っかかっちゃったみたいです。
 次回からは、配送料と税金とを見合わせて、よく考えて注文しなくては。

[演劇]エクウス/에쿠우스

 旅行初日は12月25日のクリスマス、韓国では祝日です。大学路の劇場は若いカップルであふれます。なので、25日の観劇分だけは前もってチケットを押えることにしました。
 『エクウス』、前日24日18時12分時点で残席3。なぜか、最前列ど真ん中がポツリと残ってました。超ラッキー。




12月25日(金・祝)15時
大学路・文化空間イダ1館(문화공간 이다 1관)
1階A列10番(最前列中央) 45,000W

 凄かった。その一言に尽きます。
 アラン役リュ・ドクァン(류덕환)の瑞々しい少年の姿。ダイサート役チョ・ジェヒョン(조재현)の力強くも安定感抜群の芝居。そして、凛々しく猛々しく美しい馬たち。

 『エクウス』は1981年日本の四季の舞台、2004年ソウルの演劇熱戦/列伝の舞台と2度観ていますが、今回が一番衝撃的でした。作品のテーマや内容を越えて、生の舞台の凄さに圧倒されました。

 演劇ファンならソウルまで観に行く価値のある舞台と思います。
 私も再見しに行くつもりです。

 終演後、ロビーに美しい馬たちがお客さんの見送りに出ていました。写真撮り放題でした。

Imgp6890

2009-12-30

今晩はここです

今晩はここです

 昨日無事にソウルから帰って来まして。

 今晩はここに来てます。
 さん喬・権太楼二人会です。

2009-12-28

済州航空

済州航空

 金浦空港です。

 階段の下にこんな秘密の(?)カウンターがオープンしてました。
 チェジュ航空、11月27日から金浦ー大阪便毎日運航してるそうです。知らなかった~。乗ってみたいなぁ。安いんでしょうねぇ。

ふとんストリート

ふとんストリート

 今日も朝ご飯は市場にて。

 見物がてらぶらぶらしてたら、布団ストリートに出ちゃいました。

観劇作品タイトル一覧

 早いもので、ソウル旅行最終日。あとは空港へ行って羽田行きの飛行機に乗るだけ、になってしまいました。寂しいな~。

 3泊4日のソウル滞在で見た芝居(+映画)のタイトル一覧です。感想は後ほど改めて。

 とりあえず、イチ押しを挙げておくと、
 「凄かった!」→『エクウス』
 「面白かった!」→『スペシャルレター』
かな。
 『スペシャルレター』、12月31日でクローズするのが残念。年内にソウルへ行かれる方は、ぜひご覧になってみて下さい。小劇場の創作ミュージカルです。

12月25日(金・祝)
 15時 『エクウス(에쿠우스)』
 18時 『キム・ジョンウク探し(김종욱 찾기)』
 21時 『ビューティフル・サンデイ(뷰티풀선데이)』

12月26日(土)
 15時 『検事と女先生(검사와 여선생)』
 18時 『ママたちのおしゃべり(엄마들의 수다)』
 21時 『スペシャルレター(스페셜레터)』

12月27日(日)
 12時 映画『チョン・ウチ(전우치)』
 15時 『母さん、旅行行く?(엄마, 여행갈래요?)』
 19時 『ウェディングシンガー(웨딩싱어)』

 三日間で芝居8本、映画1本(+実質もう1本)。よく見たものです。我ながら感心。

ソウル積雪数センチ

ソウル積雪数センチ

 車がすべて恐る恐る徐行してて、ソウルとは思えない光景が展開中です。

2009-12-27

今日は江南

今日は江南

 漢江を渡ってコーエックスに来ました。

 これから映画見ます。

2009-12-26

ティータイム

ティータイム

 3時の公演の当日券が確保できたところで、前から気になっていたショコラティエに来てみました。

 「クラシック」というホットチョコレート。ガナッシュのチョコが1粒ついて、5800ウォン。 どちらもあっさりめの味で美味しい~。

 芝居の前後にちょっと寄るのにぴったりのお店です。ただ、人気のお店でなかなか入れないのですよねぇ。
 ナクサンガーデン並び「jubilee」です。

市場に来ました

市場に来ました

 これから朝ご飯です。何食べようかな~。

韓国演劇ミュージカル情報/09.12.25

 韓国演劇・ミュージカル、来年の話題作を紹介した記事の紹介です。
 実はこれ、ソウル行きの飛行機の中で書きました。鬼が笑う来年の芝居より、明日見る芝居を早く決めなきゃって状況だったんですけれど。ちなみに、ソウル到着初日の芝居は『エクウス(에쿠우스)』『キム・ジョンウク探し(김종욱 찾기)』『ビューティフル・サンデイ(뷰티풀선데이)』の3本ハシゴと決めてました。チケットも手配済み。
 こんな記事書いてる暇があるなら仮眠すればよかった……かも。




先取り2010演劇・ミュージカル
 アジアトゥデイ 2009.12.24

 2010年の韓国演劇界、出来たてほやほやの最新作を始め、目を引く権威ある海外公演などが観客を迎える予定だそうです。
 ということで、記事に載る来年注目の公演を全て挙げておきます。

 まずはミュージカル作品から。ブロードウェイの話題作あり、創作あり、バラエティに富んでます。「スパムオラット」って何? 「アド王」って誰? 判明したら補足修正します。
(みいさんからコメントでご指摘を頂いて、下の本文を修正しました。2009.12.27)

『コンタクト(컨택트)』 1月8日~17日 LGアートセンター(LG아트센터)、1月22日~31日 コヤンアラムヌリ(고양아람누리)
 登場人物が1小節も歌わない、ダンスで物語が展開するミュージカル。国立バレー団のキム・ジュウォン(김주원)、俳優チャン・ヒョンソン(장현성)が出演。
『モーツァルト!(모차르트!)』 1月19日~2月22日 世宗文化会館(세종문화회관)
 韓国初お目見えのオーストリア・ミュージカル。東方神起のシンア・ジュンス(시아준수) に、イム・テギョン(임태경)、パク・コニョン(박건형)、パク・ウンテ(박은태)がモーツァルト役で出演。
『モンテクリスト伯(몬테크리스토 백작)』 4月22日~6月13日 ユニバーサルアートセンター(유니버설아트센터)
 スイスで今年初演された新作。『ジキル&ハイド』のフランク・ワイルドホン作曲。
『ビリー・エリオット(빌리 엘리어트)』 8月~2011年5月
 今年最高の話題作。トニー賞10部門を席巻したブロードウェイの人気作品。
『スパマロット(스팸얼랏)』 9月28日~2011年1月2日 韓電アートセンター(한전아트센터)
 アーサー王の物語をコミカルに脚色。
『ハイスクール・ミュージカル(하이스쿨 뮤지컬)』
 10月頃、大学路で開場予定のCJアートセンター(CJ아트센터)のオープニング作品。
『生命の航海(생명의 항해)』 8月、国立劇場・ヘオルム劇場(국립극장 해오름극장)
 6・25(朝鮮戦争)60周年記念の創作ミュージカル。
『太陽の歌(태양의 노래)』 5月6日~29日、世宗Mシアター(세종M씨어터)
 ソウル市ミュージカル団の創作ミュージカル。

 さらに、2010年上演を目指して準備中のミュージカル作品。

『天国の涙(천국의 눈물)』
 ベトナム戦争を舞台にした大作。フランク・ワイルドホン作曲。
『バンジージャンプをする(번지 점프를 하다)』
 同名映画のミュージカル化。

 続いて演劇作品は、セルビア、ロシア、チェコ、アフリカ……韓国演劇界、懐が深いです。お陰で、固有名詞の日本語表記、分からないものがボロボロと。正確な表記が判明したら修正します。

『お母さんをお願い(엄마를 부탁해)』 1月22日~3月24日、世宗Mシアター(세종M씨어터)
 シン・ギョンスク(신경숙)のベストセラーが原作。『第一共和国』などの演出を手掛けたコ・ソンマン(고석만)が演出、チョン・ヘソン(정혜선)、ソ・イスク(서이숙)、キル・ヨンウ(길용우)、シム・ヤンホン(심양홍)らが出演する。
『ショーパルロピッチ流浪劇団(쇼팔로비치 유랑 극단)』 3月5日~28日、明洞芸術劇場(명동예술극장)
 セルピアの劇作家リューボミルシモピッチの作品。この作家の作品は韓国初演。第二次世界大戦セルビアの小さな村を舞台に、戦争中に公演を続けようとする流浪劇団と村人たちの葛藤を通して演劇と芸術の意味を問う。
『大虐殺の神(대학살의 신)』 4月4日~5月2日 大学路芸術劇場(대학로예술극장)
 トニー賞演劇部門で最優秀作品賞、演出賞、主演女優賞の3部門を受賞した作品。フランスの劇作家ヤスミナ・レザの最新作。
 下半期には『大虐殺の神』とトニー賞最優秀作品賞を争った『33変奏曲』の公演も予定されている。
『桜の園(벚꽃동산)』 5月28日~6月13日 芸術の殿堂トウォル劇場(예술의전당 토월극장)
 韓国・ロシア修交20周年を記念して、ロシアの演出家グレゴリー・ジチャトコプスキーを招聘、チェーホフ作品を製作する。

 最後の2つはLGアートセンター(LG아트센터)の企画公演です。海外の巨匠の作品と出逢うことのできる注目の企画とのことですが、上演期間が短いのが難ですねぇ。

『リービング(Leaving)』 4月2日~4日
 チェコ・アルハ劇場から、劇作家出身でチェコの初代大統領を務めたヴァーツラフ・ハヴェルの新作がやって来る。ハヴェル前大統領が自らの前職である最高権力者を主人公として権力の喪失とその喪失感を劇化した話題作。
『11&12』 6月17日~20日
 ピーター・ブルック作。初の来韓公演。アフリカの指導者ティエルノ・ボカの生涯を通して人類史の紛争と暴力を透察した作品。

メリーホワイトクリスマス!

メリーホワイトクリスマス!

 雪だ~!

 かすかに積もってるのが分かるでしょうか?

 今もちらほら降ってます。@ソウル大学路

 メリーホワイトクリスマス!

2009-12-25

ソウルに着きました

ソウルに着きました

 早速おやつのトッポッキです。
 ここのトッポッキ、辛い。

 ソウルのホワイトクリスマスを期待してましたが、天気はあいにくの雨。暑いです。

 現在地はもちろん大学路。

明日からソウルです

 明日からソウルへ行って参ります。
 25日朝出発、28日午後帰着の予定です。 

 現地からブログ更新するつもりですので、よかったら時々覗きに来てみて下さいね~。

 ちなみに、明日の予報は「雪」、明後日は「最気温 -3℃」。
 今、荷造りしてますが、「パスポート」の次に大事な必携品は「帽子・マフラー・手袋」です。

2009-12-24

ファイル発掘

 12月22日(火)
 早稲田大学で文楽フィルム「日本の人形劇」の研究報告会。
 演劇博物館の「並木宗輔展」を見物。

 雑用を済ませて帰宅し、パソコンの中の大捜索。年内〆切の仕事のファイルが行方不明になっているのです。
 検索かけて大捜索の末探し出したファイルは、いつの間にか無関係のフォルダの中に紛れ込んでいた上に、アイコンが変わっちゃってました。なんで~?
 道理で普通に探していたのでは見つからなかったはずです。

 とにかくファイルが見つかって、中断していた仕事を年内に仕上げる目処が立ちました。これから頑張って完了させねば。

☆関連記事
 文楽フィルム「日本の人形劇」

年末はやっぱり寄席

 12月21日(月)
 国立劇場で歌舞伎見物。年内、日本での芝居見物の予定はこれが最後でした。ソウルでの観劇予定があるので国内の芝居納めは早めに、と思っていたので。
 ところが、「浅草演芸ホールへ行きたい」の記事を書いている時に、「年末、末広亭へ行きませんか?」というお誘いが飛んできました。類は友を呼ぶ、寄席は寄席を呼ぶ。二つ返事で乗りました。年忘れの笑い納め、楽しみです。

 夜、プールへ。1400m/25min。一ヵ月半ぶり、気持ちよく泳いできました。
 午前1時就寝。

ユ・ヒョンモク監督DVD-BOX

 今年6月に亡くなったユ・ヒョンモク(유현목、兪賢穆)監督作品のDVD-BOXが韓国で発売されてます。

 ユ・ヒョンモク コレクション(유현목 컬렉션)

 収録作品は、「あなたと永遠に(그대와 영원히)」(1958) 、「金薬局の娘たち(김약국의 딸들)」(1963) 、「終電で来た客たち(막차로 온 손님들)」(1967) 、「長雨(장마)」(1979) 。
 定価49,500ウォン。リージョンALLで、字幕は韓国語・英語・日本語です。これ、「買い」ですね~。

 製作・レーベルの 韓国映像資料院のニュースリリース では、インターネット書店と 韓国映画博物館 アートショップ(한국영화박물관 아트숍)を通じて販売、とのことです。ショップの店頭には出てないんでしょうか。
 私は例によって、教保文庫(교보문고)に発注しちゃいました。ソウルから戻った頃に着きますように。

文楽フィルム「日本の人形劇」

 早稲田大学演劇博物館グローバルCEOプログラム主催 文楽フィルム「日本の人形劇」の研究報告会 として、フランスのアルベール・カーン博物館に所蔵されている人形浄瑠璃文楽の映画フィルムに関する研究報告と、映画フィルムからリマスターしたDVD映像の上映が行われました。大正10年(1921)の文楽座の映像です。
 会場の小ホール約200席はあっという間に満員となったようで、あふれた来場者は別会場へ誘導、小ホールの舞台とスクリーンをそちらで生中継していたそうです。
 なお、この文楽フィルム、近く早稲田大学演劇博物館で閲覧できるようにする予定とのことです。




12月22日(火)13時~16時15分(予定、実際は16時30分終了)
早稲田大学・小野記念講堂
��プログラム>
・挨拶
 竹本幹夫(GCOE拠点リーダー/演劇博物館館長・早稲田大学教授)
・「文楽フィルムとアルベール・カーン博物館」
 武田 潔(GCOE事業推進担当者/早稲田大学教授)
・「文楽フィルムの映画史的意義」
 小松 弘(GCOE事業推進担当者/早稲田大学教授)
・上映と解説
 桜井 弘(GCOE客員講師)
・「文楽フィルムから見えるもの」
 内山美樹子(GCOE事業推進担当者/早稲田大学教授)
 菊池 明(財団法人逍遙協会理事)
 桜井 弘

 それぞれの報告は厳密な考証に基づくものでした。ここでは全体をざっくりまとめておきます。

 アルベール・カーンは19世紀末から20世紀初頭、一代で財を成した銀行家。世界各地にカメラマンを派遣して記録写真・映像を収集していた。二度の来日経験があり、日本への関心が深かった人物。BBC制作のドキュメンタリーがある(NHK-BSで放送、第1回~9回第10回)。

 この文楽フィルムがアルベール・カーンの元に渡った経緯は未詳。
 フィルムの内容は、大正10年7月に松竹キネマが製作した短編映画「文楽座人形浄瑠璃」に、後年数カットを加えて編集したもの。タイトルは「MARIONNETTES JAPONAISES」、3巻、約42分。無声。

 短編映画「文楽座人形浄瑠璃」の部分には、二代豊竹古靱太夫(後の豊竹山城少掾)、三代鶴沢清六、初代吉田栄三、三代吉田文五郎らが登場している。楽屋風景、人形の拵え、人形の舞台が撮影されている。舞台は、抜き差しがあるが、『妹背山婦女庭訓』「道行恋苧環」(お三輪=文五郎、求女=三代目吉田玉蔵、橘姫=栄三)、『本朝廿四孝』「十種香の段」(八重垣姫=栄三、勝頼=吉田玉次郎、濡衣=桐竹政亀)、同「奥庭狐火の段」(八重垣姫=栄三)。

 吉田栄三が撮影について語った内容(鴻池幸武編『吉田栄三自伝』大正10年の項)とほとんど矛盾なく、この時の映像と判断できる。

 後年つけ加えられたカットは、道頓堀・弁天座が映っており、昭和2年3月か。
 大正10年に撮影したフィルムを中心に、昭和2~3年頃に編集したものと推定できる。これは、元のフィルムが関東大震災を生き延びたということを意味している。

 以下、補足と感想です。

 昔の実業家ってすごい。一代で蓄財して、その財産を美術品の収集や文化財の保護に投入しちゃう人がぞろぞろいるんですよねぇ。お陰で守られた貴重な品々がどれだけあることか。

 元のフィルムは1秒24コマ。リマスターの際に1秒16コマに修正。最も違和感なく人形の振りを見られるスピードだったそうです。90年近く前の演技ですが、人形の型や振りはほとんど今と変わらず。首と拵えは印象が違いました。人形の遣い方は昔の方がきっぱりしているように見えましたが、これは映画のコマのせいかもしれません。
 無声映画なので、太夫と三味線の音がないのが残念。

 古靱、栄三。厳めしい顔つき、いつも怒ってるような表情の印象が強い人たちですが、映像の中で機嫌良く笑っていて、びっくりでした。まぁ、それ以前に、古靱、栄三が動いてるというだけで感動ものでしたが。

 全体を通して見た上で、最後に「実験的試み」として、映像に音声をつけて見せてくれました。「道行恋苧環」の手踊りに二代豊竹つばめ太夫、六代竹沢団六等の音(大正13年8月、ニットー)、「十種香」のくどきに竹本越登太夫、四代鶴沢浅造(大正10年10月、ニットー)の音をつけたもの。音声のスピードをやや調整したようですが、映像の人形の振りと音とがばっちり合いました。当然と言えば当然でもあり、嘘みたいと言えば嘘みたいでもあり。芸の伝承ってすごいです。

2009-12-23

続いて演博

続いて演博

 大正10年の文楽フィルム、感動ものでした。

 1時間程時間ができたので、演劇博物館で並木宗輔展を見ることに。
 正本どっさり。蔵書印が面白い。

2009-12-22

文楽最古のフィルム

文楽最古のフィルム

 フランスで発見された戦前の文楽の映像の研究報告と上映の会に来てます。

 1時開会で、11時半から整理券を配布してるのですけれど、すでに定員の半分をオーバーしてる模様。

 ご予定の方はどうぞお早めに。

☆関連記事
 文楽フィルム「日本の人形劇」

浅草演芸ホールへ行きたい

 12月20日(日)
 ぽっかり時間のできた週末2日目。
 夜、仕事の合間にジムへ行きました。

 有酸素系のクロストレーナーしながら、M-1グランプリ決勝最初の2組ナイツと南海キャンディーズのネタをTV見物。
 ナイツ、好きなんです。寄席で本来の15分のネタを見たいなぁ。落語芸術協会の興行は未経験です。ナイツの出る時を狙って、寄席に行ってみようかなぁ。ナイツ見るなら、やっぱり浅草ですよねぇ。

 ジムから帰ったら、ちょうど最終決戦が始まるところで、NON STYLE、パンクブーブー、笑い飯の3組のネタを見られました。お笑い芸人がお笑いやってるのを見るのは好きです。「芸」ですもん。

 そう言えば先日、浮世絵展「江戸園芸花尽し」の図録を探してる、という話をしたら、「江戸演芸花尽し」と勘違いされました。確かに、ワタシの専門領域、「園芸」よりは「演芸」ですが。「江戸演芸花尽し」って浮世絵の図録があったら、それも絶対買っちゃいます。

 土・日連続で朝寝坊して睡眠不足解消、M-1グランプリで大笑いしてストレス解消、リラックスできた週末でした。

2009-12-21

サーカスとダンスと美術展

 こんなご案内を頂いていて、面白そうだな~と思ってるのですが。



三文サーカスを題材にした美術展
12月15日(火)~27日(日)<入場無料>
まつもと市民芸術館・正面カウンター前スペース



 特に、このトークショーに興味津々なんですが。



乗越たかお vs 田中未知子
「サーカスとダンスの今」を語る

12月26日(土)15時<入場無料>
まつもと市民芸術館・小ホール



 ……26日はソウルなのです。



 誰か行かれる方、いませんかぁ? 早めに松本へ帰省する方、いらっしゃいませんかぁ?
 どなたか、私の代わりに分まで、トークショー聞いてきて~。



Matsumoto



2009-12-20

「牛の鈴音」300円割引券あります

 昨日の韓国映画情報 でも触れましたが、韓国で異例のヒット作となったドキュメンタリー映画「牛の鈴音(ウォナンソリ)」、12月19日から日本でも公開されています。あれこれ情報を漁っていたら、こんな割引キャンペーンを発見しました。

★「牛の鈴音」日本公開記念 割引券キャンペーン!★

 上のリンク先は、「牛の鈴音」の韓国内の配給社であるインディストーリーのカペ(cafe、ネット上のコミュニティ)です。
 韓国の配給社インディストーリーが、日本での興行成功を祈願する特別キャンペーンとして、日本の映画館で「牛の鈴音」を鑑賞する際に300円割引となるクーポン券を発行したものです。
 リンク先のクーポンをプリントアウトして映画館の窓口で提示すれば、当日料金1800円のところが1500円になります。1枚につき2名まで有効。他の割引サービスとの併用は不可。

 え?ちょっと待って。日本で上映する映画の割引券を韓国のコミュニティサイトで発行してるってこと? それ、韓国では使えないし、日本人には分からないし。意味ないんじゃない?
 ……って思いますよね。
 
 カペは韓国内の韓国語のコミュニティサイトです。基本的に韓国人が集う場所。
 インディストーリーは、そんな場所で韓国の人たちに、

  「牛の鈴音」割引券を日本にいらっしゃる知人の方々に、
  たくさんたくさん送って下さい *_*


と勧めるキャンペーンをしてるのです。韓国人が日本にいる知り合いへ「すごくいい映画だから、日本でも上映するから、ぜひ見てね」と推奨する、その口コミを後押しするための割引クーポンです。

 う~ん、参った。面白いキャンペーンを考えますねぇ。ただ、割引分の300円、どこが負担するんでしょうか? ちょっと気がかり。

 それはそれとして、せっかくのキャンペーンですから、その趣旨を尊重して、私もこのブログから「日本にいらっしゃる知人の方々」に「たくさんたくさん」お届けしたいと思います。
 「牛の鈴音」割引券、たくさんたくさん持ってって下さいね~。

Coupon
 画像をクリックすると拡大画像になります。
 プリントアウトして上映館でご提示下さい。

☆関連記事
 韓国で話題のドキュメンタリー映画

地味に引き籠り

 12月19日(土)
 元々この週末は、特典航空券の空席待ちを入れてソウル旅行を計画してました。旅行の日程を変更したため、ぽっかり予定のない週末に。

 ということで、引き籠ってこつこつと仕事した地味な一日でした。
 在宅時間が長かったので、我が家の王子様太郎君はご満悦。

善意は人のためならず

 12月18日(金)
 昼間は調べ物。夕方から観世能楽堂の「閑能会」へ。

 入口のもぎりで「お客様、あの……」と止められました。間抜けなことに、以前の「閑能会」の使用済み半券を、未使用の入場券と勘違いして持って行って差し出してたのでした。あちゃ~。
 訳を説明してひたすら謝り、当日券を買い直しますと言いかけたところで、事務所に案内されました。そして、「ご自宅にあるチケットを後日ご来場の際にお持ちいただくか、郵送していただければ、今日はこのまま入場して下さって結構です」と。名前と住所を書きとめて、そのまま放免となりました。ふぇ~ん、ありがとうございます~。

 歌舞伎座にも「お忘れ券」というシステムがありますが、由緒ある劇場は「善意のうっかり客」への対応が洗練されてます。こういうのも伝統の力なのでしょうね。

 帰宅後すぐに本来の入場券を探し出し、お詫びの手紙とともに投函したことは言うまでもありません。次のうっかり客を救うためにも、善意の連鎖を断ち切ってはいけません。善意は人のためならず。歌舞伎座の「お忘れ券」に何度も救われてるワタシのモットーです。

韓国映画情報/09.12.19

 今年の韓国映画界、独立映画の話題が尽きません。「牛の鈴音(ウォナンソリ)」に始まり「薬水場ブルース」に終わる一年となったようです。
 ウォナン・シンドロームと言われた「牛の鈴音」、日本では今日公開されました。公式サイトは こちら。また、日本公開に合わせて韓国でも再公開されるそうです。
牛の鈴音、年末日本と韓国で同時に響く
 スポーツソウル 2009.12.06

 というわけで、今回の韓国映画情報、独立映画の話題です。




独立映画旋風、今度は「薬水場ブルース」…ビックリ4週目上映
 スポーツ朝鮮 2009.12.18

 先月26日封切られた「薬水場ブルース(약수터부르스)」が好評の内に上映4週目に入り、話題となっているというニュースです。
 この作品は、製作費3800万ウォン、有名俳優は一人も出演しない超低予算映画。それが、クリスマスから年末にかけての興行シーズンに、ハリウッドのブロックバスター、韓国の大作映画と争ってスクリーンを守っているということで、注目されているそうです。

 ストーリーは、無職3年目の小心者の青年ウチョルがひょんなことから町の人たちに剣術の名手と誤解され、薬水場の救世主として立ち上がる羽目になる、というもの。

 ストーリーから想像するに、超低予算のよくできたB級映画かしらん? 私がソウルへ行く時まで上映してたら見てきたいと思います。

「牛の鈴音」に始まった2009独立映画の宴は豊穣だった
 OSEN 2009.12.09

 2009年、多様なジャンルの独立映画が話題になりました。この記事に挙げられているのは、「牛の鈴音(워낭소리、ウォナンソリ)」「息もできない(똥파리、糞蝿)」「昼間から呑む(낮술、昼酒)」「弁当(도시락)」「毒(독)」「掠奪者たち(약탈자들)」「セムト粉食(샘터분식)」「私は苦境に立った!(나는 곤경에 처했다)」「木のない山(나무없는 산)」「枯渇(고갈)」「友達の関係?(친구사이?)」「がっかりするな(기죽지 마라)」「好きで作った映画(좋아서 만든 영화)」。

 5年前には劇場公開映画の内10億未満の予算の作品は3編だったのが、2009年は低予算映画が約50編製作され、低予算映画への関心がこれまでになく大きくなった年だったとのこと。
 記事では、この趨勢を作ったのが「牛の鈴音」シンドローム と、海外の映画祭で18個ものトロフィーを獲得した「息もできない」だった、と分析しています。まぁ、それはその通りでしょう。「牛の鈴音」を「独立映画界の『シュリ』にほかならぬ」と評しているのが面白いです。

 アメリカで、低予算で作られたホラー映画「パラノーマル・アクティビティ」が対製作費7000倍以上の興行収益を挙げ、収益率ではハリウッド映画で歴代1位となった例をひきつつ、低予算映画が2010年韓国映画界の一つの方向を提示している、と記事は締めくくられてます。

 低予算映画に光が当たるようになったのは嬉しいことです。日本で見られる作品も増えてくるでしょうし。
 2010年もこの勢いが続くかどうかは、結局作品の質次第。面白い作品、期待してます。
 「パラノーマル・アクティビティ」も見てみたいけど、ホラーかぁ……どうしよう。

独立映画専用館「インディスペース」運営中断
 聯合ニュース 2009.12.17

 韓国最初の独立映画専用館「インディスペース」(ソウル・明洞・中央シネマ)が12月31日で運営を中断するという記事です。
 運営中断の理由は、映画振興委員会が委託していた運営期間が満了したため。来年以降は、運営委託先を公募で選定するとのこと。

 独立映画館がなくなるわけではないのですが、これまでと同じように優れた独立映画の上映を続けていくことができるのか、関係者の間には疑問がくすぶっている模様。

韓国独立映画を抱えて日本あちこちを駆け回る
 聯合ニュース 2009.12.19

 韓国の独立映画4編「飛べ、ペンギン(날아라 펭귄)」「ビバ!ラブ(경축! 우리사랑)」「今、このままがいい(지금, 이대로가 좋아요)」「空を歩く少年(하늘을 걷는 소년)」が日本各地で上映される、という記事です。

 これ、シネマスコーレ、シネマコリア、キノアイの共同配給による「真!韓国映画祭2009」という巡回上映企画ですね。12月26日名古屋からスタート、東京、大阪など順次ロードショーとなります。

 娯楽映画、大作映画とは一味違う秀作がセレクトされてます。映画ファンの方におすすめです。

2009-12-19

「先生」は仕事納め

 12月17日(木)
 午後からくずし字のセミナー。昨日の大学の講義に続き、こちらも年内最後の授業でした。受講生の皆さんが意欲的なので、教える側としても毎回楽しい講座になりました。
 来期は年が明けて1月14日から。初回はちょこっとお年玉企画を準備しようかな、と考えてます。

 これで「先生」業は仕事納め。あとは、原稿執筆や『週刊 江戸』の監修、調べ物など、引き籠り系の仕事です。
 今年の仕事は今年中に終わらせねば。

アジアの人形劇

 12月16日(水)
 午後から授業。江戸時代の人形浄瑠璃との比較で、韓国の人形劇「コクトゥカクシノルム(꼭두각시놀음)」について。
 中国(台湾)、朝鮮(韓国)、日本と、古くはよく似た形式の人形劇をやっていたと思われる国々で、現在は全く異なった展開となっているのが興味深いです。参考として、現代の台湾で若者に大人気というビジュアル系人形劇を紹介したら、リアクションペーパーに「こんな人形劇で歴史の勉強ができたら面白そう」というコメントがちらほら。「マンガ」はもう古いのね。

 ちなみに、韓国の人形劇「コクトゥカクシノルム」はこんな感じ。

Kkoktu1

Kkoktu2
(画像は こちら から借りてきました。)

 台湾でビジュアル系に進化した人形劇「布袋戯」はこんな感じ。

7

9
(画像の出所不明です。すみません。)

 夕方、国立劇場へ。文楽公演千秋楽、滑り込み観劇です。
 大学の講義室で韓国の「コクトゥカクシノルム」、台湾の「布袋戯」を教えた後に、国立劇場の客席におさまって文楽の舞台を見るというのは、ちょっと不思議な経験でした。
 で、日本の人形劇「文楽(人形浄瑠璃)」はこんな感じ。

Bunraku
(12月東京公演のチラシです。日本芸術文化振興会のサイト からお借りしました。)

 NHKで現在放送中の連続人形活劇『新・三銃士』(脚本・三谷幸喜)も気になってるのですが、金曜夕方の放映時間にタイミングがあわなくて、まだ見てません……。

2009-12-18

ソウルの演劇★上演中

 年末年始にかけてソウルで上演中の演劇作品、例によって「公演のすべて(공연의 모든것)PlayDB」の最近一週間の人気順です。年内ソウル旅行の日程が確定したことで、リストアップにも力が入ってます。
 「演劇熱戦3」のオープニング作品『エクウス』。何かと注目されてる舞台で、チケットよく売れてます。同じく「演劇熱戦3」の『ママたちのおしゃべり』、今日が初日で「PlayDB」の現在上演中のリストにはまだ出てませんが、最後に付け加えておきました。
 『教授と女弟子』は、全裸シーンで話題の作品。初演時には上演差し止め処分になったとか。日本版上演が決まってるようです。
 『老いた泥棒の話』と『ライアー1弾』(R.クーニー作『Run for Your Wife』)はロングラン作品です。『ライアー1弾』、休演日なし、平日も一日2回公演とは、すごい人気ですね。




◇教授と女弟子(교수와 여제자)
2009.10.23~2009.12.31(Open Run?)
ハンソンアートホール2館(한성아트홀2관)<旧インケルアートホール2館(인켈아트홀 2관)>
火~木8時 / 金5時、8時 / 土4時半、7時半 / 日4時、7時 / 月休
80分

◇エクウス(에쿠우스)
2009.12.01~2010.01.31
大学路・文化空間イダ1館(대학로 문화공간 이다 1관)
平日8時 / 土・日・祝3時、7時(1月は日2時、6時)/ 12月24日・31日4時、8時 / 月休
120分

◇笑の大学(웃음의 대학)
2009.11.26~2010.01.31
大学路・アートワンシアター2館(대학로 아트원씨어터 2관)
火~金8時 / 土・日・祝3時、6時(1月1日から日・祝は2時、5時)
12月18日・24日・31日4時、8時 / 月休
100分

◇老いた泥棒の話(늘근도둑 이야기)
2009.05.01~Open Run(오픈런)
コーエックス・アートホール(코엑스 아트홀)
火~金4時、8時/ 土・日・祝3時、6時 / 月休
12月24日10時半、12月25日9時、12月31日10時半の深夜公演あり。
12月21日・28日4時、8時の公演あり。
90分
☆次の2か所の劇場でも上演してます。
九老プライムアートホール(구로 프라임 아트홀)1月31日まで
サンミョンアートホール1館(상명아트홀 1관)12月31日まで

◇ライアー1弾(라이어 1탄)
2009.03.03~Open Run(오픈런)
大学路・SMティンティンホール(대학로 SM틴틴홀)
月~金4時、7時半 / 土3時、6時、9時 / 日・祝3時、6時 / 12月24日4時、7時、10時 / 12月25日3時、6時、9時 / 12月31日5時、8時
100分
* R,クーニー作『Run for Your Wife』

◇私の彼は原始人(내 남자는 원시인)
2009.12.03~2010.01.31
大学路・アートワンシアター3館(대학로 아트원씨어터 3관)
火~金8時 / 土4時、7時 / 日・祝3時、6時(1月10日は3時のみ)/ 月休
100分

◇秋のソナタ(가을소나타)
2009.12.10~2010.01.10
大学路芸術劇場・大劇場(대학로예술극장 대극장)<旧アルコシティ劇場・大劇場(구. 아르코시티극장 대극장)>
火2時 / 水2時、8時(12月23日は2時のみ) / 木・金8時 / 土2時、6時 / 日2時 / 12月25日2時、6時 / 1月1日2時 / 月休
110分

◇母さん、旅行行く?(엄마, 여행갈래요?)
2009.11.17~2010.01.17
ペガムアートホール(백암아트홀)
火~金8時 / 土4時、7時 / 日・祝3時、6時 / 12月24日5時、8時 / 12月25日3時、6時 / 1月1日3時、6時 / 月休
100分

◇ベニスの商人(베니스의 상인)
2009.12.11~2010.01.03
明洞芸術劇場(명동예술극장)
火・木・金7時半 / 水・土・日3時 / 12月24日・25日3時、7時半 / 12月31日9時 / 月・1月1日休
180分(休憩20分含む)

◇ビューティフル・サンデイ(뷰티풀 선데이)
2009.11.24~2010.01.03
漢陽レパートリーシアター(한양레퍼토리씨어터)
平日8時 / 土・日3時、7時 / 12月24日・31日5時、9時 / 12月25日3時、6時、9時 / 月・1月1日休
* 中谷まゆみ作『ビューティフル・サンデイ』

◇ママたちのおしゃべり(엄마들의 수다/Mom's the Word)
2009.12.18~2010.02.28
東崇アートセンター小劇場(동숭아트센터 소극장)
火・水・金8時 / 木3時、8時 / 土・祝3時、6時 / 日2時、5時 / 月休
90分
* Linda A. Carson, Jill Daum, Alison Kelly, Robin Nichol, Barbara Pollard and Deborah Williams作『Mom's the Word』

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30数年ぶりの再会

 12月15日(火)
 明日の授業の準備。年内最後の授業になります。

 午後、茅場町のスタバで、昔の友達と会いました。
 先月誕生日の際の記事「リニューアル一周年」に、偶然このブログを見つけたとコメントをくれた「元クラスメート」さんです。

 コメント欄でのやりとりの後、直接メールを貰って、小学校時代のクラスメートと判明。本当にびっくりしました。感激でした。
 メールで日時を打ち合わせて、何と、事実上小学校卒業以来(その翌年のクラス会で同席してたようなのですが、両者とも「出席した」以外の記憶がなく……)30数年ぶりの再会が実現。

 待ち合わせ場所では、外見上昔の面影がなくて、全然分からなかったです。この年代で小学校時代よりほっそりスリムになってるって、ありえないでしょ~。小学校の時だって、別に、普通の体型だったのに。
 友達の方は一目で私と分かったそうです。何かちょっと悔しい。

 お互い仕事の合間の1時間ほどでしたが、近況やら思い出やら、話が尽きませんでした。楽しかった~。話してると、何気ない所で昔の雰囲気がふっと漂ったりして、当時の面影ちらつきます。
 昔の友達が元気に頑張ってると分かって嬉しかったです。そして、昔の友達と屈託なく再会できる自分の状況に感謝。

 ブログが取り持ってくれた嬉しい出会いでした。こんなこともあるんですねぇ。
 たけさん、コンタクトしてくれてありがとう~!

2009-12-17

江戸時代の全て 『週刊 江戸』

 ちょこっとお知らせです。

 2010年1月12日、デアゴスティーニ・ジャパンからこんな雑誌が創刊されます。

Edo

 何と、『週刊 江戸』
 (詳しい内容は上記リンクをクリック!)

 今日、日経に プレスリリース も出ました。

 デアゴスティーニ(DeAGOSTINI)は、パートワークあるいはワンテーマ・マガジンと呼ばれる分冊百科を出してる出版社です。『週刊 松本清張』とか『週刊 安土城をつくる』とか『隔週刊 クール・ジャズ・コレクション』とか。TVコマーシャルをご覧になったことのある方、多いと思います。

 実は、私、この『週刊 江戸』の監修を担当させていただいてます。
 情報めちゃくちゃ盛り沢山です。ビジュアルなデータも、これでもかってくらい詰め込んでます。毎号32ページ、読み応えあると思います。江戸時代の歴史や文化に興味ある方にお勧めです。
 が、正直、監修する身は大変です。早くも苦労しております。

 静岡と広島での先行テスト販売では、とても好評だったそうです。
 ……と、聞いた時には、素直に嬉しかったです。
 
 近々TVコマーシャルが大々的に流れると思いますので、お目にとまったら、「あぁ、これね~」と笑ってやって下さいませ。

 読者プレゼントのアートカードと江戸手ぬぐい、私も欲しいな~。貰えるのかなぁ。

カギが見当たらず……

 12月14日(月)
 歌舞伎座昼の部。自宅から一旦仕事場へ寄り、さぁ歌舞伎座へ、と思ったら、部屋のカギが見当たりません。あれぇ?つい30分ほど前、鍵を開けて入ってきたのですから、部屋の中のどこかにあるに決まってるのですが、どこへ置いちゃったのか。10分ほど探しましたが、見つかりません。
 歌舞伎座の開演に遅れるのはイヤだし、いつまで探せば見つかるのか分からないし……え~い、出かけちゃえ。

 と、部屋の鍵をかけずに芝居見物に出かけてしまいました。
 芝居の感想は こちら でどうぞ。

 帰宅して部屋の中を見渡せば、出かけた時と同じような散らかり方、机の上のノートパソコンもそのまま。泥棒に入られたりはしなかったようです。よかった。

 良い子はマネしないでね。


2009-12-16

う~ん

 12月12日(土)
 昼間、原稿作成と校正、調べ物。

 夕方から、たばこと塩の博物館で、国際浮世絵学会の研究会として行われたレクチャーと展示見学に参加。


 12月13日(日)
 引き続き、原稿作成と校正と調べ物。合間にちょこっとジムへ行きました。

 昨日今日と歌舞伎学会の秋季大会があったのですが、雑事に追われて出席できず。この夏に江戸博で「写楽幻の肉筆画」と大々的に展示された新発見の扇面図について「贋作の可能性」を指摘する発表など、興味深い発表題目が並んでいて、聴きたかったのですけれど。

 この一週間、仕事の進捗がイマイチ。不調です。

2009-12-15

[歌舞伎]十二月歌舞伎座 昼の部

 「操り三番叟」のタテ三味線は杵屋栄十郎師。パソコン通信で知り合ったお友達で、私の三味線の先生でもあります(あ、今年一度もお稽古してない……)。知り合った当初から長唄三味線方として歌舞伎の舞台を勤めるプロで、もう10年以上舞台を拝見してることになります。その間、次第次第にお役目が重くなり……。
 昭和の歌舞伎座での正面物初タテ、おめでとうございます! いつか平成の歌舞伎座で、「勧進帳」のタテを拝聴できる日が来ることを、今から心待ちにしています。




12月14日(月)11時
歌舞伎座
3階1列12番

「操り三番叟」
 翁の獅童、顔は立派。舞は拙く、所作も形も決まりません。
 千歳の鶴松、きっちり行儀よく踊っているが、何かが足りない感じ。清新さ、かなぁ。この演目のこの役に要求される清らかさ、とでも言いましょうか。
 三番叟の勘太郎、踊りのうまさはいつもの通り。ワザを見せる踊りになってます、良くも悪くも。人形の振りがリアルで、三番叟の心が置き去りになってる感があるのが残念。おおらかさ、人形らしい拙さ、古風さ、そして、何より三番叟のめでたさがもっと欲しいです。勘太郎ならできるはずなので。

「新版歌祭文」野崎村
 これは……お光の福助がお光じゃないです。顔で芝居し過ぎてるし、セリフも所作も媚びが強くて、都会の娘みたいだし。
 一方、お染の孝太郎もしなを作り過ぎ。商家のお嬢様のおっとりした気品が感じられません。間を持てず、芝居を急ぐのも何だかなぁ。
 板挟みの久松に同情してしまいました。

「身替座禅」
 勘三郎、幕開きの長ゼリフで喉をやられてるのがありありと。大丈夫かと心配しましたが、最後まできっちり演じました。このあたりはさすがです。
 玉の井の三津五郎。この役、不細工を強調するために「おかめ」のような化粧をすることが多いのですが、上品できれいな顔をつくってきました。セリフも穏やかに女性らしく、所作もキレイ。が、所々でドスのきいた声を出し、身体が力んで、悋気した時の恐ろしさをチラッと見せます。
 これに応じるように、右京の勘三郎も終始羽目を外さず品のある芝居。それで可笑しく見せてくれました。勘三郎、三津五郎のウデですね。

 太郎冠者の染五郎は可もなく不可もなく。
 侍女の巳之助、新悟は行儀よく品よく、いい感じ。踊りもしっかりしてました。

 客席の大爆笑を誘うこともできる演目ですが、今回のように程よく気持ちよく笑える「身替座禅」というのもいいものです。

宮藤官九郎 作・演出
「大江戸りびんぐでっど」

 下品で悪趣味で後味の悪いのが、クドカンこと宮藤官九郎の作風です。実際、初日以来悪評フンプン。
 覚悟を決めて見物してみれば、恐れていたほど後味悪くはありませんでした。悪趣味ではありましたが。
 どんだけひどい想像してたんだ、って話でしょうか。それとも、初日からマイルド方向に演出が変わってきてるのでしょうか。

 感じたことを掻い摘んで。

 この芝居、歌舞伎役者でやる必然があるのでしょうか。古田新太や池田成志などクドカンの舞台でお馴染みの役者を集めて、新橋演舞場(新宿コマがあればねぇ……)でやればいいような気がします。その方がもっと悪趣味に過激にできて、ずっと面白くなるのでは?

 三津五郎の使い方に感心しました。この人の芸の力を生かしつつ、既成のイメージを上手に裏切る役になってます。三津五郎をうまく使える作者・演出家はなかなかいないのですが、これは面白かったです。
 ただ、それ以外は、総じて役者の使い方が勿体ないというか、あちこちで役を入れ替えてもよさそうに見えます。両方見たい、でなく、どっちでもいい、という風に。だから、歌舞伎役者でなくても……と思っちゃうのでしょうね。

 ゾンビに迫られ、「私はまだ生きたいの」と叫びつつ袖に消えていった小山三。大正9年生まれ御年89歳の娘姿が可愛くて。笑いました。和みました。
 まだまだ長生きして、新・歌舞伎座の舞台に立って下さい。勘太郎の息子の初舞台、顔つくって送り出してやって下さい。
 舞台写真なんてほとんど買わないのですが、娘姿の小山三の写真、2枚も買っちゃいました。ここで紹介できないのが残念です。

 「りびんぐでっど」」=「ハケン」という見立ては、思いつきレベルの社会風刺なのか、よく練った上での単なるエンタメなのか、もう少しじっくり考えてみます。

2009-12-14

歌舞伎座さよなら名物8

歌舞伎座さよなら名物

 今月のおすすめ品「鴨せいろそば」です。

 学生時代には、三階のカレーコーナーとそば食堂と、交互に通ってました。庶民の味方。
 その「三階そば食堂」が姿を消して久しくなります。今では、地下食堂「花道」の奥の一画がそば食堂スペースになってます。が、コンビニ・デパ地下の繁栄もあり、歌舞伎座でおそばを食べる機会はほとんどなくなりました。

 今はなき「三階そば食堂」で、当時食べてたのは一番安いもりそば(ざるそばだったかも)。
 「鴨せいろそば」のような季節限定メニューは懐が暖かい時限定、大奮発してのご馳走でした。季節の味、バイトの味。

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 歌舞伎座名物(もりかき揚げ)
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 歌舞伎座名物3(小倉アイス)
 歌舞伎座さよなら名物4(くずきり)
 歌舞伎座さよなら名物5(カレーコーナー)
 歌舞伎座さよなら名物6(人形焼)
 歌舞伎座さよなら名物7(甘栗)

2009-12-13

TVカメラがインタビュー

 12月11日(金)
 昼間は校正、調べ物、読書。

 夜は高校時代の水泳部OB・OGの忘年会に参加。1月の新年会は最年長62歳、最年少42歳でしたが、忘年会は最年長68歳、最年少24歳と参加者の年齢差が拡大。楽しい飲み会でした。

 テレビ朝日のカメラが来た のは、ホントびっくりでした。雑居ビル5階の小さなお店で、当てずっぽうにふらっと入って来るような場所じゃなかったのに。同席の面々も、「そういうのって新橋でやるんじゃないの?」と。
 インタビューのテーマは、世相を反映してボーナスと住宅ローンだったようで、2年下の後輩が応えてました。私は別テーブルだったから映ってないはず……です。

 放映は、夕方の報道番組「スーパーJチャンネル」にて。スタッフの方は「5時35分」って言ってましたけど、「4時53分から」が正しいような。それとも5時35分からのコーナーがあるのかな? 私の隣にいた2年上の先輩は、オンエアを見逃さないようにと、「1月8日午後5時35分」の少し前で携帯アラームに登録してました。ちゃんと見られるのでしょうか? それ以前に、ちゃんと放映されるんでしょうかね?

何やかや

 12月10日(木)
 昨日依頼が来た急ぎのリサーチのため、『守貞謾稿』の挿絵を一気にチェック。江戸時代の風俗百科事典とも言える『守貞謾稿』、通して目を通すのは久しぶりでした。最近は必要な箇所をピンポイントで確認、という使い方が多かったので。
 一気に通覧してみると、改めて凄い本だなぁと思います。読んでて、とにかく面白い。

 毎日空き時間にぼちぼちと作業していた住所録データの入力が終了。2年間使っていた宛名印刷ソフトが廃番になっていたので、別のソフト に乗り換えました。シンプルで使い勝手良さそうです。テスト印刷もきれいに仕上がり。

 何やかやで、やっぱり就寝は午前2時。

ソウルのミュージカル★上演中

 年内のソウル旅行のためのリストアップです。が、特典航空券の空席待ちは果たしてOKになるのでしょうか。ギリギリまで待つか、見切りをつけてお金を払うか、日程を変えるか……チキンレースに心が揺れてる今日この頃。
 さて、年末年始にかけて、現在上演中のミュージカル。「公演のすべて(공연의 모든것)PlayDB」のこの一週間の人気順です。前回「初日間近」だったものが開幕していますね。
 クリスマス(24・25日)は一日2~3回公演の特別スケジュールとなるところがほとんどです。この時期ソウルへ行くと、効率よく舞台を見て回れます。
 上位6公演はいずれもライセンス物。『甘い私の都市』はテレビドラマのミュージカル化。最後の『2009マダンノリ 李春風 放蕩気』は劇団美醜(미추)の公演で、『壁の中の妖精』の名女優・キムソンニョ(김성녀、金星女)がヒロインで出演してます。年末恒例のマダンノリ、楽しいお芝居なのですよねぇ。ソウル在住時は毎年のように行ってました。当時はワールドカップ競技場じゃなかったですけど。いつからそんなカッコいい所でやるようになったんでしょ。




◇ウェディング・シンガー(웨딩싱어)
2009.11.24~2010.01.31
平日8時 / 土・日・12月25日3時、7時 / 12月24日・30日・1月27日4時、8時 / 12月26日7時(月・12月31日・1月1日休、12月27日8時貸切)
忠武アートホール大劇場(충무아트홀 대극장)
160分

◇ブロンドが凄過ぎよ(금발이 너무해、キューティー・ブロンド)
2009.11.14~2010.03.14
平日8時 / 土3時、7時 / 日2時、6時(月休)
コーエックス・アーティウム(코엑스 아티움)

◇ヘドウィグ(헤드윅)
2009.11.14~2010.02.28
火~木8時 / 金7時、9時30分 / 土4時、7時 / 日3時、6時 / 12月19日・26日・1月2日3時、6時、9時 / 12月24日・31日7時、9時半 / 12月25日3時、6時、9時(月・1月1日休、1月21日貸切)
KT&G 想像アートホール(상상아트홀)
120分

◇ヘアスプレー(헤어스프레이)
2009.11.28~2010.02.07
平日8時 / 土・日3時、7時半 / 12月25日3時、7時半(月・1月1日休)
韓電アートセンター(한전아트센터)
150分

◇殺人魔ジャック(살인마 잭、切り裂きジャック)
2009.11.13~2010.01.31(12月14日~1月7日は休演)
火~木8時 / 金・土4時、8時 / 日・祝3時、7時(月休)
* 12月13日まで金8時のみ。
ユニバーサルアートセンター(유니버설아트센터)
140分(休憩20分含む)

◇Spring Awakening(스프링 어웨이크닝、春の目覚め)
2009.06.30~2010.01.10
平日8時 / 土・日・祝3時、7時(月休)
トゥサンアートセンター・ヨンガンホール(두산아트센터 연강홀)
140分(休憩20分含む)

◇甘い私の都市(달콤한 나의 도시)
2009.11.13~2009.12.31
平日8時 / 土3時、7時 / 日・祝2時、6時 / 12月16日・24日4時、8時 / 12月31日5時半、9時半(月休)
国立中央博物館・劇場龍(국립중앙박물관 극장 용)

◇2009マダンノリ 李春風 放蕩気(2009 마당놀이 이춘풍 난봉기)
2009.11.26~2010.01.03
火~木7時30分 / 金・土3時、7時半 / 日・祝2時 / 1月1日2時、6時(月休)
上岩ワールドカップ競技場内マダンノリ専用劇場(상암월드컵경기장 내 마당놀이 전용극장)

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今日は渋谷公園通り

今日は渋谷公園通り

 たばこと塩の博物館にこんなカフェができてて驚きました。

 これから平木コレクションのレクチャー聞きます。

2009-12-12

忘年会

忘年会

 新宿で飲んでます。
 いきなり店の中にテレビ朝日のカメラが入って来て、後輩にインタビューしていきました。

 スーパーチャンネル?で来年1月8日放映予定だそうです。

 こんなこともあるんですねぇ。ドッキリかと思った。

2009-12-11

名演ビデオ、学生を動かす

 12月9日(水)
 午後から授業。この日のテーマは「義太夫節」。文楽の太夫の語り分け、三味線の弾き分けを映像で体験してもらおうというものです。教材は竹本住大夫、鶴澤燕三(先代)の『心中天網島』「河庄の段」。10年以上前に自分で録画したビデオですが、何度聴いても、凄いな~と聴き入ってしまいます。このビデオ、初心者が語り分け、弾き分けを実体験するには絶好の教材なのです。人形も、小春・吉田簑助、紙屋治兵衛・吉田玉男、侍客・吉田文雀という見応えのある配役です。
 学生からは「あんなに細かく語り分けているとは思わなかった」「三味線の音色が豊富で驚いた」「人形の背中が震えているのが本当に泣いているようだった」等々、芸の力に素直に驚く感想が続出。

 年内の講義はあと一回。師走ですから、先生は頑張って走り切らなくては。

社会人のための鑑賞教室

 12月8日(火)
 昼間は明日の授業準備と調べ物、校正。

 夕方から国立小劇場へ行きました。「社会人のための文楽鑑賞教室」。18時30分開演で、仕事帰りに観劇できるようになっています。こういう試み、嬉しいです。
 昼間の「文楽鑑賞教室」は団体の高校生が客席を占めていたりして賑やかなのですが、「社会人のための文楽鑑賞教室」は背広姿の男性グループが目立ち、いつもの鑑賞教室とも本公演とちょっと違う雰囲気でした。

 終演後は速攻で帰路につき、授業準備の続き。

2009-12-10

韓国映画情報/09.12.09

 久しぶりの韓国映画情報。今年の観客動員数の備忘メモです。




韓国映画興行10位圏内に7本「グッドディフェンス」
 スポーツ朝鮮 2009.12.09

 映画振興委員会の映画産業統計「全体映画興行上位10位(1月~11月)」によれば、韓国映画が10作品中7本を占め「パワー」を見せつけた、とのこと。
 それも、「トランスフォーマー リベンジ(트랜스포머:패자의 역습、トランスフォーマー:敗者の逆襲)」「ターミネーター4(터미네이터:미래전쟁의 시작、ターミネーター:未来戦争の始まり)」など世界的に注目されるハリウッドのブロックバスター作品と競った上での結果ということで、特に意味が大きいと指摘しています。

 以下、記事に載るデータを写しておきます。

2009年全体映画 興行トップ10
1. 海雲台(해운대) 1131万2470人
2. 国家代表(국가대표) 837万6937人
3. トランスフォーマー リベンジ(트랜스포머 :패자의 역습) 732万7845人
4. ターミネーター4(터미네이터 :미래전쟁의 시작) 449万5479人
5. 2012 432万6971人
6. 7級公務員(7급 공무원) 404万2948人
7. 加速スキャンダル(과속스캔들) 384万8813人(2008年公開)
8. 霜花店(쌍화점) 329万1708人(2008年公開)
9. 亀が走る(거북이 달린다) 301万1993人
10.母なる証明(마더、マザー) 297万6511人

 今年最大の話題作「海雲台」、タイミングが合わなくて、まだ見てません。映画館で上映している時は韓国へ行かれず、韓国へ行った時には上映終了しててDVDは未発売。早く見たい~。

 日本の興行成績は収入中心で、観客動員数は推定値らしいのですが、歴代最高が2001年「千と千尋の神隠し」2350万人。人口比(韓国4800万、日本1億2000万)を考えると、「海雲台」の1131万人余り(韓国歴代4位)ってすごいですね。「千と千尋」は日本人の5.1人に一人、「海雲台」は韓国人の4.2人に一人が見た計算です。

2009-12-09

パラミツと収穫と

 12月7日(月)
 先週からの続きで、原稿作成、校正、調べ物。
 急な問い合わせに対応するため、区立の図書館2館をハシゴしてました。

 八百屋の店先にパイナップルを見つけて「あ、パラミツ」。
 図書館の洗面所の鏡で、自分の髪の先がツンツン跳ねてるのを見て「あ、収穫できるかも」。
 mixiのゲームアプリ「サンシャイン牧場」、友達は皆「大人」なのでリアルマネーをつぎ込んでる人はいないようで、クリスマスツリー見たことありません。犬はどこでも眠りこけてます。

 あぁ、ゲームやってる場合じゃない。これから来春にかけていくつかの仕事を並行して進めることになります。今のうちに土台作っておかないと。

よりによって……

 12月6日(日)
 宛名作成ソフトの住所録を呼び出そうとしたら……ファイルが開けません。えぇっ~!
 外付HDDに入れていたファイルです。もしかしてHDDクラッシュ?

 焦ってあれこれ確かめると、他のファイルは一応無事。住所録ファイルだけが壊れているようです。不幸中の幸いと言うべきか、よりによってこの時期によりによってこのファイルとは何たる不運と言うべきか。

 急いで住所録データを入力し直さないと。テキストファイル形式の元データも同じHDDに入れていて、やっぱり開けないのです。別のディスクに保存しておくんだったぁ~。

 外付HDDの不調は明らかなので、無事なファイルは早く避難させなくちゃ。

 せっかくの日曜が何だか急にドタバタでした。

2009-12-08

韓国ミュージカル情報/09.12.08-スター・マーケティング

 人気と知名度のある芸能人が次々とキャスティングされている最近の韓国ミュージカル。その現状を批判的にとらえた記事です。目新しい指摘ではありませんが、よくまとまった内容なので、全文翻訳で紹介します。




「ミュージカルは主役が三、四人」 スター・マーケティングが招く畸形キャスティング
 京郷新聞 2009.12.06

��以下、記事全文の日本語翻訳です。)

 年末のミュージカル市場は名高いスターたちが大挙ラインアップされている。しかし、スターを前面に押し出した作品の主人公は大部分が3人(トリプル)または4人(クァドラプル)だ。過熱するスター・マーケティングの結果である。

 『ブロンドが凄過ぎよ』『ヘアスプレイ』『ホントにホントに好き』の主人公は3人が、『モーツァルト』『殺人魔ジャック』『ヘドウィグ』は4人が交代でつとめる。

 『ブロンドが凄過ぎよ』は「少女時代」のジェシカ(제시카)、『ヘアスプレイ』はパク・キョンイム(박경림)、『ホントにホントに好き』はシン・エラ(신애라)、『モーツァルト』は「東方神起」のシア・ジュンス(시아준수)、『殺人魔ジャック』はアン・ジェウク(안재욱)、『ヘドウィグ』はユン・ドヒョン(윤도현)が「看板」である。しかし、彼らが主人公として舞台に立つ公演は、2~3日に一度上演されるだけだ。

 このような現象は、米国ブロードウェイと英国ウェストエンドというミュージカルの本拠地では見出すことが難しいというのがミュージカル界の指摘だ。スンチョンヒャン(순천향)大のウォン・ジョンウォン(원종원)教授は「英米の市場では長期公演をしながら基本的にオリジナル・キャストで行い、その俳優に問題が起きた時、カバーやアンダースタディ(第二、第三の予備配役)を起用するのが原則」だと話している。チョンガン(청강)大ミュージカル学科のチン・ジョンフン(진정훈)教授も「俳優たちの練習も時間を3分の1または4分の1に分けてすることとなり、舞台の完成度が落ちる」と述べている。

 製作者たちがスター・マーケティングを好むのは、収益のためだ。ソン・スンファン(송승환)PMCプロダクション代表は、「初演作品の場合、チケットを捌ける俳優のキャスティングが必須」とし、「スターのスケジュール調整を考えれば、トリプル以上のキャスティングにならざるをえない」と漏らした。実際、スター・マーケティングの効果は、近頃『モーツァルト』のシア・ジュンスのキャスティングで証明された。シア・ジュンス出演分2回のチケット6000枚が1時間30分で完売したのだ。『ブロンドが凄いの』もジェシカの出演分が最も早く売れた。

 このような現象は、俳優層が厚くないミュージカル市場であまりに多くの作品が同時に上演されることで、加速化している。

 キム・ヨンヒョン(김용현)ソウルミュージカルカンパニー代表は「短期間にミュージカル市場が拡大し、俳優の数は増えたが、主役を演じられる力量のある俳優層は非常に薄い」とし、「基本的に、ファンクラブを持っている俳優が出ればチケットが売れるため、製作者が出血覚悟で彼らに交渉する」と言う。

 しかし、トリプル、クァドラプルのキャスティングは結果的に「わが身を滅ぼす」だけと指摘される。ウォン・ジョンウォン教授は「スター・マーケティングは短期的には効果をあげるかもしれないが、中長期的には毒」であると述べ、「製作者が利益構造のために長期的な見通しで作品を創り、俳優も安定した収入減を確保できるように、国内でも6ヵ月以上の長期公演システム環境が整えられるべき」と主張している。

パク・チュヨン(박주연)記者




 韓国ミュージカル、これだけ公演数が多く盛り上がっているのですから、歌手やコメディアンなどが参入してくるのは当然だと思います。活躍の場を広げたい芸能人とメディアに流せる話題作りをしたい製作者側との思惑が一致して、人気芸能人がミュージカルに出演、というパターンはこれまでにも数多くありました。もちろん製作者側は、話題になる→チケットが売れる、というセンを狙っているわけです。

 そうしたキャスティングに対して、私は、製作陣が認めるだけの力があるなら一度やってみればいい、と思ってました。その上で、素晴らしい舞台を見せてくれれば今後が楽しみなミュージカル俳優として大歓迎しますし、ミュージカルに向いてないと分かればお引き取り願うだけのことです。実際、これまでの韓国ミュージカル界には、そんな雰囲気がありました。

 しかし、最近はチケットが確実に捌けることを露骨に計算してキャスティングする、という点で、これまでの傾向とやや違ってきているのですね。「ファンクラブを持っている俳優が出ればチケットが売れる」。ファンクラブの会員数と劇場のキャパとステージ数と考え合わせて……。う~ん、どっかで聞いた話のような。ベンチマークしてるんでしょうね。ビジネスとしては当然ですが。
 スター・マーケティングもですが、最近の韓国ミュージカル、「イケメン・マーケティング」も目立ってるのですよね。ポスターの撮り方とか、明らかにその線を狙ってます。
 スターのファンを呼び入れることで新たなミュージカル・ファン層を形成しようという中・長期的な戦略もあるのかもしれませんが……ファンは目当てのスターが出演してない舞台は見ないと思います。(毎月歌舞伎公演見てると、しみじみ思います。)

 ウォン・ジョンウォン教授の主張「6ヵ月以上の長期公演システム環境」、実現可能なのでしょうか。現状では難しいですよね。今は、市場規模と製作体制と公演数とのバランスが取れてないですから。

 繰り返しますが、いろいろな人がミュージカルに挑戦するのは歓迎です。一度やってみればいい。でも、力不足と分かったら、その後は役をつけないで~。舞台の質を落とさないで~。
 韓国ミュージカルの魅力を大切にしてほしいです。目指せ、ホントのブロードウェイ!

 さて、この先は余談です。

 東方神起のジュンスが出て、「6000枚が1時間30分で完売」。韓国のチケット争奪戦、まだまだ甘いですねぇ。日本だったら瞬殺ですよね?

 3段落目「看板」と訳した言葉、元の韓国語は「顔マダム(얼글마담)」です。その人目当てにお客が通うようなバーのママ、から転じて、ある分野や集団を代表する人、の意味で使われます。日本語だったら「球界の顔」「劇団の看板俳優」というニュアンスの語。でも、「顔マダム」って面白い表現ですね。あ、「看板俳優」も外国人が聞いたら面白いのかな。

 5段落目「チケットを捌ける俳優」、元は「チケットパワーのある俳優」です。「チケットパワー」そのままでも意味は通じるような気がしますが、普通に使う日本語ではないですよね。テレビの世界では視聴率の取れる人を「数字持ってる」と言うそうですが、「チケット買ってくれるファンを確保している」って日本語でぴったりの言葉があるんでしょうか?

 日本から韓国の舞台を見に行く立場としては、トリプル、クァドラプルは辛いですね。狙ったキャストに合わせてソウルへ飛べるとは限りませんから。主役によって舞台の出来が大きく違うなんてのは、ホント、勘弁してほしいです。
 今のところ特定のスター限定のようですが、前売りで完売も困ったもんです。劇場行けば当日券で見られる、というのが韓国ミュージカルの魅力の一つなんですよね。

 製作費、高騰してるのだろうなぁ……。どこから資金を引っ張ってきてるんだろう……。

2009-12-07

ミュージカルファンの行方

 12月5日(土)
 昼間は昨日の仕事の続き。読書、調べ物、校正、原稿作成等々。

 夕方から新大久保の韓国料理店「プングム」(チヂミ美味しかった!)で飲み&食事の会。参加者は7人。ほぼ全員が舞台を見るためにソウル行く人たちです。言わば、韓国ミュージカル&演劇ファンの集い。

 最近つくづく感じてるのですが、年に何度もソウルへ韓国ミュージカルを見に行く日本のミュージカルファン、増えてます。
 韓国の舞台が好きで、こんなふうに紹介している私の立場からすれば嬉しいことなのですが、その一方で、日本のミュージカルの将来がちょっと心配です。

 韓国料理店の後は、「アイスベリー」というパッピンスのお店へ。途中で韓国スーパーへ寄ったら、妙に懐かしい気分になって、お餅、スナック菓子、伝統茶2種、買い込んじゃいました。
 お餅は栄養餅(영양찰떡)という、黒豆・栗・かぼちゃ・小豆の入ったお餅です。写真撮るつもりが、ころっと忘れて食べちゃいました。美味しかった~。これ、韓国在住時、よく食べてた好物なのです。値段が倍という点に目をつぶれば、本場そのままのお餅でした。

★関連記事(当日携帯から生中継した料理の写真です)
 これから宴会
 宴たけなわ
 河岸変えました

フィギュアを見ながら

 12月4日(金)
 一日机の前で仕事。読書、調べ物、校正、原稿作成等々。

 夜、ジムへ行ってきました。ほぼ一か月ぶりなので、有酸素のクロストレーナーは20分でも辛そうだな~と憂鬱になっていたら、目の前のテレビでフィギュアスケートGPファイナルの生中継をやっていて、ちょうど安藤美姫のショートプログラムが始まる所。グッドタイミング! 安藤とそれに続くキム・ヨナ(김연아)、二人の演技と安藤のリプレイを見終えたらぴったり20分でした。

 久しぶりに運動して、心地よい疲れの中で就寝。

韓国ミュージカル情報/09.12.06-『ブロンドが凄過ぎよ』公演再開

 新大久保で楽しい時間を過ごしてる間に、PMCプロダクションHPに『ブロンドが凄過ぎよ』公演再開のお知らせが出てました。

 「ミュージカル『ブロンドが凄過ぎよ』12月11日(金)公演再開」

 内容は、

・11日(金)20時の公演から公演を再開する。
・11日までに劇場施設と舞台セットの精密な点検を実施し、完璧に整備する予定
・負傷したペク・チュヒ(백주희)は打撲の回復期間が必要と診断されたため、キム・モア(김모아)がブルック役をつとめる。
・ペク・チュヒは回復後に公演に復帰する予定

の4点で、さらに事故と公演中断のお詫びが述べられています。

 とにかく公演再開できて、よかったです。良い舞台を期待してます。

2009-12-06

河岸変えました

河岸変えました

 キング・オブ・パッピンス。器は直径30センチ、超弩級のパッピンス(팥빙수)ですが、韓国ではこれが最もポピュラーなサイズです。

宴たけなわ

宴たけなわ

 カムジャタン(감자탕)です。ジャガイモ鍋。

これから宴会

これから宴会

 新大久保の韓国料理です。美味しいものたくさん食べるぞ~。
 写真の料理はネギチヂミ(=パジョン、파전)。

2009-12-05

[歌舞伎]十二月歌舞伎座 夜の部

 歌舞伎座観光に来たお客さんと野田秀樹ファンのお客さんで、場内は賑やかでした。昼の部はクドカン、夜の部は野田秀樹。一階席には毎日誰かしら芸能人が座ってそうです。




12月3日(木)16時45分
歌舞伎座
3階2列12番

「引窓」
 三津五郎の南与兵衛後に南方十次兵衛、よかったです。三津五郎の当たり役になるかもしれないと思いました。橋之助の濡髪長五郎との対照もバランスよく。
 扇雀のお早は色気と情がもっと欲しかったです。念願かなって南与兵衛と所帯が持てた元遊女、という風に見えません。母親を訪ねて来た長五郎と顔を合わせてびっくり、の場面で、驚きや懐かしさの表現より芝居の段取り優先。橋之助の顔をろくに見ないで盥を出し、足を濯ぐ仕草もなおざり。この人、こんな雑な芝居をする人でしたっけ?
 右之助のお幸は、これまで見たお幸の中でも強くしっかりしたお幸でした。ほくろもすっぱり落としちゃいそうな感じ。この役、こんな役柄でしたっけ?

 最後に三津五郎が細引きを切って濡髪を落とす場面で、引窓が開きませんでした。ここで月光が差し込んで、夜が明けたから役目は終わり、と名分を立てるのですから、ちゃんと開いてくれないとね。「引窓」って芝居で引窓不調はまずいでしょ。

「雪傾城」
 「御名残押絵交張(おなごりおしえのはりまぜ)」という副題?がついてます。歌舞伎座のお名残に、現在の歌舞伎界の(事実上の)立女形が内孫外孫7人並べてお見せします、という演目。
 雪の精景清の宗生がしっかり踊っていて感心しました。雪の精禿の宜生は見せ場がないな~と思ってたら、次の幕で大活躍が予定されてるのでした。雪の精奴の国生は、間が悪いし身体の切れがなくて、奴らしくない踊りぶり。
 新造香梅の児太郎、踊りのお稽古さぼってるのが見え見え。振付・中村光江とあるので、おばさんのお仕込みのはずですが……。お願いですから、ちゃんとお稽古して(させて)ください。歌舞伎ファンの切なる願い。

「野田版鼠小僧」
 初演の時はそれほど良いと思わなかったのですが、今回は楽しく見ました。1時間40分、テンポよく芝居が進みます。冒頭鼠小僧の劇中劇、婚礼と葬礼の行列、妾と間男の件、お白州の場など、見所はそれぞれに面白く。前回は「結局歌舞伎じゃないものねぇ……」、今回は「結構歌舞伎っぽいじゃない」。一体何が変わったんでしょうか。演出?私?

 冒頭の稲葉幸蔵を染五郎はやったのはどうしてなんでしょうね? どうしても染五郎を出さないといけない事情があったのでしょうか。劇中劇の鼠小僧・稲葉幸蔵と棺桶屋三太と一人二役でやるかどうかは、芝居全体の構造に関わる部分なのですが。
 大岡忠相の三津五郎、いいですねぇ。役柄的に、映画『武士の一分』を連想しちゃいましたが。ここ数年、映画や現代演劇に積極的に出演している三津五郎。現代演劇ではうまく使って貰えてないと感じられる舞台が多かったのですが、他ジャンルでの経験が歌舞伎に生きてるように思えてきました。

 さん太の宜生、歌舞伎の子役らしく堂々と芝居していて、結構でした。この役の名前がさん太なのは、三太がサンタになったようにさん太もいつかサンタになる、という含みがあるのでしょうね。

 内容的に12月の物語ですが、前回は八月納涼歌舞伎での上演。今回は内容にふさわしい季節の上演。これって野田秀樹の歌舞伎版「クリスマス・キャロル」なのかも、とふと思いました。

年越しに持ち越し

 12月3日(木)
 朝イチで、昨晩挫折した『怪物つれづれ雑談』のタイプ本文を見直してみたら、何だ、すんなり内容分かるじゃない。文字も正確に読めてるし。頭動いてなくてもくずし字読めるんだ~と、ちょっと感動しました。

 午後、くずし字セミナー。世間を厭うて隠遁した人のところへ狸が来る話。怪談というよりは、狸と人間の「ちょっといい話」です。これまでの話と比べて、文字数が2~3倍と長めのストーリー。年内あと1回では終わりそうもありません。丑年から寅年へ狸で年越しです。

 夕方、セミナーを終えて歌舞伎座へ直行しました。
 狙っていた「名物」が「本日お休み」とのことで、こちらは次回昼の部観劇時まで持ち越しです。

 ↓これが『怪物(ばけもの)つれづれ雑談』第七話
Bakemono07
 挿絵の余白にびっしり書きこまれた本文は約800字。

韓国ミュージカル情報/09.12.04-『ブロンドが凄過ぎよ』続報

 『ブロンドが凄過ぎよ』、事故による公演中断の続報です。

 制作会社 PMCプロダクション のサイトに公式コメントがでました。

 「おことわりを申し上げます」

 内容は次の5点です。
・事故の状況説明
・当日の観客にはチケット代金全額払い戻しの措置をとる
・負傷した俳優の養生と安全点検のため、12月3日~10日の公演を中止する
・上記期間のチケット購入者には代金全額払い戻しの措置をとる
・12月11日以降の公演については、12月7日にPMCプロダクションのHPで公示する

 素早くしっかりした対応で、好感を持てるコメントになってます。
 現場は大わらわでしょうねぇ。きっちり安全点検した上での公演再開を期待してます。

★関連記事
韓国ミュージカル情報/09.12.06-『ブロンドが凄過ぎよ』公演再開

2009-12-04

三日分まとめて

 11月30日(月)
 引き籠ってじっくり仕事。伝統芸能系の芝居は月末お休み。美術館博物館なども月末は休館。ということで、毎月月末はこういう日が多いです。

 私の仕事は為替や株価の動向がすぐに響くようなものではないので、ドルが84円でも日経平均9000円割れ目前でもどこか他人事なのですが、先日報道されたドバイの金融不安はなぜか気に掛かっていて。
 その理由に今日気づきました。韓国版ブロードウェイ の投資はどうなるの?ってところで引っかかってたのでした。実際どうなんだろう……。

 12月1日(火)
 夕方から仕事の打ち合わせで、国分寺へ。畑違いの分野の方々との打ち合わせで、勉強になります。

 月も改まったところで久しぶりにジムへ行くつもりでしたが、帰りが遅くなり断念。

 12月2日(水)
 午後から授業。今日のテーマは人形浄瑠璃。人形浄瑠璃の起源と人形・舞台の変遷について。

 夜、くずし字のテキスト作成。くずし字で書かれた『怪物つれづれ雑談』本文をワープロで打っていたのですが、眠くて、テキストの内容が全然理解できません。文字自体をちゃんと読めてるかどうかも疑問のまま、あと数行というところで力尽きて眠り込んでしまいました。

2009-12-03

韓国ミュージカル情報/09.12.03-『ブロンドが凄過ぎよ』公演中断

 今飛び込んで来たニュースです。




ミュージカル『ブロンドが凄過ぎよ』、舞台崩壊で公演中断
 スポーツ朝鮮 2009.12.03

 12月2日午後9時50分頃、ミュージカル専用劇場コーエックスアーティウム(코엑스 아티움)で『ブロンドが凄過ぎよ(금발이 너무해、キューティ・ブロンド)』上演中、天井から吊り下げられていた合板が落下、この事故でペク・チュヒ(백주희)とキム・ヒョンムク(김형묵)の二人の俳優が負傷し、この日の公演は中止されたそうです。

 幸い俳優の怪我は軽傷のようです。また、企画会社PMC側の発表によると、舞台転換の際に後方にある薄い木材で作られた幕が離脱し、木の板が落ちた、とのこと。

 当日の観客には返金措置が取られる見通しで、公演は舞台の補修が終わるまで暫く休演されるそうです。

 この記事に載るPMC側の発表では、事故原因が仮設の舞台装置部分にあったのか、劇場構造に関わる部分にあるのか、はっきりしません。補修工事の期間と公演再開の時期も明らかになってません。
 時間がかかっても再発のないようにしっかり対策を取ってほしいですね。とにかく、重大な事故にならなくてよかったです。

 ソウルでこれ見ようと思ってらした方、今後の情報にご注目下さい。

★関連記事
韓国ミュージカル情報/09.12.04-『ブロンドが凄過ぎよ』続報
韓国ミュージカル情報/09.12.06-『ブロンドが凄過ぎよ』公演再開

韓国映画情報/09.12.02

 久しぶりの韓国映画情報、韓国の古典ネタ、伝統ネタ映画の紹介です。キーワードは「ホン・ギルドン」「チョン・ウチ」「韓紙」。




『ホン・ギルドンの後裔』の興行成績上昇に力を得て、『ホン・ギルドンの後裔2』製作電撃決定!!
 アーツニュース 2009.12.01

 ホン・ギルドン(홍길동、洪吉童)は韓国の古典小説の主人公で、韓国を代表するヒーローです。『ホン・ギルドンの後裔』は、現代を生きるホン・ギルドンの子孫が、昼間は平凡な一家を装いつつ、夜になると正義のために奮闘するというコメディ。

 これが、ホットな笑いと痛快なアクション、甘いロマンスまで兼ね備えて全国民が気楽に楽しめるコメディ、と口コミで人気が広まり、興行的にも成功、第二弾の製作が決定してしまったとのこと。

 ホン・ギルドンって、日本で言えば鼠小僧のようなポジションです。日本で鼠小僧の末裔の映画を作って、ヒットするかなぁ。ご趣向次第ってとこでしょうか。そう言えば今月の歌舞伎座は『野田版 鼠小僧』だっけ……といろいろ考えてしまったニュースでした。

ホームズ、チョン・ウチ、韓米の古典的英雄の趣を変えた帰還
 OSEN 2009.12.01

 12月第3週に公開される映画『シャーロック・ホームズ』と『チョン・ウチ』の紹介記事です。古典的ヒーローが装い新たに再登場、ということで2本合わせて紹介してるのですが、ここではシャーロック・ホームズは置いといて、チョン・ウチ(전우치、田禹治)です。

 チョン・ウチは韓国の古典小説の主人公で、ホン・ギルドンと並ぶ韓国のヒーローです。貧しい百姓を助け、貪欲な役人を懲らしめるという、よくあるタイプですが、道術を使う道士なのだそうで。
 他記事によると、そのチョン・ウチが現代に甦り、世の中を惑わす妖怪どもと対決する、というストーリーで、ファンタジーアクション映画とのことです。
 そう言われると、『阿羅漢 掌風大作戦(아라한 장풍대작전)』を連想しちゃいますね。

 カン・ドンウォン(강동원)、キム・ユンソク(김윤석)、イム・スジョン(임수정)、ユ・ヘジン(유해진)、ペク・ユンシク(백윤식)、ヨム・ジョンア(염정아)とスター級の俳優が揃っている上に、『イカサマ師(타짜)』『ビッグ・スウィンドル(범죄의 재구성、犯罪の再構成)』のチェ・ドンフン(최동훈)監督作品ということで、単なるアクション、単なるファンタジーにとどまってなさそうです。12月23日公開予定。

イム・グォンテク監督の作品だから「負担…光栄…」
 フォーカス新聞社 2009.12.02

 イム・グォンテク(임권택)監督の101番目の作品の製作発表会の記事です。今度の新作は『月の光を育てること(달빛 길어올리기)』。1000年の文化が込められ、韓国文化の歴史そのものである韓紙を素材として取り上げた作品。韓紙の復元に全力を尽くす人々の物語を描くそうです。主演はパク・チュンフン(박중훈)とカン・スヨン(강수연)で、この二人の共演は『チョルスとミミの青春スケッチ(철수와 미미의 청춘스케치)』以来23年ぶりだとか。

 常に韓国の伝統文化を扱うイム・グォンテク監督ですが、「韓紙」とは意表を突かれました。「韓紙を作る」という作業を丹念に追っていくでしょうから、見所の多い作品になりそうです。2010年公開予定。

2009-12-01

ぐっすりのんびり

 11月29日(日)
 朝から法事。お天気に恵まれてよかったです。

 夕方帰宅。久しぶりにジムへ行こうと思っていたのに、疲れがたまっていたのか睡魔に襲われてばったり熟睡。2時間ほどで目覚めた時には、もういいや、と。

 結局、本を読む傍ら、王子様太郎君の御機嫌を取って一緒に遊んだり、宅急便を受け取ったり、のんびり過ごしてしまいました。

 昼寝ならぬ夕寝がたたって、就寝時刻は午前2時。毎晩12時に睡魔が来てくれればいいのに。

楽しくて身体に良いディナー

 11月28日(土)
 夕方からNHK典芸能鑑賞会 へ。舞楽の「還城楽」、こんなにドラマチックな雅楽があるとは。とてつもなく面白かったです。

 終演後、友人と一緒に渋谷スペイン坂の BiO cafe でご飯。オーガニックを謳っているカフェ&ダイニングで、パルコ劇場への行き帰りに前を通る度、一度ゆっくり食事してみたいと思ってました。でも、満員だったり、時間がなかったり、機会がなくて。
 この日は夜8時半過ぎと遅めだったせいか、初めてすんなり入れました。ディナーのコースで、「アンチメタボコース」と野菜中心の「リセットコース」を頼んでシェア。

Imgp6866

 この写真は「リセットコース」のメイン、「ベジローフ」。もったりとした不思議な食感が意外な美味しさでした。キノコとニンニクのソースに、蓮と牛蒡の素揚げがたっぷり添えてありました。

 どちらのコースも、素材と味付けがオリジナルな料理が出てきました。身体にじわーっと染み込むような味わいで、ボリューム十分。「食」に関心ある方にお勧めです。

 ゆっくり2時間、美味しいもの食べながらのおしゃべり、楽しかった~。

韓国ミュージカル情報/09.11.30-GUYS & DOLLS版権問題

 先の「韓国ミュージカル情報/09.11.30」をポストした直後に飛び込んできたニュースです。タイトルの付け方など微妙な部分があるので、元記事を全文翻訳して掲載します。文脈が混乱しそうな箇所は、[ ]で私が補足しています。
 なお、韓国語タイトル『アガシとコンダルたち』は「娘さんと遊び人たち」ぐらいの意味で、語順は逆ですが『Guys & Dolls』の韓国語訳と言えるものです。




ミュージカル『アガシとコンダルたち』著作権論議
 毎日経済 2009.11.30

��以下、記事の小見出しと本文全文の日本語翻訳です。)

CJ「原作の人気に便乗した不適切な行為」
GMB「ブロードウェイ・バージョンとは違う創作ミュージカル」

 ミュージカル「アガシとコンダルたち(아가씨와 건달들)」に著作権侵害論議が起きている。
 ミュージカル製作会社GMBカンパニー(GMB컴퍼니)は『アガシとコンダルたち』を来たる[12月]22日から公演することとしてチケット販売を始めた。GMB側は「原作に現代的感覚を加えて再解釈したブロードウェイ式伝統ダンスミュージカル」とし、「ブロードウェイ最高の人気ミュージカル『アガシとコンダルたち』が華麗なダンスミュージカルとして再誕生して私たちの元に帰って来た」と宣伝している。
 この作品[GMB製作『アガシとコンダルたち』]の英語タイトルは『GIRS & BOYS』で、ブロードウェイ作品である『GUYS & DOLLS』とは違うが、韓国語タイトルは[ブロードウェイ作品『GUYS & DOLLS』と]同一だ。
 これに対して『アガシとコンダルたち』の韓国公演ライセンス管理者であるCJエンターテイメント(CJ엔터테인먼트)側は、「二つの作品の間の剽窃・盗用について確認した後、法的手続きを通してGMBカンパニー側に民事上の責任所在を問うつもり」と述べている。
 CJエンターテイメント側の主張について、チェ・ホヒョン(최호현)GMBカンパニー代表は「『アガシとコンダルたち』は『GUYS & DOLLS』と全く関係のない創作ミュージカル」と言い、「『アガシとコンダルたち』という言葉についての商標権は当社が所有している」と主張している。




 私はこの作品を韓国で見たことがないので、どの程度ブロードウェイ作品を踏襲しているのか分かりません。まして、これから幕を開けるGMBカンパニー製作の『アガシとコンダルたち』がどんな作品なのかは知る術もありません。
 が、『アガシとコンダルたち』という韓国語タイトルをつけておきながら、「『GUYS & DOLLS』と全く関係のない創作ミュージカル」と主張するのは無理があるように思います。英語タイトルは『GIRLS & BOYS』(記事本文では『GIRS & BOYS』ですが(^^;)と異なっているとしても。

 『GUYS & DOLLS』の韓国における上演史を調べてみました。

 初演は1983年12月、タイトルは『アガシとコンダルたち』。初演のパンフレット表紙が ここ で見られますが、『GUYS & DOLLS』の文字があります。
 但しこの頃の公演は作品の権利関係を無視したまま言わば海賊版として上演されていたもので、正式に版権契約を結んで上演されたのは1994年、エイコム(에이콤)製作の『アガシとコンダルたち』。
 その後も『アガシとコンダルたち』というタイトルで上演されていて、2004年1~2月エイコムインターナショナル(에이콤인터내셔날)製作の『アガシとコンダルたち』はブロードウェイの「オリジナル クリエイティブ チーム」がスタッフとして名を連ねた公演、最近の2005年3月~6月ソルダムエンターテイメント(솔담엔터테인먼트)主管の『アガシとコンダルたち』は<2005 new version “Guys and Dolls”in Seoul>と銘打った公演でした。

 こうやって韓国のミュージカル史をたどってみれば、『アガシとコンダルたち』=『GUYS & DOLLS』と捉えるのが当然だと思うのですけれど……。

 GBMカンパニー製作の『アガシとコンダルたち』は、初日まであと3週間。
 どういう決着がつくのか、著作権やライセンス契約の観点からも、チケット販売が始まっている公演の行方という観点からも、目が離せない「事件」です。

韓国ミュージカル情報/09.11.30

 今シーズンのミュージカル2作品の紹介記事です。幕が開いたばかりでまだ評価が定まってないのですが、どちらもオリジナル作品、韓国ならではの作品として楽しめそうで、見てみたい~。




70・80年代の思い出を込めたミュージカル『ホントにホントに好き』
 ニュース天地 2009.11.28

 11月28日に幕を開けた創作ミュージカルの紹介記事です。2008年初演の好評を受けて、演出・音楽を練り直しての再演とのこと。「70~80年代の音楽を中心に約40曲を取り入れた」ジュークボックス・ミュージカルです。
 編曲はシンヘチョル신해철を始めとするネクスト(넥스트、N.EX.T)のメンバーが全員参加。出演は、初演メンバーであるパク・ヘミ(박해미)、パク・サンニョン(박상면)に加え、シン・エラ(신애라)、コメディアンのキムジンス(김진수)、天上の歌い手と言われるオジョンヘ(오정해)、女性歌手グループ・ティアラ(티아라)のヒョミン(효민)、「妻の誘惑」のビョンウミン(변우민)等。

 70~80年代のジュークボックスミュージカルって面白そうです。

 私が特に注目してるのは、『祝祭(축제)』『風の丘を越えて(서편제、西便制)』『千年鶴(천년학)』などの映画に出演し、パンソリの唱者として定評のある女優オ・ジョンヘがミュージカルの舞台に初出演する、という点です。ミュージカルの隆盛で歌手やタレントのミュージカル挑戦が話題になる中、オ・ジョンヘは異色の人材なのですね。
 どんな舞台になるのか興味津々です。

 公演は来年3月1日まで、ナルアートセンター大劇場(나루아트센터 대극장)にて。

 ちなみに、この作品、2ヵ月前にこんな記事が出てました。

創作ミュージカル「ホントにホントに好き」オーディション900余名で大盛況(アジア経済、2009.09.25)

 書類選考を通過した一次オーディション参加者が900名以上、最終の三次オーディションに合格したのは約30名、これから2ヵ月間合宿訓練もしながら公演の準備をする予定、と記されてます。
 書類通過が900人超って……。日本のミュージカルのオーディションもそのくらい人集めてやってるものなのでしょうか?

占い素材のミュージカル『ジョムジョム』…注目の公演
 YTN 2009.11.28

 今お勧めの公演を紹介した記事で、演劇『母さん、旅行行く?(엄마,여행갈래요?)』、ミュージカル『明成皇后(명성황후)』と並んで、ミュージカル『ジョムジョム(점점、占占)』が紹介されてます。

 『ジョムジョム』は、天気予報を見事に的中させるのに、自分の未来には全く自信がなく、占い師の予言だけに頼っている気象キャスターが、占い師に占われた男性と一目惚れした男性の間で葛藤する……というロマンチックコメディだそうで、オ・ナラ(오나라)、ソン・ドゥソプ(성두섭)、チョン・サンフン(정상훈)、チン・ソンギュ(진선규)等、ミュージカル俳優を揃えたキャストになってます。

 これ、主人公の設定が面白いアイディアですよねぇ。占い師っていろいろ怪しげな演出ができそうですし、アイディアをうまく生かしていれば楽しい作品になってるはずです。
 様々な占いが日常生活に密着してる韓国ならではの舞台かも。こういう毛色の変わった作品、見たい~。

 この記事には公演データがないのですが、PLAYDBによれば、来年2月7日まで、忠武アートホール中劇場ブラック(충무아트홀 중극장 블랙)にて。

2009-11-30

『天下御免』を見に行かなくちゃ

 11月27日(金)
 昼間は読書と調べ物。

 夕方、某企画にGOサインの出たお祝いの飲み会へ。この企画、1年ほど前からお手伝いさせていただいてます。飲み会参加者は30人近く。途中で名刺切らしちゃいました。
 いろいろなジャンルの方たちとお話しできて、楽しい飲み会でした。

 好きな時代劇の話になって、小学生の頃好きだった『天下御免』を挙げたら、その場にいた人は誰も知らなかった……。世代の差がありありと。
 『天下御免』は早坂暁脚本、山口崇主演で、昭和46~47年に放映されたNHKの時代劇。当時は録画テープが高価で繰り返し再利用していたため、NHKにマスターテープが残っておらず、ビデオ・DVD発売どころか再放送すらなかったのですよねぇ。放映時センセーショナルな話題を巻き起こした時代劇なのですけれど、リアルタイムで見た人しか知らない、幻のドラマ。あぁ、もう一度見てみたいものです。

 と、この記事を書きながらあれこれ検索してたら、『天下御免』、NHKの公開ライブラリーで第一話と最終話だけ見られることが判明。うわぁ。NHK放送センターへ行って絶対見なくっちゃ。

 楽しい飲み会で気分良く帰宅。
 午前2時就寝。

蟾蜍あれこれ

 11月26日(木)
 午後からくずし字のセミナー。
 前回と今回の2回にわたって読んだ話は、里人が山中で大きな蟾蜍(せんじょ=蟇蛙)に出逢ったという怪異譚。関連して、中国ネタで、蟾蜍が月にいるという俗説、三本足の蟾蜍は招財のシンボル、劉海蟾という蝦蟇を操る仙人の話、そこから日本の歌舞伎ネタで、同じく蝦蟇の妖術を使う天竺徳兵衛、地雷也の話へ。
 唐代の銅鏡、現代の開運グッズ、江戸時代の浮世絵など、どれも具体的な絵を見ながらの解説です。こういうのは、資料を集めて準備するのも、受講生の方々を前にお話しするのも楽しいですね。

 高校時代のクラスメートから「新年会とかやりませんか」というメールが来ました。妙に気の合う4人組 の集まりです。
 最初の提案メールが流れるや、速攻でメールが行き交い、あっという間に日時と場所が決定。

 夜は読書。

2009-11-29

Bioなご飯

Bioなご飯

 渋谷スペイン坂のお店でご飯。美味しかった~。

2009-11-27

[展示]江戸園芸花尽し

 明治神宮前にある太田記念美術館へ行ってきました。特別展「江戸園芸花尽し」は、江戸時代の園芸文化を浮世絵を通して見てみよう、という展示。面白かった!
 美術館の通路の壁に、この展覧会を紹介した雑誌記事が掲示されてました。『月刊フラワーショップ』11月号に、『月刊フローリスト』11月号。なるほど~。所変われば品変わる、じゃなくて、品が変われば所も変わる、ってわけですね。
 会期終了間際で観覧のお客さん多かったです。もしかして、皆さん、お花屋さんだったんでしょうか?


11月25日(水)
浮世絵太田記念美術館



  美術館HPの案内 によれば、展示概要は次の通り。展示品入れ替えの都合なのか、各テーマの充実度は若干ばらつきがありました。

序章 花を着る
   …花柄の着物に身を包む女性たち
Ⅰ.暮らしのなかの園芸
   …園芸に親しむ江戸っ子たち
Ⅱ.百花繚乱 江戸の園芸
   …浮世絵に描かれたさまざまな園芸植物
Ⅲ.人気キャラクター 植木売り
   …歌舞伎の役柄として登場する植木売り
Ⅳ.鉢植えにまつわる物語
   …謡曲「鉢の木」を題材にした浮世絵
Ⅴ.紀州徳川家の園芸趣味
   …徳川家でも愛好された園芸文化
Ⅵ.子どもたちの園芸知識
   …子供向けに描かれたおもちゃ絵
Ⅶ.花と緑の江戸の町
   …四季折々の花が咲く江戸の観光名所

Engei



 ↑太田記念美術館のサイトから借りてきました。こんな感じの、植木を描いた浮世絵が勢揃いでした。



 この展示で面白かったのは、浮世絵に描かれている植物の名前が作品解説に記されていたところ。棚の上の植木鉢の花が何なのか、背景の植え込みの草木が何なのか、解説に付記されてるのです。一部「?」付きも含めて。
 日頃、浮世絵の植物なんて見過ごしていたり、何を描いているのかよく分からなかったりするので、一々「万年青」「団扇覇王樹(=ウチワサボテン)」などと明記してあるのが珍しくも有り難くもありました。



 また、役者絵に絡めて花を描くという趣向が多かったのが意外でした。私が見慣れてる役者絵にはあまりそういうものがないので。時代による流行がはっきりあるんですね。
 国周の役者絵で、役者は国周が描いてるのだけど、背景の花は弟子の周重が担当していて「はな 周重」なんてクレジットされてるのも面白かったです。



 植木鉢の展示もありました。浮世絵には凝った柄の染付の植木鉢がよく描かれているのですが、同じような磁器の植木鉢を30近く展示してあって、感動。中には浮世絵の植木鉢とそっくりの実物もあったりして。すべて瑠璃釉や染付でした。「個人蔵」となっていたので、どなたかのコレクションなのでしょう。素晴らしいものでした。



 絵柄的にも江戸文化的にも興味深かったのが、歌川国芳「百種接分菊」という絵。1本の木に100種の菊を接ぎ木して100種の花を咲かせた見世物を描いた絵です。菊の花は江戸時代後期に流行して、多様な色・形態の花や菊人形の展示が人気を集めてました。そんな場のひとコマですが、1本の木に100種の花を接ぎ木して咲かせるという園芸の趣向と技術もすごいし、それを描いた浮世絵も面白い。現代に再現しようとしたらできるんでしょうかね?



 前の記事にも書きましたが、図録が完売していて、入手できませんでした。古本屋さんで探さないと。



 ちなみに、佐倉の国立歴史民俗博物館でも「伝統の古典菊」という特別企画の展示を行ってるのですが、この週末29日まで。歴博、遠くて、行く時間が取れない~。



 松戸市戸定歴史館でも「江戸の園芸文化史」という展示をやってたのに、行きそびれたし……。



 やはり、今月前半の体調不良による蟄居が響いてますねぇ。健康第一。



 終わった展覧会(歴博はまだ3日あるけど)の数を数えても虚しいばかりなので、将来に目を向けます。
 体調回復した現在、これは行かなくては!と思ってるのが、植物つながりで江戸東京博物館の 特別展「いけばな 歴史を彩る日本の美」(11月23日~来年1月17日)と、浮世絵つながりでたばこと塩の博物館の特別展・平木コレクションのすべて「浮世絵百華」(11月21日~2010年1月11日)。
 どちらも会期中に展示替えがあるので、リピートすることになりそうです。



学生へのフィードバック

 11月25日(水)
 午後から授業。前回の続きで、韓国仮面劇のまとめ、朝鮮と日本の仮面の比較という内容でした。また、これまでの講義の補足的・発展的な解説。これは、毎回のリアクションペーパーをもとにQ&A形式のプリントを作成し、学生の質問に答えるという形で進めるフィードバックです。

 この時間、学生がとても興味を持って聞いてくれるのです。今回も授業後のリアクションペーパーに「授業内容に関連するいろいろな話が聞けて楽しかったです」「他の学生の質問を知ることができて刺激になりました」とあり、学生のモチベーションアップに役立ったようです。
 こうしたフィードバックは毎回できるとよいのでしょうけれど、一回90分の授業では時間が確保できません。何かうまい方法がないかなぁと考えてます。

 夕方、原宿へ出て、太田記念美術館で 特別展「江戸園芸花尽し」を見てきました。面白かった~。会期終了間際で図録は完売。もっと早い時期に来なかったのが悔やまれます。今月前半体調崩したのが痛かったです。何事も健康第一ですね。

 夜、読書。久しぶりに12時前に就寝。

貧すれば鈍す?

 11月24日(火)
 明日の授業の予習と準備。今期の授業も残り少なくなってきました。残り回数を睨みながら、授業の内容とペースを調整してます。

 3時のおやつに、前から気になっていたハーゲンダッツの新しいフレーバーを食べてみました。

 ……!!……???

 驚いて原材料表示を見てみました。飲食物を買う時は必ず確認するのですが、ハーゲンダッツなので安心して、見ないで買ってたのです。

 クリーム、…………、香料、安定剤(ペクチン)

 このご時世、値段の高い高級アイスクリームは苦戦してるのだろうとは思います。新しいフレーバーを次々開発して、新商品を発売しないとコンビニ展開できないのだろうとは思います。

 だけど……こんなのハーゲンダッツじゃない。
 私の愛するハーゲンダッツが、こんな風味になるなんて。

 失意の内に一日が終了。

2009-11-26

『キム・ジョンウク探し』は本当に面白い…らしい

 友人から「『キム・ジョンウク探し』、面白かった!」というメールが来ました。このところ同様のご報告を続々頂いてます。

 日頃から、芝居好きの友人・知人に「今のソウルのお勧めの公演は?」とよく聞かれます。偶然ブログを見つけて下さった方から質問メールを頂くこともあります。
 ご質問には出来る限り、その時々の話題作・人気作の公演情報や見どころをお返事しています。韓国の演劇やミュージカルに興味を持って下さるのは、とても嬉しいことなので。

 で、最近、いろんな方に『キム・ジョンウク探し(김종욱 찾기)』を勧めていたら、これが、「面白かった」「楽しかった」「もう一度見てみたい」と大好評。

 この作品、以前にも紹介したことがありますが、オリジナルの小劇場ミュージカルで、去年から今年にかけて話題になっているヒット作です。実は私自身は未見です。人に勧めるのは基本的には自分が見て面白かった舞台なのですが、この作品は様々な情報から「絶対面白いはず」と嗅覚が働いて、ソウル観劇リピーターの方を中心に「自分はまだ見てないんですけれど」と言い訳しながら紹介してました。

 なので、実際にソウルでご覧になった方から「面白かった」「よかった」というメールを続々頂いて、ほっとしてます。喜んでもらえて嬉しいです。
 って言うか、こんなにあちこちで人に勧めて、こんなに喜ばれて感激されて、なのに自分はまだ見てないって……何かちょっと悔しいんですけど。

 『キム・ジョンウク探し』、オープンランでやってましたが、来年1月3日でクローズするようです。
 これから年末年始に向けてソウルでの観劇を計画してる方は、ぜひリストに入れてみて下さい。創作ものはストーリーが……という方、あらすじアンチョコあります。ご遠慮なくお問い合わせ下さい。

 私も年内にソウルへ行こうと思ってます。この間行ったばかりなのにねぇ。

◇キム・ジョンウク探し(김종욱 찾기)
2006/06/02~2010/01/03
平日8時/土4時、7時/日・祝3時、6時(月休)
12月24日・31日5時、8時
大学路・芸術マダン1館(대학로 예술마당 1관)
110分

☆関連記事
 [ミュージカル]キム・ジョンウク探し/김종욱찾기
 韓国演劇情報/09.06.01(人気公演には「マルチマン」がいる?)
 韓国ミュージカル情報/09.09.28(トップモデルのチェ・ジホ、ミュージカル「キム・ジョンウク探し」キャスティング)

2009-11-25

韓国演劇情報/09.11.24

 韓国演劇、面白そうな芝居が続々と……。どれもこれも見たいです。ソウル行きたい~。
 例によって、リンク先は韓国語記事です。リンク切れちゃったらごめんなさい。




実力派監督たち、演劇舞台に大挙移動
 スポーツソウル 2009.11.24

 ミュージカル製作社Mミュージカルカンパニーが「監督、舞台へ来る」をコンセプトに、実力派映画監督4人が演劇の舞台でその感性を発揮するイベントを企画しているという記事です。
 4人の映画監督とは、『春が来れば(꽃피는 봄이오면、花咲く春が来れば)』のリュ・ジャンハ(류장하)、『春の日は過ぎゆく(봄날은 간다)』のホ・ジノ(허진호)、『ライターをつけろ(라이터를 켜라)』のチャン・ハンジュン(장항준)、『家族の誕生(가족의 탄생)』のキム・テヨン(김태용)。

 トップバッターはリュ・ジャンハの『母さん、旅行行く?(엄마, 여행갈래요?)』 11月17日から現在公演中、来年1月17日まで、ペガムアートホール(백암아트홀)にて。息子への無条件の愛だけが生きる理由だった母と、母の末期ガンを知ってから母の愛を確認して切ない思いをする息子の物語が抒情的に展開されます。

 これ、母・息子ともダブルキャストですが、あちこちで、演劇初挑戦の息子役キム・ソンス(김성수)の評判が非常にいいんですよね~。

 これに続いて、来年1月23日から3月28日まではホ・ジノ、4月6日から6月6日まではチャン・ハンジュン、6月14日から8月15日まではキム・テヨンの芝居がそれぞれ舞台にかかる予定だそうです。

 二番手ホ・ジノ以降の公演内容はまだ確定していないようで、「監督、舞台へ来る」の公式サイトにも情報がありません。が、4人とも独特の情緒を感じさせてくれる映画を作ってる監督で、演劇の世界でどんな舞台を作り上げるのか、とても興味があります。

 来年は「演劇熱戦3」だけでもスケジュール調整大変なんですけどねぇ。韓国の演劇界、どうしてこんな魅力的な企画を続々実現してくれちゃうんでしょうか。わくわくするやら、ため息つくやら。

2009年最高の話題作<5月には結婚するわ>
 日刊演芸スポーツ新聞 2009.11.24

 ミュージカル『ウェディング・ファンド』の原作演劇『5月には結婚するわ』が、スタッフ・俳優を一新して11月26日からアンコール公演に入る予定というニュースです。

 第4シーズンの演出は、ニューヨークT.M.L(International Theatre Production)芸術監督として3年間活躍したホン・ジュヨン(홍주영)。この公演が大学路への復帰作品となるとのこと。
 キャストは、キム・ソジン(김소진)、チャン・ギョンヒ(장경희)、ホン・ベヨン(홍배연)、ユン・ヒョクチン(윤혁진)。

 この記事には公演データがなく、公演情報サイト「PLAYDB」によれば、2010年2月28日まで、大学路・芸術マダン2館(예술마당2관)にて。
 ついこの間ソウルで見てきた芝居ですが、演出家が代わるとなると、また見てみたいですね~。

☆関連記事
 [演劇]5月には結婚するわ/오월엔 결혼할꺼야

2009-11-24

三度目の本音?

 11月23日(月・祝)
 勤労感謝の日ですが、大学は普通に授業日というところが多いようですねぇ。

 午後、国立能楽堂で「天地人之会」。金剛流の能って、それと意識して観たのは初めてかも。

 能楽堂でソウル女子大の教え子と久しぶりに会ったので、近況を聞いてみました。すると、「大学院への進学について迷ってるんです」と。それなら相談してくれればいいのに、と言ったら、「メールしようと思ったんですけど、私は日語日文じゃなくて国文(=韓国文学)だったし……いけないかと……」。

 う~ん、私は全く分け隔てしてないのですけれど、そういうの。そのことがちゃんと伝わってなかったか~と、反省しました。
 韓国は師弟関係が密な分、指導担当の先生/学生とそれ以外の先生/学生とで付き合い方をきっちり変えるのが普通だったりするのです。先生の側も学生の側も。韓国社会では、そうするメリットもあるのでしょう。
 でも、「外国人」の私の場合、学生の社会的・文化的属性によって付き合い方を変える必要も意味もなかったので、学生に対して「私は日本人だし、指導教授とか関係なく、勉強したい人は誰でも指導するしアドバイスするからね」とメッセージを出し続けていました。そのつもりでした。でも、彼女にはうまく伝わってなかったみたいで。学生の立場では、すんなり「あぁ、そうなんだ~」とは思えないのでしょうね。「日本文化」を勉強した学生は、どこかで必ず「日本人は『建前』と『本音』がある」って教わっていますし。

 「それじゃ、今度メールしてもいいですか?」と聞かれたので、「もちろん! いつでもメールして!」と答えました。が、あと2回ぐらい「いつでも連絡してね!」と念押ししとかないと、メール来ないかもしれません。
 「日本では、何か誘われたり勧められた場合(例えば「お茶飲む?入れようか?」の類)、2度目までは辞退しなければいけない、その上で3度目に言われたら、その時初めて相手の誘いや勧めに乗ってもよい」と「学習」してるんですよね、彼女たち。

 日本の人間関係、相手の言葉を言葉通りに受け取ると痛い目見ることがあるのは事実ですが……困ったもんだ。

 観能後、友達とお茶しながら、あれこれおしゃべり。短い時間でしたが、楽しかった~。

 夜は読書。ちょっと早めの午前1時就寝。

Q&Aの質問者

 11月22日(日)
 昼間はのんびり読書。前日の芝居を思い出しながら『ヘンリー六世』をパラパラ読み返してみたり。

 夕方、有楽町スバル座で韓国映画「執行者」を観ました。死刑執行に携わる刑務官を主人公とした映画です。「韓国映画ショーケース2009」での上映で、来日したチェ・ジノ(최진호)監督の舞台挨拶とQ&Aがありました。
 Q&A、観客からいろいろな質問が出て、興味深かったです。質問者の一人が「映画の主人公と同じ職場に勤務している」と自己紹介したのには驚きました。一番驚いたのはチェ・ジノ監督だったと思いますが。

 夜、『ヘンリー六世』と体調不良で中断していた仕事外の読書を再開。

芝居好きのルーツ

 11月21日(土)
 午前11時から午後10時20分まで、新国立劇場でシェイクスピア作『ヘンリー六世』三部作の一挙上演観劇。芝居の感想は こちら でどうぞ。

 丸一日劇場にいる日は、何を食べるかいろいろ考えます。理想的なのは、美味しくて、ちょっと珍しくて、ボリュームとカロリーは控えめで、かつ気分転換になるようなもの。今回の公演では『ヘンリー六世』特製お弁当メニュー というのがあったのですが、早々に予約受付終了となってしまって、食べそびれました。残念。

 劇場ロビーに置かれていた「近隣お立ち寄りマップ」を参考にコーヒーショップ、地元のパン屋さん、コンビニへ行き、劇場横のベンチでのんびりご飯にしました。
 お天気のよい気持ちの良い日でよかった。

 話は戻って、第一部の開演10分前。携帯の電源を切ろうとして、実家からの着信で留守録があるのに気づきました。メッセージを再生してみると、父の沈んだ声で「電話下さい」。こんなタイミングで一体何?と慌てて電話してみたら、ビデオが壊れたみたいなのだけれど、明後日どうしても録画したい番組がある、と。要は、明日中に新しいのを買ってセッティングして欲しい、という話です。
 一体何を録画したいのやら。とは言え、私の芝居好きの原点は、幼い頃見たミュージカル映画、映画好きの父譲り。自分のルーツに文句つけるわけにはいきません。
 夜、第三部の休憩時間に再度電話してみたら、ビデオは壊れてなかったそうです。やれやれ。

 終演後すぐに帰路についても、帰宅は23時半過ぎ。疲れましたが、心地よい疲れでした。
 午前2時就寝。

☆関連記事
 [演劇]ヘンリー六世

2009-11-23

[演劇]ヘンリー六世

 シェイクスピア作『ヘンリー六世』三部作、9時間一挙上演の通し観劇です。イングランド×フランスの百年戦争とヨーク家×ランカスター家の薔薇戦争の歴史劇を一日がかりで観てみたら……同じシェイクスピア作の『リチャード三世』が見たくなりました。戯曲を読み終えた時にもそう思いました。
 丸一日9時間の芝居が、『リチャード三世』のプロローグだったとは……。これって何かの罠か罰ゲームなんでしょうか?




11月21日(土)11時、15時、19時
新国立劇場・中劇場
第一部「百年戦争」  B席 2階2列72番
第二部「敗北と混乱」 A席 2階1列13番
第三部「薔薇戦争」  S席 1階14列(実質5列)62番

 面白かったです。感じたことあれこれ。

 万華鏡のような芝居でした。状況が展開するごとに、人間関係がパタパタと組み換わって、新しい模様として見えてくる、その繰り返しなのです。様々に変幻する人間模様を眺める面白さ。第三部、フランスにエドワード王がグレイ夫人と結婚という知らせが届いた時がその極みでしたねぇ。

 諸事情で各部ごとに全く違う席で見ました。第一部・第二部を2階で見たのは大正解。舞台全体が見渡せたおかげで、人間関係が把握しやすかったです。

 衣装はグレーが基本。諸卿は皆、グレーの衣服を身に纏ってます。ヘンリー六世と王妃マーガレットは白に近いグレー。ヨーク公の息子たちは黒基調のロックファッション。フランスは青、イギリスは赤、赤薔薇・白薔薇メンバーは自分の色の薔薇を胸につけ、枢機卿とエドワード妃(グレー夫人)の衣装は赤。視覚的直感的に登場人物が見分けられるようになっていて、これはとても分かりやすかったです。

 舞台もグレーが基本色。前方にエプロン舞台を張り出させてます。そのために座席9列つぶした模様。大胆ですねぇ。奥行きをたっぷり取った舞台で、戦闘場面を左右でなく前後(手前と奥)に対立させて見せたのが、躍動感あって新鮮でした。
 舞台面に重ねて敷き詰めた四角い布?が効果的でした。照明によって、石畳、大理石、野原、芝生、様々な地面に見えるのです。
 照明で床にイングランド国王の紋章(赤地に金のライオン)やフランス国王の紋章(青地に金のフルール・ド・リス)を映し、それぞれロンドン、パリの王宮の場であることを示していたのも面白かった。この照明一つで英仏海峡を渡れちゃうのですね。
 ジャック・ケードの反乱の場面はカラフルなスポットを水玉模様風に見せる楽しい照明。この場が一種のお遊びなのがよく分かります。

 全体として、話が進むにつれて演出が派手になっていくので、次第に刺激が強く面白くなっていきます。赤薔薇・白薔薇の大きな旗の使い方とかヘンリー六世の空中ブランコとか。うまく計算して演出してます。

 登場人物が膨大なセリフをしゃべる劇なので、役者は滑舌の良い人が嬉しい。その点、王妃マーガレットの中嶋朋子が抜群でした。セリフが力強く明瞭。相当長い出番があったにも関わらず、一か所も噛んだりミスしたりしてなかったような。役柄的にもブレのない人物で、この人に縋っていると話を見失うことなく9時間の芝居が乗り切れる、という存在感。
 ヘンリー六世の浦井健司も、容姿とともに声が惰弱な役柄に合ってて気に入りました。
 ヨーク公の渡辺徹、ジャンヌ・ダルクと皇太子のソニン、サフォーク公の村井国夫、リチャードの岡本健一など、役者はそれぞれはまってて、いい配役でした。

 プログラムに演出・鵜山仁と劇団シェイクスピアシアター主宰・出口典雄の対談が載っています。『ヘンリー六世』三部作を上演した経験のある出口典雄が作品について語っている部分、戯曲を読んだ時の印象と重なるところが多く、興味深かったです。
 「『内面的に』なんてやる必要はない。スピードをもってやれば何とか成立する芝居」「まわりの貴族たちがすぐに意味もなく敵味方に分かれる。この『意味もなく』というのが大切」「シーンをつなげて考えない」「伏線からもってくる作り方をすると何か弱いものになってしまう」等々。
 出口典雄演出の『ヘンリー六世』も観てみたかったです。出口典雄が渋谷ジャン・ジャンで『ヘンリー六世』を初演したのは1981年4月だったそうで。ちょうど渋谷をウロチョロし始めた頃で、ジャン・ジャンの行列を見るたびに、この怪しい地下空間は何なんだろう?と訝しく思ってました。あの時あの空間に突入してたら、全く違う人生歩んでたかもしれないですねぇ。

 来年3月の 蜷川幸雄演出『ヘンリー六世』、観てみようかと思い始めました。観劇前は、一つ観ればお腹いっぱいでしょ、と思っていたのですが。
 観れば観るほど観たくなる。『リチャード三世』も観たいなぁ。

2009-11-22

国立劇場がこんな活動してた

 11月20日(金)
 午前中、前日から持ち越しの校正を仕上げて提出。溜ってるメールの返事を書いて。

 夕方から国立劇場へ。
 場内、櫛の歯が抜けたような空席が目立ちました。新型インフルの影響でしょうか。
 幕間のロビーで、日頃芝居に縁のなさそうな背広姿の男性が妙に多いと思ったら、国立劇場がこんな活動してたんですね。招待された患者さんや医療関係者だったのでしょう。

白血病とたたかう皆さんに團十郎丈の舞台をプレゼント!

 芝居の感想は こちら でどうぞ。

 帰りの地下鉄の中で『ヘンリー六世』読了。明日の観劇に滑り込みセーフ。

目の奥ズキズキ

 11月19日(木)
 朝から頭痛。でももう休む余裕がありません。

 午前中、早稲田大学の演劇博物館で調べ物。膨大な所蔵資料をきちんと整理して一般公開してくれてる、有り難い研究機関です。スタッフの方もとても親切。いつ行っても、いいな~、ここ、と思います。

 午後は一か月ぶりのくずし字セミナー。中国では、月にウサギとカエルがいて不老不死の仙薬を作ってる、なんて話を交えながら、楽しく2時間しゃべりました。
 いつの間にか頭痛治っちゃった、と思ったのはひと時の錯覚で、帰りの電車の中で頭というか目の奥がズキズキ。セミナーでしゃべってる間はテンション高いので、痛いとかしんどいとか吹っ飛んでるんですね。

 セミナー後メールチェックしたら、試行中の企画が本決まりになったという連絡が来てました。一年前から関わってきた仕事なので嬉しいですね。ほっとしました。これからが大変なのでしょうけれど。

 体調不良が目にくると読書もパソコン仕事もできず、今日〆切の校正も翌日に持ち越し。
 12時前に就寝。

あと3時間20分

 セント・オールバンズでヨーク公が勝利、ロンドンへ進撃したところで第二部終了、またご飯。

 やっと薔薇戦争が始まりました。
 まだ先は長いです。

2009-11-21

今日の時間割

今日の時間割

 『ヘンリー六世』9時間一挙上演の上演時間表です。
 
 ジャンヌダルクが処刑されたところで第一部終了、ご飯食べに行って来ました。

 舞台見てると、10日前に読んで、もう忘れてる場面がどんどん思い出されて面白いです。

今日の劇場

今日の劇場

 新国立劇場。ヘンリー六世、9時間です。

[歌舞伎]十一月国立劇場

 「大津絵道成寺」の舞台上、鳴物の中に友達がいました。知り合った時は会社員、前からやりたかったと小鼓を習い始め、会社を離れ、歌舞伎の鳴物の世界に身を投じた友人です。何年も前から本職として活動しているのは知っていたのですが、本公演の出囃子(舞台上での演奏)を見るのは今日が初めてでした。
 前半は役者の踊りそっちのけで、小鼓の彼にばかり目が行っちゃいました。立派に舞台を勤めてると確認出来て安心したら、後半は踊りに集中できました。
 がんばれ、へいちゃん、望月徹。




11月20日(金)16時30分
国立大劇場
3階11列41番

歌舞伎十八番の内「外郎売」
 団十郎の外郎売。早口言葉の面白さは今ひとつです。確実にていねいにやってます。実は曽我五郎の部分は、さすがそれらしくきれいに見せますね。
 芝雀の虎に立女形の貫禄が感じられたのと、市蔵の茶道珍斎の巧者ぶりが印象に残りました。
 ただ、弥十郎の工藤では芝居全体が弱いです。本人のせいでなく、今、工藤役者がいないんですよね。
 これから年末って時に正月狂言みせられて、体内季節感混乱中。

「傾城反魂香」土佐将監閑居の場
 通称「吃又」。途中うとうとしてしまったのですが、後半、土佐将監の言葉をおとくが通訳してるみたいに見えて、言葉はどもっても耳は聞こえてるでしょうに、と思ってしまいました。手助けがないと何ひとつ満足にできない子供のようで。
 逆に、藤十郎のおとくはしっかり者過ぎて、妻というより母みたい。鼓の音をきれいに出してたのは感心しました。

「大津絵道成寺」
 大津絵に描かれた人物が登場するという趣向で、常磐津・長唄掛合いの曲は「道成寺」がベース。藤娘なのか道成寺なのか、何だかちぐはぐな感じのする曲でした。ぼーっと見てる分には、鷹匠になったり座頭になったり、目先が変わって面白いです。振り出し笠で山尽くし踊るなんて、大胆な振付ですね~。
 藤十郎の踊りって、芝居の所作の連続なんですね。芝居が非常にうまいのでそれなりに見せてますが、身体の中に踊りがありません。

 市蔵の外方、とてもよかったです。元々地味ながらうまい脇の役者ですが、今月一段と光ってます。本当にうまい。

 最後は鐘入りから大津絵の鬼に変わって、亀鶴の弁慶と立回り、翫雀の矢の根五郎が押し戻し。本舞台で藤十郎の鬼が「大入」を書いて、二段(女形なのね)に上がって、幕。後ろで槍持奴が「山」の字を決めてました。
 何でもやりたい藤十郎らしい舞踊でした。

 終演後、劇場ロビーで買っちゃいました。小田原名物「お菓子のういらう」。

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今日の芝居

今日の芝居

 楽屋口にテレビカメラ来てました。

2009-11-20

[ミュージカル]あなたも泣いていますか?/당신도 울고 있나요?

 この公演、毎週火曜・水曜には聴覚障害者100名を招待して、手話通訳付きで上演していたそうです。初めて生の演劇を見たという人が多かったとか。
 聴覚に障害があっても、生の舞台、見てみたいって思う人はいますよね。外国語の舞台に字幕をつけるように、舞台の横に手話通訳をつけてくれれば理解できるのに、って思うでしょうね。そりゃそうだ。
 初めて気がつきました。最近の劇場、車椅子のお客さんは普通に見かけるようになってるのですけれど。




10月31日(土)19時
大学路・芸術マダン3館/대학로 예술마당 3관
3列45番(中央前寄り)
原案・台本:キム・ソンギョン/김선경
演出:チョ・ハンジュン/조한준
出演:キム・ソンギョン/김선경、チャン・ジュニ/장준휘

 主演のキム・ソンギョンの原案による創作物で「治癒(치유)ミュージカル」と銘打たれています。

 ソンギョンはラジオ番組「あなたも泣いていますか?」のDJ。放送を通じて視聴者たちの心の傷を癒すドクターでありたいと願っている。ソンギョンの元に寄せられる様々な事例は……。
 大人の男に魅かれて同年代の優しい彼を裏切り、結局男に捨てられた女子学生。
 結婚後すぐにオジサン・オバサン化して倦怠期を迎えてしまった夫婦。
 不倫が男の妻にばれ、男との別れを選ぶ女と女に縋る男。
 何をしても彼をつなぎ止めたい不器量な女とそんな女を金ヅルとしか見ていない男。
 傍目には幸せな結婚生活と見えるが、夫の束縛と暴力に苦しむ妻。
 息子に無償の愛を注ぎ田舎で独り暮らしをする母と母の愛に応えられない息子。

 DJ役のキム・ソンギョンが視聴者からのお便りを紹介するという形で、キム・ソンギョンとチャン・ジュニが様々な男女の愛の形を演じていきます。各エピソードは軽めのミュージカル仕立てで、キム・ソンギョンのソロナンバーで締めくくられるという構成。
 舞台は正面に大きな窓を見せて、その向こうがラジオ番組のスタジオ。舞台中央は何もない空間で、壁際に机、椅子、ボックスなどを置き、エピソードごとに必要なものを中央に持ち出して利用します。
 キム・ソンギョンは発声のテクニックにすぐれ、様々な女性を声で演じ分けていました。不倫のエピソードだけは、女、男、妻、の三人をキム・ソンギョンが一人で演じたのですが、男と妻の顔が分らないこの演出はなかなか効果的でした。ました。相手役のチャン・ジュニは芝居が達者で、どの役もリアル。トレーナー姿で寝転んでテレビを見ながらポリポリお腹を掻いてる夫に、愛する妻に暴力を奮ってしまう心の闇を抱えたエリート風の夫、10分ほどのエピソードでその人物の背景までを感じさせる芝居でした。

 やや残念だったのは、キム・ソンギョンの囁くようなセリフが劇場内の空調の雑音で聞き取りにくかったこと。韓国人には問題なく聞き取れる程度だったのかもしれませんが、キム・ソンギョンは声量の幅を広く使い、囁くようなセリフの効果を計算して演じていましたから、せっかくの技量が空調のせいで十分に生かせず、もったいないことでした。
 でも、暖房入れないわけにはいかなかったのでしょうねぇ……。

2009-11-19

歌舞伎会ゴールド会員

 11月18日(水)
 風邪がぶり返したのか体調不良で、外出の予定をすべてキャンセル。大学の講義も休講にしました。

 読書、くずし字セミナーの準備、シラバスの作成とデスクワーク続きです。この一週間ろくに出歩いてません。

 歌舞伎会から12月歌舞伎座のチケットが届きました。いつもなら観劇直前に購入するのですが、昼の部はクドカンこと宮藤官九郎の「大江戸りびんぐでっど」、夜の部は野田秀樹の「野田版鼠小僧」と人気劇作家競演の月ということで、早めに押えたもの。暮も押し詰まると慌しいですしね。

 同封の明細に「34回目の購入です」とあって、来年は歌舞伎会ゴールド会員です。年間28回以上の購入で翌年のゴールド会員の資格が得られますが、歌舞伎座に12ヵ月(毎月昼夜、8月は3部制)に通うだけで25回、他に新橋演舞場の歌舞伎公演もありますから、東京の歌舞伎好きなら楽々クリアできる条件です。
 私は韓国在住中は平会員、帰国後も他のルートでチケットを買うことが多くて特別会員止まりでした。初めてのゴールドです。でも来年4月に歌舞伎座が閉場しちゃうので、ゴールドのステータスが役に立つかどうか。

 夜、『ヘンリー六世』の続き。
 週末の連休は予定が立て込んでるので、早く体調回復させないと。

 午前1時就寝。

韓国演劇情報/09.11.18

 久しぶりの演劇情報、「受験」絡みの話題です。




受験票だけあれば大学路の人気公演が1000ウォン
 ニュースワイヤー 2009.11.15

 韓国では11月12日に修学能力試験が行われました。韓国の教育熱の象徴として日本でもすっかり有名になった、全国共通の大学入学試験です。
 原則的に韓国の大学入試は、この試験一発で合否が決まります。なので、この試験が終わると、受験生はそれまでの抑圧から一気に解放され、受験生活でたまったストレスの解消に走ります。

 そんな受験生たちに優れた公演芸術を体験する機会を提供しようという趣旨で、ソウル文化財団が大学路の演劇・ミュージカル公演を無料または1,000ウォンで見ることができる「受験生 Day-大学路公演招待イベント」を行うことにした、というのが記事の内容です。

 無料招待は『ライアー(Run for your wife)』『笑の大学』『Spring Awakening』『洗濯』の4作品。1,000ウォンぽっきりは『シングルズ』『老いた泥棒の話』など75作品。
 いずれもインターネットで応募して抽選となりますが、当選すれば同伴者1名OK。観劇日は11月27日。

 このイベントのための11,000席分の公演チケットの費用は、韓国の代表的なインターネットショッピングモールの一つである Gマーケット がスポンサーとして提供するそうです。

 修能試験が国民的関心事となってる韓国では、元々修能マーケティングと言うべき発想があります。受験が終わると、友達同士で映画を見に行ったり、家族揃ってレストランで外食したり、ショッピングに行ったりするのが一般的。それを狙って、受験票持参者は割引や特別サービスが受けられるというイベントがあちこちで行われるのです。

 ソウル文化財団のイベントは、そのような社会の雰囲気に乗りつつ、商業主義とは一線を画しているところが好感持てます。無料招待は大学路で上演中の公演からベストの作品を選んでますよね。企画が堂々とストレートな印象なのです。
 受験が終わった若者たちに公演チケットを提供することで、観客予備軍を劇場街・大学路へうまく招き込んでるわけで、将来の演劇ファンを育てる効果も期待できそうです。
 いろいろ羨ましいイベントです。

国内初の音楽フリースクール、ソウル国際音楽学校開校
 聯合ニュース報道資料 2009.11.17

 韓国初の音楽フリースクール(韓国語では「代案学校(대안학교)」、英語の「Alternative School」です)が2010年、ソウル市江南区水西洞に開校するというニュースです。

 この学校は、イタリア国立音楽院の教育システムと同一のカリキュラムで実技教育を行い、教養科目と外国語(英語・イタリア語)の授業も重視、国際コンクールやオーディションへの積極的参加、海外演奏公演などを通じて世界で活躍する音楽家を養成する教育システムを備えているとのこと。

 この記事をここで紹介するのにはちゃんと訳があります。専攻課程として、ピアノ、声楽、作曲、弦楽、管楽という伝統的なクラシック音楽のジャンルの他に、クラシックギターとミュージカルが記されているのです。

 イタリア国立音楽院のカリキュラムで、オペラでなくミュージカルって、どんな感じになるんでしょうね。来月4日に入学説明会が開催されるそうですが、ミュージカルブームの韓国、どのくらい人が集まるのでしょう。いずれこの学校から韓国を代表するミュージカルスターが誕生するのでしょうか。
 今後の成り行きに興味津々です。

2009-11-18

来年度のシラバス作成中

 11月17日(火)
 来年の仕事のスケジュールを組むのと並行して、「シラバス」と呼ばれる講義計画書を書いてます。今はどこの大学でも、事前に全開講科目のシラバスを公開し、学生はこれを見て受講科目を決める、というふうになっています。

 シラバスは、講義のテーマ、目的、内容、評価方法などを定められたフォームにまとめればよいだけなのですが、どうも私はこれが苦手です。こうやってブログなどを書いてて、文章書くのは嫌いじゃないはずなのに、シラバスは苦手。やたらと時間がかかってしまいます。

 どうしてだろう?と少し真剣に考えてみたら、半年近く先(場合によっては1年以上先)の講義内容を今の時点で固めて、半年後(1年後)その通りに講義をする、というのに抵抗があるのでした。
 だって、半年の間にはそれなりのインプットがあって、講義の内容も手法もブラッシュアップできるはずだから。今作ったシラバスは今の時点ではベストでも、半年後にはベストじゃないのが目に見えてしまってるから。
 一方、シラバスには学生との契約というような性格があって、程度問題ですが、シラバスから逸脱した講義をするわけには行きません。
 今担当している視聴覚資料を多用した体験型の講義では、両者の落とし所を自分の中で定め切れていないから、シラバス書くのが苦手なのね……。

 ちなみに、韓国の大学でもシラバスを書いてましたが、その時はそれほど苦労してませんでした。
 担当科目に知識の習得を目的とする講義が多く事前に講義内容を固めやすかった上に、シラバスの〆切が開講一か月前頃だったのです。シラバスは入力も閲覧も大学LAN内のウェブ上で行われるので、タイムラグがなく、シラバス提出締切→(翌日)シラバス公開→(1~2週間後)履修登録開始→(2~3週間後)開講、というスピーディーな展開。その時ベストと考えたことを迷わず書けて、楽しい仕事でもありました。

 と、くだくだ書いてたら、解決方法を一つ思いつきました。
 来年度のシラバス、あと3本書かないといけません。この解決方法ですっきり書けますように。

『ビューティフル・サンデイ』大学路で上演

 ちょこっとお知らせです。

 中谷まゆみ作『ビューティフル・サンデイ』がソウル・大学路の漢陽レパートリーシアターにて上演されます。2006年の韓国初演以来、観客動員数は延べ20,000人を超え、今や大学路(テハンノ)の人気作品の一つです。
 韓国の役者さんによる韓国語の舞台ですが、人物・場所などの設定を韓国向けに変えた以外は元の脚本を忠実に翻訳したホンになっています。
 生の舞台でもDVDでも、オリジナルの『ビューティフル・サンデイ』をご覧になってる方なら、十分に楽しめる舞台です。
 大学路で芝居を見てみたいなぁと思っていた方、この機会にぜひ大学路の小劇場演劇を体験してみて下さい。




ビューティフル・サンデイ/뷰티풀 선데이
作:中谷まゆみ
演出:チョ・ハンジュン/조한준
出演:チャン・ジュニ/장준휘、キムヨングァン/김영광、チョン・ソナ/정선아
製作:(株)ZERA、劇団漢陽レパートリー

日時:2009年11月24日(火)~2010年1月3日(日)
    平日8時/土・日3時、7時
    12月24日・31日5時、9時
    12月25日3時、6時、9時
    月曜・1月1日休演
場所:大学路・漢陽レパートリーシアター
    (대학로 한양레퍼토리 씨어터)
料金:30,000ウォン(全席指定)
  * プレビュー期間(11月24日~12月10日)50%割引

 インターパークチケットの公演情報は こちら。キャストの写真やポスター画像が見られます。

○チケットの入手について
* 当日会場で直接購入することが可能です。
* 当日券は開演1時間前頃から販売されます。(客席への入場は開演10分前からです。)
* 前売券売切の場合も当日券が出る予定です。

○漢陽レパートリーシアターへの行き方
1 地下鉄4号線「恵化(혜화)」駅1番出口を出てそのまま直進。
2 Mr.Pizza の手前を右折。
3 20~30m直進すると左側に劇場(地下1階)への入口があります。
* 劇場入口は、駐車場とバッティングセンターの手前、「源平」という日本料理店の向い側にあります。
* 現在劇場はリニューアル中で、この公演がリニューアルオープン作品となります。劇場の外観や目印は以前と変わっている可能性があります。

2009-11-17

王子様、病院へ行く

 11月16日(月)
 午前、我が家の王子様の太郎君と動物行院へ行きました。先月から鼻水とくしゃみがひどく、先々週の土曜に初診、今日が2度目の通院です。

 世間では、猫は医者や薬が嫌いで、医者へ連れて行くためのキャリーバッグを見ただけで大暴れする、とか、餌に混ぜて薬をやると薬はよけて餌だけをきれいに全部食べる、とかいう話をよく聞きます。
 我が家の王子様の太郎君はとても良い子なので、決してそんな真似はしません。キャリーバッグをひっぱり出すと興味津々で近寄ってくるし、抱っこしてバッグの中にいれればそのまま箱座りで落ち着きます。キャリーバッグは通院専用、これで何度も病院行ってます。
 薬は、固形なら餌の上に置き、液体なら餌の上からかけておけば、お行儀よくきれいに食べます。薬を掌にのせて「太郎君、これ食べようね~」と差し出したら、掌から直接食べちゃったこともあるくらい。
 太郎君、バカがつくほど素直な良い子なのです。

 推定年齢15歳。獣医さんに「もう長生きな方ですよ~」と言われました。家に来た時は幼猫だったのに、いつの間にか飼い主を追い越して、老爺猫になってるらしいです。
 王子様から王様に格上げしないといけないかな……。

 午後は読書、調べ物、原稿チェック。途中で問合せや依頼のメールや電話が来て、対応に追われました。前日の「おまけの一日」がどれほど貴重な時間だったか、改めて実感。

 『ヘンリー六世』は順調に進んでます。意外に読みやすいですね。
 王権をめぐる抗争の歴史物語なんて読んでると、太郎君はずっと王子様でいいや、と思ったり。

[歌舞伎]京乱噂鉤爪

 昨年に続く乱歩歌舞伎の第二弾『京乱噂鉤爪(きょうをみだすうわさのかぎづめ)』。初作『江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)』は江戸川乱歩の長編小説『人間豹』を脚色した舞台でした。第二作は、同じく人間豹・恩田乱学と明智小五郎を主人公とするオリジナルの物語です。




10月19日(月)12時
国立大劇場
3階12列33番
原案:市川染五郎
脚本:岩豪友樹子
演出:九代琴松(=松本幸四郎)
出演:松本幸四郎、市川染五郎、市川高麗蔵、中村翫雀、中村梅玉、他

 昨年10月『江戸宵闇妖鉤爪』の公演期間中に、第二弾の製作が発表されました。つまり、1年近い準備期間があったわけです。それでなぜ……。

 まず、物語にも人間関係にも奥行きがありません。筋書に主な登場人物が60~80字ほどで紹介されていますが、舞台上でもそれがすべて、という印象なのです。ある意味「分かりやすい」のですが、歌舞伎を初めて見る人にもよく分かる歌舞伎、が目指すべき「分かりやすさ」とは違う「分かりやすさ」です。

 また、舞台を見ていて、セリフのあちこちにひっかかります。
 例えば、第一幕・第一場「きはものや」で、妻のお勝が夫の甲兵衛に言うセリフ。「鏑木様は大のお得意様。これ以上ないっちゅう値段でお買い求めくだはるんやさかい……」。夫は店の主人なのですから、そんなこと百も承知なわけで、店を切り盛りする夫婦の会話として不自然です。もちろんこのセリフには観客への事情説明という役割があるのですが、それならそれでもう少し自然に聞かせる工夫がいくらでもできるはずなのに。
 同・第五場。明智小五郎のセリフ。かつて自分の師匠に言われた言葉をそのまま語る場面です。「お前は人形に己が魂を込めるのではなく、生身の人間の生き様に向き合い……」…… 「生き様」って、あのねぇ。幕末の京都の人形師のぼきゃぶらりーじゃないでしょう。
 同場、幕切れ。恩田と明智が相対する緊迫した場での恩田のセリフ。「黙れ!明智。お前も、何もかもお見通しの自惚れ屋の一人だな」……「何もかもお見通し」なら自惚れるのも当たり前では?って舞台見ながら突っ込んじゃいました。言いたいことはわかります。「自分は何もかもお見通しと自惚れてる手合いの一人だな、お前も」ってことですよね。それを「何もかもお見通しの自惚れ屋」って、恩田乱学の頭が混乱してるふうに見えるんですけど……。

 この手の不自然なセリフ、実は第一作の時にも気になって、台本買って確かめようとしたのですが、売り切れで手に入らなかった のです。今回も舞台を見てたらやっぱり気になり、つい台本買っちゃいました。

 で、最初の話に戻るのですが、準備期間が1年近くあって、台本のセリフが練れてないというのは如何なものかと。稽古期間もそこそこあったでしょうに、このセリフに誰も違和感感じなかったんでしょうか。

 翫雀、梅玉はそれぞれニンに合った役どころだし、衣装や美術は頑張ってるし、もったいないなぁ~と感じた舞台でした。

2009-11-16

おまけの一日

 11月15日(日)
 朝から夜の打ち上げまでマスターズ水泳を予定していたので、突然丸一日のスケジュールが空白に。
 結局、読書したり校正したり、いつもとやってることは同じなのですが、ボーナスで貰った時間という感じで、ゆったりと本が読めて心地よかったです。

 こういう日は特に書き留めるべきこともなく。

開演前の出来事@ファソン

 当初、『タンポポ、風になって』のレビュー のマクラにするつもりで書いた文章なのですが、あまりに長過ぎなので、別記事として書き改めました。

 ファソンアートホールにて、『タンポポ、風になって』の開演前に行われた前説での出来事です。

 韓国の演劇公演では大抵、劇場や劇団のスタッフさんによる前説があります。
「携帯の電源は切って下さいね」
「公演中の録画録音は禁止ですよ」
「客席での飲食も禁止です」
 この3つの注意事項を観客に伝え、開演前に客席を「温める」のが前説の役目です。お客さんの注目を集め、コミュニケーションを取らないといけないので、劇団の公演では新人団員が腕を磨く場になっていたりします。これは日本も同じですね。
 もっとも、客席数が1,000を超えるような大きな劇場では、場内アナウンスが入るのが普通です。これも日本と同じ。

 さて、ファソンアートホールは720席という広めのホールでしたが、スタッフによる前説がありました。
 まず、注意事項は、上記3つの定番に、

「上演中、舞台上の俳優さんに話しかけないで下さいね」

というのが加わるスペシャルバージョンでした。う~ん、さすが地方公演です。

 伝統的な韓国の演劇では、お客さんが演者に話しかけるのは当たり前、これをいかに芝居に取り込んで面白く話を進めていくかが演者の腕の見せどころだったりします。長年こうした文化的慣習に馴れ親しんできたおじいちゃん、おばあちゃんは、近現代劇の舞台であっても、演技している俳優さんに話しかけちゃうことがあるのです。演者が当然応えてくれるものと信じ切って。
 この注意事項、前にも一度、前説で聞いたことがあります。思わず笑っちゃいました。あれは、どこの劇場だったか。

 続いて、観客へのプレゼントがありました。これも韓国の劇場でよく行われるミニ・イベントです。前説のスタッフさんが簡単なクイズを出題し、一番早く大きな声で指定の言葉を叫んで手を挙げた人が解答権を獲得、クイズに正解すればプレゼントを貰えます。
 指定の言葉というのは、公演の題名や内容に関連した単語をスタッフさんが指定します。今回は「タンポポ」でした。また、プレゼントの品は、公演によっていろいろですが、原作の小説本やファミリーレストランの食事券などが多いです。

 ファソンでのクイズ、実際はこんな具合でした。

「僕はある芸能人に似ているとよく言われます。その芸能人は誰でしょう?」
「タンポポ!」
「タンポポ!!」
「タンポポー!」
「では一番早かったそちらの男の方、答をどうぞ」
「チャン・ドンゴン!」
「正解です!!」

 会場内の全員が大笑い。楽しいクイズでした。
 「正解者」へのプレゼントは、『タンポポ、風になって』の公演プログラム。もう売ってないので、貴重な品です。羨ましい~。

 客席はすっかり温まり、和やかな雰囲気の中、開演を待つばかりとなったのでした。

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2009-11-15

マスターズ水泳欠場

 11月14日(土)
 蟄居三日目。代わり映えなく読書と校正。体調も相変わらず。

 実は15日がマスターズ水泳の試合でした。できれば出場したくてぎりぎりまで様子見してたのですが、今の体調でレースは無理そう。残念ながら棄権することに決めて、幹事さんに連絡しました。迷惑掛けて申し訳なし。
 そこそこ長い水泳人生で、体調不良のため試合を欠場というのは初めてです。情けないなぁ。もっとも、レース直前に試合会場で怪我をして棄権、という経験が高校の時に一度だけあるのですけれど。これは、情けないのを通り越して「バカ」でした。
 大学時代には、水泳部の後輩たちが体調崩して試合を欠場したりしたら、日頃の健康管理がなってないと説教してた鬼コーチだったことを思い返すと、ホント、何やってんだか、です。

 『ヘンリー六世』継続読書中。観劇日までに読み終わるか微妙なペースです。
 薬に慣れてきたのか、睡眠不足が解消されたのか、夜が更けても眠くならず、午前3時就寝。元の黙阿弥。

[演劇]タンポポ、風になって/민들레 바람되어

 ソウルから1時間半、地下鉄を乗り継いで着いた所は「ビョンジョム(병점)」駅。漢字表記は「餅店」。もしかしてお餅屋さんがあるのかもと、駅前をキョロキョロ探してみましたけれど、そんな気配は微塵もありませんでした。なぁんだ。
 チケット予約時に教わった通り、2番出口を出て、駅を背に左方向へ道沿いに歩くこと3分。ファソン(華城)アートホールに到着です。
 早速入ろうとすると、建物の入口で体調チェックが行われていました。新種プル(신종풀、新型インフルエンザのことです)の感染者が毎日9,000人ずつ増えてるという韓国、何と、入場者全員に対して耳での検温です。
 えーっ! ここまで来て、入場拒否される可能性アリってこと? そんなぁ~。
 幸い入場を認められ、ボックスオフィスの列に並べば、私の順番が来る前に「かっとあちゅこ씨、맞죠?(かとうあつこさんでしょ?)」と何故か正体を見破られ、電話予約したチケットを受け取ることができました。
 ソウルを離れてはるばる来るのも、これはこれで楽しい経験です。




11月1日(日)15時
ユーエンアイセンター・ファソンアートホール/유엔아이센터 화성아트홀
R席 1階A区域47番(前方下手ブロック)
作:パク・ジュングン/박춘근
演出:キム・ナギョン/김낙형
出演:チョ・ジェヒョン/조재현、イ・ジハ/이지하、キム・サンギュ/감상규、ファン・ヨンヒ/황영희

Tampopo

 一人の娘を残して先だった妻(イ・ジハ)の墓を人生の節目ごとに訪れる夫(チョ・ジェヒョン)。夫は妻の墓に向かってその時々の生活や自身の想いを語りかけ、亡霊となった妻も夫に様々な話をする。次第に二人は結婚生活の中で言えなかったことを話し始め、それぞれの秘密や誤解が明らかになるとともに、互いを理解するようになっていく。
 人生は、自分の意図とは違ったふうに形作られてしまい、望んでいたのとは違う方向へ進んでしまう。こんな風に生きたかったわけではないのに。心の中ではもっと優しくしてあげたいと思っていた。本当はあなたを愛していた。

 妻が好きだった一面のタンポポの野原。客席がその野原に見たてられているため、観客は自分が一輪のタンポポになったような気分で夫婦の会話を聞くことになります。
 死んだ妻を忘れられず、娘との関係に悩み、妻を愛するがゆえに憎みもする夫。チョ・ジェヒョンが演じる夫は20代から60代まで。チョ・ジェヒョンの独白を聞きながら、ある夫婦の人生を見つめ続け、夫婦の縁というものを考えさせられた舞台でした。

 大学路の演劇熱戦2での上演時に見られなくて残念に思っていましたが、日頃演劇に縁のなさそうな年配のご夫婦が客席の大半を占めた地方公演でこの芝居を見られたのは幸運だったかもしれません。これもまた縁なのでしょう。

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[演劇]グッド・ドクター/굿닥터

 演出のイ・デヨン(이대영)、以前、舞台を拝見したことがあります。A.R.ガーニー作『LOVE LETTERS』のアンディ役。素晴らしいアンディでした。そのイ・デヨンの演出と聞いて、楽しみに足を運んだ公演、期待通りの出来でした。




10月31日(土)15時
大学路・ソルチ劇場チョンミソ/설치극장 정미소
5列6番(5列中央)
原作:ニール・サイモン
翻訳:パク・ジュニョン/박준용
演出:イ・デヨン/이대영
出演:パク・イジュン/박이준、イ・ヨングァン/이영광、チョン・アミ/정아미、チョン・ジョンフン/전정훈、パク・ミニョン/박민영、ファン・スノン/황순홍

 『グッド・ドクター』は、二ール・サイモンがチェーホフの短編小説を戯曲化した作品で、大学路ではよく上演される人気作品の一つです。今回の公演は、『グッド・ドクター』から7つのエピソードを選んで構成した舞台になってました。

「プロローグ」 狂言回しである「作家」(チョン・ジョンフン)が登場、創作の困難を語りつつ、芝居へ導入。
「くしゃみ」 妻と観劇に行った小心者の下級公務員イワン(ファン・スノン)は、偶然前の席にいた上司(パク・イジュン)の頭にくしゃみをして唾を飛ばしてしまう。イワンはこの失態を取り戻そうと努力するが、すればするほどドツボに嵌り……。
「略奪」 人の女を略奪することに天才的な才能を持った男(チョン・ジョンフン)は、友人を利用して友人の妻(パク・ミニョン)を誘惑する。妻は次第に男を本気で愛するようになるが……。
「遅れた幸せ」 公園で出会った二人の老男女(イ・ヨングァン、チョン・アミ)。互いに好意を抱きながらそれを口に出せず、相手への思いをただ心の内だけで語るばかり……。
「寄る辺なき境遇」 痛風に悩む銀行支配人(チョン・ジョンフン)の所へ、一人の老婆(チョン・アミ)がやって来て、銀行業務とは無関係に頼りなき自身の境遇を訴え続ける。老婆の一挙一動に支配人の痛風の苦痛は増すばかり……。
「銃声のない戦争」 平和な公園で、毎週火曜午後3時、それぞれ陸軍・海軍出身の二人の老いた退役兵(パク・イジュン、イ・ヨングァン)が、あらゆることで意見を異にし、論争を繰り広げる……
「バースデープレゼント」 「作家」自身の19歳の時の体験として語られるエピソード。息子(ファン・スノン)の19歳の誕生日に父(チョン・ジョンフン)は女性体験をプレゼントしようと、嫌がる息子を説得して夜の街の女(パク・ミニョン)に金を渡すが……。

 どのエピソードも、日常にありそうな些細な局面を針小棒大に取り上げて戯画化してみせたものです。
 「略奪」では、男の策にはまって夢中になっていく妻の様子が手に取るように見えます。こういう女性、いかにもいそう。
 「寄る辺なき境遇」では、相手の状況に頓着せず自分の「寄る辺なき境遇」を愚痴り続ける老婆によって、支配人が「寄る辺なき境遇」に追いやられてのたうち回るのが、傍で見る目には気の毒やら可笑しいやら。
 「遅れた幸せ」の男女二人は、ベンチに並んで座り、まっすぐ前を見つめたまま、現実では淡々と言葉を交わし、内心の想いをミュージカル風に歌います。真面目くさった顔とはうらはらに、メロディに乗って吐露される相手への仄かな好意。笑っちゃいました。
 「銃声のない戦争」で論争のテーマとなるのは「理想の昼食」。食前酒からデザートに至るまで、二人の意見はことごとく対立し、激しい論戦が繰り広げられます。週に一度の論戦が人生最大の生きがいになっているかのように。二人の退役兵の「今」の生きがいと虚しさを感じられるエピソードでした。

 全体に、役者の年齢層が高めで、落ち着いた大人の芝居です。それぞれの役を丁寧に演じることで、人間や日常の中に潜む可笑しみがにじみ出てくるような舞台になってました。
 ダブルキャストで、今回チョン・ジョンフンが演じた役をタレント・MCのチョン・ジェファン(정재환)が演じた回もあり、できればこちらも見てみたかったです。


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 [演劇]ラブレター/러브레터

2009-11-14

バーチャル農業で身体酷使?

 11月13日(金)
 薬のお陰で風邪の症状は治まってます。
 例によって、読書と校正。それに、来年の仕事の年間計画作成に取り組んでました。

 元々引き籠り系の仕事が多いので風邪で蟄居するのは全然構わないのですが、このところ右腕が痛くて、パソコン仕事に支障が出つつあります。いわゆるパソコン・エルボーかなぁと。それとも腱鞘炎かな? 今のところ関節痛ではないので……。

 PCを使ってる時間は長いので、テニス肘ならぬパソコン肘や腱鞘炎になってもおかしくはない状況です。でも、痛みが出たのがソウル旅行の直後だったというのが不思議。旅行中は毎日出歩いてましたから、PCに触れる時間はごく短くて、腕の負担は軽減・回復していた時期のはずなのですけれど。
 なのに、このタイミングって、なぜ?

 発症のタイミングを別にすれば、直接の原因として唯一思い当たるのは、mixiの「サンシャイン牧場」です。基本的にPCゲームはしないので、1ヵ月以上も継続して毎日のようにゲームするなんて初めての経験。しかも、日頃は文字入力メインの私、ノートPCのタッチパッドをこれほど集中的に多用したのも多分初めて。
 PCゲームで速攻連打し過ぎて腱鞘炎、って時々聞きますけど、もしかして私もそれにはまっちゃったんでしょうか。
 バーチャルな農場・牧場で、それも一日1時間足らずの作業で、身体壊すなんてアリ?

 本当の原因は分かりませんが、いずれにせよ、「サンシャイン牧場」はペースダウンする予定。
 また、他の mixiアプリへお誘い下さってる皆さま、ありがとうございます。当面の参加は「健康上の理由」でとても無理そうです。残念ながら。

 夜、『ヘンリー六世』を読み継ぐものの、風邪薬のせいか、修辞に富んだ罵り合いゼリフのせいか、すぐに眠くなって午前1時就寝。

ソウルメトロから切符が消えた

 日々変わっていくソウル、今回の旅行で一番驚いたのは地下鉄の切符がなくなっていたことです。
 切符がなかったらどうやって地下鉄に乗るの?って思いますよね。これで乗ります。

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 一回用交通カード(1회용 교통카드)です。

 この一回用交通カード、自販機で行き先を指定して買うのですが、デポジット(保証金、보증금)500ウォンを取られます。つまり運賃が1,000ウォンなら、デポジット500ウォンを加えて1,500ウォン払わないと買えません。到着駅で改札を出た後、デポジット返金機にカードを投入すると、チャリンと500ウォンが戻ってきます。
 上の写真のカードが傷だらけなのは、繰り返し使われているからです。

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 デポジット返金機の横にはこんな立て看板が。「一回用交通カードを返却して 保証金500ウォンを返してもらって下さい」 こんな表示があるところを見ると、まだ始まったばかりのシステムのようです。上部に「1234幸福列車」とあるので、1~4号線だけに導入されているのかもしれません。ソウルの地下鉄は管轄が二つに分かれていて、1~4号線は ソウルメトロ(서울메트로)、5~8号線は ソウル特別市都市鉄道公社(서울특별시도시철도공사)の管轄です。

 元々ソウルの地下鉄は、交通カード、さらにはTマネーが普及していて、首都圏の住人で乗車の度に切符を買う人などいない、と言っても過言ではありません。交通カードやTマネーなら1回100ウォンの割引運賃になりますし。
 それでもこれまでは、地方から上京した人や日頃滅多に地下鉄に乗らない人など、毎回切符を買う人たちのために切符の自販機と有人窓口がありました。
 それがいつの間にかすべて廃止。切符の自販機はもちろん、有人窓口もすべて閉じられてます。さすが韓国、やることが大胆です。

 私は元々Tマネーを使っているのですが、旅行初日うっかり宿に置き忘れて外出してしまい、一回用交通カードを利用する羽目になりました。お陰でこんな記事のネタを拾えたわけですけど。
 次の日、機械で自分のTマネーカードにチャージしていたら、見知らぬおばさんたちに話しかけられました。「切符はどこで買えばいいんでしょう?」
 日本人観光旅行客の私に聞かれてもねぇ、って普通は思うとこなんだけどねぇ、と内心思いつつ、「ここで『一回用』のカードを買って下さい」と説明してあげました。

 年配の人を中心に大混乱を巻き起こしていると思われる切符の廃止。一方ではこんな設備更新が行われてました。改札の機械がスリムでスケルトン。

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 さすが韓国、やることが大胆。
 あれ? ソウルの自動改札ってソニーが入ってるんでしたっけ? It's a SONY?

[演劇]笑の大学/웃음의 대학

 このレビューを書いてる途中で、日本の舞台のDVDを見てみました。何度見ても面白いですね~。すっかり楽しんでしまいました。
 同時に、日本版と韓国版の違いも改めていろいろ気がつきました。この記事の後半では日本版との違いについて書いてます。ある種のネタバレですので、実際にソウルで舞台を見るまで知りたくない、という方は途中(「さて」の所)で読むのを止めて下さいね。
 また、最後にプレスコール時の動画をリンクしました。これも見たい方だけどうぞ。




11月1日(日)19時
大学路・文化空間イダ1館/문화공간 이다 1관
2階C列68番(2階後方下手寄り)
作:三谷幸喜
翻訳:キム・テヒ/김태희
演出:イ・ヘジェ/이해제
製作:ク・ボングァン/구본관
出演:ソン・ヨンチャン/송영창、ポン・テギュ/봉태규

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 面白かった~。韓国初演時にも見てるのですが、その時より緊密な舞台になっていました。お客さんの反応も最初から最後までとてもよかったです。ちなみに上の「今日の出演陣(오늘의 출연진)」の写真、この角度でしか撮れなかったのです。他意はありません。この後読んでもらえば分かります。

 作家役のポン・テギュ、映画ではすでにかなりのキャリアを積んでる俳優ですが、演劇は初挑戦。これが素晴らしい出来でした。笑いを創造するという自分の仕事に真摯な若手劇作家という役を見事に自分のものにして演じてます。検閲官にたこ焼きやらカラスの巣箱やら差し出して何とか良い関係を築こうとする努力や、劇団の座長を立てて脚本を書いている苦労に、自然と共感できるのです。これは、実年齢29歳(81年生)、初の演劇舞台というポン・テギュ本人の若々しさ、初々しさによるところもあるのでしょう。
 最後に召集令状が来たと告げる場面が、しみじみと切なかったです。

 検閲官のソン・ヨンチャン。こちらはもう言うことなしです。映画でも活躍してますが、この人の真価は生の舞台にあるとつくづく思いました。身体が切れて、セリフは流暢、ゆえに演技の間が抜群。見ているだけで楽しくなっちゃう役者さんで、今回も持ち味十分に発揮してました。警官役(名前はオオガワラでなくナカムラ)で上手下手と走り回る場面、誰がやってもそれなりに面白いでしょうが、ソン・ヨンチャンの場合、身体の動きやポーズで笑えるのが最高。この人のために書かれた場面かと思えるほどです。

 さて、韓国語版「笑の大学」、元の台本をかなり忠実に韓国語翻訳してますが、部分的には翻案されたり省略されたりしてます。
 そもそも「貫一お宮」が韓国人には通じないわけで、代わりに「ロミオとジュリエット」にハムレットが登場するという珍妙な話になってます。喜劇や恋愛物はダメだけど、悲劇や復讐物はOKという理屈。
 「お国のために」というセリフを入れろ、という検閲官の注文は、「天皇陛下万歳(천황폐하만세)」を3回入れろ、に変わってます。この無理難題に対して、作家は「天皇陛下万歳」という名前の馬を登場させて対抗します。ポン・テギュが修正した台本を演じてみせるのですが、その動作と間合いが抜群。
 「誰か馬を準備してくれ」「天皇陛下万歳、天皇陛下万歳」「天皇陛下万歳、さぁ、出発だ!」
 この瞬間「馬の名前かよ!」って分かって、客席爆笑。ちゃんと演技で笑わせてくれるところが嬉しいです。ポン・テギュ、こんなにうまいとは。芝居の方はさらに、検閲官が馬の名前が長過ぎると指摘すると、作家はすかさず「天皇」「陛下」「万歳」と3頭の馬を登場させる始末で、これまた大爆笑でした。この翻案アイディア秀逸。
 他の小ネタでは、今川焼はたこ焼きに、カラスの武蔵はただの「カラス」になってます。また、座長の持ちネタ「猿股失敬」と座布団回しは、「差し歯が落ちる」「剣を飲む曲芸」と設定されてます。このネタが面白くないことは作家も承知しているけれど、座長が気分よく演じてくれれば芝居全体が良くなるのだ、という流れは同じ。

 舞台装置、日本版と上下が逆です。上手側に作家が出入するドアがあり、テーブルを挟んで、下手に検閲官、上手に作家が座ります。下手側には階段があって、検閲官が階段から登場することも。特に、検閲官の最初の登場が階段を上から下りてくるというのは、冒頭の両者の立場を象徴していて、面白い演出だと思いました。
 また、上手ドアの外の廊下が透けて見えるようなセットが組まれていて、一度だけ、作家・椿と別の作家らしき人物とがすれ違うシーンがあります。椿と同様に検閲に悩まされている劇作家が他に何人もいることを想像させる場面で、これも「ほぉ~」という演出でした。

 全体として、小ネタのギャグが日本版ほど効かない分、芝居の流れに集中できる舞台になってると思いました。役者の演技力を堪能できた幸せな1時間45分でした。

 最後に、お待たせしました、韓国版の映像です。2分21秒。検閲官アン・ソクファン、作家ポン・テギュ。何と「天皇陛下万歳」の件です。何度見ても笑っちゃう~。本番のポン・テギュの演技は、この時よりさらに磨きがかかってました。

韓国版「笑の大学」プレスコール映像
��初めに15秒の広告映像が入ります。動画がスタートしない場合はリロードしてみて下さい。)

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 演劇熱戦2の余韻

2009-11-13

体調不良の特効薬@韓国

 お陰さまで薬が効いたのか、風邪は快方に向かってます。

 さて、これから年末年始に向けて、「ソウルへ行きます!」という方、多いようです。
 忙しいスケジュールをやりくりしての韓国旅行、疲れがたまってたり、風邪気味だったり、滞在中の体調が今ひとつということもよくある話。

 そこで、体調回復の特効薬をご紹介。サンファ(쌍화)ドリンクです。
 効き目あります。1本1,000ウォン程度、コンビニで買えるお手軽ドリンクなのに、初期の風邪ならこれで治ってしまうくらい。今回のソウル旅行でも、毎日1本飲んでました。韓国で暮らしていた時は、薬局で箱買いして自宅に常備してました。

Ssangfa

 今、ソウルのコンビニで売ってるのは、ほとんどコレです。クァンドン製薬(광동제약)のチンサンファ(真쌍화)。
 漢方材料のドリンクで、コンビニのホットドリンクのケース内にあります。本来の「サンファタン(쌍화탕)」は、漢方薬を煮出したお茶で、伝統茶のお店のメニューには必ずあります。

 すでに東京の真冬並みに寒いソウル。「何か風邪っぽい」と思ったら、迷わずコンビニでサンファドリンク1本、です。

風邪ひきました

 11月12日(木)
 朝起きたら熱っぽくて身体がだるく、体温測ったら37.3度。朝イチで病院へ行きました。
 が、インフルエンザの検査をしてもまだ反応が出ないだろうとのことで、総合感冒薬を出してもらって帰宅。今後熱が上がったら再受診します。

 念のため、今日のくずし字の講座はお休みに。会場の都合などで休みが続いてるので、できればやりたかったのですけれど、午後になっても体調回復せず、休講にしてもらえて助かりました。
 新型インフルエンザじゃないとしても、今の流行状況で、明らかに風邪の兆候を見せてる先生の講義なんて不安ですよね。

 そんなわけで、今日明日は蟄居生活です。あれ?いつもと同じ引き籠り?

河回村別神クッ仮面戯

 11月11日(水)
 午後から授業。今日のテーマは韓国の仮面劇・仮面戯(탈춤、탈놀이)。朝鮮半島の歴史、伝統芸能の現状、仮面劇について概説した上で、河回別神クッ仮面戯(하회별신굿탈놀이)の映像を見ました。これは慶尚北道安東市の河回村(ハフェマウル、하회마을)で祭祀として行われてきた行事で、現在では真冬を除く時期の週末、仮面劇の部分の観光客向け公演が行われています。

 私も韓国生活の最初の年、河回マウルで公演を見物しました。韓国在住時のHPに記事がありますので、興味のある方は「ななの本棚」(2000年9月30日記事)をどうぞ。

 授業で学生と一緒に映像見てたらとても懐かしくなってきて、また河回マウル行きたいな~と思いました。韓国の田舎、楽しいんですよねぇ。

 映像は こちら で少しだけ見られます。ごく一部ですが、仮面劇の雰囲気は感じられると思います。第六場、両班(양반、高麗・朝鮮時代の支配階級)とソンビ(선비、無位無官の儒学者)がお互い家柄や教養を自慢しようとして逆に無知を披露しちゃってる、笑える場面です。

 夜、プールへ行くつもりが、何となく気が乗らず、早めに就寝。

2009-11-12

一挙公開!ソウルB級グルメ

 「ソウルではどんなところでご飯食べるんですか?」とよく聞かれるんですけど、特に決まった所はありません。街中ぶらぶらして、お腹空いた時に食べたい物を出してるお店にふらっと入ることが多いです。大学路(대학로)や鍾路(종로)では屋台の軽食で食事済ませてしまったり。

 実際こんなもん食べてます。ってことで、今回のソウル旅行中に食べたものを一挙公開。見事にB級グルメ系ですね~。

・モドゥントッポッキ(모든 떡볶이)

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 メニュー名を訳せば、「トッポッキ何でも入り」です。辛いたれで炒めたお餅に、玉子(계란:ゆで卵半分)・キムパプ(김밥:沢庵の細巻きでした)・天ぷら(튀김:餃子の皮に春雨?入れて揚げたものでした)が入ってます。「何でも」が見えるようにお餅をフォークでかきわけたので、あちこち汚しちゃってますね。すみません……。
 大学路の南はずれ、芸術マダン(예술마당)という劇場近くの小さな粉食屋(분식집)さんで食べました。味は普通ですが、この写真が一人分1,000ウォン。今のレートなら75円!メチャクチャ安い!!

 トッポッキは女子高生がおやつによく食べてますが、米粉のお餅でお腹にもたれないのです。プレシアター・ディナー(?)の定番です。

・サムギョプサル(삼겹살)

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 「韓国来たら、サムギョプサル食べないと」と連れてかれました。締めの冷麺(물냉면)がすごく美味しかったです。サムギョプサルをたらふく食べてしまってて(美味しかった!)、ちょっとしか食べられなかったのが残念。今度は冷麺目当てに行きたいです。奢りだったので価格不明。高い店ではないでしょう。
 場所は大学路のどこか。並びに「テンジャン芸術(된장예술)」があったような記憶がありますが、店名は……???

 ちなみに、肉を切ってくれてるのは韓国人の若手俳優さんです。全部お任せ。

・チャンポン(짬뽕)

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 大学路の「香港飯店(홍콩반점)」のチャンポンです。海鮮の出汁がきいてて、野菜たっぷりで美味しかった~。これで3,500ウォンは嬉しいなぁ。あ、このお店は先払い(선불)です。
 メニューはチャンポン、チャンポンライス(짬뽕밥)、炒めチャンポン(볶음짬뽕)とチャンポン・オンパレード。チャンポン以外のオプションメニューは、酢豚(탕수육)、揚げ餃子(군만두)だけ。チャンポン専門店なのです。
 恵化(회화)駅4番出口から横道入ってすぐ左、1階がアディダスの建物の2階です。新しくてきれいなお店。

 チャンポンは「中華(중식=中食)」の範疇に入るので、美味しいお店を探すのが結構大変。このお店は大当たりでした。
 次回はチャジャンミョン(자짱면)の美味しいお店に当たりたいものです。

・コドゥンゴクイ(고등어구이)

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 鯖(고등어)の塩焼き定食です。塩加減、焼き具合、絶妙。美味しかった~。ご飯が軟らかいなぁと思いましたが、食べてるうちに蒸気が抜けて程よくなりました。もっと早く蓋取ればよかった。6,000ウォン。
  鍾路3街(종로3가)ソウル劇場の裏にある小さな食堂です。焼き魚は、さんま(꽁치)、まぐろ(참치)、いしもち(굴비)がありました。
 狭い路地に「チョンジュ(전주、多分「全州」)食堂」と「ハニル(한일、多分「韓一」)食堂」とが並んでます。「全州食堂」の方が美味しそうな気がして、そっちに入っちゃいました。実際には大差ないと思うのですけれど。

 かのピマッコル(피맛골)が昔の面影を失った現在、この手の路地裏食堂、貴重です。

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